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さわこさんと、緑のつーん
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バテア青空市の対応が終了した私は、だるまストーブを居酒屋さわこさんの中へ移動させています。
「さわこ、台車はまかせて!」
そう言って、エンジェさんが台車を押してくれています。
朝一のエンジェさんは、いつも元気満々です。
人の姿になれたのが、今も嬉しくて仕方がない様子のエンジェさんは何をするにしても全力であたってくださっています。
それはそれでとてもありがたいことなのですが……そのため、いつもお店が始まる頃には疲れ切って眠ってしまっているんです。
……それはエンジェさんが全てのことに一生懸命だからこそなわけですし、ある意味仕方がないことなのですが……それでも、エンジェさんは
『早くさわこのお店のお手伝いを閉店まで出来るようになりたいわ!』
毎日のようのにそう言ってくださっているわけですし……なかなか難しいところでございます。
でも
私といたしましては、この元気いっぱいなエンジェさんと一緒にあれこれするのが大好きなんです。
エンジェさんの笑顔と、その元気いっぱいの行動のおかげで、私も元気を頂けていると申しますか私まで元気になれていますので。
「エンジェさん、無理し過ぎないでくださいね」
「問題ないわさわこ! まかせて」
満面笑顔のエンジェさんは、私にそう言いながら居酒屋さわこさんへ入っていきました。
その後を、私もついていきます。
お店の中に、だるまストーブを降ろした私とエンジェさんは、さっそく火をともしていきます。
お店の中は、温度調節魔石が設置されていますので寒くはないのですが……やはり、だるまストーブがあるとないでは、気の持ちようと申しますか、全然違うわけです。
だるまストーブの中に火が灯り、その周囲の空気が暖かくなってきました。
「ふぅ、これで一息つけましたね、エンジェさん」
「そうねさわこ、あったかいわね」
私とエンジェさんは、しばらくだるまストーブの前に立って、手をかざしておりました。
人心地ついた私は、早速厨房に移動していきました。
今夜も忘年会の予約が入っておりますので、その仕込みを行わないといけません。
昨日、辺境都市ナカンコンベにございますおもてなし商会でいいお魚をたくさん仕入れることが出来ましたので、今夜は寄せ鍋と一緒にお刺身もお出ししてみようかな、と、思っております。
おもてなし商会のファラさんから、お刺身で食べる事が出来るお魚をしっかり教えていただいておりますので、調理に関しては問題ございません。
「……ただ、ファラさん……『次はこうはいかないからね』って言われていましたけど……あれはどういう意味だったのでしょう?」
代金をお支払いさせていただいた際に、ファラさんが何やら悔しそうな表情をなさっていたような気がしないでもないのですが……きっと気のせいですよね。
さて……
私は、鯛に似たお魚……タルイを魔法袋の中から取り出すと、早速調理を開始していきました。
鱗を丁寧にそぎ落とし、包丁をいれて降ろしていきます。
おろした身に、刺身包丁を入れ、均等な太さに切り分けます。
先に作っておりました大根もどきのお野菜、ダルイコンのツマをのせているお皿の上に、切り分けた身をのせていきまして……
「……うん、こんなもんかな」
私は、盛り付け終わったお刺身のお皿を見つめながら、頷きました。
あとはこれに紫蘇の葉っぱをのせて、おろしたわさびを加えてお出しすることにします。
わさびは、もみじの形に飾り切りした人参もどきなお野菜、ニルンジーンの上にのせます。
これで、彩りもよくなりますしね。
「うにゃあ!?」
盛り付けをしていると、厨房の脇からベルの悲鳴にも似た声があがりました。
「さーちゃん!? この緑の、なんかツーンとするにゃ!?」
ベルはそう言いながら、私が魔法袋から取り出した、すりおろしたわさびがのっている小皿を指さしています。
「……もう、ベルったら……つまみぐいしたんですね? これはわさびといって、鼻につーんとくる、辛いものですよ」
私は、苦笑しながらそう言うと、わさびをタルイのお刺身の上に少量のせました。
それを、刺身醤油を入れたお皿に少しつけて、
「さ、ベル。あ~ん」
「うにゃ!? でも、さーちゃん……それ、さっきの緑のがのってるニャ……」
「大丈夫ですよ、こうして食べればそんなに辛くありませんから、ほら」
「うにゅう……さーちゃんがそう言うのなら……」
ベルは、おそるおそるといった感じで口をあけていきます。
先ほどの衝撃が忘れられないらしく、その口は全開にはいたっておりません。
……そういえば、小さい頃の私も、母さんが準備していたわさびをつまみ食いして、今のベルみたいになっていたのよね
私は、昔のことを思い出しながら、思わず苦笑を浮かべておりました。
……確か、あのときも、母さんはこうして私にわさびをお刺身にのせて食べさせてくれたんだっけ
私は、ゆっくりとベルの口の中に、お刺身をいれていきました。
相変わらずベルはおそるおそるといった感じで、口を半開きにしているものですから少々入れにくかったのですが……お魚は好きなベルですので、そちらの誘惑に負けたのでしょう、最後は自分で顔を前にだしてくれました。
しばらくもぐもぐと口を動かしていくベル。
わさびが舌に直接あたらないように、わさびがのった面を上にしておりますので、そんなに辛さは感じないはずですが……
そんな事を考えながらベルを見つめておりますと……私の目の前で、ベルの耳と尻尾がいきなり具現化しまして、ピーンと伸びていきました。
「うん! さーちゃん、これ美味しいニャ!こうして食べるとすごく美味しいニャ!」
嬉しそうにそういうと、ベルはおかわりを要求するように、私に向かって再び口を開けてきました。
今度は、先ほどのようなおっかなびっくりではなく、大きく全開状態です。
「ふふふ、ベルったらお刺身がすっかり気に入ったようですね」
そういえば、煮魚や焼き魚はしょっちゅう食卓に並べておりましたけれども、お刺身ははじめてだったかもしれませんね。
私は、さきほど準備したばかりのお刺身をベルの前に移動させると、そのお刺身を箸でとり、ベルに食べさせてあげました。
はい、本日最初の一皿は、ベルに食べてもらった次第でございます。
◇◇
今夜の忘年会は、ツカーサさんとそのお友達の皆様でございます。
「ホント、ここの料理は美味しいわ」
「うん、酒場でこんなに美味しい料理を食べられるなんて、思ってなかったわ」
はじめて居酒屋さわこさんにいらしてくださった方が多かったようなのですが、皆様そのような声をあげてくださっております。
その様子に、幹事のツカーサさんも、
「でしょ?でしょ? ここの料理ってばどれもホント美味しくてさぁ、なんか良い匂いがしてくるとついつい駆けつけちゃうのよね」
そう言いながら笑っておられます。
「……その駆けつけ具合が、ちょっと普通じゃないんだけどさ」
そんなツカーサさんに、本日忘年会の接客担当をしてくださっているバテアさんが苦笑なさっておられました。
その手には、ワノン酒造工房の二人羽織と一緒に、越乃景虎の純米酒の瓶が握られております。
本日のお料理にはお刺身だけでなく寄せ鍋や焼き魚など、お魚が多めですのでこの日本酒を選ばせていただいております。
純米酒ならではの旨みが口いっぱいに広がって、お魚の味を際立たせてくれる、そんなお酒なんです。
口当たりがいいものですからついつい飲み過ぎてしまう、私もお気に入りの一本です。
ツカーサさんご一行は、このお酒を美味しそうに飲み干しながら、料理を口に運ばれています。
女性ばかりの集まりということもございまして、当初はお酒よりも料理がすすんでいたのですが、今ではお酒の進み具合がすごく早くなっている次第でございます。
「さわこ、景虎をもう一本……いえ、もう2,3本出しちゃって。この調子だとそれくらいあっという間に飲んじゃうわ」
「わかりました、すぐに……」
バテアさんの言葉に、笑顔でお応えしながら、私は厨房の後ろの壁にたてかけてある景虎の瓶を手にとっていきました。
こうして、お料理もお酒も楽しんでいただけると、本当にうれしいです。
残念ながら、今夜もエンジェさんがすでにベッドでご就寝ですが……きっといつか一緒にお店にたってくれると思っております。
ーつづく
「さわこ、台車はまかせて!」
そう言って、エンジェさんが台車を押してくれています。
朝一のエンジェさんは、いつも元気満々です。
人の姿になれたのが、今も嬉しくて仕方がない様子のエンジェさんは何をするにしても全力であたってくださっています。
それはそれでとてもありがたいことなのですが……そのため、いつもお店が始まる頃には疲れ切って眠ってしまっているんです。
……それはエンジェさんが全てのことに一生懸命だからこそなわけですし、ある意味仕方がないことなのですが……それでも、エンジェさんは
『早くさわこのお店のお手伝いを閉店まで出来るようになりたいわ!』
毎日のようのにそう言ってくださっているわけですし……なかなか難しいところでございます。
でも
私といたしましては、この元気いっぱいなエンジェさんと一緒にあれこれするのが大好きなんです。
エンジェさんの笑顔と、その元気いっぱいの行動のおかげで、私も元気を頂けていると申しますか私まで元気になれていますので。
「エンジェさん、無理し過ぎないでくださいね」
「問題ないわさわこ! まかせて」
満面笑顔のエンジェさんは、私にそう言いながら居酒屋さわこさんへ入っていきました。
その後を、私もついていきます。
お店の中に、だるまストーブを降ろした私とエンジェさんは、さっそく火をともしていきます。
お店の中は、温度調節魔石が設置されていますので寒くはないのですが……やはり、だるまストーブがあるとないでは、気の持ちようと申しますか、全然違うわけです。
だるまストーブの中に火が灯り、その周囲の空気が暖かくなってきました。
「ふぅ、これで一息つけましたね、エンジェさん」
「そうねさわこ、あったかいわね」
私とエンジェさんは、しばらくだるまストーブの前に立って、手をかざしておりました。
人心地ついた私は、早速厨房に移動していきました。
今夜も忘年会の予約が入っておりますので、その仕込みを行わないといけません。
昨日、辺境都市ナカンコンベにございますおもてなし商会でいいお魚をたくさん仕入れることが出来ましたので、今夜は寄せ鍋と一緒にお刺身もお出ししてみようかな、と、思っております。
おもてなし商会のファラさんから、お刺身で食べる事が出来るお魚をしっかり教えていただいておりますので、調理に関しては問題ございません。
「……ただ、ファラさん……『次はこうはいかないからね』って言われていましたけど……あれはどういう意味だったのでしょう?」
代金をお支払いさせていただいた際に、ファラさんが何やら悔しそうな表情をなさっていたような気がしないでもないのですが……きっと気のせいですよね。
さて……
私は、鯛に似たお魚……タルイを魔法袋の中から取り出すと、早速調理を開始していきました。
鱗を丁寧にそぎ落とし、包丁をいれて降ろしていきます。
おろした身に、刺身包丁を入れ、均等な太さに切り分けます。
先に作っておりました大根もどきのお野菜、ダルイコンのツマをのせているお皿の上に、切り分けた身をのせていきまして……
「……うん、こんなもんかな」
私は、盛り付け終わったお刺身のお皿を見つめながら、頷きました。
あとはこれに紫蘇の葉っぱをのせて、おろしたわさびを加えてお出しすることにします。
わさびは、もみじの形に飾り切りした人参もどきなお野菜、ニルンジーンの上にのせます。
これで、彩りもよくなりますしね。
「うにゃあ!?」
盛り付けをしていると、厨房の脇からベルの悲鳴にも似た声があがりました。
「さーちゃん!? この緑の、なんかツーンとするにゃ!?」
ベルはそう言いながら、私が魔法袋から取り出した、すりおろしたわさびがのっている小皿を指さしています。
「……もう、ベルったら……つまみぐいしたんですね? これはわさびといって、鼻につーんとくる、辛いものですよ」
私は、苦笑しながらそう言うと、わさびをタルイのお刺身の上に少量のせました。
それを、刺身醤油を入れたお皿に少しつけて、
「さ、ベル。あ~ん」
「うにゃ!? でも、さーちゃん……それ、さっきの緑のがのってるニャ……」
「大丈夫ですよ、こうして食べればそんなに辛くありませんから、ほら」
「うにゅう……さーちゃんがそう言うのなら……」
ベルは、おそるおそるといった感じで口をあけていきます。
先ほどの衝撃が忘れられないらしく、その口は全開にはいたっておりません。
……そういえば、小さい頃の私も、母さんが準備していたわさびをつまみ食いして、今のベルみたいになっていたのよね
私は、昔のことを思い出しながら、思わず苦笑を浮かべておりました。
……確か、あのときも、母さんはこうして私にわさびをお刺身にのせて食べさせてくれたんだっけ
私は、ゆっくりとベルの口の中に、お刺身をいれていきました。
相変わらずベルはおそるおそるといった感じで、口を半開きにしているものですから少々入れにくかったのですが……お魚は好きなベルですので、そちらの誘惑に負けたのでしょう、最後は自分で顔を前にだしてくれました。
しばらくもぐもぐと口を動かしていくベル。
わさびが舌に直接あたらないように、わさびがのった面を上にしておりますので、そんなに辛さは感じないはずですが……
そんな事を考えながらベルを見つめておりますと……私の目の前で、ベルの耳と尻尾がいきなり具現化しまして、ピーンと伸びていきました。
「うん! さーちゃん、これ美味しいニャ!こうして食べるとすごく美味しいニャ!」
嬉しそうにそういうと、ベルはおかわりを要求するように、私に向かって再び口を開けてきました。
今度は、先ほどのようなおっかなびっくりではなく、大きく全開状態です。
「ふふふ、ベルったらお刺身がすっかり気に入ったようですね」
そういえば、煮魚や焼き魚はしょっちゅう食卓に並べておりましたけれども、お刺身ははじめてだったかもしれませんね。
私は、さきほど準備したばかりのお刺身をベルの前に移動させると、そのお刺身を箸でとり、ベルに食べさせてあげました。
はい、本日最初の一皿は、ベルに食べてもらった次第でございます。
◇◇
今夜の忘年会は、ツカーサさんとそのお友達の皆様でございます。
「ホント、ここの料理は美味しいわ」
「うん、酒場でこんなに美味しい料理を食べられるなんて、思ってなかったわ」
はじめて居酒屋さわこさんにいらしてくださった方が多かったようなのですが、皆様そのような声をあげてくださっております。
その様子に、幹事のツカーサさんも、
「でしょ?でしょ? ここの料理ってばどれもホント美味しくてさぁ、なんか良い匂いがしてくるとついつい駆けつけちゃうのよね」
そう言いながら笑っておられます。
「……その駆けつけ具合が、ちょっと普通じゃないんだけどさ」
そんなツカーサさんに、本日忘年会の接客担当をしてくださっているバテアさんが苦笑なさっておられました。
その手には、ワノン酒造工房の二人羽織と一緒に、越乃景虎の純米酒の瓶が握られております。
本日のお料理にはお刺身だけでなく寄せ鍋や焼き魚など、お魚が多めですのでこの日本酒を選ばせていただいております。
純米酒ならではの旨みが口いっぱいに広がって、お魚の味を際立たせてくれる、そんなお酒なんです。
口当たりがいいものですからついつい飲み過ぎてしまう、私もお気に入りの一本です。
ツカーサさんご一行は、このお酒を美味しそうに飲み干しながら、料理を口に運ばれています。
女性ばかりの集まりということもございまして、当初はお酒よりも料理がすすんでいたのですが、今ではお酒の進み具合がすごく早くなっている次第でございます。
「さわこ、景虎をもう一本……いえ、もう2,3本出しちゃって。この調子だとそれくらいあっという間に飲んじゃうわ」
「わかりました、すぐに……」
バテアさんの言葉に、笑顔でお応えしながら、私は厨房の後ろの壁にたてかけてある景虎の瓶を手にとっていきました。
こうして、お料理もお酒も楽しんでいただけると、本当にうれしいです。
残念ながら、今夜もエンジェさんがすでにベッドでご就寝ですが……きっといつか一緒にお店にたってくれると思っております。
ーつづく
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