173 / 343
連載
さわこさんと、ドルーさん その2
しおりを挟む
「はい、お待たせいたしました」
程なくいたしまして、出来上がったマウントボア鍋を、私がドルーさん達のテーブルへお持ちしました。
「……さわこ、私が」
いつも配膳を担当してくださっているリンシンさんが、そう声をかけてくださったのですが、ちょうど今、リンシンさんは別のお客様の元へ大皿料理の肉じゃがを配膳なさっている最中でしたので、
「はい、大丈夫ですよ、おまかせくださいな」
リンシンさんに笑顔でそうお答えしながら、大鍋を運んでいった次第でございます。
大きめのミトンを手にはめて、テーブルの中央に先に事前に置いております魔石コンロの上に大鍋を置いていきます。
「おぉ、来た来た!」
ドルーさんはすでに箸を片手に臨戦態勢です。
ドルーさんに限らず、居酒屋さわこさんの常連客の皆様の多くが箸を起用に使いこなしておられます。
この世界に箸はございませんでした。
皆さん、ナイフとフォーク、それにスプーンでお食事をなさっておいでだったんです。
郷に入り手は郷に従えとも申しますので、居酒屋さわこさんでも最初はナイフ・フォーク・スプーンをお出ししていたのですが、私が菜箸を使用して料理を行っているのをご覧になったドルーさんが
「さわこよ、今お主が使っておる道具は何やら面白い道具じゃの」
そんな感じで興味を示されましたものですから、お客様用に準備してあったお箸を一膳さしあげてみたんです。
私が指導させて頂きましたところ、ドルーさんは思いのほか早くに箸の使用方法をマスターなさいました。
そんなドルーさんに続いて、そのお弟子さん達も次々にお箸の使い方をマスターなさったんです。
これは後でお聞きしたのですが……
「よいか、さわこの店で箸を使えなんだヤツには奢ってやらんからな」
ドルーさんが、仕事の現場で何度も言い続けておられたそうなんです。
それを受けまして
『奢ってもらえなくなったら大変』
とばかりに、お弟子の皆さんは必死にお箸の使い方を練習なさったそうなんです。
確かに、週に3,4日はお越しくださっていて、その全てをドルーさんが奢っておられるわけですので、それが全て自腹になってしまいますとお弟子さん達にとりましては死活問題になりかねませんものね。
そんな裏事情を存じ上げておりますだけに、自在に箸をご使用になられているお弟子さん達の姿を拝見しておりますと、どこか感慨深い気持ちになってしまいます。
「さぁ、お前ら食え食え」
ドルーさんは、笑顔でお弟子さん達の肩を叩いておられます。
「はい、いただきます!」
「師匠いつもありがとうございます」
それに対して、お弟子の皆様も、笑顔で返事を返しながら、鍋の中身を取り皿によそっておられます。
「おいおい、何野菜ばっか取っとるんじゃ、肉を食え肉を!」
「で、でも師匠の分が……」
「ばっかもん! 若いヤツが食事の席でなぁに遠慮しとるんじゃ! ほれ、しっかり食って元気を補充せんか!」
「は、はい!」
ガハハとお笑いになっているドルーさん。
そのお言葉を受けて、お弟子さんも笑顔でお肉をよそっておられます。
ドルーさんは本当に面倒見がいいお方です。
何しろ、この店に通い始めてくださって以降、お弟子さんが辞められたことが一度もないのです。
いつも同じお弟子さんを連れてお食事に来てくださるドルーさん。
そんなドルーさんの元でしっかり修行なさっているお弟子さん達。
でも、いつかはお弟子さん達も、一人前になってドルーさんの元を巣立っていかれるのでしょうね……
「……え? ちょっとさわこ!? 何泣いてるのよ!?」
「へ!?」
バテアさんのお言葉をお聞きして、私は思わずすっとんきょうな声を上げてしまいました。
ど、どうやら私……お弟子さん達がドルーさんの元を巣立たれる際の光景を想像して、無意識のうちに涙を流していたようなんです。
「あ、違うんです。あの、なんでもありませんので……」
私は慌てて帯に挿しておりましたハンカチで、涙をぬぐっていきました。
ですが
そんな私の元にバテアさんがすごい勢いで駆け込んでこられました。
「さわこ、ホントに大丈夫? 何かあった?」
バテアさんは、真剣な眼差しで私を見つめておいでです。
私は、もう、あたふたしまくりまして、
「その……し、食材が目にしみて……」
そう取り繕うのがやっとでした。
とはいえ、その一言でバテアさんも、
「なんだ、心配したわよ、ホントに……」
そう言いながら、安堵のため息をもらされた次第でございます。
「ど、どうもすいません。ご心配おかけしてしまいまして」
私はそう言いながら、バテアさんと、お店の皆様に頭をさげていきました。
よく見ると、いつの間にかベルが人の姿になって私の足下に駆け寄って来て
「さーちゃん、大丈夫?」
そう言ってくれていたのですが……いきなり人型に変化したものですから、ベルってば素っ裸だったわけでして……
私とバテアさんは、厨房の端に立って壁を作りまして、
「ベル、も、もう大丈夫ですから、早く牙猫姿に戻ってください」
そう、小声で必死にお願いした次第でした。
◇◇
一時間もしますと、先ほどの騒動もすっかり過去の事になっております。
ドルーさん達はすでに3杯目の大鍋を囲んでおられます。
マウントボア鍋に続きまして、ジャッケを使った石狩鍋をはさみまして、今は海鮮をふんだんに使用した寄せ鍋をお出ししております。
店内では、ドルーさん達が楽しそうに鍋を囲んでおられる様子が呼び水になったようで
「こっちにもあの鍋をお願い出来るかな?」
「こっちにも頼むよ」
と、一人鍋の注文がひっきりなしに入っております。
もちろん、ドルーさん達がお食べになっている鍋と同じ鍋の注文ばかりでございます。
そんな中……
厨房の真ん前だけは、少し違う匂いが立ちこめております。
「うん、やはりこのぜんざいはいいな」
そう言いながら、ぜんざいのお椀を口になさっているのはゾフィナさんです。
相変わらず、ご来店なさると最初から最後までぜんざいと甘酒しか口になさらないゾフィナさん。
今日もご来店なさると同時に
「さわこ! ぜんざいよ! とりあえずぜんざいを3杯お願いね!」
と、駆けつけ3杯とばかりにぜんざいを御注文くださいましたのを皮切りに、すでに10杯近いぜんざいを手になさっている次第でございます。
そのご様子に、バテアさんが苦笑なさりながら
「あんた、こっちの世界にやって来た時って、ぜんざいしか口にしてないんじゃないの?」
そう軽口をたたかれたのですが、それに対しましてゾフィナさんは
「そんなことはないぞ、なぁ、この間近くの食堂で食べたランチはなかなかの物だったよな、ヒーロよ」
そう言って、お隣に座っておられたヒーロさんの肩を掴まれたのです。
すると、ヒーロさんは少しむせながら
「え、えぇ、そうですね……」
そう言いながら、少しバツの悪そうな表情をその顔に浮かべておられた次第です。
そんな二人の様子を見ていたバテアさんが
「何よ、ヒーロってばゾフィナをデートに誘っていたの? まぁ、この色男ってば」
そう言いながら、ヒーロさんの背中を肘でぐりぐりつついていかれました。
その一言を受けまして、ドルーさんまで
「なんじゃなんじゃ、全然浮いた話がないと思っておったら、このお嬢さんに手を出しておったのかヒーロ」
そう言いながら、ガハハとお笑いになられました。
……そんな感じで、みなさんがドルーさんとゾフィナさんを取り囲んでいかれたのですが。
「なんだ? ヒーロよ、誰かお前のいい女性がいるのか? ん?」
ゾフィナさんは、その顔に笑顔を浮かべながら周囲を見回し始めたのでございます……えっと、あれ?
「まさかバテアか? それともさわこか? ひょっとしてリンシンとか……」
そんな感じで、店内にいる女性を次々に指を指しては声を上げられているのですが……その指がゾフィナさん本人に向く気配は一向にありませんでした。
それを受けて、ドルーさんがヒーロさんの元に歩みよられました。
「おい、お主……ずいぶんめんどくさい女を見初めたもんじゃの?」
「え~……見初めるも何も……全く相手にされていないといいますか……」
お2人は、肩を寄せ会いながらそんな会話をなさっておいででした。
どうやら、居酒屋さわこさん発のカップル誕生!……って朗報は、まだ先のことになりそうですね。
ーつづく
程なくいたしまして、出来上がったマウントボア鍋を、私がドルーさん達のテーブルへお持ちしました。
「……さわこ、私が」
いつも配膳を担当してくださっているリンシンさんが、そう声をかけてくださったのですが、ちょうど今、リンシンさんは別のお客様の元へ大皿料理の肉じゃがを配膳なさっている最中でしたので、
「はい、大丈夫ですよ、おまかせくださいな」
リンシンさんに笑顔でそうお答えしながら、大鍋を運んでいった次第でございます。
大きめのミトンを手にはめて、テーブルの中央に先に事前に置いております魔石コンロの上に大鍋を置いていきます。
「おぉ、来た来た!」
ドルーさんはすでに箸を片手に臨戦態勢です。
ドルーさんに限らず、居酒屋さわこさんの常連客の皆様の多くが箸を起用に使いこなしておられます。
この世界に箸はございませんでした。
皆さん、ナイフとフォーク、それにスプーンでお食事をなさっておいでだったんです。
郷に入り手は郷に従えとも申しますので、居酒屋さわこさんでも最初はナイフ・フォーク・スプーンをお出ししていたのですが、私が菜箸を使用して料理を行っているのをご覧になったドルーさんが
「さわこよ、今お主が使っておる道具は何やら面白い道具じゃの」
そんな感じで興味を示されましたものですから、お客様用に準備してあったお箸を一膳さしあげてみたんです。
私が指導させて頂きましたところ、ドルーさんは思いのほか早くに箸の使用方法をマスターなさいました。
そんなドルーさんに続いて、そのお弟子さん達も次々にお箸の使い方をマスターなさったんです。
これは後でお聞きしたのですが……
「よいか、さわこの店で箸を使えなんだヤツには奢ってやらんからな」
ドルーさんが、仕事の現場で何度も言い続けておられたそうなんです。
それを受けまして
『奢ってもらえなくなったら大変』
とばかりに、お弟子の皆さんは必死にお箸の使い方を練習なさったそうなんです。
確かに、週に3,4日はお越しくださっていて、その全てをドルーさんが奢っておられるわけですので、それが全て自腹になってしまいますとお弟子さん達にとりましては死活問題になりかねませんものね。
そんな裏事情を存じ上げておりますだけに、自在に箸をご使用になられているお弟子さん達の姿を拝見しておりますと、どこか感慨深い気持ちになってしまいます。
「さぁ、お前ら食え食え」
ドルーさんは、笑顔でお弟子さん達の肩を叩いておられます。
「はい、いただきます!」
「師匠いつもありがとうございます」
それに対して、お弟子の皆様も、笑顔で返事を返しながら、鍋の中身を取り皿によそっておられます。
「おいおい、何野菜ばっか取っとるんじゃ、肉を食え肉を!」
「で、でも師匠の分が……」
「ばっかもん! 若いヤツが食事の席でなぁに遠慮しとるんじゃ! ほれ、しっかり食って元気を補充せんか!」
「は、はい!」
ガハハとお笑いになっているドルーさん。
そのお言葉を受けて、お弟子さんも笑顔でお肉をよそっておられます。
ドルーさんは本当に面倒見がいいお方です。
何しろ、この店に通い始めてくださって以降、お弟子さんが辞められたことが一度もないのです。
いつも同じお弟子さんを連れてお食事に来てくださるドルーさん。
そんなドルーさんの元でしっかり修行なさっているお弟子さん達。
でも、いつかはお弟子さん達も、一人前になってドルーさんの元を巣立っていかれるのでしょうね……
「……え? ちょっとさわこ!? 何泣いてるのよ!?」
「へ!?」
バテアさんのお言葉をお聞きして、私は思わずすっとんきょうな声を上げてしまいました。
ど、どうやら私……お弟子さん達がドルーさんの元を巣立たれる際の光景を想像して、無意識のうちに涙を流していたようなんです。
「あ、違うんです。あの、なんでもありませんので……」
私は慌てて帯に挿しておりましたハンカチで、涙をぬぐっていきました。
ですが
そんな私の元にバテアさんがすごい勢いで駆け込んでこられました。
「さわこ、ホントに大丈夫? 何かあった?」
バテアさんは、真剣な眼差しで私を見つめておいでです。
私は、もう、あたふたしまくりまして、
「その……し、食材が目にしみて……」
そう取り繕うのがやっとでした。
とはいえ、その一言でバテアさんも、
「なんだ、心配したわよ、ホントに……」
そう言いながら、安堵のため息をもらされた次第でございます。
「ど、どうもすいません。ご心配おかけしてしまいまして」
私はそう言いながら、バテアさんと、お店の皆様に頭をさげていきました。
よく見ると、いつの間にかベルが人の姿になって私の足下に駆け寄って来て
「さーちゃん、大丈夫?」
そう言ってくれていたのですが……いきなり人型に変化したものですから、ベルってば素っ裸だったわけでして……
私とバテアさんは、厨房の端に立って壁を作りまして、
「ベル、も、もう大丈夫ですから、早く牙猫姿に戻ってください」
そう、小声で必死にお願いした次第でした。
◇◇
一時間もしますと、先ほどの騒動もすっかり過去の事になっております。
ドルーさん達はすでに3杯目の大鍋を囲んでおられます。
マウントボア鍋に続きまして、ジャッケを使った石狩鍋をはさみまして、今は海鮮をふんだんに使用した寄せ鍋をお出ししております。
店内では、ドルーさん達が楽しそうに鍋を囲んでおられる様子が呼び水になったようで
「こっちにもあの鍋をお願い出来るかな?」
「こっちにも頼むよ」
と、一人鍋の注文がひっきりなしに入っております。
もちろん、ドルーさん達がお食べになっている鍋と同じ鍋の注文ばかりでございます。
そんな中……
厨房の真ん前だけは、少し違う匂いが立ちこめております。
「うん、やはりこのぜんざいはいいな」
そう言いながら、ぜんざいのお椀を口になさっているのはゾフィナさんです。
相変わらず、ご来店なさると最初から最後までぜんざいと甘酒しか口になさらないゾフィナさん。
今日もご来店なさると同時に
「さわこ! ぜんざいよ! とりあえずぜんざいを3杯お願いね!」
と、駆けつけ3杯とばかりにぜんざいを御注文くださいましたのを皮切りに、すでに10杯近いぜんざいを手になさっている次第でございます。
そのご様子に、バテアさんが苦笑なさりながら
「あんた、こっちの世界にやって来た時って、ぜんざいしか口にしてないんじゃないの?」
そう軽口をたたかれたのですが、それに対しましてゾフィナさんは
「そんなことはないぞ、なぁ、この間近くの食堂で食べたランチはなかなかの物だったよな、ヒーロよ」
そう言って、お隣に座っておられたヒーロさんの肩を掴まれたのです。
すると、ヒーロさんは少しむせながら
「え、えぇ、そうですね……」
そう言いながら、少しバツの悪そうな表情をその顔に浮かべておられた次第です。
そんな二人の様子を見ていたバテアさんが
「何よ、ヒーロってばゾフィナをデートに誘っていたの? まぁ、この色男ってば」
そう言いながら、ヒーロさんの背中を肘でぐりぐりつついていかれました。
その一言を受けまして、ドルーさんまで
「なんじゃなんじゃ、全然浮いた話がないと思っておったら、このお嬢さんに手を出しておったのかヒーロ」
そう言いながら、ガハハとお笑いになられました。
……そんな感じで、みなさんがドルーさんとゾフィナさんを取り囲んでいかれたのですが。
「なんだ? ヒーロよ、誰かお前のいい女性がいるのか? ん?」
ゾフィナさんは、その顔に笑顔を浮かべながら周囲を見回し始めたのでございます……えっと、あれ?
「まさかバテアか? それともさわこか? ひょっとしてリンシンとか……」
そんな感じで、店内にいる女性を次々に指を指しては声を上げられているのですが……その指がゾフィナさん本人に向く気配は一向にありませんでした。
それを受けて、ドルーさんがヒーロさんの元に歩みよられました。
「おい、お主……ずいぶんめんどくさい女を見初めたもんじゃの?」
「え~……見初めるも何も……全く相手にされていないといいますか……」
お2人は、肩を寄せ会いながらそんな会話をなさっておいででした。
どうやら、居酒屋さわこさん発のカップル誕生!……って朗報は、まだ先のことになりそうですね。
ーつづく
21
お気に入りに追加
3,681
あなたにおすすめの小説
幼い公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~
朱色の谷
ファンタジー
公爵家の末娘として生まれた6歳のティアナ
お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。
お父様やお兄様は私に関心がないみたい。愛されたいと願い、愛想よく振る舞っていたが一向に興味を示してくれない…
そんな中、夢の中の本を読むと、、、
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
またね。次ね。今度ね。聞き飽きました。お断りです。
朝山みどり
ファンタジー
ミシガン伯爵家のリリーは、いつも後回しにされていた。転んで怪我をしても、熱を出しても誰もなにもしてくれない。わたしは家族じゃないんだとリリーは思っていた。
婚約者こそいるけど、相手も自分と同じ境遇の侯爵家の二男。だから、リリーは彼と家族を作りたいと願っていた。
だけど、彼は妹のアナベルとの結婚を望み、婚約は解消された。
リリーは失望に負けずに自身の才能を武器に道を切り開いて行った。
「なろう」「カクヨム」に投稿しています。
愛されない皇妃~最強の母になります!~
椿蛍
ファンタジー
愛されない皇妃『ユリアナ』
やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。
夫も子どもも――そして、皇妃の地位。
最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。
けれど、そこからが問題だ。
皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。
そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど……
皇帝一家を倒した大魔女。
大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!?
※表紙は作成者様からお借りしてます。
※他サイト様に掲載しております。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。
克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位
11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位
11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位
11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位
婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ!
タヌキ汁
ファンタジー
国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。
これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。