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さわこさんと、こんな〆の一品
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先日、スア師匠さんが風邪を引かれた際に作成いたしました梅干し湯なのですが、今では居酒屋さわこさんの看板メニューの1つになっている次第でございます。
やはり、
『風邪の予防に効果あります』
と、宣伝させていただいたのが効果的だったように思います。
最近では、ご来店くださったお客様が
「さわこさん、まずは梅干し湯をもらえるかな」
そう御注文なさるケースがとても多くなっている次第でございます。
それを受けまして、私も梅干し湯を毎日多めに準備している次第です。
……ただし
「ふぅん……風邪の予防に効果があるのか。だが、私はぜんざいで十分だ」
ゾフィナさんは、そう言われながら、今日も
「と、いうわけで、さわこ! ぜんざいのお代わりを頼む!」
と、心ゆくまでぜんざいを堪能なさっている次第でございます。
「はい、よろこんで」
もちろん、笑顔で応対させていただいている私でございます。
◇◇
居酒屋さわこさんの、最近の人気メニューに梅干し湯が加わった次第なのですが、それ以上の人気を誇っておりますのがお鍋でございます。
定番といたしまして、
お野菜をたっぷり使った野菜鍋
クッカドゥウドルのお肉を使った鳥鍋
マウントボアのお肉を使った猪鍋
以上の3種類をメニューとしているのですが、これはあくまでもベースでござます。
「お客様、お鍋はご要望をお伝え頂きますと、そのご要望に沿ったお鍋を準備いたしますので、遠慮なくご相談くださいね」
私は、厨房から皆様にいつもそうお伝えさせて頂いている次第でございます。
これを受けまして、
「今日は魚の入ったのがいいな」
といったご要望をお聞きいたしますと、内容を寄せ鍋風にいたします。
「今日は、少しピリッとしたのが食べたい気分かな」
といったご要望をお聞きいたしますと、自家製のキムチを使用したキムチ鍋に。
「お肉とお野菜、どっちもしっかり食べたい気分なんだけど」
といったご要望をお聞きいたしますと。ちゃんこ鍋風に
このように、その都度あれこれ準備させていただいている次第でございます。
また、この一人鍋には裏メニューが存在していたりします。
裏メニューと言いましても、そんなに大げさにいう程のものでもないのですが……
はい、しめに
ごはん
うどん
このどちらかをいれてお召し上がり頂くことを可能にしている次第でございます。
どのお鍋も、出汁をしっかり取っておりますので味がしっかりしております。
ですので、しめにごはんを入れても、うどんを入れても、とてもおいしく頂けると、自負している私は、
「お客様、お鍋のしめにごはんかうどんがいかがですか?」
一人鍋を御注文くださった皆様に、そう言ってお勧めさせて頂いていたのでございます。
その結果、
今では、一人鍋を御注文くださる皆様は、
「あ、僕はしめにごはんを」
「こっちはうどんでお願いするね」
そう、申し添えてくださるようになっている次第でございます。
すっかり定番化した、といった感じなわけです、はい。
しめの料理を作成する際には、一度お鍋を回収させていただきます。
居酒屋さわこさんの厨房で、再度お鍋を魔石コンロにかけまして、くつくつ煮こんでいきます。
なかには、お汁をたくさんお召し上がりになられているお客様も少なくありません。
そういう場合は、お汁をそっと追加させていただいております。
温め直したお鍋の中に、皆様のご要望に応じて、ごはんかうどんを加えて一煮立ちさせます。
最後に、クッカドゥウドルの卵を溶いたものをとろりと混ぜ加えて、はい、完成でございます。
ごはんは、いつもの土鍋ごはんを
うどんは、自家製のうどんを
それぞれ使用させていただいております。
特にメニューには記載していない、この裏メニューでございますが、今では一人鍋を御注文くださるお客様のほぼ全てが御注文くださっている感じでございます。
お鍋には、もちろんお酒も必須です。
最近は、私の世界で仕入れてまいりました日本酒よりも、ワノンさんと和音がこちらの世界で造っている二人羽織をお勧めさせていただく機会が多くなっている次第です。
こちらの世界のお酒は、果実酒が定番でございました。
二人羽織は、その果実をベースにしたお酒を日本酒を精製する工程で作成しています。
そのため、とてもまろやかで自然な甘みのあるお酒に仕上がっている次第でございます。
これを燗したものが、お鍋にとてもあうんですよ。
居酒屋さわこさんで皆さんにお酒をお勧めしてくださっているバテアさんも
「一人鍋のお客さんには、この二人羽織がお勧めよぉ」
そう言って、積極的にこのお酒を勧めてくださっている次第でございます。
ワノンさんの酒造工房では、この二人羽織に加えましてパルマ酒という、アミリアさんが作成なさっているアミリア米をベースにした辛口のお酒もございます。
こちらも、二人羽織と一緒にお勧めさせていただいている次第でございます。
今までは、私の世界から仕入れてきた日本酒が人気メニューだったのですが、
今ではこの二人羽織とパルマ酒の2種類が、居酒屋さわこさんの定番としてすっかり定着した次第でございます。
ちなみに、この二人羽織とパルマ酒なのですが、居酒屋さわこさんで販売もさせていただいております。
ベルが寝ている座布団の隣、エンジェさんのクリスマスツリーとの間に2本の酒瓶を置いておりまして、その瓶に
『販売しております』
そう書いた札を掲げている次第でございます。
お店でしっかり飲んでお帰りになられる方が多いのですが、毎日それなりに御注文いただけている次第でございます。
◇◇
そんな居酒屋さわこさんでは、最近お昼の定番の光景がございます。
「わっせ、わっせ、わっせ……」
厨房の前で、ベルが足踏みをしています。
人の姿になっているベルが、何かを踏み踏みしてくれているんです。
中力粉にお水とお塩を加えてよく混ぜ、一生懸命捏ねた上でしばらく寝かせた生地。
それを袋に入れまして、それをベルに踏んでもらっているのです。
「ベル、ガンバレガンバレ」
エンジェさんも、そんなベルの肩の上にのってお手伝いと応援をしてくれています。
「にゃあ! がんばるニャ!」
ベルも笑顔でその声援にこたえています。
踏んで、広がったら畳み、また踏んで……
時間にいたしまして4,50分
回数にいたしまして30回少々畳みます。
その後、成形し、2時間少々寝かせた後に、麺の状態に切っていきます。
市販の麺よりも、こうして一手間かけた麺の方が、気のせいか美味しく感じてしまいます。
そんな感じで、最近のお昼は毎日うどんを踏んでくれているベル。
そのせいでしょうか、夜、座布団の上で丸くなっているベルは、いつも以上によく寝ている気がいたします。
もっとも、
「さわこさん、うどんを頼むよ」
そんな声が聞こえますと、ベルの耳がぴょこぴょこっと動いているんです。
やっぱり、自分が頑張った一品だけに、注文が入るのがベルも嬉しいのかもしれませんね。
さ、では、ベルが頑張ってくれたおうどんを使って、お鍋のしめをつくっていくことにいたします。
ベルとエンジェさんが頑張ってくださったこの一品。
それに私が一手間加えて、完成させていくこの一品。
そう考えると、なんだか少しうれしくなってしまいます。
ーつづく
やはり、
『風邪の予防に効果あります』
と、宣伝させていただいたのが効果的だったように思います。
最近では、ご来店くださったお客様が
「さわこさん、まずは梅干し湯をもらえるかな」
そう御注文なさるケースがとても多くなっている次第でございます。
それを受けまして、私も梅干し湯を毎日多めに準備している次第です。
……ただし
「ふぅん……風邪の予防に効果があるのか。だが、私はぜんざいで十分だ」
ゾフィナさんは、そう言われながら、今日も
「と、いうわけで、さわこ! ぜんざいのお代わりを頼む!」
と、心ゆくまでぜんざいを堪能なさっている次第でございます。
「はい、よろこんで」
もちろん、笑顔で応対させていただいている私でございます。
◇◇
居酒屋さわこさんの、最近の人気メニューに梅干し湯が加わった次第なのですが、それ以上の人気を誇っておりますのがお鍋でございます。
定番といたしまして、
お野菜をたっぷり使った野菜鍋
クッカドゥウドルのお肉を使った鳥鍋
マウントボアのお肉を使った猪鍋
以上の3種類をメニューとしているのですが、これはあくまでもベースでござます。
「お客様、お鍋はご要望をお伝え頂きますと、そのご要望に沿ったお鍋を準備いたしますので、遠慮なくご相談くださいね」
私は、厨房から皆様にいつもそうお伝えさせて頂いている次第でございます。
これを受けまして、
「今日は魚の入ったのがいいな」
といったご要望をお聞きいたしますと、内容を寄せ鍋風にいたします。
「今日は、少しピリッとしたのが食べたい気分かな」
といったご要望をお聞きいたしますと、自家製のキムチを使用したキムチ鍋に。
「お肉とお野菜、どっちもしっかり食べたい気分なんだけど」
といったご要望をお聞きいたしますと。ちゃんこ鍋風に
このように、その都度あれこれ準備させていただいている次第でございます。
また、この一人鍋には裏メニューが存在していたりします。
裏メニューと言いましても、そんなに大げさにいう程のものでもないのですが……
はい、しめに
ごはん
うどん
このどちらかをいれてお召し上がり頂くことを可能にしている次第でございます。
どのお鍋も、出汁をしっかり取っておりますので味がしっかりしております。
ですので、しめにごはんを入れても、うどんを入れても、とてもおいしく頂けると、自負している私は、
「お客様、お鍋のしめにごはんかうどんがいかがですか?」
一人鍋を御注文くださった皆様に、そう言ってお勧めさせて頂いていたのでございます。
その結果、
今では、一人鍋を御注文くださる皆様は、
「あ、僕はしめにごはんを」
「こっちはうどんでお願いするね」
そう、申し添えてくださるようになっている次第でございます。
すっかり定番化した、といった感じなわけです、はい。
しめの料理を作成する際には、一度お鍋を回収させていただきます。
居酒屋さわこさんの厨房で、再度お鍋を魔石コンロにかけまして、くつくつ煮こんでいきます。
なかには、お汁をたくさんお召し上がりになられているお客様も少なくありません。
そういう場合は、お汁をそっと追加させていただいております。
温め直したお鍋の中に、皆様のご要望に応じて、ごはんかうどんを加えて一煮立ちさせます。
最後に、クッカドゥウドルの卵を溶いたものをとろりと混ぜ加えて、はい、完成でございます。
ごはんは、いつもの土鍋ごはんを
うどんは、自家製のうどんを
それぞれ使用させていただいております。
特にメニューには記載していない、この裏メニューでございますが、今では一人鍋を御注文くださるお客様のほぼ全てが御注文くださっている感じでございます。
お鍋には、もちろんお酒も必須です。
最近は、私の世界で仕入れてまいりました日本酒よりも、ワノンさんと和音がこちらの世界で造っている二人羽織をお勧めさせていただく機会が多くなっている次第です。
こちらの世界のお酒は、果実酒が定番でございました。
二人羽織は、その果実をベースにしたお酒を日本酒を精製する工程で作成しています。
そのため、とてもまろやかで自然な甘みのあるお酒に仕上がっている次第でございます。
これを燗したものが、お鍋にとてもあうんですよ。
居酒屋さわこさんで皆さんにお酒をお勧めしてくださっているバテアさんも
「一人鍋のお客さんには、この二人羽織がお勧めよぉ」
そう言って、積極的にこのお酒を勧めてくださっている次第でございます。
ワノンさんの酒造工房では、この二人羽織に加えましてパルマ酒という、アミリアさんが作成なさっているアミリア米をベースにした辛口のお酒もございます。
こちらも、二人羽織と一緒にお勧めさせていただいている次第でございます。
今までは、私の世界から仕入れてきた日本酒が人気メニューだったのですが、
今ではこの二人羽織とパルマ酒の2種類が、居酒屋さわこさんの定番としてすっかり定着した次第でございます。
ちなみに、この二人羽織とパルマ酒なのですが、居酒屋さわこさんで販売もさせていただいております。
ベルが寝ている座布団の隣、エンジェさんのクリスマスツリーとの間に2本の酒瓶を置いておりまして、その瓶に
『販売しております』
そう書いた札を掲げている次第でございます。
お店でしっかり飲んでお帰りになられる方が多いのですが、毎日それなりに御注文いただけている次第でございます。
◇◇
そんな居酒屋さわこさんでは、最近お昼の定番の光景がございます。
「わっせ、わっせ、わっせ……」
厨房の前で、ベルが足踏みをしています。
人の姿になっているベルが、何かを踏み踏みしてくれているんです。
中力粉にお水とお塩を加えてよく混ぜ、一生懸命捏ねた上でしばらく寝かせた生地。
それを袋に入れまして、それをベルに踏んでもらっているのです。
「ベル、ガンバレガンバレ」
エンジェさんも、そんなベルの肩の上にのってお手伝いと応援をしてくれています。
「にゃあ! がんばるニャ!」
ベルも笑顔でその声援にこたえています。
踏んで、広がったら畳み、また踏んで……
時間にいたしまして4,50分
回数にいたしまして30回少々畳みます。
その後、成形し、2時間少々寝かせた後に、麺の状態に切っていきます。
市販の麺よりも、こうして一手間かけた麺の方が、気のせいか美味しく感じてしまいます。
そんな感じで、最近のお昼は毎日うどんを踏んでくれているベル。
そのせいでしょうか、夜、座布団の上で丸くなっているベルは、いつも以上によく寝ている気がいたします。
もっとも、
「さわこさん、うどんを頼むよ」
そんな声が聞こえますと、ベルの耳がぴょこぴょこっと動いているんです。
やっぱり、自分が頑張った一品だけに、注文が入るのがベルも嬉しいのかもしれませんね。
さ、では、ベルが頑張ってくれたおうどんを使って、お鍋のしめをつくっていくことにいたします。
ベルとエンジェさんが頑張ってくださったこの一品。
それに私が一手間加えて、完成させていくこの一品。
そう考えると、なんだか少しうれしくなってしまいます。
ーつづく
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