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さわこさんと、リットの街 その3
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……なんといいますか……とても不思議な光景が私の目の前に広がっております。
湖の畔、山麓の洞窟の前の開けた場所にシートを敷いて座っている私達。
私が準備して参りましたお昼ご飯が詰まっているお重をみんなで囲んでいるのですが……
そのすぐ後ろに、ドラゴンさんが座っているのです。
身の丈は……そうですね6,7メートルというところでしょうか。
そんなドラゴンさんが、足を前に投げ出すようにしてその場にちょこんと座っていらっしゃるお姿は、どこか現実離れしている気がしないでもありません。
そんなドラゴンさんの膝の上にバテアさんがお座りになっているもんですから、それが夢物語ではないことを思い知らせてくれている気がいたします。
「そっかぁ、ここに最近引っ越してきたのねぇ」
そんなバテアさんのお言葉に、ドラコさんと名乗られたそのドラゴンさんは頷いておいでです。
先ほどは、このドラゴンさんの言葉が脳の中に直接聞こえてきていた気がしていたのですが、それはドラゴンさんが私に話しかけるために神の耳魔法という物を使用なさっていたのだそうです。
今は、バテアさんと会話をなさっておいでですので、その神の耳魔法をバテアさんに向かって使用なさっていられるのでしょうね。
今の私には、ドラコさんがうなり声をあげているようにしか聞こえなくてですね、何をお話になっているのかさっぱりわからない状態なのです。
ただ、バテアさんと何やら楽しくお話なさっているのでしょうね、ということはお2人の様子から察することが出来ている次第です。
ちなみにですね……
ドラコさんの手には、私が作ってまいりましたお重が1つのっかっております。
ドラコさんが危険がないとわかったものですから、皆さんのお昼を準備しておりましたところ、
『なんだか美味しそうですね~』
ドラコさんが、私が作ってまいりましたお重に興味津々のご様子だったものですから、
「おひとつ如何ですか?」
そうお勧めさせていただきましたところ、
『え~!? いいんですか~!?』
と、とても大喜びなさったものですから、おかずのつまっているお重を1段、そのままお渡しさせていただいている次第でございます。
さ……さすがに、お体の大きいドラコさんですので、この程度の量ではまったく足りないの百も承知だったのですが……
『いえいえ~、私、こう見えて小食なんですよ~』
ドラコさんはそう言いながら、口から蛇のような舌を伸ばされましてお重の中身を器用に食べておいでなのでございます。
『大変おいしゅうございます~、さわこさんはお料理がとてもお上手なのですね~?』
「そ、そうですか? お口にあったようで何よりですわ」
時折、私の脳内にドラコさんのお声が聞こえてまいりますので、私もその度にお答えさせていただいているのですが……こうしてお話をさせていただいていてわかったのですが、このドラコさんは、とっても可愛い女性なんですよね。
『うふふ~』
とお笑いになる際には、手で口元を押さえておいでですし、
『そうですか~?』
と、いいながら小首をおかしげになったり、
『いやだ~、そんなことないですよ~』
と、恥ずかしがられながら手をお振りになったりと……
そのお姿が私達と同じでしたら可愛い仕草でしょうに、と思わず思ってしまうような……いえ、ドラゴンであられる今のお姿のままでも、とても可愛く思えてしまう仕草をしょっちゅうなさっておいでなのでございます。
そんなドラコさんは、基本的にバテアさんとの昔話に華を咲かせておいでです。
……そんなお2人を拝見していて、私はふとあることに思い当たりました。
「あの……つかぬことをお伺いするのですが……ドラコさんは人の姿に変化することは出来ないのですか?」
そうなんです。
この世界の亜人種族の方は、人の姿から魔獣の姿に変化する能力をお持ちの方が少なくないとお聞きしています。当然、その逆も可能なのだ、と。
それに、以前バテアさんからお聞きしたことがあるのですが、
『姿形変化魔法っていうのがあってね、これを使うと人の姿から魔獣の姿に変化出来たりするのよ』
そう、お聞きしたこともあったものですから……
私がそうお聞きいたしますと、ドラコさんは
『それがですね~……』
そう言うと、うなだれ気味になってしまいました。
『私はですね~、人型に変化出来る龍人(ドラゴニュート)種族ではなくてですね~、純粋な龍族なのですよ~ですので、亜人の皆様のように人の姿には変化出来ないんです~』
「スア師匠も、ドラコを人型に変化させることが出来る魔法を研究してくださってはいるんだけどさ……」
バテアさんも、そう言いながら、まるでドラコさんを励ますかのように、その体を撫でておいでです。
「あ、あの……へ、変な事をお聞きしてしまいまして申し訳ありませんでした」
そんなお2人向かって、私は深々と頭を下げた次第でございます。
お2人のご様子からして……ドラコさんが人型になりたがっておられるのは間違いございません。
その方法が、このパルマ世界最高の魔法使いであられますスア師匠さんをもってしてもまだ見つかっていないというのですから……あまりにも失礼な質問をしてしまったことを自覚した私は、何度も何度も頭を下げていた次第でございます。
そんな私にドラコさんは、
『あぁ、お気になさらないでください~、スア師匠も研究を続けてくださっていますし~、私もあれこれ頑張っておりますので~、きっといつか人型になってですね~、大好きな殿方と結ばれたいと思っておりますので~』
努めて明るい口調でそう言われたのですが……なんでしょう、人型になりたい理由まで乙女なドラコさんなのですね、と、思わずほっこりしてしまった私でございます。
「人型になることが出来た暁には、私もぜひお会いさせてくださいね。あ、もちろん、今のお姿のままでもお友達にならせていただけたらとってもうれしいです」
私がそうお伝えしますと、
『え~?ホントですか~、うふふ~、新しいお友達が出来てとってもうれしいです~』
ドラコさんは、嬉しそうな声でそう言ってくださったのでした。
こうして、私は新しくドラゴンのドラコさんとお友達になれたのでございます。
◇◇
その後、ドラコさんからあれこれお聞きしたところによりますと、
『この一帯にはですね~、最近流血狼を魔法で呼び寄せていますので~、クッカドウゥドルは寄りついていない感じですね~。南下してきているのでしたら、もう少し南東の方かもしれません~』
とのことでございましたので、昼食を終えた私達はそちらの方へ向かって移動していくことにいたしました。
「せっかくですのでお散歩がてら一緒に行ってみませんか?」
私がそうお声をかけさせていただきましたところ、ドラコさんは、
『せっかくのお申し出なのですが~……私が同行してしまいますと~、いくら気配を魔法で消しておりましても~、気配にすごく敏感なクッカドウゥドルには気が付かれてしまうと思うんです~。そうなりますと~、結果的に皆様の狩りの邪魔をしてしまうことになってしまいますので~』
そう言われてですね、同行をお断りなさった次第でございます。
そのような理由ですと、私もそれ以上強く誘うことが出来ません。
ここでドラコさんと別れた私達は、バテアさんの転移ドアで南東の森へと移動していきました。
『お気をつけて~またお会いしましょう~』
そんな私達を、ドラコさんは手を振りながら見送ってくださいました。
「ふふ……ドラコってば、さわこのことがとっても気に入ったみたいね。初対面の相手とあんなに楽しそうに話をするドラコなんて、はじめてみたわ」
バテアさんはそう言いながら笑っておいでだったのですが……
思い返してみますと、あの場には私とバテアさん以外にもリンシンさんやジューイさんといった冒険者の皆様が同席なさっていたのですが、ドラコさんはそちらの方々には一度も話しかけられていなかったのでございます。
リンシンさん達もドラゴンの言葉はわかりませんので、ドラコさんが神の耳魔法で話しかけない限りは会話することは不可能だったわけです。
ドラコさんに気に入っていただけたのは個人的に嬉しく思ったのですが……
「……次にお会いしたときは、リンシンさんや皆さんもお友達になれるといいですね」
皆さんを見回しながら、そう言った私なのですが……
「……ど、ドラゴンとお友達って……」
「ジュ……さわこ、よくそんなことが言えるジュ」
私の言葉を聞いたリンシンさんとジューイさんは、顔を青くしながらそう仰られたのでございます。
「そうですか? 普通に可愛い女性の方でしたよ?」
何度もそう説明させていただいたのですが、
「……無理、怖すぎる」
「ジュ……隙を見せたら食われるジュ」
皆さん、首を左右に振りながら「無理です」との意思表示を繰り返すばかりでございました。
……もう、困ったものですね。ドラコさんってば、あんなに可愛くて素敵な女性ですのに……
ドラコさんとの会話を思い出しながら、次回お会い出来ることがございましたら、その際にはもっとたくさんのお弁当を作って行こうと思った次第でございます。
ーつづく
湖の畔、山麓の洞窟の前の開けた場所にシートを敷いて座っている私達。
私が準備して参りましたお昼ご飯が詰まっているお重をみんなで囲んでいるのですが……
そのすぐ後ろに、ドラゴンさんが座っているのです。
身の丈は……そうですね6,7メートルというところでしょうか。
そんなドラゴンさんが、足を前に投げ出すようにしてその場にちょこんと座っていらっしゃるお姿は、どこか現実離れしている気がしないでもありません。
そんなドラゴンさんの膝の上にバテアさんがお座りになっているもんですから、それが夢物語ではないことを思い知らせてくれている気がいたします。
「そっかぁ、ここに最近引っ越してきたのねぇ」
そんなバテアさんのお言葉に、ドラコさんと名乗られたそのドラゴンさんは頷いておいでです。
先ほどは、このドラゴンさんの言葉が脳の中に直接聞こえてきていた気がしていたのですが、それはドラゴンさんが私に話しかけるために神の耳魔法という物を使用なさっていたのだそうです。
今は、バテアさんと会話をなさっておいでですので、その神の耳魔法をバテアさんに向かって使用なさっていられるのでしょうね。
今の私には、ドラコさんがうなり声をあげているようにしか聞こえなくてですね、何をお話になっているのかさっぱりわからない状態なのです。
ただ、バテアさんと何やら楽しくお話なさっているのでしょうね、ということはお2人の様子から察することが出来ている次第です。
ちなみにですね……
ドラコさんの手には、私が作ってまいりましたお重が1つのっかっております。
ドラコさんが危険がないとわかったものですから、皆さんのお昼を準備しておりましたところ、
『なんだか美味しそうですね~』
ドラコさんが、私が作ってまいりましたお重に興味津々のご様子だったものですから、
「おひとつ如何ですか?」
そうお勧めさせていただきましたところ、
『え~!? いいんですか~!?』
と、とても大喜びなさったものですから、おかずのつまっているお重を1段、そのままお渡しさせていただいている次第でございます。
さ……さすがに、お体の大きいドラコさんですので、この程度の量ではまったく足りないの百も承知だったのですが……
『いえいえ~、私、こう見えて小食なんですよ~』
ドラコさんはそう言いながら、口から蛇のような舌を伸ばされましてお重の中身を器用に食べておいでなのでございます。
『大変おいしゅうございます~、さわこさんはお料理がとてもお上手なのですね~?』
「そ、そうですか? お口にあったようで何よりですわ」
時折、私の脳内にドラコさんのお声が聞こえてまいりますので、私もその度にお答えさせていただいているのですが……こうしてお話をさせていただいていてわかったのですが、このドラコさんは、とっても可愛い女性なんですよね。
『うふふ~』
とお笑いになる際には、手で口元を押さえておいでですし、
『そうですか~?』
と、いいながら小首をおかしげになったり、
『いやだ~、そんなことないですよ~』
と、恥ずかしがられながら手をお振りになったりと……
そのお姿が私達と同じでしたら可愛い仕草でしょうに、と思わず思ってしまうような……いえ、ドラゴンであられる今のお姿のままでも、とても可愛く思えてしまう仕草をしょっちゅうなさっておいでなのでございます。
そんなドラコさんは、基本的にバテアさんとの昔話に華を咲かせておいでです。
……そんなお2人を拝見していて、私はふとあることに思い当たりました。
「あの……つかぬことをお伺いするのですが……ドラコさんは人の姿に変化することは出来ないのですか?」
そうなんです。
この世界の亜人種族の方は、人の姿から魔獣の姿に変化する能力をお持ちの方が少なくないとお聞きしています。当然、その逆も可能なのだ、と。
それに、以前バテアさんからお聞きしたことがあるのですが、
『姿形変化魔法っていうのがあってね、これを使うと人の姿から魔獣の姿に変化出来たりするのよ』
そう、お聞きしたこともあったものですから……
私がそうお聞きいたしますと、ドラコさんは
『それがですね~……』
そう言うと、うなだれ気味になってしまいました。
『私はですね~、人型に変化出来る龍人(ドラゴニュート)種族ではなくてですね~、純粋な龍族なのですよ~ですので、亜人の皆様のように人の姿には変化出来ないんです~』
「スア師匠も、ドラコを人型に変化させることが出来る魔法を研究してくださってはいるんだけどさ……」
バテアさんも、そう言いながら、まるでドラコさんを励ますかのように、その体を撫でておいでです。
「あ、あの……へ、変な事をお聞きしてしまいまして申し訳ありませんでした」
そんなお2人向かって、私は深々と頭を下げた次第でございます。
お2人のご様子からして……ドラコさんが人型になりたがっておられるのは間違いございません。
その方法が、このパルマ世界最高の魔法使いであられますスア師匠さんをもってしてもまだ見つかっていないというのですから……あまりにも失礼な質問をしてしまったことを自覚した私は、何度も何度も頭を下げていた次第でございます。
そんな私にドラコさんは、
『あぁ、お気になさらないでください~、スア師匠も研究を続けてくださっていますし~、私もあれこれ頑張っておりますので~、きっといつか人型になってですね~、大好きな殿方と結ばれたいと思っておりますので~』
努めて明るい口調でそう言われたのですが……なんでしょう、人型になりたい理由まで乙女なドラコさんなのですね、と、思わずほっこりしてしまった私でございます。
「人型になることが出来た暁には、私もぜひお会いさせてくださいね。あ、もちろん、今のお姿のままでもお友達にならせていただけたらとってもうれしいです」
私がそうお伝えしますと、
『え~?ホントですか~、うふふ~、新しいお友達が出来てとってもうれしいです~』
ドラコさんは、嬉しそうな声でそう言ってくださったのでした。
こうして、私は新しくドラゴンのドラコさんとお友達になれたのでございます。
◇◇
その後、ドラコさんからあれこれお聞きしたところによりますと、
『この一帯にはですね~、最近流血狼を魔法で呼び寄せていますので~、クッカドウゥドルは寄りついていない感じですね~。南下してきているのでしたら、もう少し南東の方かもしれません~』
とのことでございましたので、昼食を終えた私達はそちらの方へ向かって移動していくことにいたしました。
「せっかくですのでお散歩がてら一緒に行ってみませんか?」
私がそうお声をかけさせていただきましたところ、ドラコさんは、
『せっかくのお申し出なのですが~……私が同行してしまいますと~、いくら気配を魔法で消しておりましても~、気配にすごく敏感なクッカドウゥドルには気が付かれてしまうと思うんです~。そうなりますと~、結果的に皆様の狩りの邪魔をしてしまうことになってしまいますので~』
そう言われてですね、同行をお断りなさった次第でございます。
そのような理由ですと、私もそれ以上強く誘うことが出来ません。
ここでドラコさんと別れた私達は、バテアさんの転移ドアで南東の森へと移動していきました。
『お気をつけて~またお会いしましょう~』
そんな私達を、ドラコさんは手を振りながら見送ってくださいました。
「ふふ……ドラコってば、さわこのことがとっても気に入ったみたいね。初対面の相手とあんなに楽しそうに話をするドラコなんて、はじめてみたわ」
バテアさんはそう言いながら笑っておいでだったのですが……
思い返してみますと、あの場には私とバテアさん以外にもリンシンさんやジューイさんといった冒険者の皆様が同席なさっていたのですが、ドラコさんはそちらの方々には一度も話しかけられていなかったのでございます。
リンシンさん達もドラゴンの言葉はわかりませんので、ドラコさんが神の耳魔法で話しかけない限りは会話することは不可能だったわけです。
ドラコさんに気に入っていただけたのは個人的に嬉しく思ったのですが……
「……次にお会いしたときは、リンシンさんや皆さんもお友達になれるといいですね」
皆さんを見回しながら、そう言った私なのですが……
「……ど、ドラゴンとお友達って……」
「ジュ……さわこ、よくそんなことが言えるジュ」
私の言葉を聞いたリンシンさんとジューイさんは、顔を青くしながらそう仰られたのでございます。
「そうですか? 普通に可愛い女性の方でしたよ?」
何度もそう説明させていただいたのですが、
「……無理、怖すぎる」
「ジュ……隙を見せたら食われるジュ」
皆さん、首を左右に振りながら「無理です」との意思表示を繰り返すばかりでございました。
……もう、困ったものですね。ドラコさんってば、あんなに可愛くて素敵な女性ですのに……
ドラコさんとの会話を思い出しながら、次回お会い出来ることがございましたら、その際にはもっとたくさんのお弁当を作って行こうと思った次第でございます。
ーつづく
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