29 / 343
連載
さわこさんと、農場 その4
しおりを挟む
結局この日、アミリアさんはひとしきり種を確認した後、完全に寝落ちなさってしまいました。
エミリアは
「ノープロブレム、引きずって帰るから」
そう言ったのですが、小柄なエミリアではそうもいきません。
結局この日、アミリアとエミリアには泊まっていってもらうことにしました。
バテアさんは、
「ま、賑やかなのは嫌いじゃないしね」
そう言ってクスクス笑っておられたのですが、いつもの薄手のベビードール風の寝間着に着替えられるとエミリアが
「あんびりばぼー!? し、し、し、信じられない! そ、そんな破廉恥な寝間着で寝るなんててて」
と、真っ赤になった顔を両手で覆っていました。
私は最近すっかり慣れてしまっていましたけど……本来、この反応が正しいのかもしれませんね……
寝室は、ベッドの脇にリンシンさんのお布団を敷いた状態で一杯ですので、アミリアさんとエミリアの寝床用にハンモックを吊すことになりました。
吊すといいましても、バテアさんが右手の人差し指をついっと一振りするだけで私達の頭上にハンモックが設置されてしまうのですから、なんともすごいとしかいいようがありません。
ベッドの脇に脚立のようなはしごを起きまして、アミリアさんとエミリアの乗降用にしてあります。
とはいいいましても、アミリアさんはすでに泥酔なさって熟睡中です。
ここはリンシンさんがアミリアさんを背負ってハンモックの上に上がられたのですが、
「えへへ~だっこ~」
完全に寝ぼけておられるアミリアさんがですね、リンシンさんに抱きついたまま離れなくなってしまったんです。
しかも、急に抱きつかれたものですから、びっくりなさったリンシンさんはハンモックの中に倒れ混んでしまわれまして。
「……動けない……かも?……」
そう言いながら苦笑なさっています。
「……どうしましょう、バテアさん」
「そうねぇ……まぁ、アミリアも気持ちよさそうにしてるし、リンシンもたまにはそこで寝るのもいいんじゃない?」
「……ん、わかった……」
と、まぁ、そんな会話の結果、
私とバテアさんが2人でベッドで、
リンシンさんとアミリアさんが頭上のハンモックで、
エミリアが、いつもはリンシンさんが寝ているベッド横の布団で
それぞれ眠ることになりました。
◇◇
その夜中のことでした。
私は体が揺れた気がして目を覚ましました。
すると、私の横、ベッドの横にエミリアが立っていました。
私のシャツを寝間着代わりにだぼっと来ているエミリアは、
「あの……ソーリーさわこ、寝ていたのに悪いだけど……」
そう言いながら、モジモジしています。
……あぁ、これは、あれですね……
「……あの、わ、悪いけど、ちょっとおトイレ……ついてきてくれない? プリーズ……」
エミリアはそう言いながら頬を真っ赤にしていました。
「えぇ、大丈夫ですよ」
私は、にっこり微笑んでベッドから起き上がり、エミリアをトイレに案内していきました。
で、トイレに連れて行ったあとも、
「さわこ、そこにいる?」
「さわこ、ちゃんと居てよ」
と、何度も何度もエミリアに確認され続けました。
ふふ……成人しているとはいえ、とても小柄な体でいつも頑張られているエミリアの、いつもと違う一面を見れたものですから、私は思わず微笑んでしまいました。
……ですが
笑えたのは、ここまででした。
一緒に手をつないで寝室に戻った私とエミリアは、それぞれ寝床に戻ったのですが……
「う~ん……」
「あはぁ……もう一杯~……」
私の頭上のハンモックで寝ているリンシンさんとアミリアさんがですね、寝言を言いながら何度も何度も寝返りを打ち始めたんです。
その度に、ハンモックがギシギシすごい音を立てていまして……その真下に寝ている私は、寝るどころの騒ぎではなくなってしまいました。
◇◇
翌朝……やや寝不足気味ですが、いつもの時間に目を覚ました私は、まだ眠っておられるみなさんを起こさないように気をつけながらベッドを抜け出すと、台所に移動して朝食を作りました。
バテア家の定番になっています
ご飯
お味噌汁
卵焼き
焼き物
漬物
この5品です。
お味噌汁の具材は、今日は厚揚げと大根です。
焼き物は鮭にしました。
漬物は、白菜です。もちろん私が漬けた物ですよ。
お味噌汁の匂いが台所からリビングを通って寝室へと漂い始めた頃合いで、まずリンシンさんが起きられます。
ドンガラガッシャ~ン
「はい!?」
そのタイミングで、寝室からすごい音がいたしました。
私がお玉片手に駆けつけますと、ハンモックから落下したリンシンさんとアミリアさんが、ベッドの上のバテアさんの上に折り重なっています。
ベッド下で寝ていたエミリアも、半身を起こして目を丸くしています。
どうやら目を覚ましたリンシンさんが、布団で寝ていると勘違いして起き上がったもんですからハンモックの上でバランスを崩してしまい、アミリアさんごと落下してしまったようなのです。
「……り、リンシン……お、重いってば」
「ご、ごめん……」
そんな会話を交わしながら、バテアさんとリンシンさんはどうにか立ち上がっていたのですが……そんな中、アミリアさんだけはいまだに寝息をたてておられます。
その様子を見つめていたエミリアが
「……すいません、アミリア姉さんは、一度熟睡してしまうと何があっても起きないものですから……Oh……」
そう言いながら額を押さえていました。
◇◇
その後、しばらくしてようやく目を覚ましたアミリアさんも交えてみんなで朝食をいただきました。
「エミリアのご飯も美味しいけど、さわこのご飯も美味しいわねぇ」
アミリアさんは嬉しそうにそう言ってくださったのですが、その横でエミリアは
「……アミリア姉さん、正直に言っていいのよ。さわこのご飯の方が美味しいって……」
そう言いながら苦笑していました。
それは怒っているというよりも、私の料理を褒めてくださっている感じです。
「さわこ、今度料理も教えてくれない? お姉ちゃんに美味しい物を食べさせてあげたいの。プリーズ」
エミリアは私にそう言いました。
「えぇ、私でよろしければ喜んで」
私は、そんなエミリアに笑顔で返事をいたしました。
◇◇
その後、いつものように罠の確認と狩りに向かったリンシンさん以外の、私、バテアさん、アミリアさん、エミリアの4人で、さわこの森へ向かいました。
バテアさんの展開なさった転移ドアをくぐっていったのですが、
「へぇ……転移魔法なんだ……初めて見たわ」
アミリアさんは、その魔法を珍しそうに見つめておられました。
そして、さわこの森に到着すると
「わぁ……すっごいわね、ここ……」
周囲を見回しながら、アミリアさんは目を丸くなさっていました。
私達の真正面にはクッカドウゥドルを放牧している放牧場があります。
リンシンさんが打ち込んでくださった杭にそって、バテアさんの防御壁魔法が展開されていますので、クッカドウゥドルが杭の外に逃げ出すことはありません。
「へぇ……あのクッカドウゥドルを自然に近い状態で放牧してるのね……それがあの焼き鳥の材料になってるのか」
アミリアさんはそう言いながら、うんうんと頷いています。
次いで、アミリアさんは近くの地面に這いつくばり、土を手に取って何やら確認され始めました。
時折、その土を口に含んだりもされています。
「……ふ~ん……土質は良好、養分もふんだんに含んでいる……ただ微生物は存在しない、と……」
しばらく、ブツブツいいながらあれこれ確認作業を続けておられたアミリアさんなのですが……いきなりガバッと立ち上がられますと、
「決めたわ! 私ここで研究する! ここに引っ越すわ」
いきなりそう言われました。
「この土地、土質は最上質、しかも人の手が入っていないから研究にももってこいよ! うん、最高! 最高の土地よ、ここ」
アミリアさんはそう言いながら、何度も頷いておられます。
「え?」
「はい?」
「ホワット!?」
私・バテアさん・エミリアの3人はそのお言葉を聞きながら思わず目が点になってしまいました。
そんな私達の前で、アミリアさんは腰に漬けておられます魔法袋から何かを取り出されました。
それをみたエミリアが目を丸くしています。
「お姉ちゃん、ハウスを持ってきたの?」
「え?」
ハウス……家、ってことですよね?……え? それを持ってきた???
私が目を点にしていますと、その前でアミリアさんは、取り出した何かを地面の上に置かれまして、
「はい、みんな下がって下がって~」
そう言いながら私達を下がらせていきます。
バテアさんだけは、何が起きるのかご理解なさっているようで、クスクス笑っておられます。
エミリアも「また勝手に……」と言いながらため息をついていますので、こちらもわかっているようですね。
……あれ? じゃあ、これから何が起きるのかわかっていないのって、私だけですか?
私がそんな事を考えていると、
「はい、展開!」
アミリアさんはそう言って手に持っておられたボタンのような物を押されました。
すると……なんということでしょう……
その小さな箱みたいな物体がいきなり大きくなっていきまして……そこに木造二階建ての家が出現したんです。
その入り口には
『アミリア野菜植物研究所』
という看板が掲げられていました。
ーつづく
エミリアは
「ノープロブレム、引きずって帰るから」
そう言ったのですが、小柄なエミリアではそうもいきません。
結局この日、アミリアとエミリアには泊まっていってもらうことにしました。
バテアさんは、
「ま、賑やかなのは嫌いじゃないしね」
そう言ってクスクス笑っておられたのですが、いつもの薄手のベビードール風の寝間着に着替えられるとエミリアが
「あんびりばぼー!? し、し、し、信じられない! そ、そんな破廉恥な寝間着で寝るなんててて」
と、真っ赤になった顔を両手で覆っていました。
私は最近すっかり慣れてしまっていましたけど……本来、この反応が正しいのかもしれませんね……
寝室は、ベッドの脇にリンシンさんのお布団を敷いた状態で一杯ですので、アミリアさんとエミリアの寝床用にハンモックを吊すことになりました。
吊すといいましても、バテアさんが右手の人差し指をついっと一振りするだけで私達の頭上にハンモックが設置されてしまうのですから、なんともすごいとしかいいようがありません。
ベッドの脇に脚立のようなはしごを起きまして、アミリアさんとエミリアの乗降用にしてあります。
とはいいいましても、アミリアさんはすでに泥酔なさって熟睡中です。
ここはリンシンさんがアミリアさんを背負ってハンモックの上に上がられたのですが、
「えへへ~だっこ~」
完全に寝ぼけておられるアミリアさんがですね、リンシンさんに抱きついたまま離れなくなってしまったんです。
しかも、急に抱きつかれたものですから、びっくりなさったリンシンさんはハンモックの中に倒れ混んでしまわれまして。
「……動けない……かも?……」
そう言いながら苦笑なさっています。
「……どうしましょう、バテアさん」
「そうねぇ……まぁ、アミリアも気持ちよさそうにしてるし、リンシンもたまにはそこで寝るのもいいんじゃない?」
「……ん、わかった……」
と、まぁ、そんな会話の結果、
私とバテアさんが2人でベッドで、
リンシンさんとアミリアさんが頭上のハンモックで、
エミリアが、いつもはリンシンさんが寝ているベッド横の布団で
それぞれ眠ることになりました。
◇◇
その夜中のことでした。
私は体が揺れた気がして目を覚ましました。
すると、私の横、ベッドの横にエミリアが立っていました。
私のシャツを寝間着代わりにだぼっと来ているエミリアは、
「あの……ソーリーさわこ、寝ていたのに悪いだけど……」
そう言いながら、モジモジしています。
……あぁ、これは、あれですね……
「……あの、わ、悪いけど、ちょっとおトイレ……ついてきてくれない? プリーズ……」
エミリアはそう言いながら頬を真っ赤にしていました。
「えぇ、大丈夫ですよ」
私は、にっこり微笑んでベッドから起き上がり、エミリアをトイレに案内していきました。
で、トイレに連れて行ったあとも、
「さわこ、そこにいる?」
「さわこ、ちゃんと居てよ」
と、何度も何度もエミリアに確認され続けました。
ふふ……成人しているとはいえ、とても小柄な体でいつも頑張られているエミリアの、いつもと違う一面を見れたものですから、私は思わず微笑んでしまいました。
……ですが
笑えたのは、ここまででした。
一緒に手をつないで寝室に戻った私とエミリアは、それぞれ寝床に戻ったのですが……
「う~ん……」
「あはぁ……もう一杯~……」
私の頭上のハンモックで寝ているリンシンさんとアミリアさんがですね、寝言を言いながら何度も何度も寝返りを打ち始めたんです。
その度に、ハンモックがギシギシすごい音を立てていまして……その真下に寝ている私は、寝るどころの騒ぎではなくなってしまいました。
◇◇
翌朝……やや寝不足気味ですが、いつもの時間に目を覚ました私は、まだ眠っておられるみなさんを起こさないように気をつけながらベッドを抜け出すと、台所に移動して朝食を作りました。
バテア家の定番になっています
ご飯
お味噌汁
卵焼き
焼き物
漬物
この5品です。
お味噌汁の具材は、今日は厚揚げと大根です。
焼き物は鮭にしました。
漬物は、白菜です。もちろん私が漬けた物ですよ。
お味噌汁の匂いが台所からリビングを通って寝室へと漂い始めた頃合いで、まずリンシンさんが起きられます。
ドンガラガッシャ~ン
「はい!?」
そのタイミングで、寝室からすごい音がいたしました。
私がお玉片手に駆けつけますと、ハンモックから落下したリンシンさんとアミリアさんが、ベッドの上のバテアさんの上に折り重なっています。
ベッド下で寝ていたエミリアも、半身を起こして目を丸くしています。
どうやら目を覚ましたリンシンさんが、布団で寝ていると勘違いして起き上がったもんですからハンモックの上でバランスを崩してしまい、アミリアさんごと落下してしまったようなのです。
「……り、リンシン……お、重いってば」
「ご、ごめん……」
そんな会話を交わしながら、バテアさんとリンシンさんはどうにか立ち上がっていたのですが……そんな中、アミリアさんだけはいまだに寝息をたてておられます。
その様子を見つめていたエミリアが
「……すいません、アミリア姉さんは、一度熟睡してしまうと何があっても起きないものですから……Oh……」
そう言いながら額を押さえていました。
◇◇
その後、しばらくしてようやく目を覚ましたアミリアさんも交えてみんなで朝食をいただきました。
「エミリアのご飯も美味しいけど、さわこのご飯も美味しいわねぇ」
アミリアさんは嬉しそうにそう言ってくださったのですが、その横でエミリアは
「……アミリア姉さん、正直に言っていいのよ。さわこのご飯の方が美味しいって……」
そう言いながら苦笑していました。
それは怒っているというよりも、私の料理を褒めてくださっている感じです。
「さわこ、今度料理も教えてくれない? お姉ちゃんに美味しい物を食べさせてあげたいの。プリーズ」
エミリアは私にそう言いました。
「えぇ、私でよろしければ喜んで」
私は、そんなエミリアに笑顔で返事をいたしました。
◇◇
その後、いつものように罠の確認と狩りに向かったリンシンさん以外の、私、バテアさん、アミリアさん、エミリアの4人で、さわこの森へ向かいました。
バテアさんの展開なさった転移ドアをくぐっていったのですが、
「へぇ……転移魔法なんだ……初めて見たわ」
アミリアさんは、その魔法を珍しそうに見つめておられました。
そして、さわこの森に到着すると
「わぁ……すっごいわね、ここ……」
周囲を見回しながら、アミリアさんは目を丸くなさっていました。
私達の真正面にはクッカドウゥドルを放牧している放牧場があります。
リンシンさんが打ち込んでくださった杭にそって、バテアさんの防御壁魔法が展開されていますので、クッカドウゥドルが杭の外に逃げ出すことはありません。
「へぇ……あのクッカドウゥドルを自然に近い状態で放牧してるのね……それがあの焼き鳥の材料になってるのか」
アミリアさんはそう言いながら、うんうんと頷いています。
次いで、アミリアさんは近くの地面に這いつくばり、土を手に取って何やら確認され始めました。
時折、その土を口に含んだりもされています。
「……ふ~ん……土質は良好、養分もふんだんに含んでいる……ただ微生物は存在しない、と……」
しばらく、ブツブツいいながらあれこれ確認作業を続けておられたアミリアさんなのですが……いきなりガバッと立ち上がられますと、
「決めたわ! 私ここで研究する! ここに引っ越すわ」
いきなりそう言われました。
「この土地、土質は最上質、しかも人の手が入っていないから研究にももってこいよ! うん、最高! 最高の土地よ、ここ」
アミリアさんはそう言いながら、何度も頷いておられます。
「え?」
「はい?」
「ホワット!?」
私・バテアさん・エミリアの3人はそのお言葉を聞きながら思わず目が点になってしまいました。
そんな私達の前で、アミリアさんは腰に漬けておられます魔法袋から何かを取り出されました。
それをみたエミリアが目を丸くしています。
「お姉ちゃん、ハウスを持ってきたの?」
「え?」
ハウス……家、ってことですよね?……え? それを持ってきた???
私が目を点にしていますと、その前でアミリアさんは、取り出した何かを地面の上に置かれまして、
「はい、みんな下がって下がって~」
そう言いながら私達を下がらせていきます。
バテアさんだけは、何が起きるのかご理解なさっているようで、クスクス笑っておられます。
エミリアも「また勝手に……」と言いながらため息をついていますので、こちらもわかっているようですね。
……あれ? じゃあ、これから何が起きるのかわかっていないのって、私だけですか?
私がそんな事を考えていると、
「はい、展開!」
アミリアさんはそう言って手に持っておられたボタンのような物を押されました。
すると……なんということでしょう……
その小さな箱みたいな物体がいきなり大きくなっていきまして……そこに木造二階建ての家が出現したんです。
その入り口には
『アミリア野菜植物研究所』
という看板が掲げられていました。
ーつづく
42
お気に入りに追加
3,701
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。

婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。

私に姉など居ませんが?
山葵
恋愛
「ごめんよ、クリス。僕は君よりお姉さんの方が好きになってしまったんだ。だから婚約を解消して欲しい」
「婚約破棄という事で宜しいですか?では、構いませんよ」
「ありがとう」
私は婚約者スティーブと結婚破棄した。
書類にサインをし、慰謝料も請求した。
「ところでスティーブ様、私には姉はおりませんが、一体誰と婚約をするのですか?」

冷遇妻に家を売り払われていた男の裁判
七辻ゆゆ
ファンタジー
婚姻後すぐに妻を放置した男が二年ぶりに帰ると、家はなくなっていた。
「では開廷いたします」
家には10億の価値があったと主張し、妻に離縁と損害賠償を求める男。妻の口からは二年の事実が語られていく。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

英雄一家は国を去る【一話完結】
青緑
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。

婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ!
タヌキ汁
ファンタジー
国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。
これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。