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さわこさんと、芋煮会 その1
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最近は朝の空気が冷たく感じるようになってまいりました。
朝の仕込みをしておりますと、水温でそのことを体感いたします。
「もうすっかり秋な感じですねぇ」
そんなことを呟きながら、私は今夜の仕込みを続けていました。
そんな時です。
「……さわこ、ちょっといい」
リンシンさんがお店の中に顔をのぞけながら私を手招きしておられます。
リンシンさんは、今朝も森へ白銀狐の皆さんと一緒に向かわれていたんです。
「あ、リンシンさんお帰りなさい。何かあったのですか?」
「……うん……これ、食べられるかな、と思って……」
そう言いながらリンシンさんが私に向かって見せてくださったのは、黒くてまるっとしている……
「あ、里芋ですか!」
「……こっちではサルトイモって言うんだけど……これ、食べれる?」
「そうですね、私の世界の食べ物によく似ていますので大丈夫じゃないかなと思います。一応、お試しで料理してみないとあれなんですけど」
「……そっか、ならよかった」
私の言葉を聞いたリンシンさんは、どこかほっとした表情を浮かべておられます。
「あの……何かあったのですか?」
「……何かというか……あの、これ……」
そう言いながら私を手招きするリンシンさん。
呼ばれた私は、リンシンさんが立っている居酒屋さわこさんの入り口へと移動していったのですが……
「え? こ、これって……」
そこで私は思わず目を丸くしてしまいました。
そうなんです……お店の前にですね、掘り出されたばかりのサルトイモが山積みになっていたんです。
「……あの、これ……山で群生していたのを見つけて……白銀狐のみんなと一緒に収穫してたら、いつの間にかこんなになってて……」
リンシンさんが言われるには、これでも半分くらいしか収穫していないそうなんです。
「うわぁ……こ、これはまた大量ですねぇ」
「……えっと、大丈夫……かな?」
どうやらリンシンさんもたくさん取って来すぎたと思われているようでして、少し申し訳なさそうな表情をなさっておられます。
リンシンさんの足には、シロが抱きついていまして、心配そうな表情を浮かべながら私とリンシンさんを交互に見つめています。
私は、少し腕組をして考えを巡らせていたのですが……
「……そうですね、この時期にこれだけのサルトイモが収穫出来たのも何かのご縁ですし、芋煮を作って皆さんに振る舞っちゃいましょうか」
「大丈夫、なの?」
「えぇ、大丈夫よシロ。さ、そうと決まったら、サルトイモをお店の中に運びこむのを手伝ってくれるかしら?」
「うん! わかった!」
ぱぁっと笑顔を浮かべると、シロは腕いっぱいにサルトイモを抱えてお店の中へと入ってきました。
私も、お店の中から籠を取ってきてサルトイモをつめていきます。
リンシンさんも、笑顔でサルトイモをお店の中へ運んでくださっています。
◇◇
それからの私は、ひたすらサルトイモを剥いていきました。
何しろサルトイモの山が私の首のあたりまでありますからね、剥いても剥いても減った気がいたしません。
でも、なんでしょう……これだけの量がありますと、なんだか気合いが入ってしまいますね。
「サルトイモがこれだけあるとなると、あと、こんにゃくと煮こみ用のお肉がもう少し欲しいところですね……タテガミライオンのお肉は煮こみ料理にはいまいち合いませんし……」
サルトイモを剥きながら、私はそんなことを考えておりました。
そうですね……これだけのサルトイモと一緒に調理出来るお肉を仕入れるとなると……急遽あそこに行くしかありませんね。
そんなことを考えていると、
「おあよ~わさこ……ふあぁあ……」
大あくびをなさりながら、バテアさんが二階から降りてこられました。
今日はいつもよりも遅かったものですから、さわこの森の皆様はすでにお帰りになった後ですので、バテアさんが少々あれな格好をなさっていても……と、思ったのですが、よく考えたらサルトイモを洗うのをシロやベル達が手伝ってくれていましたので、
「バテアさん、その格好はちょっとあれなのでぇ……」
慌てて階段へ駆け寄っていきまして、いつものように下着がスケスケな寝間着姿のバテアさんを二階に押し戻していきました。
その後……バテアさんに服を着てもらいながら事情を説明していった私でございます。
「……と、いうわけで、辺境都市ナカンコンベのおもてなし商会に仕入れに行きたいのですが、お願い出来ますか?」
私の言葉を聞きながら、服を身につけておられるバテアさんは、大きなあくびをもう一度すると、
「そうねぇ、美味しい物が食べられるみたいだし、そういうことなら喜んで協力させてもらうわよ」
そう言いながら、悪戯っぽくウインクしてくださいました。
「ありがとうございます。助かります」
そんなバテアさんに、深々とお辞儀をする私。
これで、どうにかお肉を仕入れることが出来そうです。
エプロンを外しながら、早速出かける準備をしていく私。
服を着終わったバテアさんは、すでに転移魔法の準備をなさっておられます。
私は、一度階下へ向かっていくと、階段を半分降りたところで、居酒屋さわこさんの方へ顔を向けました。
そこでは、タライの中でサルトイモを洗ってくれているベルやシロ達の姿がありました。
リンシンさんは、狩猟用のナイフを使ってサルトイモの皮を器用に剥いておられます。
「ちょっと出かけてきます。すぐに戻りますので」
「ニャ、わかったニャ! お芋を洗うのは任せてニャ!」
「さわこ、まかせて!」
「ワシらですっかり終わらせておくのじゃ!」
私の言葉に、元気に返事を返してくれるベル達。
リンシンさんも
『みんなのお世話は任せて』
といった様子で、頷いてくださっています。
そんなみんなに、笑顔で一礼して、私は再び二階に戻っていきました。
すでにバテアさんが転移魔法を展開しておられまして、床に広がった魔法陣から転移ドアが出現していました。
「さ、ナカンコンベにつながったわよ」
「はい、ありがとうございます」
バテアさんが扉を開けると、その向こうには見慣れた街並みが広がっていました。
目の前にある建物と建物の間の通路を進んでいけば、その先におもてなし商会がございます。
「では、まいりましょう」
「えぇ、わかったわ」
バテアさんに続いて、私も転移ドアをくぐっていきました。
ナカンコンベの街中は……なんでしょう、いつもよりも人通りが多い気がいたします。
「ちょっとすごい人ね、これってば……」
「何かお祭りでもしているのでしょうか?」
「と、とにかく、これは早く用事をすませて帰った方がよさそうね」
「そうですね、そういたしましょう」
街道を行き来しているたくさんの人々の間を縫うようにして、おもてなし商会への道へ入っていった私とバテアさん。
いつもおもてなし商会で取引をなさっている方々は、街道から荷馬車にのって裏街道を通っていかれますので、この道を通られる方は少ないのですが……今日は、この道もたくさんの方々が往来なさっておられます。
そんな中、おもてなし商会へ到着した私達。
その視線の向こうには、いつも以上の人々が行き来なさっているおもてなし商会の光景が広がっていました。
そんな中……おられました、ここおもてなし商会ナカンコンベ店の責任者ファラさんです。
ファラさんはたくさんの方々を前にして、商談をなさっておられるようです。
「そんな条件、のめるわけないじゃない。出直してきたらどうかしら?」
「い、いや、それは困る……じゃ、じゃあ、この条件でどうだろう……」
「え? 何? それで譲歩してるつもりなのかしら? へぇ……」
ファラさんは、そんな感じで一度に複数の方々とお話をなさっておられます。
そのお顔には自信満々と言いますか、とっても強気な表情が浮かんでおられたのですが……ファラさんと私の視線がバチッとあった瞬間に……ファラさんは目を丸くなさると、
「ちょ、ちょっと待ってなさい、あなた達」
交渉をなさっておられた方々を残して、私の元へ向かって駆け寄ってこられました。
ーつづく
********************************
9/21 アルファポリス様より書籍版発売になります
皆様よろしくお願いいたします
朝の仕込みをしておりますと、水温でそのことを体感いたします。
「もうすっかり秋な感じですねぇ」
そんなことを呟きながら、私は今夜の仕込みを続けていました。
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リンシンさんがお店の中に顔をのぞけながら私を手招きしておられます。
リンシンさんは、今朝も森へ白銀狐の皆さんと一緒に向かわれていたんです。
「あ、リンシンさんお帰りなさい。何かあったのですか?」
「……うん……これ、食べられるかな、と思って……」
そう言いながらリンシンさんが私に向かって見せてくださったのは、黒くてまるっとしている……
「あ、里芋ですか!」
「……こっちではサルトイモって言うんだけど……これ、食べれる?」
「そうですね、私の世界の食べ物によく似ていますので大丈夫じゃないかなと思います。一応、お試しで料理してみないとあれなんですけど」
「……そっか、ならよかった」
私の言葉を聞いたリンシンさんは、どこかほっとした表情を浮かべておられます。
「あの……何かあったのですか?」
「……何かというか……あの、これ……」
そう言いながら私を手招きするリンシンさん。
呼ばれた私は、リンシンさんが立っている居酒屋さわこさんの入り口へと移動していったのですが……
「え? こ、これって……」
そこで私は思わず目を丸くしてしまいました。
そうなんです……お店の前にですね、掘り出されたばかりのサルトイモが山積みになっていたんです。
「……あの、これ……山で群生していたのを見つけて……白銀狐のみんなと一緒に収穫してたら、いつの間にかこんなになってて……」
リンシンさんが言われるには、これでも半分くらいしか収穫していないそうなんです。
「うわぁ……こ、これはまた大量ですねぇ」
「……えっと、大丈夫……かな?」
どうやらリンシンさんもたくさん取って来すぎたと思われているようでして、少し申し訳なさそうな表情をなさっておられます。
リンシンさんの足には、シロが抱きついていまして、心配そうな表情を浮かべながら私とリンシンさんを交互に見つめています。
私は、少し腕組をして考えを巡らせていたのですが……
「……そうですね、この時期にこれだけのサルトイモが収穫出来たのも何かのご縁ですし、芋煮を作って皆さんに振る舞っちゃいましょうか」
「大丈夫、なの?」
「えぇ、大丈夫よシロ。さ、そうと決まったら、サルトイモをお店の中に運びこむのを手伝ってくれるかしら?」
「うん! わかった!」
ぱぁっと笑顔を浮かべると、シロは腕いっぱいにサルトイモを抱えてお店の中へと入ってきました。
私も、お店の中から籠を取ってきてサルトイモをつめていきます。
リンシンさんも、笑顔でサルトイモをお店の中へ運んでくださっています。
◇◇
それからの私は、ひたすらサルトイモを剥いていきました。
何しろサルトイモの山が私の首のあたりまでありますからね、剥いても剥いても減った気がいたしません。
でも、なんでしょう……これだけの量がありますと、なんだか気合いが入ってしまいますね。
「サルトイモがこれだけあるとなると、あと、こんにゃくと煮こみ用のお肉がもう少し欲しいところですね……タテガミライオンのお肉は煮こみ料理にはいまいち合いませんし……」
サルトイモを剥きながら、私はそんなことを考えておりました。
そうですね……これだけのサルトイモと一緒に調理出来るお肉を仕入れるとなると……急遽あそこに行くしかありませんね。
そんなことを考えていると、
「おあよ~わさこ……ふあぁあ……」
大あくびをなさりながら、バテアさんが二階から降りてこられました。
今日はいつもよりも遅かったものですから、さわこの森の皆様はすでにお帰りになった後ですので、バテアさんが少々あれな格好をなさっていても……と、思ったのですが、よく考えたらサルトイモを洗うのをシロやベル達が手伝ってくれていましたので、
「バテアさん、その格好はちょっとあれなのでぇ……」
慌てて階段へ駆け寄っていきまして、いつものように下着がスケスケな寝間着姿のバテアさんを二階に押し戻していきました。
その後……バテアさんに服を着てもらいながら事情を説明していった私でございます。
「……と、いうわけで、辺境都市ナカンコンベのおもてなし商会に仕入れに行きたいのですが、お願い出来ますか?」
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服を着終わったバテアさんは、すでに転移魔法の準備をなさっておられます。
私は、一度階下へ向かっていくと、階段を半分降りたところで、居酒屋さわこさんの方へ顔を向けました。
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リンシンさんは、狩猟用のナイフを使ってサルトイモの皮を器用に剥いておられます。
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「ニャ、わかったニャ! お芋を洗うのは任せてニャ!」
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ナカンコンベの街中は……なんでしょう、いつもよりも人通りが多い気がいたします。
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街道を行き来しているたくさんの人々の間を縫うようにして、おもてなし商会への道へ入っていった私とバテアさん。
いつもおもてなし商会で取引をなさっている方々は、街道から荷馬車にのって裏街道を通っていかれますので、この道を通られる方は少ないのですが……今日は、この道もたくさんの方々が往来なさっておられます。
そんな中、おもてなし商会へ到着した私達。
その視線の向こうには、いつも以上の人々が行き来なさっているおもてなし商会の光景が広がっていました。
そんな中……おられました、ここおもてなし商会ナカンコンベ店の責任者ファラさんです。
ファラさんはたくさんの方々を前にして、商談をなさっておられるようです。
「そんな条件、のめるわけないじゃない。出直してきたらどうかしら?」
「い、いや、それは困る……じゃ、じゃあ、この条件でどうだろう……」
「え? 何? それで譲歩してるつもりなのかしら? へぇ……」
ファラさんは、そんな感じで一度に複数の方々とお話をなさっておられます。
そのお顔には自信満々と言いますか、とっても強気な表情が浮かんでおられたのですが……ファラさんと私の視線がバチッとあった瞬間に……ファラさんは目を丸くなさると、
「ちょ、ちょっと待ってなさい、あなた達」
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