305 / 343
連載
さわこさんと、トツノコンベのある夏の日
しおりを挟む
先日のお休みの日、ベル達と一緒にティーケー海岸のお祭りへと行ってきた私達ですが、
「ニャア、お祭りとっても楽しかったニャ」
「そうね、私もそう思うわ!」
「……シロも、とっても楽しかった」
「そうじゃの、夏の祭りもなかなか楽しかったのぉ」
「みゅ! みゅう!」
家に戻ってからのベル達も、お祭りがとっても楽しかったみたいでして、食事の度にみんなで楽しそうにそんな会話を交わしているんです。
特に、お祭りで仲良くなったパラナミオちゃんという女の子に関しては、
「とっても仲良しになったニャ! また一緒に遊びたいニャ!」
ベルが笑顔でそう言うと、他のみんなも揃って笑顔で頷くほどだったんです。
「なんか、辺境都市ガタコンベに住んでるって話だし、今度また転移魔法で連れてってあげるわ」
「ニャ! バーちゃん、ありがとニャ!」
「お礼を言うのなら、その「バーちゃん」はやめなさいっていつも言ってるでしょ!」
笑顔で抱きついてきたベルを、苦笑しながら抱きしめているバテアさん。
一応、訂正するように言っていらっしゃるのですが、内心ではすでにあきらめられている感じですね。
ベルにしても、悪戯で言っているのではなく、その方が言いやすいからそう言っているだけみたいですし……ここは、しばらく様子見ってことでしょうか。
とはいえ、しばらくの間、食事時の話題はティーケー海岸のお祭りのことになりそうです。
◇◇
そんな中……ここ、辺境都市トツノコンベはとっても暑いです。
ティーケー海岸や、私が元いた世界ほどではないのですが、
「今年の夏の暑さはちょっと異常ねぇ……ちかくに火鳥が住み着いたしてるのかしら」
「火鳥……ですか?」
バテアさんの言葉に首をひねる私。
「そうなのよ、滅多にいないんだけどね、別の世界から全身から炎を発している魔鳥が迷い込んでくることがあるんだけど、こいつが住み着くと、その周囲の気温がグンってあがるのよ。去年は、スア師匠が住んでる都市の近くに住み着いてたって話だったんだけど……」
そう言うと、バニラアイスを口にくわえながら目の前に魔法のウインドウを展開していくバテアさん。
「……ん~……それっぽい生命反応はない……ってことは、単に今年が猛暑ってことなのかしらねぇ……」
一度ため息をつくと、バテアさんは部屋の端にセットしてある冷製魔石のところへ歩み寄っていかれました。
「そうねぇ……今の設定温度だと、室内が十分冷えなくなってるわけだし……もう少し設定温度を下げた方がよさそうね。魔法道具の店で販売している冷製魔石も、温度設定が低めのヤツを増産しとくかなぁ……」
この世界には、私の世界のクーラーはありません。
ですが、室温を調節出来る魔石が存在しています。
冷製魔石を部屋の柱にセットして置けば、室内の温度が低くなるんです。
クーラーと違って、室内空間の温度を魔石の力で下げているため、窓を開けていても問題ないんですよね。
で、魔法使いのバテアさんは、この冷製魔石を精製して、ご自分が経営なさっている魔法道具のお店で販売なさっているんです。
今の時期は冷製魔石が、冬の時期は暖製魔石がとってもたくさん売れていまして、バテアさんのお店の季節の主力商品なのだそうです。
しかし……そうですね。
これだけ暑いと、何か冷たい物でも作りたくなってしまいますね。
ベル達は、トツノコンベの夏祭りや、ティーケー海岸の夏祭りで食べたかき氷がお気に入りでして、猫集会かた帰ってきたら、毎日のようにかき氷を食べています。
「そうですね……たまには変わった冷たい物でも……」
そう思った私は、ある物のことを思い出しました。
実は、バテアさんが管理なさっている小規模な異世界空間「さわこの森」の中で、私の世界のわらびによく似た植物「ワルラビ」を見つけていたんです。
その根っこを採取してですね、水洗い・干し・砕きを繰り返して下ごしらえをしていたのですが……
「……そうですね、いい感じになっているみたいですし、今日はこれを使ってみましょうか」
魔法袋の中からとりだしたワルラビの粉を確認した私は、居酒屋さわこさんの厨房へと移動していきました。
準備したボールの中に本ワルラビ粉を入れ、そこに水を少しずつ入れながら粉を溶かしていきます。
天然物ですので、なかなかすぐには溶けないのですが……それでも、根気よく混ぜていると、ゆっくり水と一体化していきます。
ざるで、細かな塊を除去しながらお鍋にうつし、そこに水飴を加えて味を調えます。
お鍋を魔石コンロにかけて、コトコト温めていきます。
木べらでかき混ぜていると、結構な早さで固まっていきますので、ある程度の固さになったところで中身をトレーの上に移し、一口大の大きさにちぎっては、準備しておいた氷水の中につけていきます。
「へぇ……不思議ねぇ、真っ黒でぷよんぷよんなんだ……」
大鍋の中で浮いている塊を見つめながら、不思議そうな表情をなさっているバテアさん。
「そうなんです。お店で売っている品物は白い物が多いのですが、本わらび粉を使用すると、こうして黒くなるんです……どうやら、ワルラビでも上手くいったみたいですね」
大鍋の中に浮かんでいる塊を見つめながら、私も思わず笑顔になっていました。
はい、わらび餅ならぬ、ワルラビ餅の出来上がりです。
ワルラビ餅が冷えるまでの間に、きな粉と黒蜜を用意して……これで、準備万端ですね。
「バテアさん、まずは味見をしてみますか?」
「そうね、お願いしようかしら」
バテアさんの言葉に笑顔で頷くと、私は大鍋の中に浮かんでいるワルラビ餅を3つ手にとり、小皿へと移していきました。
その上に、きな粉と黒蜜をたっぷりとかけて……
「さ、どうぞお召し上がりくださいな」
そう言いながら、カウンターに座っているバテアさんへ小皿を手渡しました。
まだ私が小さかった頃、父がこうやってわらび餅を作ってくれたものでした。
父は、こうして作成したわらび餅を屋台で売りにいったりもしていたんです。
屋台の中央が水槽状になっていて、その中に氷水を入れておき、その中にわらび餅を浮かべておきます。
買いに来たお客さんに、そのわらび餅を容器に入れ、きな粉と黒蜜をかけてお売りするわけです。
夏の日差しの元で食べた、父のわらび餅……私にとって忘れることの出来ない夏の思い出の味なんです。
そんなワルラビ餅を口に運んでいくバテアさん。
きな粉と黒蜜がのっかっているワルラビ餅を口に中へ入れ……
「……うん、冷たくて美味しいわ。このキナコとクロミツが甘くていいわねぇ」
満面の笑みを浮かべながらそう言うと、残りのワルラビ餅もあっという間に口に運んでいかれました。
「うんうん! これは美味しいわ! アイスもいいけど、たまにはこういうのも良いわね、さわこ、もう一皿もらえるかしら?」
「はい、喜んで」
バテアさんが差し出してこられた小皿を、私は笑顔で受け取りました。
……すると
「さわこ、私も私も! 私にも、そのワルラビ餅をお願い! ちゃんとお金は払うからさ!」
バテアさんの隣で、そう言って右手を挙げている女性……はい、毎度お馴染み、お隣のツカーサさんです。
まだ開店前ですので、お店の周囲にはバテアさん製の結界魔法が張られているはずなのですが……
「……もう、ツカーサの神出鬼没には、負けたわよ」
さすがのバテアさんも、苦笑するしかないようですね。
そんなツカーサさんに、私も苦笑していたのですが、
「はい、喜んで準備させていただきますね」
そう言葉を返すと、ワルラビ餅を2人分準備していきました。
父の味にどこまで近づけたのかはわかりません。
ですが、とりあえずバテアさんを笑顔にすることが出来ましたので、まずは大成功ってことで……
あとは、これから食べてくださるツカーサさんと、戻ってきたベル達がどんな反応をしてくれるのか……今からとっても楽しみです。
ーつづく
「ニャア、お祭りとっても楽しかったニャ」
「そうね、私もそう思うわ!」
「……シロも、とっても楽しかった」
「そうじゃの、夏の祭りもなかなか楽しかったのぉ」
「みゅ! みゅう!」
家に戻ってからのベル達も、お祭りがとっても楽しかったみたいでして、食事の度にみんなで楽しそうにそんな会話を交わしているんです。
特に、お祭りで仲良くなったパラナミオちゃんという女の子に関しては、
「とっても仲良しになったニャ! また一緒に遊びたいニャ!」
ベルが笑顔でそう言うと、他のみんなも揃って笑顔で頷くほどだったんです。
「なんか、辺境都市ガタコンベに住んでるって話だし、今度また転移魔法で連れてってあげるわ」
「ニャ! バーちゃん、ありがとニャ!」
「お礼を言うのなら、その「バーちゃん」はやめなさいっていつも言ってるでしょ!」
笑顔で抱きついてきたベルを、苦笑しながら抱きしめているバテアさん。
一応、訂正するように言っていらっしゃるのですが、内心ではすでにあきらめられている感じですね。
ベルにしても、悪戯で言っているのではなく、その方が言いやすいからそう言っているだけみたいですし……ここは、しばらく様子見ってことでしょうか。
とはいえ、しばらくの間、食事時の話題はティーケー海岸のお祭りのことになりそうです。
◇◇
そんな中……ここ、辺境都市トツノコンベはとっても暑いです。
ティーケー海岸や、私が元いた世界ほどではないのですが、
「今年の夏の暑さはちょっと異常ねぇ……ちかくに火鳥が住み着いたしてるのかしら」
「火鳥……ですか?」
バテアさんの言葉に首をひねる私。
「そうなのよ、滅多にいないんだけどね、別の世界から全身から炎を発している魔鳥が迷い込んでくることがあるんだけど、こいつが住み着くと、その周囲の気温がグンってあがるのよ。去年は、スア師匠が住んでる都市の近くに住み着いてたって話だったんだけど……」
そう言うと、バニラアイスを口にくわえながら目の前に魔法のウインドウを展開していくバテアさん。
「……ん~……それっぽい生命反応はない……ってことは、単に今年が猛暑ってことなのかしらねぇ……」
一度ため息をつくと、バテアさんは部屋の端にセットしてある冷製魔石のところへ歩み寄っていかれました。
「そうねぇ……今の設定温度だと、室内が十分冷えなくなってるわけだし……もう少し設定温度を下げた方がよさそうね。魔法道具の店で販売している冷製魔石も、温度設定が低めのヤツを増産しとくかなぁ……」
この世界には、私の世界のクーラーはありません。
ですが、室温を調節出来る魔石が存在しています。
冷製魔石を部屋の柱にセットして置けば、室内の温度が低くなるんです。
クーラーと違って、室内空間の温度を魔石の力で下げているため、窓を開けていても問題ないんですよね。
で、魔法使いのバテアさんは、この冷製魔石を精製して、ご自分が経営なさっている魔法道具のお店で販売なさっているんです。
今の時期は冷製魔石が、冬の時期は暖製魔石がとってもたくさん売れていまして、バテアさんのお店の季節の主力商品なのだそうです。
しかし……そうですね。
これだけ暑いと、何か冷たい物でも作りたくなってしまいますね。
ベル達は、トツノコンベの夏祭りや、ティーケー海岸の夏祭りで食べたかき氷がお気に入りでして、猫集会かた帰ってきたら、毎日のようにかき氷を食べています。
「そうですね……たまには変わった冷たい物でも……」
そう思った私は、ある物のことを思い出しました。
実は、バテアさんが管理なさっている小規模な異世界空間「さわこの森」の中で、私の世界のわらびによく似た植物「ワルラビ」を見つけていたんです。
その根っこを採取してですね、水洗い・干し・砕きを繰り返して下ごしらえをしていたのですが……
「……そうですね、いい感じになっているみたいですし、今日はこれを使ってみましょうか」
魔法袋の中からとりだしたワルラビの粉を確認した私は、居酒屋さわこさんの厨房へと移動していきました。
準備したボールの中に本ワルラビ粉を入れ、そこに水を少しずつ入れながら粉を溶かしていきます。
天然物ですので、なかなかすぐには溶けないのですが……それでも、根気よく混ぜていると、ゆっくり水と一体化していきます。
ざるで、細かな塊を除去しながらお鍋にうつし、そこに水飴を加えて味を調えます。
お鍋を魔石コンロにかけて、コトコト温めていきます。
木べらでかき混ぜていると、結構な早さで固まっていきますので、ある程度の固さになったところで中身をトレーの上に移し、一口大の大きさにちぎっては、準備しておいた氷水の中につけていきます。
「へぇ……不思議ねぇ、真っ黒でぷよんぷよんなんだ……」
大鍋の中で浮いている塊を見つめながら、不思議そうな表情をなさっているバテアさん。
「そうなんです。お店で売っている品物は白い物が多いのですが、本わらび粉を使用すると、こうして黒くなるんです……どうやら、ワルラビでも上手くいったみたいですね」
大鍋の中に浮かんでいる塊を見つめながら、私も思わず笑顔になっていました。
はい、わらび餅ならぬ、ワルラビ餅の出来上がりです。
ワルラビ餅が冷えるまでの間に、きな粉と黒蜜を用意して……これで、準備万端ですね。
「バテアさん、まずは味見をしてみますか?」
「そうね、お願いしようかしら」
バテアさんの言葉に笑顔で頷くと、私は大鍋の中に浮かんでいるワルラビ餅を3つ手にとり、小皿へと移していきました。
その上に、きな粉と黒蜜をたっぷりとかけて……
「さ、どうぞお召し上がりくださいな」
そう言いながら、カウンターに座っているバテアさんへ小皿を手渡しました。
まだ私が小さかった頃、父がこうやってわらび餅を作ってくれたものでした。
父は、こうして作成したわらび餅を屋台で売りにいったりもしていたんです。
屋台の中央が水槽状になっていて、その中に氷水を入れておき、その中にわらび餅を浮かべておきます。
買いに来たお客さんに、そのわらび餅を容器に入れ、きな粉と黒蜜をかけてお売りするわけです。
夏の日差しの元で食べた、父のわらび餅……私にとって忘れることの出来ない夏の思い出の味なんです。
そんなワルラビ餅を口に運んでいくバテアさん。
きな粉と黒蜜がのっかっているワルラビ餅を口に中へ入れ……
「……うん、冷たくて美味しいわ。このキナコとクロミツが甘くていいわねぇ」
満面の笑みを浮かべながらそう言うと、残りのワルラビ餅もあっという間に口に運んでいかれました。
「うんうん! これは美味しいわ! アイスもいいけど、たまにはこういうのも良いわね、さわこ、もう一皿もらえるかしら?」
「はい、喜んで」
バテアさんが差し出してこられた小皿を、私は笑顔で受け取りました。
……すると
「さわこ、私も私も! 私にも、そのワルラビ餅をお願い! ちゃんとお金は払うからさ!」
バテアさんの隣で、そう言って右手を挙げている女性……はい、毎度お馴染み、お隣のツカーサさんです。
まだ開店前ですので、お店の周囲にはバテアさん製の結界魔法が張られているはずなのですが……
「……もう、ツカーサの神出鬼没には、負けたわよ」
さすがのバテアさんも、苦笑するしかないようですね。
そんなツカーサさんに、私も苦笑していたのですが、
「はい、喜んで準備させていただきますね」
そう言葉を返すと、ワルラビ餅を2人分準備していきました。
父の味にどこまで近づけたのかはわかりません。
ですが、とりあえずバテアさんを笑顔にすることが出来ましたので、まずは大成功ってことで……
あとは、これから食べてくださるツカーサさんと、戻ってきたベル達がどんな反応をしてくれるのか……今からとっても楽しみです。
ーつづく
30
お気に入りに追加
3,700
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました

【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。