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番外編 未婚の男女にまつわるすれ違い、または溺愛を描く短編集

お詫び投稿 Twitter投稿分  ユニカの本棚

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今回はお休みを頂いたので、お詫びとしまして以前Twitterの方に投稿した、
『懐妊したポンコツ妻は夫から自立したい』の番外編をお届けします。
もうTwitterの方で見た~という方は申し訳ないです。

あ、補足ですが、作中に出てくるGGLとは、爺✖️爺ラブの略で、その名の通り渋いイケてるお爺様(攻め)とカワイイ純朴なお爺様(受け)が主役の、人生の終焉を前にして熱く燃え上がる恋のお話を描いたものです。関節が軋むような、腰痛が悪化するような、入れ歯が飛んでいくような熱くて激しい情交の描写がたまらない……と、異世界で人気の新ジャンルなのです。



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一度目の人生はお腹の子と共に命を奪われてしまったロレイン公爵夫人のユニカ。
王族である夫セドリックの能力、“王家の秘宝”にて時を巻き戻されて今生では無事に母親になる事が出来た。

ユニカは息子アルヴィンに自らの乳をやり、乳母は置いていない。
昼夜問わず授乳に追われるも、毎日楽しそうに子育てをしていた。

今はたっぷりとお乳を飲んでご満悦で眠る息子の隣で一緒に眠り込んでいる。
執務の合間に様子を見に来たセドリックは、すやすやと眠る妻子を幸せそうに見つめていた。

ふと、寝室に置いてある本棚の背表紙が目につく。
ベビーベッドで眠るアルヴィンの側で読書が出来るように、ユニカが小さな本棚を設置したのだ。
居並ぶ本は勿論、GGL本ばかりである。

ーー相変わらずGGLにハマっているな……そんなに面白いのか?


セドリックは『シワの数だけ抱きしめて』というタイトルの本を一冊手に取り、中身を確認してみた。

「………………」

頭の中には大量の「?」が湧くだけで、これのどこが面白いのかさっぱり理解できなかった。

手に取った本を本棚に戻す時に、隣にある本のタイトルが目に入る。


ーー『余命一ヶ月の老人』か、なんだか切なそうだな。

そしてその隣の本も。セドリックは本棚に並べてある順に本のタイトルを何の気なしに読み上げていった。

ーー『サンズリバーを渡って』サンズリバー?
東方の国の“三途の川”の事か?
いや渡っちゃダメだろう。のか?戻るのか?

その隣の本は……

ーー『いま、迎えにゆきます』

「………!!」

そこでセドリックはある事に気付く。

今まで読み上げた本はGGL作家のシシーが執筆したものと他の作家の書いたものとで別々に出版されたものだ。

それなのにユニカは……

ーータ、タイトルを繋げて遊んでいるっ!?……だと……?

まぁ『シワの数だけ抱きしめて』は置いとくとして、

『余命一ヶ月の老人』を、
『サンズリバーを渡って』、
『いま、迎えにゆきます』!

「いや怖いだろうっ!!」

セドリックは思わずツッコミを入れてしまっていた。
大きな声を出して妻子を起こしてしまったのではないかと慌てて振り返る。
しかしユニカもアルヴィンもよく眠ったままだった。

ほっとして再び本に視線を戻す。

そして最後の一冊を読み上げる。

ーー『白きまなこで見つめてほしい』

「白内障だろそれっ!!しかももう繋がってないし!」

と、結局また大声でツッコんで、
妻と子を起こしてしまうセドリックであった。

読んでも並べても楽しいユニカの本棚。

次はどんなGGL本が並ぶのやら……☆




            おわり
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