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事実離婚 ③

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「お前はっ……リオルの魔物の尻尾を踏んじまったんだぞっ」

殴られて意識が戻った後にリオルの兄が言った言葉だ。

三連休で実家に里帰りをした時、先に訪れていたセルジュはリオルを悲しませた事を家族に謝罪した。

そして一発、5分くらい意識が飛ぶ程の一撃をリオルの兄から食らった。
それでも手加減はされたのだろう。

その後で初めて聞かされたリオルの過去。

昔付き合っていた男がいた事は知っていたが、
別れた経緯とかは詳しく聞かされていなかった。

「とんでもないクソ野郎だった、それだけよ」

とだけ、リオルが言った事を覚えている。


そしてセルジュは初めて知る。

自分の安易な考えでリオルを傷付け怒らせた事は分かっていたが、本当は何も分かっていなかった事を。

『俺は……そのクソ野郎と同じ事をしてしまったんだな……』

リオルは絶対に許せないと言った。

セルジュの裏切りを許せないと言った。

体の関係がなくともリオルを騙していた事になるのは理解して、セルジュなりに必死に償おうとして来たが、自分は何も分かっていなかったんだなと思い知らされる。

自分の感覚が人とどこかズレているというのは昔からよく言われていたが、人とどう違うのか具体的にはセルジュには分からなかった。

呑んだくれの父と男を見ればパカパカ足を開く母に育てられ、どこか人とズレているのは知っていたが。

同僚の紹介で知り合ったリオルに、
「貴方ってかなり変な人よね」と最初に言われたのが印象的だった。

可愛い顔してそんな事をズバッと言うリオルに惚れた。

可愛くて優しくて怒らせるとちょっと…いやかなり怖いリオルに夢中になる。

プロポーズを受けてくれた時は、天にも登るような気持ちとはこの事かと思った。

絶対に幸せにすると、一生大切にすると、そう誓ったのに。

結局自分は間違えてしまった。

リオルの人生の中で、彼女を傷付けた男の一人になってしまったのだ。


リオルの実家から戻った次の日、セルジュは今日は早めに仕事に行くと言って家を出た。

王宮に出仕する前に行きたい所があったからだ。

過去にリオルを裏切ったクソ野郎1号の居場所は、
リオルの兄から教えて貰った。

今も学生結婚をした町に住んでいるという。
リオルの兄もクソ野郎1号とは縁を切ったそうだが、共通の友人から時々ヤツの事を聞かされるらしい。

転移魔法でその町へ訪れたセルジュは、背の高いヒョロっとした栗毛の男に声をかけた。

「よお、クソ野郎1号くん」

「な、なんですか、誰ですかっ?キミは」

「どうも、クソ野郎2号です」

「はぁ?」

訝しげな顔をする男にセルジュは言った。

「俺もお前も、リオルの心にトラウマを植え付けてしまった。それなのに俺達二人、なんの罰も受けずに飄々と暮らすのは間違っていると思うんだ、そうだろ?」

「な、な、何を言ってるんだっ……?」

突然現れた王宮魔術師のローブを来た男に言いようのない圧を掛けられて、その男は怯えた。

「まぁあんたは?結局学生結婚したヨメに捨てられたんだっけ?子連れでオッケーの金持ちのジィさんの後妻になるからってアッサリと。哀れだな」

「キミには関係ないだろうっ」

「関係大有りだよ。アンタがクソ野郎1号だったおかげで俺はリオルのようなイイ女と結婚出来た。そこは感謝してるんだ。でもクソ野郎2号の俺としては、俺と同等の罰をアンタも受けるべきだと思うんだよなー」

「えっ……ば、罰っ?な、何をするつもりだっ……?」

男の顔色が悪くなってゆく。

「なぁに。痛い事はしないさ」

「へっ?やっ、やめっ………」



◇◇◇◇◇




出張先でセルジュと一緒に暮らしていたアナベルという女が突然アパートへやって来た。


何の用かと訝しんだが、どうしても聞いて貰いたい話があると、死にそうな顔で言うので仕方なく家に上げた。

家に客として上げた以上、お茶も出さずに返したら実家の父に叱られる育ちをしてきたリオル。
アナベルの前に温かいお茶を差し出す。

「あ…ありがとうございます……」

アナベルはかなりビクビクおどおどしている。

どうやらリオルの事を怖がって居るようだ。

まぁリオルがセルジュのような大の男を殴り飛ばしたのを目の当たりにしたのだから、怯えられても仕方ないのかもしれないが。


「それで?お話とは?」

とっとと話しやすいようにリオルから切り出してやると、アナベルは徐にテーブルの椅子から立ち上がり、勢いよくリオルに頭を下げてきた。

「この度はっ、ワ、ワタクシの所為で多大なご迷惑をお掛けして、ホ、ホントに申し訳ございませんでしたっ!」

「………」

「幼馴染だからって、甘え過ぎてしまいましたっ…奥さんへの配慮に欠ける行いだったと…深く反省していますっ……。悪いのは全部わたしなんです!セルジュは悪くありません!弱り果ててたわたしを助けてくれただけなんですっ、誓って言えます、奥さんが心配されるような疾しい関係では絶対にありませんっ……」

「………」

「でもっ……きっと口先だけで言っても信じて貰えないと思って、きちんとした検査機関で調べて貰って来ましたっ!」

そう言ってアナベルは、とある検査の結果が書かれた一枚の用紙を取り出した。

「……これは?」

「あの……魔力を持った人とキスしたり体の関係を持ったりすると、体の中にその魔力持ちの方の魔力が残るそうなんです、それはとても小さな“欠片”のような形となって一生体内のどこかに残るのだとか……それの有無を調べると、相手とその…そういう関係があったかどうか解ると、知り合いに聞いたものですから……」

「その検査をわざわざ受けて来られたんですか?結構高額な検査ですよね?」

「元夫の両親から慰謝料を貰いましたから……こんな事しか証明してお詫びする方法が思いつかなくて…今まで立て替えて頂いた生活費もお返ししますっ!本当に申し訳ありませんでしたっ!」

そう言ってアナベルはまた頭を勢いよく下げた。

部屋に落ちていたセルジュの毛髪を提出して調べたという検査の結果は“魔力残滓検出されず”と明記されていた。

黙って紙を見つめるリオルにアナベルは頭を下げたまま言った。

「どうかしていたんです、いえ、本当は間違った事をしていると……奥さんのいる人の家で面倒を見て貰うなんてとんでもない不実な事だと、分かっていたんですっ。でも……でも…元夫との生活に疲れ果てていて、セルジュに優しくされて嬉しかったんですっ、殴られない、生活費を心配しなくていい暮らしに癒されたかった……少しでも長く甘えさせて貰いたくて、離婚協議中を言い訳に職探しをしなかったんですっ、セルジュの優しいところに付け入ったんですっ」

「………」

『そうでしょうね。
あの時、甘ったる~い声を出していたものね』


「でもあの日、ドアの向こうで青ざめた奥さんの顔を見て、自分がどれだけ浅はかだったかやっと気付けたんですっ、なんて事をしてしまっていたのだろうと……もしこれで、親切にしてくれたセルジュの幸せを壊してしまったらどうしようと怖くなりました……あんなに奥さんの事が大好きだといつも話していたのにっ、わたしの所為で離婚になったら、恩を仇で返してしまう事になると……怖くなって…ごめんなさいっ、本当にごめんなさいっ……」

そう言ってアナベルは泣き出した。

小さく嗚咽を漏らすアナベルを見て、リオルはため息を吐いた。

そしてアナベルに言う。

「頭を上げて下さいアナベルさん。貴女の仰りたい事は分かりました。謝罪も受け入れます。だけど許せるかどうかは別の話です」

「そう…ですよね……」

「貴女はわたしに許して貰ったという確信が欲しいですか?」

「い、いえ……」

「貴女を許せるかどうかはわたしだけの問題です。そしてそれを貴女に知らせる義理はない、違いますか?」

「ち、違いません……」

「ではこれでお引き取りを。謝罪はきちんと理解しましたから」

「は、はい……」

彼女が小さなか細い声で話すのは暴力ギャンブル男の所為か。
可哀想に。萎縮する事に慣れてしまっているのだろう。
決してリオルが怖いだけではないはず。
多分。

セルジュあのバカもそこに庇護欲を掻き立てられたか。

なんていうかホントに………

「アナベルさん、女は男より強くならなきゃダメですよっ!今の貴女では、また他の男に頼らないと生きていけないままでしょうっ?せっかくクソ旦那から解放されたんです!また変な男に捕まらないように、一人でしっかり!強く!逞しく生きて下さい。男に依存してちゃダメですよっ!」

「ハッ、ハイ……」

「声が小さいっ!腹の底から声を出すっ!」

「ハイっ!」


「よろしい」そう言って、リオルはアナベルにお引き取り願った。

とにかくしっかり食べて、しっかり地に足を付けて頑張って欲しい。

検査結果の書かれた用紙は悪いけど持って帰って貰った。

本当はアナベルに対して怒りも何の感情もないが、
彼女に「許す」という言葉は言いたくない。

リオルに対する引け目を感じている方が、これからしっかり生きていくだろう。

「私はあの人のお姉さんでもお母さんでもないんだけどね」

そうひとり言ちて、リオルは茶器を片付けてから食堂の仕事に向かった。



◇◇◇◇◇



夜、早い時間に帰宅したリオルは先に帰っていたセルジュを見て驚いた。

びっくり過ぎて持っていた鞄を落とすくらい、盛大に驚いていた。


「………何その顔、なんの遊び?」

「遊びじゃないよ呪いまじなの一種だ」

「なんでそんなくだらない呪いを?掛けられの?」

「自分で掛けたんだよ」

「何故……?」

「俺がとんでもないクソ野郎だからさ。あ、因みにクソ野郎1号にも同じ呪いを掛けたから、奴もずーっとこのままだ」

「クソ野郎1号?」

「そ、そして俺は2号」

「……………」


セルジュの顔には、

デカデカと“クソ野郎”という文字が刺青のように書かれていた。

両頬に。右の頬に“クソ”左の頬に“野郎”と。

「貴方って本当にバカなのね」

「知らなかったのか?」

「知ってたけど改めて再確認したの」

「リオル」

セルジュはリオルの前に跪いた。

「もう許してくれなんて言わないよ……」

今までと違う事を言い出すセルジュに、リオルは静かに尋ねる。

「何……?離婚する気になったの?」

「……嫌だけど‥‥、死ぬほど嫌だけど、それがリオルの幸せに繋がるなら」

「…………」

「でも、俺としては絶対に別れたくない。リオルをこの世で一番愛しているから、リオルのいない人生なんて要らないと本気で思ってるくらい」

「一生許せないと言っているのに?貴方もこんな面倒くさい女なんてさっさと諦めて、次の人を探した方がいいんじゃない?王宮魔術師、かなりモテるんでしょう?」

「リオルにモテなきゃどーでもいい」

「わたしは貴方を一生許せないと思うわ」

「許さなくていい。一生許さなくていい。だけど出来る事なら、一生懸けて俺に償わせて欲しいんだ。俺がバカだった所為でリオルを傷付けた事を。リオルを悲しませた事を……!」

「許さなくていいの?一生ネチネチとイジメるわよ?」

リオルのその言葉にセルジュはキッパリと言い切る。

「いい!側に居させて貰えるならっ!」

「戸籍上は夫婦のままでも事実離婚の形のままよ?」

「……いい!リオルと一緒に居られるならっ!」

「当然体の関係もなしよ?」

「………………いいっ!ホントは良くないけどいい!!それでもリオルと共に生きていきたいんだっ!」

「そんなバカな呪いをかけた人と一緒に居たくないんだけど」

「うっ……こ、これは自分への戒めでもあって…リオルの気持ちが自然と凪いでいくまで消えないんだ……だから一生このままだ」

「ホントにバカなの?」

「はい……バカです……」

「バカよバカ、大バカよ」

「返す言葉もございません……」


リオルは自分でも驚くくらいの大きなため息を吐いた。

お腹の底から。澱となって沈んでいたものも一緒に吐き出すような。

そして同時に肩の力が抜ける。

あの日以来、知らず全身にずっと力が入っていたらしい。

「セルジュ」

リオルに名を呼ばれて、セルジュは真剣な眼差しをリオルに向ける。

「………正直、まだ貴方を許せるようになるのか自信はないの。でも心のどこかでは許したいって気持ちがあるのも確か……それでもいいのなら……「それでもいいっ!!」

被せ気味でセルジュが言った。
必死か。

「今後二度と、秘密は作らないで」

「はいっ」

「嘘も絶対に吐くな」

「リオルに嘘を吐いた事はないけど、はいっ分かった」

「出来る事ならもうあのアナベルという人には会わないで」

「もう会わない!」

「長期出張には私も連れて行って」

「もちろん!」

「………………」

「他には?何でも言ってくれ、他には無いのかっ?」

「……なんでそんなに嬉しそうなの?」

「だって!リオルの側に居られるならっ、それだけで俺は幸せだからっ!」

「ホントにバカね」

「うんっ!!」


おそらくここ数年で一番いい笑顔だったのではないだろうか思うほどの満面の笑みでセルジュが頷いた。

ホントにもう、コイツは……


セルジュのした事を許せるかどうかは今のリオルには分からない。

正直今でも思い出しただけで腑が煮えくり返る。

でもそれはやっぱりセルジュが好きだからそんな感情になる事も分かっているのだ。

セルジュを許せるかどうかは先の自分に任せた。

今はただ、怒りながらもまだこの人と一緒に居たい。
それがリオルの本当の気持ちだ。

もしこれからどんどんセルジュに対する想いが薄れていくようなら、その時は別れればいい。

人生は長いんだ。

義姉が言ったように、直ぐに白黒ハッキリつける必要はない。

とりあえずは、今の暮らしを続けてみよう。
セルジュとの暮らしを続けてみよう。

リオルはそう思った。



なのでリオルは食堂の仕事はそのまま続けた。

セルジュも共働きのリオルをサポートするように家事を頑張っている。

そしてリオルも労力を使う無駄な意地を張るのをやめた。

今ではまたリオルが作った食事を二人でテーブルを囲んで一緒に食べている。

やっぱり食事は誰かと食べる方が断然美味しい。

セルジュは変わらずバカでリオルを笑わせる。
リオルの機嫌が悪くてセルジュに当たり散らしても受け止めて優しく抱きしめてくれる。

まだ以前のようにそれ以上の行為をする気にはなれないけど。

それでも二人、一緒にいるだけで心が満たされる気がした。

セルジュは以前にも増してリオルに想いをぶつけてくる。

「リオル!大好きだっ!愛してるぞっ!」

「私はまだそうでもないかな~?」

「ぅ……それでもいいんだ!リオルの分も俺が愛を叫んでおくからっ」

「バカね」


だけどホントはセルジュも気付いているだろう。


セルジュが掛けたまじないの、

“クソ野郎”という文字が少しずつ薄れて来ている事を。





             終わり




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


補足です。

クソ野郎1号の顔の文字が消えたのは
セルジュよりも数年後だったそうですよ。

でもそれはリオルが1号の事がホントにどーでも良くなってキレイさっぱり忘れたから……。

そしてアナベル。
彼女は王都か遠く離れた地方で住み込みの家政婦として働いているそうな。
一人で頑張って生きているようです。




さて。

短編集としてお届けして参りました今作。

様々な夫婦を描き、作者もとても楽しく投稿させて頂きました。

夫婦にまつわるエピソードはとりあえずネタ切れとなり、終了させて頂きたいと思います。

だけど、もう少し短編を書きたいなぁという気持ちも有り……

なので次回からは番外編と称して、

〈未婚の男女にまつわるすれ違い、または溺愛を描く短編集〉

をこのまま投稿させて頂きたいと思います。

婚約者同士だったり、職場の同僚だったり、幼馴染だったり……

もう少しだけお付き合い頂ければ光栄です。

よろしくお願いいたします!
















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