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魔力の匂い
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すんすんすん……
「う~ん、この匂いでもないのよね~」
すんすんすん……
「この匂いでもない……」
チェルカは今、様々な魔力をサンプリングして保管している棚の前にいた。
この棚には大陸中から集められた、魔術を用いるために使用した魔力が収められている。
たとえば‘’大量の水を一度に運べる魔術を用いた時に使用した魔力”だとか
“記憶改ざんを行った時に必要とした魔力”とか
“山火事を一瞬にして鎮火させる魔術を使用した魔力”とか。
魔術は魔力の込められた言葉を並べて組み立てられた術式を詠唱してはじめて術として形を成すわけだが、その時に発生する魔力を分かりやすくサンプリングしたものがどこの魔術師の研究室にもあるのだ。
チェルカは婚約者であるクロビスが王女の護衛騎士になってから匂うようになった魔力が何なのかを知りたくて、この数々のサンプリングの中から探している訳なのだが。
「同じものどころか似たものさえ見つからないなぁ」
クロビスから感じたあの独特な匂い。
“甘い”匂いのような、“冷たい”匂いのような、“熱い”匂いのような。
チェルカは昔から魔力を匂いとして感知する独特な性質がある。
チェルカに魔術のいろはを教えてくれた先生はそれをとても面白がって、様々な魔力を感知させられた事が多々あった。
一番臭い魔力を嗅がされた思い出は、
“嫌いな相手に腐ったバナナをぶつける魔術”に必要だった魔力の匂いだ。
あの匂いだけは生涯わすれられないだろう。
塾で一番仲良しだった子がえずき続けるチェルカを見て怒って、実際にその魔術を用いて先生に腐ったバナナを投げつけたのは良い思い出だ。
「ふふ。先生、元気かな~?」
本当ならクロビスとの新婚旅行で母と暮らした国へ行くはずだった。
そこでかつて住んでいた街へ行って、近所の人や塾の先生や仲間たちに会いに行くはずだったのだ。
クロビスがそうしようと、チェルカのためにそうしたいと計画してくれたのに。
もう一緒には行けないかもしれない。
彼にみんなを、みんなに彼を紹介したかったのに。
「まぁこうなったらお金を貯めて一人で行くもんね~」
チェルカはそうひとり言ちながら、古い文献のページをめくった。
「多分、あの匂いは精神に作用する系の魔力だと思うの。独特の匂いだから調べればすぐ分かると思ったんだけどなぁ……」
そうひとりでぶつぶつと言うチェルカに、同僚のマリナ・ハモンドが声をかけてきた。
マリナは平民で魔力が高いわけではないが頭脳明晰で優秀な研究員である。
「また頭の中が声になって出てるわよチェルカ」
「あらごめんね?夢中になるとつい……」
「何をそんな真剣に調べているの?」
マリナに訊かれ、チェルカは魔力サンプルの入った小瓶を手に取りながら答えた。
「クロビスからね、不思議な魔力が匂うのよ。それが何の魔力なのかを知りたくて」
「あなたのあのバカ婚約者から?でもあの人、魔力はないのよね?」
「バカ婚約者とは酷いわねぇ。そう、クロビスは魔力がないから魔術は使えないわ。それなのにいつも独特な魔力が匂うのよ」
「魔力を匂いで表現するチェルカも独特だけどね」
「ふふ」
その時、研究室の長であり王宮魔術師の副師長であるジスタス・ウォードームが部屋に入ってきた。
ジスタスは子爵位を持つ三十代前半の男性魔術師だ。
上級魔術師資格を保有する、なかなか優秀な人物である。
「いやぁもう、まいったまいった……お偉方ってどうしてああも話が長いんだろうねぇ。こっちは忙しいってのに」
ぶつくさ文句を言いながら研究室の最奥にある自分のオフィスに向かって行く。
そして「やぁお嬢さん方お疲れさん」と言ってチェルカとマリナの横を彼が通り過ぎたときに、ふとあの匂いを感じた。
「!副師長っ……」
チェルカは思わずジスタスのローブを掴んだ。
「ぐえっ」
突然、背後からローブを引っ張られてジスタスはつんのめった。
チェルカはそんなことはお構い無しでジスタスのローブに鼻を近づけて匂いを嗅いでいる。
それを見てジスタスは焦った。
「えっ?何?私のローブ、臭う?臭いっ?先週洗ったばかりなんだがっ?」
やはりジスタスのローブからクロビスと同じ匂いがする。
チェルカはジスタスを見上げ、訊ねた。
「副師長、今までどこに居ました?何か変なことしませんでした?」
「変なことってなんだよ~、もちろん仕事していたよ。中央棟で定例会議に参加してた」
「中央棟って、国王陛下の居住区がある棟でしたっけ?」
「そうだよ。そこに会議場があるからね。今日は陛下もご臨席あそばされていたよ」
「陛下が……」
何やら考え込む様子のチェルカを見て、ジスタスは首を傾げる。
「チェルカ君、どうかしたのかい?」
「うーん……わかりません」
「わからんのかいっ」
思わずマリナがツッコミを入れるもチェルカの頭の中は疑問符だらけであった。
クロビスだけでなくジスタスからも匂ってきた魔力の正体がなんなのか、ますます謎が深まるばかりだ。
「恐らく精神系の魔力で、サンプリングされてない魔力……」
チェルカの独り言にジスタスが反応した。
「なんだい?謎解きかい?精神作用系は術ではなく法として管理がされる特別なものだからね。そのほとんどが禁忌とされているのだから、誰でも手に取れるようなサンプリングはされていないよ」
「禁忌……まさか禁術……?」
その可能性が高いのではないかとチェルカは考えた。
その上でジスタスに申し出る。
チェルカにしてみれは珍しくキリッとして。
「副師長、禁術系の文献の閲覧許可を申請します」
「え?どうしてまたそんな物騒な資料を……?」
「ちょっと……いえかなり気になることがありまして……」
チェルカは頭に過ぎった可能性に、内心冷や汗をかきながらジスタスにそう答えた。
こう見えて(どう見えて)チェルカは一級魔術師資格保持者だ。
そのチェルカが持つ資格と、副師長であるジスタス本人がチェルカの為人や真面目な仕事ぶりを高く評価していることもあり、閲覧許可はすぐに下りたのであった。
そこでチェルカは確証はないがおおよその確信を得る。
クロビスから匂ったあの魔力は、
この国で禁忌とされる精神系魔法……“魅了魔法”である可能性が高いと。
ただ問題は誰がその禁術を用いているのか。
一体何のために。
そこが最大の謎のままであった。
「う~ん、この匂いでもないのよね~」
すんすんすん……
「この匂いでもない……」
チェルカは今、様々な魔力をサンプリングして保管している棚の前にいた。
この棚には大陸中から集められた、魔術を用いるために使用した魔力が収められている。
たとえば‘’大量の水を一度に運べる魔術を用いた時に使用した魔力”だとか
“記憶改ざんを行った時に必要とした魔力”とか
“山火事を一瞬にして鎮火させる魔術を使用した魔力”とか。
魔術は魔力の込められた言葉を並べて組み立てられた術式を詠唱してはじめて術として形を成すわけだが、その時に発生する魔力を分かりやすくサンプリングしたものがどこの魔術師の研究室にもあるのだ。
チェルカは婚約者であるクロビスが王女の護衛騎士になってから匂うようになった魔力が何なのかを知りたくて、この数々のサンプリングの中から探している訳なのだが。
「同じものどころか似たものさえ見つからないなぁ」
クロビスから感じたあの独特な匂い。
“甘い”匂いのような、“冷たい”匂いのような、“熱い”匂いのような。
チェルカは昔から魔力を匂いとして感知する独特な性質がある。
チェルカに魔術のいろはを教えてくれた先生はそれをとても面白がって、様々な魔力を感知させられた事が多々あった。
一番臭い魔力を嗅がされた思い出は、
“嫌いな相手に腐ったバナナをぶつける魔術”に必要だった魔力の匂いだ。
あの匂いだけは生涯わすれられないだろう。
塾で一番仲良しだった子がえずき続けるチェルカを見て怒って、実際にその魔術を用いて先生に腐ったバナナを投げつけたのは良い思い出だ。
「ふふ。先生、元気かな~?」
本当ならクロビスとの新婚旅行で母と暮らした国へ行くはずだった。
そこでかつて住んでいた街へ行って、近所の人や塾の先生や仲間たちに会いに行くはずだったのだ。
クロビスがそうしようと、チェルカのためにそうしたいと計画してくれたのに。
もう一緒には行けないかもしれない。
彼にみんなを、みんなに彼を紹介したかったのに。
「まぁこうなったらお金を貯めて一人で行くもんね~」
チェルカはそうひとり言ちながら、古い文献のページをめくった。
「多分、あの匂いは精神に作用する系の魔力だと思うの。独特の匂いだから調べればすぐ分かると思ったんだけどなぁ……」
そうひとりでぶつぶつと言うチェルカに、同僚のマリナ・ハモンドが声をかけてきた。
マリナは平民で魔力が高いわけではないが頭脳明晰で優秀な研究員である。
「また頭の中が声になって出てるわよチェルカ」
「あらごめんね?夢中になるとつい……」
「何をそんな真剣に調べているの?」
マリナに訊かれ、チェルカは魔力サンプルの入った小瓶を手に取りながら答えた。
「クロビスからね、不思議な魔力が匂うのよ。それが何の魔力なのかを知りたくて」
「あなたのあのバカ婚約者から?でもあの人、魔力はないのよね?」
「バカ婚約者とは酷いわねぇ。そう、クロビスは魔力がないから魔術は使えないわ。それなのにいつも独特な魔力が匂うのよ」
「魔力を匂いで表現するチェルカも独特だけどね」
「ふふ」
その時、研究室の長であり王宮魔術師の副師長であるジスタス・ウォードームが部屋に入ってきた。
ジスタスは子爵位を持つ三十代前半の男性魔術師だ。
上級魔術師資格を保有する、なかなか優秀な人物である。
「いやぁもう、まいったまいった……お偉方ってどうしてああも話が長いんだろうねぇ。こっちは忙しいってのに」
ぶつくさ文句を言いながら研究室の最奥にある自分のオフィスに向かって行く。
そして「やぁお嬢さん方お疲れさん」と言ってチェルカとマリナの横を彼が通り過ぎたときに、ふとあの匂いを感じた。
「!副師長っ……」
チェルカは思わずジスタスのローブを掴んだ。
「ぐえっ」
突然、背後からローブを引っ張られてジスタスはつんのめった。
チェルカはそんなことはお構い無しでジスタスのローブに鼻を近づけて匂いを嗅いでいる。
それを見てジスタスは焦った。
「えっ?何?私のローブ、臭う?臭いっ?先週洗ったばかりなんだがっ?」
やはりジスタスのローブからクロビスと同じ匂いがする。
チェルカはジスタスを見上げ、訊ねた。
「副師長、今までどこに居ました?何か変なことしませんでした?」
「変なことってなんだよ~、もちろん仕事していたよ。中央棟で定例会議に参加してた」
「中央棟って、国王陛下の居住区がある棟でしたっけ?」
「そうだよ。そこに会議場があるからね。今日は陛下もご臨席あそばされていたよ」
「陛下が……」
何やら考え込む様子のチェルカを見て、ジスタスは首を傾げる。
「チェルカ君、どうかしたのかい?」
「うーん……わかりません」
「わからんのかいっ」
思わずマリナがツッコミを入れるもチェルカの頭の中は疑問符だらけであった。
クロビスだけでなくジスタスからも匂ってきた魔力の正体がなんなのか、ますます謎が深まるばかりだ。
「恐らく精神系の魔力で、サンプリングされてない魔力……」
チェルカの独り言にジスタスが反応した。
「なんだい?謎解きかい?精神作用系は術ではなく法として管理がされる特別なものだからね。そのほとんどが禁忌とされているのだから、誰でも手に取れるようなサンプリングはされていないよ」
「禁忌……まさか禁術……?」
その可能性が高いのではないかとチェルカは考えた。
その上でジスタスに申し出る。
チェルカにしてみれは珍しくキリッとして。
「副師長、禁術系の文献の閲覧許可を申請します」
「え?どうしてまたそんな物騒な資料を……?」
「ちょっと……いえかなり気になることがありまして……」
チェルカは頭に過ぎった可能性に、内心冷や汗をかきながらジスタスにそう答えた。
こう見えて(どう見えて)チェルカは一級魔術師資格保持者だ。
そのチェルカが持つ資格と、副師長であるジスタス本人がチェルカの為人や真面目な仕事ぶりを高く評価していることもあり、閲覧許可はすぐに下りたのであった。
そこでチェルカは確証はないがおおよその確信を得る。
クロビスから匂ったあの魔力は、
この国で禁忌とされる精神系魔法……“魅了魔法”である可能性が高いと。
ただ問題は誰がその禁術を用いているのか。
一体何のために。
そこが最大の謎のままであった。
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