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番外編
特別番外編 父と子の会話
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ここはローラント王国、
王宮内のとある庭園のとあるガゼボ。
穏やかな日差しと彩どりの花々に囲まれながら、
優雅に午後のお茶を楽しむある1組の家族がいた。
正確にはただの家族ではない。
この国の第二王子である父とその唯一の
妃である母。
そして生まれたばかりのカワイイ妹と優しく
自分にメロメロの王妃である祖母。
そう、ロイヤルファミリーの午後の
ティータイムである。
第二王子の第一子であるルーイは
今年で3歳になった。
母いわく、びっくりするほど父に激似で
思わず笑ってしまうと言う。
ルーイとしては大好きな母に似たかったと
思うのは、まだ3歳の彼には致し方ない事だろう。
ルーイは本当に母が大好きであった。
(※これより内なるルーイくんの脳内音声です)
『はぁぁ……ぼくのおかぁたまは
ほんとにかわいいなぁ……!
いもーとのありしゅも、ちっちゃくて
かわいくて、ほんとにたべてしまいたいでしゅ!』
そう言ってルーイはうっとりと母と妹を
見つめている。
『きめたでしゅ!ぼくわしょーらい、
おかぁたまとけっこんしましゅ!』
新たな決意を胸に宿し、
ルーイは小さな拳を握りしめた。
その時、ふいにルーイの脳内に爆音が響いた。
『ふはははっ!!
ダメだぞルーイ!お母さまは俺の嫁だからなっ!!残念だがお前とは結婚出来んのだっ!!』
父のヴィンセントが息子の脳内に
乱入して来たのだ。
『ど、どーしてでしゅか!
おとーたまはいつもおかぁたまをひとりじめして
ずるいでしゅ!おかぁたまは
ぼくのおかぁたまなんでしゅから!』
『悪いなルーイ、お母さま…ハグリットは
俺だけの天使なのだ!たとえ可愛い息子でもこれだけは譲れんっ!!
お前はお前だけの天使を探す事だなっ!!』
『ずるいでしゅ!ずるいでしゅ!
おとーたまはいつも、よるはおかぁたまといっしょにねてるのもずるいでしゅ!
ぼくもおかぁたまといっしょにねたいでしゅ!』
『ルーイよ……お前も大きくなったらわかるさ……
愛しい天使と共に眠れる喜びを!!それまでは
クマさんのぬいぐるみでも抱いて眠るんだなっ!!
喜べ!その代わり弟でも妹でもいくらでも
作ってやるからなっ!!わははっ!!』
『ずるいでしゅ!ずるいでしゅ!!」
その時、
二人の母親が口を挟んだ。
「ヴィンス、うるさいわよ」
「ルーイ、静かにしなさい」
「「………はい」」
父と子は不思議だった。
なぜ母には脳内で弾けているのがわかるのか……
そうして父と子は
大人しく午後のお茶を楽しんだとさ☆
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
すみません!!
ホントは番外編を書くつもりはなかったんです!
でも一部の読者様から、
ルーイの脳内の声も聞きたいと言っていただき、
わたしも書いてみたくなりました。
やはりルーイはヴィンスの子ですね。
脳内スパークリングは遺伝性のようです☆
お付き合い、ありがとうございました!
王宮内のとある庭園のとあるガゼボ。
穏やかな日差しと彩どりの花々に囲まれながら、
優雅に午後のお茶を楽しむある1組の家族がいた。
正確にはただの家族ではない。
この国の第二王子である父とその唯一の
妃である母。
そして生まれたばかりのカワイイ妹と優しく
自分にメロメロの王妃である祖母。
そう、ロイヤルファミリーの午後の
ティータイムである。
第二王子の第一子であるルーイは
今年で3歳になった。
母いわく、びっくりするほど父に激似で
思わず笑ってしまうと言う。
ルーイとしては大好きな母に似たかったと
思うのは、まだ3歳の彼には致し方ない事だろう。
ルーイは本当に母が大好きであった。
(※これより内なるルーイくんの脳内音声です)
『はぁぁ……ぼくのおかぁたまは
ほんとにかわいいなぁ……!
いもーとのありしゅも、ちっちゃくて
かわいくて、ほんとにたべてしまいたいでしゅ!』
そう言ってルーイはうっとりと母と妹を
見つめている。
『きめたでしゅ!ぼくわしょーらい、
おかぁたまとけっこんしましゅ!』
新たな決意を胸に宿し、
ルーイは小さな拳を握りしめた。
その時、ふいにルーイの脳内に爆音が響いた。
『ふはははっ!!
ダメだぞルーイ!お母さまは俺の嫁だからなっ!!残念だがお前とは結婚出来んのだっ!!』
父のヴィンセントが息子の脳内に
乱入して来たのだ。
『ど、どーしてでしゅか!
おとーたまはいつもおかぁたまをひとりじめして
ずるいでしゅ!おかぁたまは
ぼくのおかぁたまなんでしゅから!』
『悪いなルーイ、お母さま…ハグリットは
俺だけの天使なのだ!たとえ可愛い息子でもこれだけは譲れんっ!!
お前はお前だけの天使を探す事だなっ!!』
『ずるいでしゅ!ずるいでしゅ!
おとーたまはいつも、よるはおかぁたまといっしょにねてるのもずるいでしゅ!
ぼくもおかぁたまといっしょにねたいでしゅ!』
『ルーイよ……お前も大きくなったらわかるさ……
愛しい天使と共に眠れる喜びを!!それまでは
クマさんのぬいぐるみでも抱いて眠るんだなっ!!
喜べ!その代わり弟でも妹でもいくらでも
作ってやるからなっ!!わははっ!!』
『ずるいでしゅ!ずるいでしゅ!!」
その時、
二人の母親が口を挟んだ。
「ヴィンス、うるさいわよ」
「ルーイ、静かにしなさい」
「「………はい」」
父と子は不思議だった。
なぜ母には脳内で弾けているのがわかるのか……
そうして父と子は
大人しく午後のお茶を楽しんだとさ☆
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
すみません!!
ホントは番外編を書くつもりはなかったんです!
でも一部の読者様から、
ルーイの脳内の声も聞きたいと言っていただき、
わたしも書いてみたくなりました。
やはりルーイはヴィンスの子ですね。
脳内スパークリングは遺伝性のようです☆
お付き合い、ありがとうございました!
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