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ある日、悪役令嬢の一人だと言われました
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ある日、貴族院学院の一年先輩であるレントン公爵令嬢エリザベスが言った。
「先日、わたくしは思い出してしまったのです」
「まぁ何を思い出したのです?教えて下さいなエリザベス様」
ロンブレア侯爵家のロザリーがそう訊ねると、ラモレー伯爵家のフランシーヌも同調した。
「私も是非お聞かせいただきたいですわエリザベス様」
ここは王立貴族院学院の個室サロン。
この国の第二王子の婚約者であるエリザベスが使用を許された特別な休憩室である。
そこでいつもエリザベスは仲の良い高位貴族令嬢たちとランチを食べたり、放課後にお茶会をしたりするのだ。
今年、貴族院学院に入学したばかりのプリムローズもキャスパー伯爵家の娘として、母方の親戚で幼い頃から親交のあるエリザベスに迎えられてこの個室サロンに出入りしている。
今日もランチ休憩で皆と昼食を共にした後、食後のお茶をいただいている時に徐にエリザベスがそう言い出したのであった。
一体何を思い出したというのだろう。
プリムローズはカップをソーサーに戻してエリザベスの次の言葉を待つ。
ややあってエリザベスは言った。
「わたくし、先日本棚から落ちてきた本に頭をぶつけた拍子に前世の記憶を思い出しましたの。そしてここが前世で読んだ小説の世界だという事を知ってしまいましたわ。それはヒロインが一人勝ちでウハウハ逆ハー状態を築くお話で、わたくしたちはその中でヒロインを虐める性悪令嬢達として描かれているの。つまり、わたくし達は悪役令嬢なのよ!」
エリザベスがそう告げた後、サロン内に沈黙が広がった。
「え…えっと……ですわね、」
「あの……エリザベス様?」
皆一様にエリザベスの発言をどう捉えてよいのか思いあぐねているようだ。
突然訳が分からない事を言い出したエリザベスだが、彼女は王族を除いてこの国の独身女性の中で最も身分が高いために誰も何も言えない。
そこで桜草という名に引けを取らず可憐な容姿をしているが、実は中身は騎士団副団長である父親譲りのポンコツ脳筋であるプリムローズが皆を代表してズバリと言った。
「エリザベスお姉様、本をぶつけて頭がおかしくなってしまわれたの?」
「「プリっ……!?」」
こいつ言いおった!誰もがそう思ったが、それと同時に誰もが言い難い事をよく言ってくれた!とも思った。
そんなプリムローズの言葉にエリザベスは笑みを浮かべたまま答える。
「可愛いプリムローズ、あなたは相変わらず歯に衣着せぬ怖いもの知らずのおバカさんね。まぁそんなところがわたくしは気に入っているのだけれども」
「ありがとうございますエリザベスお姉様。それでお姉様、脳のお医者さまには診ていただいたのですか?」
「その可愛いお口を噤んでお黙りなさいプリムローズ。皆がそのような反応になるのは想定済みよ。ですからわたくし、お父様の書斎から魔法具をくすねてまいりましたの」
そう言ってエリザベスは皆がよく見えるようにテーブルの上に透明な球体を置いた。
宰相を務めるロンブレア侯爵の末娘で自身も頭脳明晰と評されるロザリーがその球体を見て言った。
「まぁ……真実の瞳だわ」
「真実の瞳?」
プリムローズが訊ねるとロザリーは頷いた。
「ええ。魔力の清らかさに反応する魔石の結晶を加工した物で、嘘を吐いた人間の心の疚しさが影響を及ぼした魔力に反応するの。公的に認められた、言わば嘘を見破る魔法具ね」
プリムローズは澄んだ美しい球体を見つめながら言った。
「まぁ……こんな透明で綺麗な球体が……嘘を吐いたらどうなるのですか?」
ロザリーは少し考えてからその質問に答えた。
「じゃあこれから私が何を言っても“いいえ”と答えてね」
「いいえ」
「まだ始めていないわよ。……まぁいいわ、では始めるわね。プリムローズは私ロザリー・ロンブレアの事を本当は馬鹿だと思っている」
「いいえ」
プリムローズがそう答えると真実の瞳に何の変化も見られなかった。
「じゃあプリムローズは私の事をナインペタンのまな板令嬢だと思っている」
「いいえ」
プリムローズがそう答えた瞬間、あれほど澄み切っていた球体が黒く濁った。
それを見たプリムローズが感嘆の声をあげる。
「まぁ!すごいわ!真実の瞳が真っ黒に!」
「……くっ…やっぱりまな板令嬢と思っているのね……。ではプリムローズ、あなたは本当はこの“エリザベス心の友の会”の集まりを疎ましく思っている」
「いいえ」
エリザベスのその返事に、巨大な正ロ丸と化していた真実の瞳がまた無色透明の清らかな球体へと戻った。
「まぁ!元に戻ったわ!」
プリムローズがはしゃぎ声でそう言うのを見て、エリザベスが告げる。
「この真実の瞳の前で発言をして、黒く染まらなければわたくしの言っている事が本当の事だと皆さん信じて頂けるかしら?」
「それはもちろん、大陸屈指の魔術師でも真実の瞳を欺く事は不可能だと言われている代物ですから……」
フランシーヌがそう答えると満足したように頷き、エリザベスは語り出した。
エリザベスの言う事にはここは物語の中の世界で、自分たちの婚約者がそれぞれヒロインであるリュミナ・ドビッチと恋仲になるのだそうだ。
そして当然それが許せない自分たち学院の高位令嬢がリュミナを虐め、それにより婚約者たちに断罪され婚約破棄をされてしまうらしい。
エリザベスがそこまで話しても澄みきったままの真実の瞳を見て、ロザリーが狼狽えた。
「そ、そんなっ……それは不貞ではないですか!婚約者がいる身でありながら他の女性と恋仲になるなんて……!それも何人もが……!」
「リュミナ・ドビッチは希少な魔力の持ち主だそうで、その血を多く残すためにいずれ王家から一妻多夫を許される唯一の女性となるのよ。そしてわたくしたちの婚約者全員がその夫となるの」
「ひどいわっ……信じられない!まさかそんな、コラール様が別の女性と結婚するなんてっ……」
フランシーヌが悲痛な声を上げるもエリザベスは敢えて毅然としたもの言いで告げた。
ちなみにコラールとはフランシーヌの婚約者の名前である。
「わたくしが嘘を言っていないのは真実の瞳の示すところよ。だけど本当に恐れるべきは婚約破棄ではなくてよ、皆さま」
「……え?幼い頃より信頼を重ねてきたはずの婚約者に裏切られる事より恐ろしい事が他にあるのですか?」
「来年の卒業式でリュミナ・ドビッチを虐めた罪を断罪されたわたくし達は、そのまま修道院送りか国外に追放されてしまうのです……!ちなみに国外追放されるのはわたくしとプリムローズ、あなたよ」
「えっ……ええっ!?」
エリザベスの衝撃発言に、プリムローズは驚愕した。
テーブルの上の球体は依然、清らかに澄みきっていた。
───────────────────────
はじまりましたよ新連載。
皆様どうぞよろしくお願い申し上げます。
感想欄は解放いたしますがお返事はままならないと思います。
ごめんなさい~。 °(°´ᯅ`°)° 。オロローン
●エリザベス心の友の会メンバーの容姿
(イメージ作りにお役立て下さい)
✩プリムローズ・キャスパー(16)
ブラウンヘアに青い瞳。見た目は華奢で可憐な印象ながら中身はポンコツ怖いもの知らず娘。
✩エリザベス・レントン(17)
落ち着いた赤い髪色に深緑の瞳を持つ美女。
背も高くスタイル抜群。
✩ロザリー・ロンブレア(17)
明るめのグレイブロンドの髪に知的なダークブラウンの瞳。
✩フランシーヌ・ラモレー(16)
淡いレモンクリーム色の髪いろに水色の瞳のフワフワとした印象を持つ。
「先日、わたくしは思い出してしまったのです」
「まぁ何を思い出したのです?教えて下さいなエリザベス様」
ロンブレア侯爵家のロザリーがそう訊ねると、ラモレー伯爵家のフランシーヌも同調した。
「私も是非お聞かせいただきたいですわエリザベス様」
ここは王立貴族院学院の個室サロン。
この国の第二王子の婚約者であるエリザベスが使用を許された特別な休憩室である。
そこでいつもエリザベスは仲の良い高位貴族令嬢たちとランチを食べたり、放課後にお茶会をしたりするのだ。
今年、貴族院学院に入学したばかりのプリムローズもキャスパー伯爵家の娘として、母方の親戚で幼い頃から親交のあるエリザベスに迎えられてこの個室サロンに出入りしている。
今日もランチ休憩で皆と昼食を共にした後、食後のお茶をいただいている時に徐にエリザベスがそう言い出したのであった。
一体何を思い出したというのだろう。
プリムローズはカップをソーサーに戻してエリザベスの次の言葉を待つ。
ややあってエリザベスは言った。
「わたくし、先日本棚から落ちてきた本に頭をぶつけた拍子に前世の記憶を思い出しましたの。そしてここが前世で読んだ小説の世界だという事を知ってしまいましたわ。それはヒロインが一人勝ちでウハウハ逆ハー状態を築くお話で、わたくしたちはその中でヒロインを虐める性悪令嬢達として描かれているの。つまり、わたくし達は悪役令嬢なのよ!」
エリザベスがそう告げた後、サロン内に沈黙が広がった。
「え…えっと……ですわね、」
「あの……エリザベス様?」
皆一様にエリザベスの発言をどう捉えてよいのか思いあぐねているようだ。
突然訳が分からない事を言い出したエリザベスだが、彼女は王族を除いてこの国の独身女性の中で最も身分が高いために誰も何も言えない。
そこで桜草という名に引けを取らず可憐な容姿をしているが、実は中身は騎士団副団長である父親譲りのポンコツ脳筋であるプリムローズが皆を代表してズバリと言った。
「エリザベスお姉様、本をぶつけて頭がおかしくなってしまわれたの?」
「「プリっ……!?」」
こいつ言いおった!誰もがそう思ったが、それと同時に誰もが言い難い事をよく言ってくれた!とも思った。
そんなプリムローズの言葉にエリザベスは笑みを浮かべたまま答える。
「可愛いプリムローズ、あなたは相変わらず歯に衣着せぬ怖いもの知らずのおバカさんね。まぁそんなところがわたくしは気に入っているのだけれども」
「ありがとうございますエリザベスお姉様。それでお姉様、脳のお医者さまには診ていただいたのですか?」
「その可愛いお口を噤んでお黙りなさいプリムローズ。皆がそのような反応になるのは想定済みよ。ですからわたくし、お父様の書斎から魔法具をくすねてまいりましたの」
そう言ってエリザベスは皆がよく見えるようにテーブルの上に透明な球体を置いた。
宰相を務めるロンブレア侯爵の末娘で自身も頭脳明晰と評されるロザリーがその球体を見て言った。
「まぁ……真実の瞳だわ」
「真実の瞳?」
プリムローズが訊ねるとロザリーは頷いた。
「ええ。魔力の清らかさに反応する魔石の結晶を加工した物で、嘘を吐いた人間の心の疚しさが影響を及ぼした魔力に反応するの。公的に認められた、言わば嘘を見破る魔法具ね」
プリムローズは澄んだ美しい球体を見つめながら言った。
「まぁ……こんな透明で綺麗な球体が……嘘を吐いたらどうなるのですか?」
ロザリーは少し考えてからその質問に答えた。
「じゃあこれから私が何を言っても“いいえ”と答えてね」
「いいえ」
「まだ始めていないわよ。……まぁいいわ、では始めるわね。プリムローズは私ロザリー・ロンブレアの事を本当は馬鹿だと思っている」
「いいえ」
プリムローズがそう答えると真実の瞳に何の変化も見られなかった。
「じゃあプリムローズは私の事をナインペタンのまな板令嬢だと思っている」
「いいえ」
プリムローズがそう答えた瞬間、あれほど澄み切っていた球体が黒く濁った。
それを見たプリムローズが感嘆の声をあげる。
「まぁ!すごいわ!真実の瞳が真っ黒に!」
「……くっ…やっぱりまな板令嬢と思っているのね……。ではプリムローズ、あなたは本当はこの“エリザベス心の友の会”の集まりを疎ましく思っている」
「いいえ」
エリザベスのその返事に、巨大な正ロ丸と化していた真実の瞳がまた無色透明の清らかな球体へと戻った。
「まぁ!元に戻ったわ!」
プリムローズがはしゃぎ声でそう言うのを見て、エリザベスが告げる。
「この真実の瞳の前で発言をして、黒く染まらなければわたくしの言っている事が本当の事だと皆さん信じて頂けるかしら?」
「それはもちろん、大陸屈指の魔術師でも真実の瞳を欺く事は不可能だと言われている代物ですから……」
フランシーヌがそう答えると満足したように頷き、エリザベスは語り出した。
エリザベスの言う事にはここは物語の中の世界で、自分たちの婚約者がそれぞれヒロインであるリュミナ・ドビッチと恋仲になるのだそうだ。
そして当然それが許せない自分たち学院の高位令嬢がリュミナを虐め、それにより婚約者たちに断罪され婚約破棄をされてしまうらしい。
エリザベスがそこまで話しても澄みきったままの真実の瞳を見て、ロザリーが狼狽えた。
「そ、そんなっ……それは不貞ではないですか!婚約者がいる身でありながら他の女性と恋仲になるなんて……!それも何人もが……!」
「リュミナ・ドビッチは希少な魔力の持ち主だそうで、その血を多く残すためにいずれ王家から一妻多夫を許される唯一の女性となるのよ。そしてわたくしたちの婚約者全員がその夫となるの」
「ひどいわっ……信じられない!まさかそんな、コラール様が別の女性と結婚するなんてっ……」
フランシーヌが悲痛な声を上げるもエリザベスは敢えて毅然としたもの言いで告げた。
ちなみにコラールとはフランシーヌの婚約者の名前である。
「わたくしが嘘を言っていないのは真実の瞳の示すところよ。だけど本当に恐れるべきは婚約破棄ではなくてよ、皆さま」
「……え?幼い頃より信頼を重ねてきたはずの婚約者に裏切られる事より恐ろしい事が他にあるのですか?」
「来年の卒業式でリュミナ・ドビッチを虐めた罪を断罪されたわたくし達は、そのまま修道院送りか国外に追放されてしまうのです……!ちなみに国外追放されるのはわたくしとプリムローズ、あなたよ」
「えっ……ええっ!?」
エリザベスの衝撃発言に、プリムローズは驚愕した。
テーブルの上の球体は依然、清らかに澄みきっていた。
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感想欄は解放いたしますがお返事はままならないと思います。
ごめんなさい~。 °(°´ᯅ`°)° 。オロローン
●エリザベス心の友の会メンバーの容姿
(イメージ作りにお役立て下さい)
✩プリムローズ・キャスパー(16)
ブラウンヘアに青い瞳。見た目は華奢で可憐な印象ながら中身はポンコツ怖いもの知らず娘。
✩エリザベス・レントン(17)
落ち着いた赤い髪色に深緑の瞳を持つ美女。
背も高くスタイル抜群。
✩ロザリー・ロンブレア(17)
明るめのグレイブロンドの髪に知的なダークブラウンの瞳。
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淡いレモンクリーム色の髪いろに水色の瞳のフワフワとした印象を持つ。
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