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番外編
特別番外編 そのトゥンク、不整脈ではありません☆
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本編の中ではタイトルだけを書いていたシシー先生のGGL作品の中で、一際皆さんに弄って頂いたタイトルなのがこのお話ではないでしょうか。
この次の投稿分で番外編も最終話になりますので、
最終話のストーリーがGGLに乗っ取られない為に(笑)特別番外編として分けさせて頂きました。
BL要素が苦手な方も、今回は読まずにスルーして頂いて、次回、純粋に今作の最終話をお楽しみ頂ければ幸いです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
作品タイトル
『そのトゥンク、不整脈ではありません☆』
◇◇◇◇◇
とある王国の王都にリゲル(85)という一人の画家がいた。
幼い頃から絵を描くのが大好きで本業となってウン十数年、死ぬまで絵筆を放さないと誓った生粋の画家だ。
そんなリゲルがある日、画材を買い求めに市場へ向かっている時の事だった。
曲がり角で出合頭に一人の老人とぶつかってしまう。
小柄なリゲルは盛大に尻もちを突き、痛みでしばらく立ち上がれなかった。
そんなリゲルにぶつかった相手の老人が手を差し伸べた。
なんとその手を差し伸べてくれた相手は、幼い頃によく遊んだ斜向かいのラドちゃんことラドルフ(86)だったのだ。
「ラ、ラドちゃん!?」
「……もしかしてリゲルンかっ?」
父親の仕事の都合でラドルフが他国に引っ越して以来、80年ぶりの再会であったにも関わらず、二人は一瞬で互いが互いだとわかったのだった。
何故なら二人はそれぞれが淡い初恋の相手同士だったからだ。
80年ぶりにラドルフの顔を見て、リゲルの心臓は今にも口から飛び出すのではないかと心配になるくらいに暴れ出す。
それに驚いた事もあり、ましてや素敵な年輪を刻んだラドルフを直視出来ずに、リゲルは思わずその場から走り去ってしまった。
だが家に帰っても、夕食を食べてお風呂に入ってベッドで横になっても、リゲルの胸の高鳴りは治らない。
ーーもしかして不整脈!?
と心配になったリゲルは次の日、近くに開院した循環器専門の医療魔術師が居る病院へと診察を受けに行った。
「……リゲルさんですね、少々お待ちください」
リゲルの名前を確認した受付の者が一瞬席を外す。
なんだろう?と不思議に思っていると、その受付の者が戻って来た。
そしてリゲルにこう告げる。
「今日は特別に大先生が診察をされるそうです。診察室2番へどうぞお入り下さい」
大先生、というからにはきっと偉い医療魔術師なのだろうと思って診察室に入ると、なんとそこには昨日偶然に再会したラドルフが白衣を着て椅子に座っていた。
「ラ、ラドちゃんっ!?」
驚いて目を白黒させるリゲルにラドルフは言う。
「やっぱり来ると思っていたよリゲルン。昨日は胸を押さえて走って行ったからね、今日くらい診察を受けにくるのではないかと受付の者にリゲルという名の人が来たら取り次ぐように申し伝えていたんだ」
「ど、どうしてラドちゃんがこの国に?」
リゲルが問うと、ラドルフは熱の篭った眼差しでリゲルを見た。
「人生の終盤に差し掛かり、最後にキミとちゃんと初恋をやり直したかったんだ……」
「うっ……!」
老いても尚、破壊力のあるイケメンなラドルフに殺し文句を囁かれ、リゲルはまた胸を押さえた。
「ま、まただ……ラドちゃん……ボク、不整脈なのかもしれない……心臓の動きが変なんだ」
「……どれどれ……」
リゲルのその言葉を受け、ラドルフは検査魔法でリゲルの心臓を調べた。
そして嬉しそうな笑みを浮かべ、リゲルにこう診断を告げる。
「リゲルン、それは不整脈ではないよ。俺を見て、トゥンクしてくれた証拠なんだよ」
「トゥ、トゥンクっ!?」
「そう。今も昔も変わらず、俺を想ってくれている証のトゥンクさ」
そう言ったラドルフはリゲルの手を握った。
「はうっ……ま、まただっ……!」
リゲルは心臓が早鐘を打つのを狼狽えながら訴えた。
ラドルフは優しげな、しかし明らかに恋情を込めた眼差しでリゲルを見つめ、そっと握っていない方の手をリゲルの頬に触れた。
「大丈夫。俺を信じて。今はその胸のトゥンクを純粋に感じて……」
「ラドちゃん……」
「リゲルン……」
♡♡♡♡♡
その日から、画家リゲルの描く絵の被写体が変わった。
今までは主に風景画や静物画を描いていたリゲルだが、急にある人物ばかりを描くようになったのだ。
その人の名はラドルフ。
80年越しに初恋を実らせた、リゲルの運命の人だ。
それからリゲルは107歳でこの世を去るまで、
恋人ラドルフの絵を描き続けたという。
その数、なんと100枚。
そのどれも秀作とされ、今も高値で売り買いされているらしい……。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
以上でシシー先生のGGL作品のあらすじ紹介は終わりとなります。
全ての作品をご紹介できず申し訳ありません。
そしてこれからも、シシー先生は名作を生み出してゆく事でしょう。
さて、本編に引き続き、番外編も次回で最終話となります。
本日の夜に投稿予定です。
よろしくお願いします!
この次の投稿分で番外編も最終話になりますので、
最終話のストーリーがGGLに乗っ取られない為に(笑)特別番外編として分けさせて頂きました。
BL要素が苦手な方も、今回は読まずにスルーして頂いて、次回、純粋に今作の最終話をお楽しみ頂ければ幸いです。
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作品タイトル
『そのトゥンク、不整脈ではありません☆』
◇◇◇◇◇
とある王国の王都にリゲル(85)という一人の画家がいた。
幼い頃から絵を描くのが大好きで本業となってウン十数年、死ぬまで絵筆を放さないと誓った生粋の画家だ。
そんなリゲルがある日、画材を買い求めに市場へ向かっている時の事だった。
曲がり角で出合頭に一人の老人とぶつかってしまう。
小柄なリゲルは盛大に尻もちを突き、痛みでしばらく立ち上がれなかった。
そんなリゲルにぶつかった相手の老人が手を差し伸べた。
なんとその手を差し伸べてくれた相手は、幼い頃によく遊んだ斜向かいのラドちゃんことラドルフ(86)だったのだ。
「ラ、ラドちゃん!?」
「……もしかしてリゲルンかっ?」
父親の仕事の都合でラドルフが他国に引っ越して以来、80年ぶりの再会であったにも関わらず、二人は一瞬で互いが互いだとわかったのだった。
何故なら二人はそれぞれが淡い初恋の相手同士だったからだ。
80年ぶりにラドルフの顔を見て、リゲルの心臓は今にも口から飛び出すのではないかと心配になるくらいに暴れ出す。
それに驚いた事もあり、ましてや素敵な年輪を刻んだラドルフを直視出来ずに、リゲルは思わずその場から走り去ってしまった。
だが家に帰っても、夕食を食べてお風呂に入ってベッドで横になっても、リゲルの胸の高鳴りは治らない。
ーーもしかして不整脈!?
と心配になったリゲルは次の日、近くに開院した循環器専門の医療魔術師が居る病院へと診察を受けに行った。
「……リゲルさんですね、少々お待ちください」
リゲルの名前を確認した受付の者が一瞬席を外す。
なんだろう?と不思議に思っていると、その受付の者が戻って来た。
そしてリゲルにこう告げる。
「今日は特別に大先生が診察をされるそうです。診察室2番へどうぞお入り下さい」
大先生、というからにはきっと偉い医療魔術師なのだろうと思って診察室に入ると、なんとそこには昨日偶然に再会したラドルフが白衣を着て椅子に座っていた。
「ラ、ラドちゃんっ!?」
驚いて目を白黒させるリゲルにラドルフは言う。
「やっぱり来ると思っていたよリゲルン。昨日は胸を押さえて走って行ったからね、今日くらい診察を受けにくるのではないかと受付の者にリゲルという名の人が来たら取り次ぐように申し伝えていたんだ」
「ど、どうしてラドちゃんがこの国に?」
リゲルが問うと、ラドルフは熱の篭った眼差しでリゲルを見た。
「人生の終盤に差し掛かり、最後にキミとちゃんと初恋をやり直したかったんだ……」
「うっ……!」
老いても尚、破壊力のあるイケメンなラドルフに殺し文句を囁かれ、リゲルはまた胸を押さえた。
「ま、まただ……ラドちゃん……ボク、不整脈なのかもしれない……心臓の動きが変なんだ」
「……どれどれ……」
リゲルのその言葉を受け、ラドルフは検査魔法でリゲルの心臓を調べた。
そして嬉しそうな笑みを浮かべ、リゲルにこう診断を告げる。
「リゲルン、それは不整脈ではないよ。俺を見て、トゥンクしてくれた証拠なんだよ」
「トゥ、トゥンクっ!?」
「そう。今も昔も変わらず、俺を想ってくれている証のトゥンクさ」
そう言ったラドルフはリゲルの手を握った。
「はうっ……ま、まただっ……!」
リゲルは心臓が早鐘を打つのを狼狽えながら訴えた。
ラドルフは優しげな、しかし明らかに恋情を込めた眼差しでリゲルを見つめ、そっと握っていない方の手をリゲルの頬に触れた。
「大丈夫。俺を信じて。今はその胸のトゥンクを純粋に感じて……」
「ラドちゃん……」
「リゲルン……」
♡♡♡♡♡
その日から、画家リゲルの描く絵の被写体が変わった。
今までは主に風景画や静物画を描いていたリゲルだが、急にある人物ばかりを描くようになったのだ。
その人の名はラドルフ。
80年越しに初恋を実らせた、リゲルの運命の人だ。
それからリゲルは107歳でこの世を去るまで、
恋人ラドルフの絵を描き続けたという。
その数、なんと100枚。
そのどれも秀作とされ、今も高値で売り買いされているらしい……。
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以上でシシー先生のGGL作品のあらすじ紹介は終わりとなります。
全ての作品をご紹介できず申し訳ありません。
そしてこれからも、シシー先生は名作を生み出してゆく事でしょう。
さて、本編に引き続き、番外編も次回で最終話となります。
本日の夜に投稿予定です。
よろしくお願いします!
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