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まほらはコールガールと遭遇した?
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まほらが捜査四課に転属となって初めて担当した事件、違法魔法毛生え薬の犯人が捕まった。
ブレイズが言った通り、
広く国内外に周知した事により販売方法や場所の限定を余儀なくされた犯人が、在庫品を早期に処分しようと短いスパンで路上販売を行った事により現行犯逮捕する事が出来たのだ。
これでもう違法な魔法薬により残り少ない僅かな毛を失う被害者が出ることもない。
まほらは犯人を検挙出来た事に心から安堵した。
「やりましたね、ハウンドさん!」
「本当に良かったよ。それにしてもすごく嬉しそうだね、まほらさん」
「そりゃあ、初めて担当した事件がお蔵入りなんて嫌ですもん」
「なるほど、それは嫌だね」
そんな事をバディ同士で話していると課長補佐のガーランド女史がまほらに話しかけてきた。
「あら、ハウンドは下半身がチャラチャラしてるように言われてるいるけど、実は検挙率は魔法省で上位を誇る実績があるのよ。お蔵入りなんてまず無いわ」
「そうなんですか、それはすごい」
「魔法薬で人の人生を踏みにじる奴は許さない!って、絶対にそうは見えないけどホントはかなりの熱血漢なのよね?」
ガーランド女史がハウンドの背中を軽く叩いてそう言うと、彼は肩を竦めた。
「熱血漢だなんて、大袈裟ですよ」
「大袈裟じゃないでしょ、あなたが解決出来ていないのはあの事件だけ…「サミィさん、ここで油売ってていいんですか?課長が困ってるんじゃないですか?頼りにされてるんだから、ちゃんと補佐してあげないと」
ガーランド女史が何やら言いかけた言葉に被せるようにしてハウンドがそう告げた。
ガーランド女史は「あ、いけない。お茶を淹れるんだったわ」と言って、急々と給湯室へと向かって行った。
───ん?もしかしてハウンドさん、今の会話を避けた?
とまほらは思ったがハウンドがすぐに違う話題を振ってきたのでそのままその話は終わらせた。
「まほらさん、初めての検挙と我々のバディ結成を祝って、今夜食事でもどう?美味しい定食屋を知ってるんだ」
「定食屋さんですか……いいですね、ご一緒します」
玄人専門のヤリ…ゲフンと噂されるハウンドがまほらに触手が動くとは思えないが、やはり二人だけでの食事となると躊躇うところだ。
しかし食事の場所が“定食屋”というムードの欠片もないのが好印象で、まほらはOKした。
そしてその日は小一時間ほど残業してから二人でその定食屋へと行き、楽しくて美味しいひと時を過ごした。
定食屋を出た後、夜も遅いので送るよと言うハウンドのお言葉に甘えてアパートまで歩く。
丁度色町界隈に続く通りに差し掛かったところでふいにハウンドを呼ぶ声が辺りに響いた。
「ハウンドちゃんっ!」
───ハ、ハウンドちゃん?
まほらはぎょっとして声がした方に振り向くと、そこにはセクシーな服装に身を包んだ如何にもコールガールな女性が立っていた。
その顔には汗が滲み、焦燥感に満ちた顔で一心にハウンドを見つめている。
ハウンドはその女性を見て、眉間にシワを刻んだ。
こ、これはもしかしてハウンドが懇意にしている玄人女性の一人で、まほらとの関係を誤解しているのでは!?
とまほらは内心たじろいだ。
そんなまほらを尻目にセクシーな女性がハウンドの元に駆け寄り、慌てた様子で彼に告げる。
「ハウンドちゃん!やられた!あの薬でっ……!また仲間が一人やられたっ……!」
「っ………くそっ!」
女性の言葉にハウンドが舌打ちをする。
その様はいつもの穏やかな彼とは別人のように荒々しいものであった。
セクシーな女性がなおもハウンドに言う。
「ハウンドちゃんに言われていたようにゲンバはホゼン、って言うの?ソレをしてるから、早く来て!」
「わかった、すぐに向かう」
ハウンドはその女性に頷いて返事をした後にまほらに向き直り、真剣な表情で告げた。
「………まほらさん、キミは以前催淫魔法薬の鑑定をした事があると言っていたよね?」
「え?は、はい」
「お願いだ、その知識を少し貸して欲しい。一緒に来てくれないか?」
「え?」
何が起きて何を求められているのか、まほらには全く理解できなかったが、ハウンドのあまりにも真剣な眼差しに断る事などできなかった。
「……はい。いいですよ」
「良かった!ありがとう!こっちだ!」
「えっ?あ、はいっ」
そう言ってまほらの手を引き足早に歩き出したハウンドに連れられて、まほらは色町に続く道を歩き出した。
───────────────────────
明日はもしかしたら更新がお休みか、
短い挿話が入るかもしれません。
ごめんなさいです(›´-`‹ )
ブレイズが言った通り、
広く国内外に周知した事により販売方法や場所の限定を余儀なくされた犯人が、在庫品を早期に処分しようと短いスパンで路上販売を行った事により現行犯逮捕する事が出来たのだ。
これでもう違法な魔法薬により残り少ない僅かな毛を失う被害者が出ることもない。
まほらは犯人を検挙出来た事に心から安堵した。
「やりましたね、ハウンドさん!」
「本当に良かったよ。それにしてもすごく嬉しそうだね、まほらさん」
「そりゃあ、初めて担当した事件がお蔵入りなんて嫌ですもん」
「なるほど、それは嫌だね」
そんな事をバディ同士で話していると課長補佐のガーランド女史がまほらに話しかけてきた。
「あら、ハウンドは下半身がチャラチャラしてるように言われてるいるけど、実は検挙率は魔法省で上位を誇る実績があるのよ。お蔵入りなんてまず無いわ」
「そうなんですか、それはすごい」
「魔法薬で人の人生を踏みにじる奴は許さない!って、絶対にそうは見えないけどホントはかなりの熱血漢なのよね?」
ガーランド女史がハウンドの背中を軽く叩いてそう言うと、彼は肩を竦めた。
「熱血漢だなんて、大袈裟ですよ」
「大袈裟じゃないでしょ、あなたが解決出来ていないのはあの事件だけ…「サミィさん、ここで油売ってていいんですか?課長が困ってるんじゃないですか?頼りにされてるんだから、ちゃんと補佐してあげないと」
ガーランド女史が何やら言いかけた言葉に被せるようにしてハウンドがそう告げた。
ガーランド女史は「あ、いけない。お茶を淹れるんだったわ」と言って、急々と給湯室へと向かって行った。
───ん?もしかしてハウンドさん、今の会話を避けた?
とまほらは思ったがハウンドがすぐに違う話題を振ってきたのでそのままその話は終わらせた。
「まほらさん、初めての検挙と我々のバディ結成を祝って、今夜食事でもどう?美味しい定食屋を知ってるんだ」
「定食屋さんですか……いいですね、ご一緒します」
玄人専門のヤリ…ゲフンと噂されるハウンドがまほらに触手が動くとは思えないが、やはり二人だけでの食事となると躊躇うところだ。
しかし食事の場所が“定食屋”というムードの欠片もないのが好印象で、まほらはOKした。
そしてその日は小一時間ほど残業してから二人でその定食屋へと行き、楽しくて美味しいひと時を過ごした。
定食屋を出た後、夜も遅いので送るよと言うハウンドのお言葉に甘えてアパートまで歩く。
丁度色町界隈に続く通りに差し掛かったところでふいにハウンドを呼ぶ声が辺りに響いた。
「ハウンドちゃんっ!」
───ハ、ハウンドちゃん?
まほらはぎょっとして声がした方に振り向くと、そこにはセクシーな服装に身を包んだ如何にもコールガールな女性が立っていた。
その顔には汗が滲み、焦燥感に満ちた顔で一心にハウンドを見つめている。
ハウンドはその女性を見て、眉間にシワを刻んだ。
こ、これはもしかしてハウンドが懇意にしている玄人女性の一人で、まほらとの関係を誤解しているのでは!?
とまほらは内心たじろいだ。
そんなまほらを尻目にセクシーな女性がハウンドの元に駆け寄り、慌てた様子で彼に告げる。
「ハウンドちゃん!やられた!あの薬でっ……!また仲間が一人やられたっ……!」
「っ………くそっ!」
女性の言葉にハウンドが舌打ちをする。
その様はいつもの穏やかな彼とは別人のように荒々しいものであった。
セクシーな女性がなおもハウンドに言う。
「ハウンドちゃんに言われていたようにゲンバはホゼン、って言うの?ソレをしてるから、早く来て!」
「わかった、すぐに向かう」
ハウンドはその女性に頷いて返事をした後にまほらに向き直り、真剣な表情で告げた。
「………まほらさん、キミは以前催淫魔法薬の鑑定をした事があると言っていたよね?」
「え?は、はい」
「お願いだ、その知識を少し貸して欲しい。一緒に来てくれないか?」
「え?」
何が起きて何を求められているのか、まほらには全く理解できなかったが、ハウンドのあまりにも真剣な眼差しに断る事などできなかった。
「……はい。いいですよ」
「良かった!ありがとう!こっちだ!」
「えっ?あ、はいっ」
そう言ってまほらの手を引き足早に歩き出したハウンドに連れられて、まほらは色町に続く道を歩き出した。
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明日はもしかしたら更新がお休みか、
短い挿話が入るかもしれません。
ごめんなさいです(›´-`‹ )
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