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愛しい日々をあなたに 〜魔法省特務課の事件簿〜

断罪、そして大団円

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レガルドはとある小型録画魔道具を用意した。

予め特定のワードを幾つか登録しておき、そのワードを一つでも感知したら起動する魔道具だ。

そして人の気配を察知して自動的に移動し、その場で録画と録音を開始する。

それを高官の妻に送り、夫の鞄に忍ばせて情事の映像を撮るように指示したのはハルジオだ。


そして高官の妻は地方局のエントランスで録画した映像を流し、夫と浮気相手の女…つまりリッカ=ロナルドを断罪した。

これにより高官は懲戒免職。
輝かしい羨望から一転、蔑みの対象となったリッカも耐えきれず自主退省して行った。


そしてハルジオは家を出ようとしたミルルを捕獲し、
全てを打ち明け愛情を伝えたという。

そしてミルルの誤解は全て解け、晴れて本当の夫婦になれたというのだ。


「良かった……本当に良かった……!」

菫はその報告をレガルドから受け、心から喜んだ。

レガルドはミルルがどうしてもお礼がしたいと、今夜は夕食に招かれたのだ。
そして帰宅して菫に事の顛末を話したのだった。

「ハルジが菫にも心から感謝してたよ。それからミルルちゃんが菫に会いたいってさ」

「まぁ私に?私もミルルさんに会いたいと思っていたの」

「菫に友達になって欲しいって言ってたよ」

「嬉しいわ。ミルルさんとは仲良くなれそうな気がするの。ううん、絶対仲良くなれるわ」

「きっぱりと断言するんだな、なんでだ?」

「ふふ、だって似たような旦那様を持つ者同士ですもの」

「似たような?俺とハルジが?」

「ええ。もう双子みたいに」

「なにおぅ?」

菫の指摘に自覚はあるのだろう、レガルドは悔しそうに菫を掻き抱いた。
腕の中で菫はころころと笑う。

「ふふふ」

その笑みが零れる唇を塞がれる。

妻の唇を堪能したレガルドが菫に言う。

「今度の休みにウチに来て貰うか?」

「ハルジオさんとミルルさんに?いいわね、是非お招きしたいわ。子どもたちもきっと喜ぶわね」

「じゃあ決まりだな」

「ミルルさんに会えるのが楽しみだわ」

「でも今は俺との時間を楽しんでくれ」

「まぁレガルド様ったら」

「菫……愛してる……」

レガルドがそう言って再び菫に口づけをしようとしたその時、

「かたん…おちっこ……」

寝室の扉を開けた楓が寝ぼけまなこで起きて来てそう言った。

「まあまぁ、はいはい、おトイレに行きましょうね。ちゃんと起きれて偉いわねかーくん」

菫はそう言いながら楓をトイレへと連れて行った。

「……………楓……」

仕方ない事とはいえ、ガックリと項垂れるレガルドであった。



そうしてその週末。

レガルドもハルジオも休みという日に、

バイス夫妻がリー家を訪れたのであった。





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次回、いよいよ菫ちゃんとミルルが会います。


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