3 / 16
わたしの一日 (アミシュ目線)
しおりを挟む
わたしの一日は騎士団の朝練の見学から始まる
早朝にも関わらず、
騎士たちの朝練を見ようという者はチラホラいる。
そういう者は大概、
わたしと同じように王宮の敷地内にある騎士や魔術師、メイドや侍従のための寮(有料)で生活している者だ。
朝練の見学者はメイドさん達や
時々早起きする令嬢。
お目当ての騎士見たさに早起きして
その間ずっと秋波を送り続けている。
ホントご苦労な事だ。
ま、わたしもだけどネ。
秋波は送ってないけど。
でも彼女たちのおかげでわたしは悪目立ちする事なく朝練の様子が見れるのだ。
彼女たちを盾にして魔術師団のローブを目深に被り
遠く鍛錬に勤しんでいる婚約者のハルトを見守っている。
あぁ…ハルト……今日も好き……!
昨日も好きだったけど今日も好き。
きっと明日も好きに違いない。
3年前にコルベール領を立ってから
さらに背が伸びて体格も良くなったみたい。
もうどこからどう見ても大人の男の人ね。
はぁ堪能した。
今朝のハルト浴(日光浴みたいなもの)を済ませてから王宮内の食堂へと急ぐ。
早く食べてしまわないと汗を流した後の騎士たちが
押し寄せて来る。
その中にハルトが居て、鉢合わせでもしたら大変だ。
食堂に行くと大概は魔術師団の同期のマクシムと
ポピーが席を取っていてくれるのだ。
ほら、今朝も……
「アミシュ!ここよ!」
ポピーがテーブル席から手を振って呼んでくれる。
「おはようポピー、いつも席をありがとう」
「いいのよ、アミシュと一緒に食べたいもの」
「ふふ」
わたしとポピーが微笑みあう。
そんなわたし達を見ながらマクシムが言った。
「今朝の場所取りは俺がしたんだけどな」
「「あらそう」」
「お前らな……」
「アミシュ、フードを取ったら?
どうしていつも被っているの?」
「……髪色が目立つのが嫌だから」
「え~、キレイな髪色なのに。
むしろ目立つ方がいいじゃない」
「わたしは嫌なの」
「え~もったいない~」
わたしは赤毛だ。それも鮮やかな赤。
べつに嫌いというわけじゃないけど赤毛は目立つ。
ハルトに見つかっちゃう危険性も高くなる。
用心にこした事はない。
そうやって賑やかに朝食を済ませ、
魔術師団の詰め所へと向かう。
そこで今日の任務内容を聞くのだ。
魔術師たちは班単位で行動をする。
大体一班7人制。
班長、副班長、医療魔術師と平の班員四人で構成されている。
新入りのわたしはもちろん平の班員だ。
ポピーとマクシムも同じ班。
それで仲良くなった。
わたしの班は今日は討伐ではなく巡回だ。
魔物の出没が多い地域を巡回して、異常がないかを
確認する。
もし魔物が出現したら、即時討伐。
巡回班は機動力がものを言う。
巡回先は国中で、
集団転移魔法の魔道具を用いて転移する。
便利だ。
午前中の巡回を終え、昼食を食べたら暫しの昼休憩となる。
午後からの英気を養うために魔術師の昼休憩は他の部署より長い。
侑に2時間はあるだろう。魔力の消費を補うにはそのくらいの時間が必要なのだ。
その間、昼寝をしたり読書をしたりと皆、思い思いの時間を過ごす。
わたしはもちろん………
ハルトウォッチングだ。
この時間、王女殿下はお気に入りのテラスで
昼食を召し上がる。
王女殿下は朝が弱いらしく、
大抵10時頃まで寝ておられるそうなので、
ブランチ…といったところなのかしら。
そのテラスが丸見えのポイントがあるのだ。
王女殿下は騎士たちとブランチを共にされる。
一人で食べてもつまらないのだとか。
あぁ…食事をするハルトも素敵……!
王女殿下付きになってマナーも学んだんだろうな、食事の所作がとってもキレイだ。
だけど次の瞬間、うっとりしながらハルトを見ていたわたしに衝撃が走った。
「!!」
ハルトの口の端にわずかにソースが付いていたんだろう、それを王女殿下がご自分の指で拭い、舐めたのだ……!
な、な、なんてハレンチな……!
わたしだってハルトにそんな事した事ないのに!!
ハルトはそれに対して何も反応せず、
何やら言葉を発している。
離れているので何を言っているのかはわからないけど、多分お礼を言ったんだろう……。
……そりゃ~あんな事ばかりやってたら
周りからアレコレ噂されるわよ……。
何よあれ、未婚の王女様があんな事していいの?
しかもなんて絵になる光景なんだ!
美女ってズルい……。
今のは結構ショックだった……
でもそろそろ休憩時間も終わりだ。
戻らなきゃ……
フラフラしながら回れ右をして、
来た道を戻る途中で人とぶつかってしまった。
ドンッ「きゃっ」
「っと、失礼」
ぶつかった衝撃で後ろに倒れそうになったわたしを
その人が支えてくれた。
一瞬、その人と目が合う。
ぶつかった相手は騎士だった。
わたしは騎士とはあまり関わらないように心掛けているので被っていたローブを目深に被り、
不自然じゃない程度に俯いた。
騎士がわたしに言う。
「ごめんね?こんな庭園の端に人がいるなんて思わなくて前をよく注意してなかった。ケガはない?」
「はい、大丈夫です。
こちらこそすみませんでした、それでは」
「あ、ちょっと待ってよ」
立ち去ろうとしたわたしをその人が引き止めた。
「なんですか?」
「キミ、そのローブは魔術師?魔術師団の団員なのかな?」
「……そうですけどそれが何か?」
「名前を教えてよ。
ぶつかったお詫びに食事でも…「あ!遅刻!」
わたしはその人の言葉を遮った。
「すみません、昼休憩が終わったので急がないと。これで失礼します!」
そう言ってわたしは逃げた。
騎士と知り合いなんかになったら大変だ。
「あ、ねぇちょっと……!」
後ろから騎士の人の声が聞こえたけど
わたしは構わず走り続けた。
危ない、危ない。
……また嫌な光景をみちゃうかもしれないし、
さっきの騎士に出くわしても困るので今後この場所
でのハルトウォッチングはやめておこう。
なんて事を考えながら、
わたしは魔術師団の詰め所へと急いで戻った。
◇◇◇◇◇
その日の任務を終えて帰寮すると、
寮母さんから手紙が届いていると告げられた。
「ハルトからだ……!」
でもこの手紙、少しタイムラグがあるのだ。
ハルトはわたしが王宮内にいるとは知らないから、
手紙はコルベール領の実家の方へと送ってくれている。
その手紙を今度は父がわたしの住んでる寮まで送り直してくれているのだ。
なので逆もまた然り。
わたしはハルトへの手紙を一度実家に送り、
コルベール領からハルトの元へと送って貰っているのだ。
ウチの方での手紙の行き来はなるべくタイムラグを
短くするために高速郵便を使っているが。
ハルトからの手紙には
何度も書かれている、結婚を待たせている事への
お詫びとわたしが体を崩さず元気でやっているかと
気遣う言葉が綴られていた。
わたしは手紙を抱きしめる。
ハルトは騎士団の男子寮に住んでいるので実際は
近くにいるのに、途轍もなく彼が遠く感じる。
会いたい。
直接ハルトに会いたい。
会って抱きしめて貰いたい。
でもそれが出来ないジレンマを、わたしはハルトへの手紙へとぶつける。
そして今回の手紙も、
大長編スペクタクルになるのだった。
早朝にも関わらず、
騎士たちの朝練を見ようという者はチラホラいる。
そういう者は大概、
わたしと同じように王宮の敷地内にある騎士や魔術師、メイドや侍従のための寮(有料)で生活している者だ。
朝練の見学者はメイドさん達や
時々早起きする令嬢。
お目当ての騎士見たさに早起きして
その間ずっと秋波を送り続けている。
ホントご苦労な事だ。
ま、わたしもだけどネ。
秋波は送ってないけど。
でも彼女たちのおかげでわたしは悪目立ちする事なく朝練の様子が見れるのだ。
彼女たちを盾にして魔術師団のローブを目深に被り
遠く鍛錬に勤しんでいる婚約者のハルトを見守っている。
あぁ…ハルト……今日も好き……!
昨日も好きだったけど今日も好き。
きっと明日も好きに違いない。
3年前にコルベール領を立ってから
さらに背が伸びて体格も良くなったみたい。
もうどこからどう見ても大人の男の人ね。
はぁ堪能した。
今朝のハルト浴(日光浴みたいなもの)を済ませてから王宮内の食堂へと急ぐ。
早く食べてしまわないと汗を流した後の騎士たちが
押し寄せて来る。
その中にハルトが居て、鉢合わせでもしたら大変だ。
食堂に行くと大概は魔術師団の同期のマクシムと
ポピーが席を取っていてくれるのだ。
ほら、今朝も……
「アミシュ!ここよ!」
ポピーがテーブル席から手を振って呼んでくれる。
「おはようポピー、いつも席をありがとう」
「いいのよ、アミシュと一緒に食べたいもの」
「ふふ」
わたしとポピーが微笑みあう。
そんなわたし達を見ながらマクシムが言った。
「今朝の場所取りは俺がしたんだけどな」
「「あらそう」」
「お前らな……」
「アミシュ、フードを取ったら?
どうしていつも被っているの?」
「……髪色が目立つのが嫌だから」
「え~、キレイな髪色なのに。
むしろ目立つ方がいいじゃない」
「わたしは嫌なの」
「え~もったいない~」
わたしは赤毛だ。それも鮮やかな赤。
べつに嫌いというわけじゃないけど赤毛は目立つ。
ハルトに見つかっちゃう危険性も高くなる。
用心にこした事はない。
そうやって賑やかに朝食を済ませ、
魔術師団の詰め所へと向かう。
そこで今日の任務内容を聞くのだ。
魔術師たちは班単位で行動をする。
大体一班7人制。
班長、副班長、医療魔術師と平の班員四人で構成されている。
新入りのわたしはもちろん平の班員だ。
ポピーとマクシムも同じ班。
それで仲良くなった。
わたしの班は今日は討伐ではなく巡回だ。
魔物の出没が多い地域を巡回して、異常がないかを
確認する。
もし魔物が出現したら、即時討伐。
巡回班は機動力がものを言う。
巡回先は国中で、
集団転移魔法の魔道具を用いて転移する。
便利だ。
午前中の巡回を終え、昼食を食べたら暫しの昼休憩となる。
午後からの英気を養うために魔術師の昼休憩は他の部署より長い。
侑に2時間はあるだろう。魔力の消費を補うにはそのくらいの時間が必要なのだ。
その間、昼寝をしたり読書をしたりと皆、思い思いの時間を過ごす。
わたしはもちろん………
ハルトウォッチングだ。
この時間、王女殿下はお気に入りのテラスで
昼食を召し上がる。
王女殿下は朝が弱いらしく、
大抵10時頃まで寝ておられるそうなので、
ブランチ…といったところなのかしら。
そのテラスが丸見えのポイントがあるのだ。
王女殿下は騎士たちとブランチを共にされる。
一人で食べてもつまらないのだとか。
あぁ…食事をするハルトも素敵……!
王女殿下付きになってマナーも学んだんだろうな、食事の所作がとってもキレイだ。
だけど次の瞬間、うっとりしながらハルトを見ていたわたしに衝撃が走った。
「!!」
ハルトの口の端にわずかにソースが付いていたんだろう、それを王女殿下がご自分の指で拭い、舐めたのだ……!
な、な、なんてハレンチな……!
わたしだってハルトにそんな事した事ないのに!!
ハルトはそれに対して何も反応せず、
何やら言葉を発している。
離れているので何を言っているのかはわからないけど、多分お礼を言ったんだろう……。
……そりゃ~あんな事ばかりやってたら
周りからアレコレ噂されるわよ……。
何よあれ、未婚の王女様があんな事していいの?
しかもなんて絵になる光景なんだ!
美女ってズルい……。
今のは結構ショックだった……
でもそろそろ休憩時間も終わりだ。
戻らなきゃ……
フラフラしながら回れ右をして、
来た道を戻る途中で人とぶつかってしまった。
ドンッ「きゃっ」
「っと、失礼」
ぶつかった衝撃で後ろに倒れそうになったわたしを
その人が支えてくれた。
一瞬、その人と目が合う。
ぶつかった相手は騎士だった。
わたしは騎士とはあまり関わらないように心掛けているので被っていたローブを目深に被り、
不自然じゃない程度に俯いた。
騎士がわたしに言う。
「ごめんね?こんな庭園の端に人がいるなんて思わなくて前をよく注意してなかった。ケガはない?」
「はい、大丈夫です。
こちらこそすみませんでした、それでは」
「あ、ちょっと待ってよ」
立ち去ろうとしたわたしをその人が引き止めた。
「なんですか?」
「キミ、そのローブは魔術師?魔術師団の団員なのかな?」
「……そうですけどそれが何か?」
「名前を教えてよ。
ぶつかったお詫びに食事でも…「あ!遅刻!」
わたしはその人の言葉を遮った。
「すみません、昼休憩が終わったので急がないと。これで失礼します!」
そう言ってわたしは逃げた。
騎士と知り合いなんかになったら大変だ。
「あ、ねぇちょっと……!」
後ろから騎士の人の声が聞こえたけど
わたしは構わず走り続けた。
危ない、危ない。
……また嫌な光景をみちゃうかもしれないし、
さっきの騎士に出くわしても困るので今後この場所
でのハルトウォッチングはやめておこう。
なんて事を考えながら、
わたしは魔術師団の詰め所へと急いで戻った。
◇◇◇◇◇
その日の任務を終えて帰寮すると、
寮母さんから手紙が届いていると告げられた。
「ハルトからだ……!」
でもこの手紙、少しタイムラグがあるのだ。
ハルトはわたしが王宮内にいるとは知らないから、
手紙はコルベール領の実家の方へと送ってくれている。
その手紙を今度は父がわたしの住んでる寮まで送り直してくれているのだ。
なので逆もまた然り。
わたしはハルトへの手紙を一度実家に送り、
コルベール領からハルトの元へと送って貰っているのだ。
ウチの方での手紙の行き来はなるべくタイムラグを
短くするために高速郵便を使っているが。
ハルトからの手紙には
何度も書かれている、結婚を待たせている事への
お詫びとわたしが体を崩さず元気でやっているかと
気遣う言葉が綴られていた。
わたしは手紙を抱きしめる。
ハルトは騎士団の男子寮に住んでいるので実際は
近くにいるのに、途轍もなく彼が遠く感じる。
会いたい。
直接ハルトに会いたい。
会って抱きしめて貰いたい。
でもそれが出来ないジレンマを、わたしはハルトへの手紙へとぶつける。
そして今回の手紙も、
大長編スペクタクルになるのだった。
86
お気に入りに追加
4,181
あなたにおすすめの小説
初夜に前世を思い出した悪役令嬢は復讐方法を探します。
豆狸
恋愛
「すまない、間違えたんだ」
「はあ?」
初夜の床で新妻の名前を元カノ、しかも新妻の異母妹、しかも新妻と婚約破棄をする原因となった略奪者の名前と間違えた?
脳に蛆でも湧いてんじゃないですかぁ?
なろう様でも公開中です。
愛を語れない関係【完結】
迷い人
恋愛
婚約者の魔導師ウィル・グランビルは愛すべき義妹メアリーのために、私ソフィラの全てを奪おうとした。 家族が私のために作ってくれた魔道具まで……。
そして、時が戻った。
だから、もう、何も渡すものか……そう決意した。
悲劇の令嬢を救いたい、ですか。忠告はしましたので、あとはお好きにどうぞ。
ふまさ
恋愛
「──馬鹿馬鹿しい。何だ、この調査報告書は」
ぱさっ。
伯爵令息であるパーシーは、テーブルに三枚に束ねられた紙をほうった。向かい側に座る伯爵令嬢のカーラは、静かに口を開いた。
「きちんと目は通してもらえましたか?」
「むろんだ。そのうえで、もう一度言わせてもらうよ。馬鹿馬鹿しい、とね。そもそもどうして、きみは探偵なんか雇ってまで、こんなことをしたんだ?」
ざわざわ。ざわざわ。
王都内でも評判のカフェ。昼時のいまは、客で溢れかえっている。
「──女のカン、というやつでしょうか」
「何だ、それは。素直に言ったら少しは可愛げがあるのに」
「素直、とは」
「婚約者のぼくに、きみだけを見てほしいから、こんなことをしました、とかね」
カーラは一つため息をつき、確認するようにもう一度訊ねた。
「きちんとその調査報告書に目を通されたうえで、あなたはわたしの言っていることを馬鹿馬鹿しいと、信じないというのですね?」
「き、きみを馬鹿馬鹿しいとは言ってないし、きみを信じていないわけじゃない。でも、これは……」
カーラは「わかりました」と、調査報告書を手に取り、カバンにしまった。
「それではどうぞ、お好きになさいませ」
婚約破棄直前に倒れた悪役令嬢は、愛を抱いたまま退場したい
矢口愛留
恋愛
【全11話】
学園の卒業パーティーで、公爵令嬢クロエは、第一王子スティーブに婚約破棄をされそうになっていた。
しかし、婚約破棄を宣言される前に、クロエは倒れてしまう。
クロエの余命があと一年ということがわかり、スティーブは、自身の感じていた違和感の元を探り始める。
スティーブは真実にたどり着き、クロエに一つの約束を残して、ある選択をするのだった。
※一話あたり短めです。
※ベリーズカフェにも投稿しております。
裏切りの公爵令嬢は処刑台で笑う
千 遊雲
恋愛
公爵家令嬢のセルディナ・マクバーレンは咎人である。
彼女は奴隷の魔物に唆され、国を裏切った。投獄された彼女は牢獄の中でも奴隷の男の名を呼んでいたが、処刑台に立たされた彼女を助けようとする者は居なかった。
哀れな彼女はそれでも笑った。英雄とも裏切り者とも呼ばれる彼女の笑みの理由とは?
【現在更新中の「毒殺未遂三昧だった私が王子様の婚約者? 申し訳ありませんが、その令嬢はもう死にました」の元ネタのようなものです】
ほらやっぱり、結局貴方は彼女を好きになるんでしょう?
望月 或
恋愛
ベラトリクス侯爵家のセイフィーラと、ライオロック王国の第一王子であるユークリットは婚約者同士だ。二人は周りが羨むほどの相思相愛な仲で、通っている学園で日々仲睦まじく過ごしていた。
ある日、セイフィーラは落馬をし、その衝撃で《前世》の記憶を取り戻す。ここはゲームの中の世界で、自分は“悪役令嬢”だということを。
転入生のヒロインにユークリットが一目惚れをしてしまい、セイフィーラは二人の仲に嫉妬してヒロインを虐め、最後は『婚約破棄』をされ修道院に送られる運命であることを――
そのことをユークリットに告げると、「絶対にその彼女に目移りなんてしない。俺がこの世で愛しているのは君だけなんだ」と真剣に言ってくれたのだが……。
その日の朝礼後、ゲームの展開通り、ヒロインのリルカが転入してくる。
――そして、セイフィーラは見てしまった。
目を見開き、頬を紅潮させながらリルカを見つめているユークリットの顔を――
※作者独自の世界設定です。ゆるめなので、突っ込みは心の中でお手柔らかに願います……。
※たまに第三者視点が入ります。(タイトルに記載)
振られたから諦めるつもりだったのに…
しゃーりん
恋愛
伯爵令嬢ヴィッテは公爵令息ディートに告白して振られた。
自分の意に沿わない婚約を結ぶ前のダメ元での告白だった。
その後、相手しか得のない婚約を結ぶことになった。
一方、ディートは告白からヴィッテを目で追うようになって…
婚約を解消したいヴィッテとヴィッテが気になりだしたディートのお話です。
ハイパー王太子殿下の隣はツライよ! ~突然の婚約解消~
緑谷めい
恋愛
私は公爵令嬢ナタリー・ランシス。17歳。
4歳年上の婚約者アルベルト王太子殿下は、超優秀で超絶イケメン!
一応美人の私だけれど、ハイパー王太子殿下の隣はツライものがある。
あれれ、おかしいぞ? ついに自分がゴミに思えてきましたわ!?
王太子殿下の弟、第2王子のロベルト殿下と私は、仲の良い幼馴染。
そのロベルト様の婚約者である隣国のエリーゼ王女と、私の婚約者のアルベルト王太子殿下が、結婚することになった!? よって、私と王太子殿下は、婚約解消してお別れ!? えっ!? 決定ですか? はっ? 一体どういうこと!?
* ハッピーエンドです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる