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浮気現場を見ました
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大好きな婚約者との温度差はずっと感じていた。
だけどそれでもアリスは婚約者である彼の事が大好きだったから、頑張って彼の隣に居続けて来たのだ。
他の令嬢にやっかまれても、
公爵家の嫁に相応しいようにと血反吐を吐くような厳しい淑女教育を叩き込まれも、
婚約者のリュートが実父よりも厳しい門限時間を設けても、
いつか彼と愛し愛される結婚生活を送れるのならと辛抱強く耐え抜いて来た。
なのに、それなのに……
思えば予兆はあったのだ。
このところ、王太子殿下の側近候補としての役割が忙しいとか言って、
学園でもプライベートでもなかなか会えなくなった。
それからすぐにリュートは一人の女子生徒を側に置くようになった。
リュートはその女子生徒と行動を共にするようになる前に、アリスにこう言った。
「これからとある女子生徒と行動を共にするが、変な勘ぐりはするなよ?」と。
はて?変な勘ぐりとは?
と、アリスは首を傾げていたが、学園に流れ出した噂によりその“変な勘ぐり”が何なのか理解出来た。
『ウィルソン公爵令息は、とある女子生徒と恋に落ちた』
『編入してきたその女子生徒に一目惚れをして、婚約者そっちのけで側に置いて可愛がっている』
『卒業と同時にアリス=サットン侯爵令嬢との婚約は解消となり、その女子生徒、ミリア=ハンスと結婚するのではないか』
『アリス=サットン争奪戦が始まる可能性が高い』
などと、様々な噂が学園中で囁かれている。
最後のアリス=サットン争奪戦の意味はよく分からないが。
それらの噂を聞く度にアリスの心は千々に乱れ、
それをやり過ごす為にケーキを丸ごと何ホールも平らげた。
何故か太らない体質だが、このままではアリスの体がケーキになってしまう。
そんなモヤモヤとした日々を過ごしていた時に、
その光景を目の当たりにしたのだった。
それは本当にただの偶然だった。
たまたまリュートの顔が見たいなぁと思って探していたら、
たまたまリュートが中庭に向かっているのが見えて、
たまたまそこでリュートがあのミリア=ハンスと待ち合わせをしていた事を知り、
たまたまそこにあった茂みに隠れたのだ。
ーーリュート……?
ミリア様といつも一緒に居るくせに、なぜわざわざこんな所で二人っきりに?
覗きなんてマナー違反だと思いつつも、
無関心でいられるわけがない。
常識なんて構っていられない。
痛いくらいに騒ぐ自身の心臓の音を聞きながら、
アリスは途切れ途切れに聞こえてくる二人の会話に耳を凝らす。
「……れで?………のか?ちゃんと……うな?」
「もちろ……奴ら………を、バッチリ……」
ーー何?あんまりよく聞こえない。
リュートとミリアは何やら話し込んでいるが、あまり良く聞き取れなかった。
「じゃあ……て…ろ」
リュートがそう言ったと思った次の瞬間、
「っ………!?」
アリスは息を呑んだ。
目の前で起きている事に頭が追いつかない。
茂みに身を潜めるアリスの目の前で、
アリスの婚約者であるリュートがミリアの頬を両手で包み込み、一心にその瞳を見つめているのだ。
もの凄く顔を近づけて、食い入るように。
そして少しずつ顔が近づいてゆく。
「っ~~~……!」
それ以上は見ていられず、アリスは逃げ出した。
アレはきっとアレだ。
キスをする直前の光景だったのだ。
アリスは逃げて来てしまったが、
今ごろ二人はぶっちゅぶちゅにキスをしているのだろう。
そう、浮気だ。
アレは紛れもない裏切りだ。
婚約者を持つ身でありながら、
いくらお気に入りの女子生徒だからってあんな妄りな行為をするなんて……!
酷い!辛い、悲しいっ!
どうしてっ?……どうして……?
アリスは友人のアラベラが待つ、
“スイーツをとことん堪能する会”(現在会員二名)の会室へと駆け込んだ。
「うわぁぁんっ!!アラベラぁぁぁーーっ!!」
「うわっ、面倒くさそうな状態で来たっ!何っ?何なのっ!?」
号泣しながら飛び掛かってきたアリスを受け止め、
アラベラ=ジョンズ伯爵令嬢(17)は言った。
アリスは滂沱の涙を流しながら訴える。
「リュートがっ……リュートがっ……!」
「何?あんたの腹黒婚約者がどうしたというの?」
「う、う、う、うぅぅ」
「う?」
「浮気してだぁーーーっ!」
「はぁ?ウソでしょう?あんなクソ真面目な腹黒執着男が?」
「嘘じゃないものっ……中庭でっ……ミリア=ハンスとっ…キ、キッスをぉぉ……!」
「まさか……ちょっと信じられないわ」
「だって見たんだものぉぉっ!」
「見たの?あちゃーー……、うーんでもなぁ……?」
アラベラの膝に突っ伏しておいおい泣くアリスの頭を撫でながら、イマイチ半信半疑な様子で彼女は言う。
アリスはその後もわんわん泣き続け、
アラベラの制服をびしょ濡れにした。
一頻り泣いた後、
アリスが掠れた声で言う。
「うっうっうっ…もう頑張れないっ、もう嫌。
こんな思いをするくらいなら、彼を恋する気持ちなんて捨ててしまいたい!
このコイゴコロを捨ててしまいたい。
もう、嫌いになってしまいたい……!」
「アリス……」
アラベラが憐れむ顔をアリスに向ける。
「……そうよ。好きでいて辛いなら嫌いになればいいのよ。
アッシュブロンドのさらさらな髪も嫌い、
ネイビーブルーの瞳も嫌い、
頭が良いところも背が高いところもイケメンなところも声がイイところも優しいところもみんな嫌い!
嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い大嫌い!!」
「アリス?」
アラベラが驚愕する顔をアリスに向ける。
「……よし、嫌いになれた!」
「なれたの?」
アリスは徐に立ち上がり、膝を叩いて埃を払った。
「嫌いになったからにはもうリュートに近付くのはやめるわ!リュート=ウィルソンの婚約者だからと我慢するのもやめるの!わたしはわたしのやりたいようにするんだから!」
「え?今まで我慢してたの?やりたい放題してるようにしか見えなかったけど?」
「してないわ。だって変な事をして婚約解消されたら困るもの。でももう婚約解消も怖くないわ!ありの!ままの!姿を見せるのよ!」
「何なの?そのどこかの世界の歌詞のような決意は」
「さっそく今日からリュートの定めた門限を無視する事から始めるわ!アラベラ、あの評判のカフェの“濃厚ティラミスタルト”を食べに行きましょう!」
「え?今から?帰る時間が遅くなるわよ?」
「いいの!門限に縛られるのはやめるって言ったでしょう?」
「えー……面倒くさい事になるからやめておいた方がいいと思うけどなぁ」
「ならないわ!構わないわ!さ、行きましょうアラベラ!」
「えーー………巻き込まれたくなぁい……」
アリスと同じ、甘いものには目がないアラベラだが、
この時ばかりは行くのを渋る。
しかし結局はアリスに引っ張られ、件のカフェへと向かうのであった。
学園から馬車に乗り込む時にリュートが相変わらずミリアと一緒にいる姿が見えたが、
アリスはそれを視界に入れないようにして馬車に乗り込んだ。
だけどそれでもアリスは婚約者である彼の事が大好きだったから、頑張って彼の隣に居続けて来たのだ。
他の令嬢にやっかまれても、
公爵家の嫁に相応しいようにと血反吐を吐くような厳しい淑女教育を叩き込まれも、
婚約者のリュートが実父よりも厳しい門限時間を設けても、
いつか彼と愛し愛される結婚生活を送れるのならと辛抱強く耐え抜いて来た。
なのに、それなのに……
思えば予兆はあったのだ。
このところ、王太子殿下の側近候補としての役割が忙しいとか言って、
学園でもプライベートでもなかなか会えなくなった。
それからすぐにリュートは一人の女子生徒を側に置くようになった。
リュートはその女子生徒と行動を共にするようになる前に、アリスにこう言った。
「これからとある女子生徒と行動を共にするが、変な勘ぐりはするなよ?」と。
はて?変な勘ぐりとは?
と、アリスは首を傾げていたが、学園に流れ出した噂によりその“変な勘ぐり”が何なのか理解出来た。
『ウィルソン公爵令息は、とある女子生徒と恋に落ちた』
『編入してきたその女子生徒に一目惚れをして、婚約者そっちのけで側に置いて可愛がっている』
『卒業と同時にアリス=サットン侯爵令嬢との婚約は解消となり、その女子生徒、ミリア=ハンスと結婚するのではないか』
『アリス=サットン争奪戦が始まる可能性が高い』
などと、様々な噂が学園中で囁かれている。
最後のアリス=サットン争奪戦の意味はよく分からないが。
それらの噂を聞く度にアリスの心は千々に乱れ、
それをやり過ごす為にケーキを丸ごと何ホールも平らげた。
何故か太らない体質だが、このままではアリスの体がケーキになってしまう。
そんなモヤモヤとした日々を過ごしていた時に、
その光景を目の当たりにしたのだった。
それは本当にただの偶然だった。
たまたまリュートの顔が見たいなぁと思って探していたら、
たまたまリュートが中庭に向かっているのが見えて、
たまたまそこでリュートがあのミリア=ハンスと待ち合わせをしていた事を知り、
たまたまそこにあった茂みに隠れたのだ。
ーーリュート……?
ミリア様といつも一緒に居るくせに、なぜわざわざこんな所で二人っきりに?
覗きなんてマナー違反だと思いつつも、
無関心でいられるわけがない。
常識なんて構っていられない。
痛いくらいに騒ぐ自身の心臓の音を聞きながら、
アリスは途切れ途切れに聞こえてくる二人の会話に耳を凝らす。
「……れで?………のか?ちゃんと……うな?」
「もちろ……奴ら………を、バッチリ……」
ーー何?あんまりよく聞こえない。
リュートとミリアは何やら話し込んでいるが、あまり良く聞き取れなかった。
「じゃあ……て…ろ」
リュートがそう言ったと思った次の瞬間、
「っ………!?」
アリスは息を呑んだ。
目の前で起きている事に頭が追いつかない。
茂みに身を潜めるアリスの目の前で、
アリスの婚約者であるリュートがミリアの頬を両手で包み込み、一心にその瞳を見つめているのだ。
もの凄く顔を近づけて、食い入るように。
そして少しずつ顔が近づいてゆく。
「っ~~~……!」
それ以上は見ていられず、アリスは逃げ出した。
アレはきっとアレだ。
キスをする直前の光景だったのだ。
アリスは逃げて来てしまったが、
今ごろ二人はぶっちゅぶちゅにキスをしているのだろう。
そう、浮気だ。
アレは紛れもない裏切りだ。
婚約者を持つ身でありながら、
いくらお気に入りの女子生徒だからってあんな妄りな行為をするなんて……!
酷い!辛い、悲しいっ!
どうしてっ?……どうして……?
アリスは友人のアラベラが待つ、
“スイーツをとことん堪能する会”(現在会員二名)の会室へと駆け込んだ。
「うわぁぁんっ!!アラベラぁぁぁーーっ!!」
「うわっ、面倒くさそうな状態で来たっ!何っ?何なのっ!?」
号泣しながら飛び掛かってきたアリスを受け止め、
アラベラ=ジョンズ伯爵令嬢(17)は言った。
アリスは滂沱の涙を流しながら訴える。
「リュートがっ……リュートがっ……!」
「何?あんたの腹黒婚約者がどうしたというの?」
「う、う、う、うぅぅ」
「う?」
「浮気してだぁーーーっ!」
「はぁ?ウソでしょう?あんなクソ真面目な腹黒執着男が?」
「嘘じゃないものっ……中庭でっ……ミリア=ハンスとっ…キ、キッスをぉぉ……!」
「まさか……ちょっと信じられないわ」
「だって見たんだものぉぉっ!」
「見たの?あちゃーー……、うーんでもなぁ……?」
アラベラの膝に突っ伏しておいおい泣くアリスの頭を撫でながら、イマイチ半信半疑な様子で彼女は言う。
アリスはその後もわんわん泣き続け、
アラベラの制服をびしょ濡れにした。
一頻り泣いた後、
アリスが掠れた声で言う。
「うっうっうっ…もう頑張れないっ、もう嫌。
こんな思いをするくらいなら、彼を恋する気持ちなんて捨ててしまいたい!
このコイゴコロを捨ててしまいたい。
もう、嫌いになってしまいたい……!」
「アリス……」
アラベラが憐れむ顔をアリスに向ける。
「……そうよ。好きでいて辛いなら嫌いになればいいのよ。
アッシュブロンドのさらさらな髪も嫌い、
ネイビーブルーの瞳も嫌い、
頭が良いところも背が高いところもイケメンなところも声がイイところも優しいところもみんな嫌い!
嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い大嫌い!!」
「アリス?」
アラベラが驚愕する顔をアリスに向ける。
「……よし、嫌いになれた!」
「なれたの?」
アリスは徐に立ち上がり、膝を叩いて埃を払った。
「嫌いになったからにはもうリュートに近付くのはやめるわ!リュート=ウィルソンの婚約者だからと我慢するのもやめるの!わたしはわたしのやりたいようにするんだから!」
「え?今まで我慢してたの?やりたい放題してるようにしか見えなかったけど?」
「してないわ。だって変な事をして婚約解消されたら困るもの。でももう婚約解消も怖くないわ!ありの!ままの!姿を見せるのよ!」
「何なの?そのどこかの世界の歌詞のような決意は」
「さっそく今日からリュートの定めた門限を無視する事から始めるわ!アラベラ、あの評判のカフェの“濃厚ティラミスタルト”を食べに行きましょう!」
「え?今から?帰る時間が遅くなるわよ?」
「いいの!門限に縛られるのはやめるって言ったでしょう?」
「えー……面倒くさい事になるからやめておいた方がいいと思うけどなぁ」
「ならないわ!構わないわ!さ、行きましょうアラベラ!」
「えーー………巻き込まれたくなぁい……」
アリスと同じ、甘いものには目がないアラベラだが、
この時ばかりは行くのを渋る。
しかし結局はアリスに引っ張られ、件のカフェへと向かうのであった。
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