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番外編
あなたのいない世界
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イグリードの認識阻害魔法で
ジノン様と合わなくなって3日目、
わたしはもう全然ダメダメだった。
早くも挫けそう。
気配を一切感じないはずなのに
城の至る所で感じるジノン様の面影。
どこにいってもジノン様の面影だらけで……
これじゃあ意味ないわ。
なんかもう、だんだん腹が立って来た。
考えてみればどうしてわたしが我慢をしなくては
いけないのかしら?
酷い言葉で詰ってしまうから、
蹴って殴って絞め殺しそうだから、
そう思って気配を消して
気持ちが落ち着くまで我慢してたけど。
気持ちなんか全然落ち着かないし
余計に辛くなるだけだった。
それなら……
もう酷い言葉で詰ってもいいじゃない、
蹴って殴って絞め殺してランバード領内に
埋めてしまってもいいじゃない。
そうよ!
そして心を込めてお願いしたらいいじゃない
わたし以外に触れないで、
わたし以外に触れさせないでと。
それでもジノン様がどうしても望むなら
その時は……
ホントに殺すか。
そうと決まれば居ても立っても居られなかった。
わたしは以前、
イグリードから手渡されていた
“イグリードの呼び鈴”を鳴らした。
どうしてもイグリードが必要な時、
これを鳴らせばどこにいても飛んできてくれるらしい。
リリリーン♪
「はいはーい!呼んだ?」
早っ
「すごい……ホントに来てくれた」
わたしがびっくりしながらそう言うと
イグリードは少し不貞腐れながら言った。
「えぇ~もしかしてお試しで鳴らしただけ?
僕、今すんごい忙しいんだよねー」
「忙しい?イグリードが?」
「酷い!ジュリまで僕を暇人だって言うの?」
「だっていつも暇そうじゃない」
「今はホントに忙しいんだよ!
僕は今、他国の後宮のオンナ達の愛と憎しみの
残酷劇場から目が離せなくって☆
ハイラムでも後宮作っちゃう?そしてジュリも王子の側妃達と愛憎劇繰り広げちゃう?」
「なによそれ、イヤに決まってるでしょ!」
「だよネー!だって旦那が娼館に通ってるってだけで激おこになるジュリちゃんだもんね~☆」
「……ケンカ売ってるの?買うわよ?」
「やだ怖い☆とにかく今ホントに忙しいんだ。他ならぬキミのパパから頼まれたお仕事中なんだよ」
「お父さまから?」
「そ。呪いやら陰謀やらぐるぐるしちゃってて面白いのったらなんの☆
ちょっとざまぁもしてやりたい奴もいるからサクッと片付けてくるよ♪じゃあネ~」
そう言ってイグリードの姿がぼんやりと消え始める。
「え!?やだイグリードちょっと待って!認識阻害魔法だけでも解いて行って!お願い!」
「えージュリが掛けてって言ったんでしょ、もう少し頑張りなよ~」
「頑張るって何をよ!ちょっと行かないで!待ってイグリード!」
「すぐに戻ってくるよ~…… . . . .
「もう!」
声をフェードアウトさせながら
イグリードは消えてしまった。
え?
それじゃあ
イグリードが帰ってくるまでこのまんま?
え?
いつ帰って来るって?
それまで……ずっとジノン様に会えないの?
……バカだわたし。
わたしが望んだ事なのに。
それなのにまたしばらくジノン様に会えない日が
続くと思ったら途端に堪らなく悲しくなるなんて。
バカすぎて笑ってしまう。
その時、
わたしの下腹部でポコっと
泡が弾けたような感覚がした。
腸の中で泡が弾けるなんてそんな事?
するとまた、
ポコ、ポコポコ……
どうしたのかしら、わたしのお腹。
わたしはそのお腹に手を当てる。
そしてまたポコっと泡が弾けた瞬間、
「!!」
わたしはわかってしまった。
これは……胎動だ。
生まれて初めて感じた胎動。
赤ちゃんがわたしにサインしてくれてる。
ここにいるよ、元気だよって。
「ジノン様……わたし達の赤ちゃんが……!」
でも今わたしが身を置いているこの世界に
ジノン様はどこにも居ない。
本当は近くに居るはずなのに会えない。
声も聞こえない触れる事も出来ない。
そう、
ここはあなたがいない世界。
そう思ったらもう耐えられなかった。
「っうっ……ふっ…うっく、ひっく……」
涙が止まらない。
悲しい。
寂しい。
つらい。
「わーん!ジノン様ぁぁっ……!」
わたしは堪らずとうとう大声て泣きだしてしまった。
もういい大人なのに。
この国の王太子妃なのに。
もうすぐお母さんになるのに。
ジノン様がいない世界の片隅で
大声で泣く事しか出来なかった。
その時、
廊下の方からドダドダドダッと
もの凄い足音が聴こえてきた。
そしてバターンッと激しく開けられる扉。
そこには………
「っ……!」
「ジュリっ!!」
ジノン様がいた。
「……ジノン様?ど、どうして……?」
「わからん!でもジュリが泣く声がしたんだ。ジュリが一人で泣くなんて、あってはならん事だろう」
「なんで……?」
「ジュリが泣くのは俺の胸の中と決まってるいるからだ」
ぷっ
「ちょっと、何ドヤってるんですか、キザですか……?」
そう言いながらも
わたしの涙は止まらない。
するとジノン様は
恐る恐るといった態でわたしを抱きしめる。
最初はそっとわたしを包み込み、
わたしが抵抗しないとわかると
よりしっかりとわたしの体を抱き寄せた。
「あぁ…ジュリだ……やっと見つけた」
「ジノン様……」
「そういえばさっき暇人が一瞬現れて、何やら言っていたな。魔法は解いておいたから、ジュリとちゃんと話し合えと……一体なんの事だ?」
「イグリード……」
あんな事言って、
ちゃんと魔法を解いて行ってくれたんだ。
ありがとう。
ありがとうイグリード。
帰って来たら、
その
他国の後宮愛憎劇場とやらを
語って聞かせてね。
わたしはジノン様の腕の中で
泣きながらそう思った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
作者のひとり言
イグリードさんが今夢中になっておられる
他国の後宮愛憎劇場は
もうひとつの連載中のお話、
『わたしは知っている』に出てきます。
宣伝なんかしちゃったりしてすみません☆
ジノン様と合わなくなって3日目、
わたしはもう全然ダメダメだった。
早くも挫けそう。
気配を一切感じないはずなのに
城の至る所で感じるジノン様の面影。
どこにいってもジノン様の面影だらけで……
これじゃあ意味ないわ。
なんかもう、だんだん腹が立って来た。
考えてみればどうしてわたしが我慢をしなくては
いけないのかしら?
酷い言葉で詰ってしまうから、
蹴って殴って絞め殺しそうだから、
そう思って気配を消して
気持ちが落ち着くまで我慢してたけど。
気持ちなんか全然落ち着かないし
余計に辛くなるだけだった。
それなら……
もう酷い言葉で詰ってもいいじゃない、
蹴って殴って絞め殺してランバード領内に
埋めてしまってもいいじゃない。
そうよ!
そして心を込めてお願いしたらいいじゃない
わたし以外に触れないで、
わたし以外に触れさせないでと。
それでもジノン様がどうしても望むなら
その時は……
ホントに殺すか。
そうと決まれば居ても立っても居られなかった。
わたしは以前、
イグリードから手渡されていた
“イグリードの呼び鈴”を鳴らした。
どうしてもイグリードが必要な時、
これを鳴らせばどこにいても飛んできてくれるらしい。
リリリーン♪
「はいはーい!呼んだ?」
早っ
「すごい……ホントに来てくれた」
わたしがびっくりしながらそう言うと
イグリードは少し不貞腐れながら言った。
「えぇ~もしかしてお試しで鳴らしただけ?
僕、今すんごい忙しいんだよねー」
「忙しい?イグリードが?」
「酷い!ジュリまで僕を暇人だって言うの?」
「だっていつも暇そうじゃない」
「今はホントに忙しいんだよ!
僕は今、他国の後宮のオンナ達の愛と憎しみの
残酷劇場から目が離せなくって☆
ハイラムでも後宮作っちゃう?そしてジュリも王子の側妃達と愛憎劇繰り広げちゃう?」
「なによそれ、イヤに決まってるでしょ!」
「だよネー!だって旦那が娼館に通ってるってだけで激おこになるジュリちゃんだもんね~☆」
「……ケンカ売ってるの?買うわよ?」
「やだ怖い☆とにかく今ホントに忙しいんだ。他ならぬキミのパパから頼まれたお仕事中なんだよ」
「お父さまから?」
「そ。呪いやら陰謀やらぐるぐるしちゃってて面白いのったらなんの☆
ちょっとざまぁもしてやりたい奴もいるからサクッと片付けてくるよ♪じゃあネ~」
そう言ってイグリードの姿がぼんやりと消え始める。
「え!?やだイグリードちょっと待って!認識阻害魔法だけでも解いて行って!お願い!」
「えージュリが掛けてって言ったんでしょ、もう少し頑張りなよ~」
「頑張るって何をよ!ちょっと行かないで!待ってイグリード!」
「すぐに戻ってくるよ~…… . . . .
「もう!」
声をフェードアウトさせながら
イグリードは消えてしまった。
え?
それじゃあ
イグリードが帰ってくるまでこのまんま?
え?
いつ帰って来るって?
それまで……ずっとジノン様に会えないの?
……バカだわたし。
わたしが望んだ事なのに。
それなのにまたしばらくジノン様に会えない日が
続くと思ったら途端に堪らなく悲しくなるなんて。
バカすぎて笑ってしまう。
その時、
わたしの下腹部でポコっと
泡が弾けたような感覚がした。
腸の中で泡が弾けるなんてそんな事?
するとまた、
ポコ、ポコポコ……
どうしたのかしら、わたしのお腹。
わたしはそのお腹に手を当てる。
そしてまたポコっと泡が弾けた瞬間、
「!!」
わたしはわかってしまった。
これは……胎動だ。
生まれて初めて感じた胎動。
赤ちゃんがわたしにサインしてくれてる。
ここにいるよ、元気だよって。
「ジノン様……わたし達の赤ちゃんが……!」
でも今わたしが身を置いているこの世界に
ジノン様はどこにも居ない。
本当は近くに居るはずなのに会えない。
声も聞こえない触れる事も出来ない。
そう、
ここはあなたがいない世界。
そう思ったらもう耐えられなかった。
「っうっ……ふっ…うっく、ひっく……」
涙が止まらない。
悲しい。
寂しい。
つらい。
「わーん!ジノン様ぁぁっ……!」
わたしは堪らずとうとう大声て泣きだしてしまった。
もういい大人なのに。
この国の王太子妃なのに。
もうすぐお母さんになるのに。
ジノン様がいない世界の片隅で
大声で泣く事しか出来なかった。
その時、
廊下の方からドダドダドダッと
もの凄い足音が聴こえてきた。
そしてバターンッと激しく開けられる扉。
そこには………
「っ……!」
「ジュリっ!!」
ジノン様がいた。
「……ジノン様?ど、どうして……?」
「わからん!でもジュリが泣く声がしたんだ。ジュリが一人で泣くなんて、あってはならん事だろう」
「なんで……?」
「ジュリが泣くのは俺の胸の中と決まってるいるからだ」
ぷっ
「ちょっと、何ドヤってるんですか、キザですか……?」
そう言いながらも
わたしの涙は止まらない。
するとジノン様は
恐る恐るといった態でわたしを抱きしめる。
最初はそっとわたしを包み込み、
わたしが抵抗しないとわかると
よりしっかりとわたしの体を抱き寄せた。
「あぁ…ジュリだ……やっと見つけた」
「ジノン様……」
「そういえばさっき暇人が一瞬現れて、何やら言っていたな。魔法は解いておいたから、ジュリとちゃんと話し合えと……一体なんの事だ?」
「イグリード……」
あんな事言って、
ちゃんと魔法を解いて行ってくれたんだ。
ありがとう。
ありがとうイグリード。
帰って来たら、
その
他国の後宮愛憎劇場とやらを
語って聞かせてね。
わたしはジノン様の腕の中で
泣きながらそう思った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
作者のひとり言
イグリードさんが今夢中になっておられる
他国の後宮愛憎劇場は
もうひとつの連載中のお話、
『わたしは知っている』に出てきます。
宣伝なんかしちゃったりしてすみません☆
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