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最終話
もー!だから言ったのに!
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そわそわそわそわ………
ウロウロウロウロ………
「殿下、少しは落ち着いてお座りになられたらいかがです?」
「これが落ち着いていられるか!と、とうとう今日という日を迎えられたんだっ…!苦節9年……、とうとう、とうとう……!」
「そうですね……殿下、私も感無量です…!」
「セオドアっ……!」
「殿下っ……!」
その時、
バンっと城が揺れるほど派手に扉を開けてタバサが怒鳴った。
「そこの主従!花嫁の控え室の前でうるさいですよっ!!」
「「ぎゃっタバサ!」」
「ジュリ様は只今お支度中です。殿方にウロウロされていては支障を来します、要するに邪魔です、とっとと失せやがれです」
「お、俺は新郎だぞっ、花嫁の晴れ姿を一番に見る権利がある!だからここに陣取って待ってるんだ!」
「まだご自身の着替えもしていないくせに何を威張ってらっしゃるんですか!とにかくジュリ様のお支度はまだまだかかります。最高にお美しく仕上げてみせますから、殿下は殿下のお支度を済ませておいて下さい。ホラ、侍従の方達が困ってますよ」
そう言ってタバサは
アルジノンを侍従連中に引き渡し、追い払った。
「諦めて部屋に戻ったっ……?」
コルセットで締め上げられている最中のジュリがタバサに聞いた。
「はい。ようやく」
「良かった…!こんな苦しい時に表でギャーギャーされたら殺意が先走って、逆にジノン様を締め上げてしまいそうだったもの……って、まだ締めるのっ?」
今、ジュリは数名の侍女により
コルセットで締め上げの刑に処されている。
「こ、こんなに締めなくても…!」
泣き言を言うジュリに
タバサは容赦なく言い放つ。
「何を仰ってるんですか、だからあれ程オヤツはお控え下さいと申し上げたでしょう。それなのにバクバク食べて、太っておしまいになったのはジュリ様の責任ですよ」
「だって…!イグリードのスイーツが美味しすぎて……!」
おのれイグリード…!
今度会ったら只では済まさぬっ…!
ジュリは八つ当たりという名の復讐を胸に誓った。
そんなこんなでようやく花嫁衣装の支度が整ったジュリ。
今日の日のために
一年がかりで製作されたウェディングドレスは、滑らかな絹地とフワリとしたレース、そしてサラリとしたシフォン生地の3つの生地を併せて作られた特別なものだった。
ジュリがデビュタントのドレスで採用した事により大流行となった、
胸下すぐで切り替わるデザインのものを再び採用した。
胸下からのトレーンがシフォンとレースでふんわりと柔らかな広がりをみせるこのデザイン。
……実はアルジノンの生母である王妃が、
もしかして婚礼の前にアルジノンが辛抱堪らずやらかして、
万が一ジュリが懐妊してしまってもなんとか誤魔化せるデザインにした……
というのはここだけの話である。
そんなデザインならあんなにコルセットで締め上げなくてもいいじゃないかと思うが、最高に美しいプロポーションで着なくてはならないものらしいので仕方ない。
レース地にはふんだんにパールが縫い付けられ、
胸元の飾りも髪飾りもその他の装飾は全てパールを用いた繊細な意匠が施された逸品ばかりであった。
なぜ自分の瞳の色のサファイアではないのだとアルジノンは文句を言ったが、
婚礼の衣装はこんなものだと言い含めると渋々だが納得した。
子どもか。
髪はふんわりと結い上げ、
ジュリの白く細い頸を惜しげもなく晒した。
まぁロングベールで隠れてしまうのだが。
まさに妖精界から舞い降りた女神と見紛うほどに美しい花嫁が出来上がった。
タバサを筆頭とする侍女陣と
王妃とジュリの母がジュリの花嫁姿を見て涙する。
そんな空気の中、
やはり待ちきれず乱入した
我慢スキルゼロのこの男。
先触れもノックも一斎無視して
バーーンッとドアを開け放った。
「ジュリ!支度が出来たそうだな」
そう言いながらズカズカと部屋に入ってくる。
しかしその視線がジュリを捉えると、
ピタっと足が止まり、フリーズしてしまった。
「ジノン様」
ジュリが名を呼んでも固まったままだ。
「ジノン様?」
ジュリがもう一度名を呼ぶと、
ようやくハッとしてから動き出した。
ゆっくりと近づいて来る。
そしてジュリの前で止まり、蕩けそうな眼差しでジュリを見つめた。
「ジュリ……本当に綺麗だ。いつも綺麗だが今日は更に綺麗だ。俺は本当に幸せ者だな」
「ジノン様……」
「ジュリ、9年間お前を婚約者として縛り付けて来て本当にすまないと思ってる」
「ジノン様?」
「でもこれからは夫婦として一生お前を縛り付けるつもりだ、覚悟してくれ」
「ふふ。わかりました、望むところです」
「ジュリ……!」
アルジノンは身を屈め、
ジュリに口付けをしようとした。
でもそれをジュリはアルジノンの口に自身の手を当てて阻止する。
「ジノン様、お化粧が崩れますのでキスはご遠慮ください」
「何故だっ!!こんな綺麗なジュリを見て、キス出来ないなんて拷問じゃないかっ!」
「何を言ってるんです!これから式が始まって、その後、王都内をパレードするんですよ、口紅で顔中汚れた新郎新婦なんて恥ずかし過ぎますよ!誓いの口付けも絶っっ対、軽く触れるだけにしてくださいね!」
「っ……ひ、酷いっ!俺がどれだけこの日を待ち望んでいたか、ジュリにはわからないのかっ!?」
「パレードが終わるまではご自重くださいと申し上げてるだけです!」
「無理だ!無理無理!」
「この我儘王子!」
「我儘上等!」
二人はこのままギャーギャー言いながら、王宮内の大聖堂へと向かった。
大聖堂の中には既に
国内外の賓客が席に着いている。
その中にもちろん
イグリードの姿も、オリビア姫の姿もあった。
ジュリは父のランバード辺境伯と共にバージンロードをゆっくりと歩いて行く。
その先には先程まで言い争いをしていた大好きな人がいた。
悔しいくらいに素敵で愛おしい人。
例え本性は我儘で俺様でヘタレチキンであったとしてもそれも込みで愛してる。
やがて父の手から
アルジノンへジュリの手が渡される。
「娘を頼みます、殿下」
「生涯かけて愛し守りぬきます」
二人のそのやりとりだけでジュリの涙腺は崩壊しそうだった。
でもこの後のスケジュールを考えると、
涙で化粧をぐちゃぐちゃにするわけにはいかない。
ジュリは必死になって涙を堪えた。
二人手を取り合い、司祭に向き合う。
夫婦の誓いの宣誓を読み上げ、
やがてアルジノンがジュリのベールを上げる。
露わになった美しいランバードのエメラルドグリーン。
その瞳に誘われるように
アルジノンはジュリに誓いの口付けをした。
「…………!」
あれだけ言ったのに、
アルジノンの誓いの口付けはディープなものになった。
参列者からは失笑が聞こえる。
やっと離して貰えた時にはジュリは息も絶え絶え、足腰に力が入らず、案の定口紅が口元を広範囲に染め上げていた。
「こんのっ……!アルジノン!」
「わはははは!!無理だジュリ、諦めろ!それにしても酷い顔だな、あ、俺もか」
「っ誰のせいだとっ……もー!
だから言ったのに!!」
この日、
ハイラム王国に一組の夫婦が誕生した。
大賢者イグリードの予言という
不思議な縁で繋がり、結ばれた二人。
三男二女の子宝に恵まれ、後に王位を継いだ後も互いを支え合い、より良く国を治めた。
その後数百年にも渡り繁栄した大国ハイラムの礎を築いた国王夫妻の側には
時々現れるお調子者の大賢者の姿があったという。
おしまい☆
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
これにて本編、完結いたしました。
皆さま、最後までお付き合い戴き本当にありがとうございました。
こんなにノリと勢いで書いた話はこれまでも、そしてこれからもないのではないかというくらいの勢いで書き上げました。
なので稚拙で荒削り過ぎる文章が多々あったと思いますが、
登場人物が皆アレなので、まぁピッタリではないかなとご容赦いただけると嬉しいです。
本当に書いてて楽しかったです。
皆さまのコメントも面白く、
これで一本書けそうだというものから、
一言でおお……と言いたくなるような秀逸なものもまで、大変楽しくそして嬉しく拝読させていただきました。
一つ一つにお返事が出来なくて本当にごめんなさい。
でも皆さまから戴いた感想は全て私の宝物です。
ジュリとアルジノンはお気に入りのキャラなので、
あと数話(?)番外編で二人を描きたいと思います。
アルジノンの愛妾疑惑とかなんとか……の番外編です。
こちらもお付き合い戴ければ幸いです。
ありがとうございました。
キムラましゅろう
ウロウロウロウロ………
「殿下、少しは落ち着いてお座りになられたらいかがです?」
「これが落ち着いていられるか!と、とうとう今日という日を迎えられたんだっ…!苦節9年……、とうとう、とうとう……!」
「そうですね……殿下、私も感無量です…!」
「セオドアっ……!」
「殿下っ……!」
その時、
バンっと城が揺れるほど派手に扉を開けてタバサが怒鳴った。
「そこの主従!花嫁の控え室の前でうるさいですよっ!!」
「「ぎゃっタバサ!」」
「ジュリ様は只今お支度中です。殿方にウロウロされていては支障を来します、要するに邪魔です、とっとと失せやがれです」
「お、俺は新郎だぞっ、花嫁の晴れ姿を一番に見る権利がある!だからここに陣取って待ってるんだ!」
「まだご自身の着替えもしていないくせに何を威張ってらっしゃるんですか!とにかくジュリ様のお支度はまだまだかかります。最高にお美しく仕上げてみせますから、殿下は殿下のお支度を済ませておいて下さい。ホラ、侍従の方達が困ってますよ」
そう言ってタバサは
アルジノンを侍従連中に引き渡し、追い払った。
「諦めて部屋に戻ったっ……?」
コルセットで締め上げられている最中のジュリがタバサに聞いた。
「はい。ようやく」
「良かった…!こんな苦しい時に表でギャーギャーされたら殺意が先走って、逆にジノン様を締め上げてしまいそうだったもの……って、まだ締めるのっ?」
今、ジュリは数名の侍女により
コルセットで締め上げの刑に処されている。
「こ、こんなに締めなくても…!」
泣き言を言うジュリに
タバサは容赦なく言い放つ。
「何を仰ってるんですか、だからあれ程オヤツはお控え下さいと申し上げたでしょう。それなのにバクバク食べて、太っておしまいになったのはジュリ様の責任ですよ」
「だって…!イグリードのスイーツが美味しすぎて……!」
おのれイグリード…!
今度会ったら只では済まさぬっ…!
ジュリは八つ当たりという名の復讐を胸に誓った。
そんなこんなでようやく花嫁衣装の支度が整ったジュリ。
今日の日のために
一年がかりで製作されたウェディングドレスは、滑らかな絹地とフワリとしたレース、そしてサラリとしたシフォン生地の3つの生地を併せて作られた特別なものだった。
ジュリがデビュタントのドレスで採用した事により大流行となった、
胸下すぐで切り替わるデザインのものを再び採用した。
胸下からのトレーンがシフォンとレースでふんわりと柔らかな広がりをみせるこのデザイン。
……実はアルジノンの生母である王妃が、
もしかして婚礼の前にアルジノンが辛抱堪らずやらかして、
万が一ジュリが懐妊してしまってもなんとか誤魔化せるデザインにした……
というのはここだけの話である。
そんなデザインならあんなにコルセットで締め上げなくてもいいじゃないかと思うが、最高に美しいプロポーションで着なくてはならないものらしいので仕方ない。
レース地にはふんだんにパールが縫い付けられ、
胸元の飾りも髪飾りもその他の装飾は全てパールを用いた繊細な意匠が施された逸品ばかりであった。
なぜ自分の瞳の色のサファイアではないのだとアルジノンは文句を言ったが、
婚礼の衣装はこんなものだと言い含めると渋々だが納得した。
子どもか。
髪はふんわりと結い上げ、
ジュリの白く細い頸を惜しげもなく晒した。
まぁロングベールで隠れてしまうのだが。
まさに妖精界から舞い降りた女神と見紛うほどに美しい花嫁が出来上がった。
タバサを筆頭とする侍女陣と
王妃とジュリの母がジュリの花嫁姿を見て涙する。
そんな空気の中、
やはり待ちきれず乱入した
我慢スキルゼロのこの男。
先触れもノックも一斎無視して
バーーンッとドアを開け放った。
「ジュリ!支度が出来たそうだな」
そう言いながらズカズカと部屋に入ってくる。
しかしその視線がジュリを捉えると、
ピタっと足が止まり、フリーズしてしまった。
「ジノン様」
ジュリが名を呼んでも固まったままだ。
「ジノン様?」
ジュリがもう一度名を呼ぶと、
ようやくハッとしてから動き出した。
ゆっくりと近づいて来る。
そしてジュリの前で止まり、蕩けそうな眼差しでジュリを見つめた。
「ジュリ……本当に綺麗だ。いつも綺麗だが今日は更に綺麗だ。俺は本当に幸せ者だな」
「ジノン様……」
「ジュリ、9年間お前を婚約者として縛り付けて来て本当にすまないと思ってる」
「ジノン様?」
「でもこれからは夫婦として一生お前を縛り付けるつもりだ、覚悟してくれ」
「ふふ。わかりました、望むところです」
「ジュリ……!」
アルジノンは身を屈め、
ジュリに口付けをしようとした。
でもそれをジュリはアルジノンの口に自身の手を当てて阻止する。
「ジノン様、お化粧が崩れますのでキスはご遠慮ください」
「何故だっ!!こんな綺麗なジュリを見て、キス出来ないなんて拷問じゃないかっ!」
「何を言ってるんです!これから式が始まって、その後、王都内をパレードするんですよ、口紅で顔中汚れた新郎新婦なんて恥ずかし過ぎますよ!誓いの口付けも絶っっ対、軽く触れるだけにしてくださいね!」
「っ……ひ、酷いっ!俺がどれだけこの日を待ち望んでいたか、ジュリにはわからないのかっ!?」
「パレードが終わるまではご自重くださいと申し上げてるだけです!」
「無理だ!無理無理!」
「この我儘王子!」
「我儘上等!」
二人はこのままギャーギャー言いながら、王宮内の大聖堂へと向かった。
大聖堂の中には既に
国内外の賓客が席に着いている。
その中にもちろん
イグリードの姿も、オリビア姫の姿もあった。
ジュリは父のランバード辺境伯と共にバージンロードをゆっくりと歩いて行く。
その先には先程まで言い争いをしていた大好きな人がいた。
悔しいくらいに素敵で愛おしい人。
例え本性は我儘で俺様でヘタレチキンであったとしてもそれも込みで愛してる。
やがて父の手から
アルジノンへジュリの手が渡される。
「娘を頼みます、殿下」
「生涯かけて愛し守りぬきます」
二人のそのやりとりだけでジュリの涙腺は崩壊しそうだった。
でもこの後のスケジュールを考えると、
涙で化粧をぐちゃぐちゃにするわけにはいかない。
ジュリは必死になって涙を堪えた。
二人手を取り合い、司祭に向き合う。
夫婦の誓いの宣誓を読み上げ、
やがてアルジノンがジュリのベールを上げる。
露わになった美しいランバードのエメラルドグリーン。
その瞳に誘われるように
アルジノンはジュリに誓いの口付けをした。
「…………!」
あれだけ言ったのに、
アルジノンの誓いの口付けはディープなものになった。
参列者からは失笑が聞こえる。
やっと離して貰えた時にはジュリは息も絶え絶え、足腰に力が入らず、案の定口紅が口元を広範囲に染め上げていた。
「こんのっ……!アルジノン!」
「わはははは!!無理だジュリ、諦めろ!それにしても酷い顔だな、あ、俺もか」
「っ誰のせいだとっ……もー!
だから言ったのに!!」
この日、
ハイラム王国に一組の夫婦が誕生した。
大賢者イグリードの予言という
不思議な縁で繋がり、結ばれた二人。
三男二女の子宝に恵まれ、後に王位を継いだ後も互いを支え合い、より良く国を治めた。
その後数百年にも渡り繁栄した大国ハイラムの礎を築いた国王夫妻の側には
時々現れるお調子者の大賢者の姿があったという。
おしまい☆
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これにて本編、完結いたしました。
皆さま、最後までお付き合い戴き本当にありがとうございました。
こんなにノリと勢いで書いた話はこれまでも、そしてこれからもないのではないかというくらいの勢いで書き上げました。
なので稚拙で荒削り過ぎる文章が多々あったと思いますが、
登場人物が皆アレなので、まぁピッタリではないかなとご容赦いただけると嬉しいです。
本当に書いてて楽しかったです。
皆さまのコメントも面白く、
これで一本書けそうだというものから、
一言でおお……と言いたくなるような秀逸なものもまで、大変楽しくそして嬉しく拝読させていただきました。
一つ一つにお返事が出来なくて本当にごめんなさい。
でも皆さまから戴いた感想は全て私の宝物です。
ジュリとアルジノンはお気に入りのキャラなので、
あと数話(?)番外編で二人を描きたいと思います。
アルジノンの愛妾疑惑とかなんとか……の番外編です。
こちらもお付き合い戴ければ幸いです。
ありがとうございました。
キムラましゅろう
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