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第四章
匂いが違う!!
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「……おい、これはどういうことだ?」
アルジノンは目の前にいる青い髪と黒い瞳の男を見た。
「へ?何が?あぁ、沢山作り過ぎちゃった☆キミたちが来てくれると思ったら嬉しくてついね♪」
ケーキやクッキー、トライフルやスコーンなど様々な彩どりのお菓子が並べられた丸い大きなテーブルでお茶を淹れながらイグリードが言った。
まさかの歓待。
しかもこのスイーツは全て、
この目の前の男が作ったという。
白いレースのエプロンつけて、
砕けすぎなふざけた話し方をする。
かなりイメージと違う。
ホントにこの男が大賢者バルク=イグリードなのか?
アルジノンがジュリをちらりと見ると、
ジュリはスイーツの方を目をキラキラさせて見つめている。
声だけとはいえ
直接イグリードと接した事があるのはジュリだけだ。
そのジュリが気にした様子がないのなら、
この男がイグリードなのは間違いないのだろう。
しかも……
目の前に水玉模様のティーカップ……
予言通りじゃないか。
そんなあたかも割ってくれと言わんばかりな……。
〈いやでも俺は絶対に割ってなんかやらない〉
アルジノンは子ども染みた決意を胸にする。
「あの……それでイグリード様……ひとつお伺いしてもよろしいでしょうか?」
アルジノンの側近のセオドアが
恐る恐るといった感じにイグリードに尋ねた。
「うん?なんだい?何でも聞いて?」
イグリードが椅子に座りながら言う。
「は、はい、ありがとうございます。
ではまず、一番気になっていた事を。
イグリード様はなぜ、ジュリ様に予言を?
はっきり申し上げますが、
平たく言うとジュリ様の予言はオリビア姫に四月末日にちゃんと予言を告げなさいよーと、忠告しただけのようなものですよね?
殿下をここに誘導したかっただけであれば、オリビア姫一人で事は足りますよね?」
セオドアが言い終えると
イグリードはパッと表情を明るくして言った。
「キミは頭いいねぇ!そうなんだよ、場所への誘導だけなら彼女は要らなかったんだ。でもね、彼女は別の意味で必要なスパイスだったんだ」
「……どういう事です?」
セオドアが訝しげに言う。
「王子に運命の相手がいると教えた上で王子の側に置き、長い時間を王子と共に過ごした上でどう思い、どう変わっていき、そして約束の日にどういう選択をするか、それを見たかったんだ。だって彼女の選択ひとつでその後の展開はかなり変わってくるからね。
案の定、ジュリの存在がオリビア姫の行動に凄い影響をもたらした。どんな行動かは、王子が一番わかってるよね♪
いやぁ、ジュリはホント、いい仕事してくれたよ」
「なんだと……」
アルジノンから地を這うような低い声が発せられた。
「でも彼女は正しいと信じた道を行く人だったよ。ホントはね、かなり迷ってた時もあったんだ。いや迷いじゃなくて怖がってた。王子の事を好きになりすぎちゃったんだね、その時が来て、王子の運命の相手に自分の居場所を明け渡す事が出来るか、いつも不安がってた」
「貴様……」
アルジノンから殺気じみた空気が漂ってくる。
不安に打ち震えていたジュリを、
こいつは面白がって見ていたのか?
人間がどのような選択をするか知りたいがためだけに?
「ふざけるな!!」
バンッ!!と、カップからお茶が溢れるほど強くテーブルを叩いた……タバサが。
「……イグリード様、貴方がどれほどの方なのか私にはわかりません。でも、だからといって、ご自分の知識欲のためにジュリ様に辛い思いを強いてよい権利など、貴方にはないはずです!」
「よく言ったタバサ!」
セオドアが膝を叩いた。
「うーん……ごめんね、そこんとこの善悪の判断って、僕はどうやら欠落してるようなんだよ。こんな体になる前からよく師匠に言われてたよ。お前は自分が面白いと思ったらなんでも平気でやっちゃうって。だから精霊に見染められちゃったんだけどね、どうも精霊と波長が合うんだろうね」
「こいつ……」
その時、アルジノンは
はっとしてジュリを見た。
先程からやけに静かだと思っていたら
なんとジュリは眠っていた。
「ジュリ!?寝てる!?」
なんて豪胆な……いやでも普通寝るか?
「昨日、ジュリの夢の中に遊びに行ったからね、眠ったようで眠ってないような浅い眠りだっただろうから疲れてるんだよ、眠らせてあげなよ」
イグリードは優しげな瞳でジュリを見て言った。
アルジノンは自らの上着を脱いでジュリに掛ける。
その様子を見ながらイグリードは話を続けた。
「でも、僕が世界を壊すのを止めるためなら仕方なくない?」
「世界?壊す?どういう事だ?」
「僕はね、もう嫌になっちゃっててね。この世界を見るのも、この世界にいるのも。だからもうこんな世界、要らないかなって。でもやっぱりそんな事しちゃいけないって気持ちもあって……まぁ要するに迷い過ぎて自分じゃ決められなくなっちゃったんだよ☆」
「だよ☆って貴方……」
タバサが呆れた目でイグリードを見る。
「だからね、人間たちに頑張って貰って、ここにちゃんと辿り着いたら、世界を壊すのをやめようって賭けをしたんだ」
「賭け!?」
「予言を僕が言った正しい形でちゃんと告げて、この場所に辿り着いたらセーフ。己かわいさに予言を捻じ曲げたり、隠したりしたらアウト、という賭けさ」
「な、なんという……」
「もう、空いた口が塞がらない……」
「世界じゃなくて俺がお前を滅ぼしたい」
3人は頭を抱えた。
その時、ジュリに掛けていた
アルジノンの上着がずり落ちた。
タバサが掛け直そうとするのを
アルジノンが制止する。
「いい、俺がやる」
そう言ってアルジノンは上着を掛け直そうと身を屈めた。
いつの間にかヒートアップして立ち上がっていたからだ。
上着を拾いつつジュリに最も近づいたその瞬間、
アルジノンは目を見開いた。
「……!?」
「殿下?どうなされました?」
アルジノンの様子が気になったのか
タバサが除き込んでくる。
「おい、バルク=イグリード」
「あは、フルネームで呼び捨てだ☆さすがは王子♪」
「そのお綺麗な顔の形を変えたくなかったら正直に答えろ」
「うわ、なになに?顔の形が変わるくらい殴られるってこと?穏やかじゃないなぁ」
「事と次第によっては穏やかに済ませるつもりはない。答えろ、ジュリをどこにやった」
「え?」
「ジュリ様を?」
じゃあそこにいるのは?
セオドアとタバサは
何が何だかわけがわからない。
イグリードは目を輝かせて言う。
「凄い!キミもわかっちゃうんだ!なんで?なんでソレが本物のジュリじゃないってわかったの?精霊が化けた完璧なイミテーションなんだよ?」
「……だよ、」
「へ?」
ドーンッと効果音が聞こえそうなくらいに胸を張ってアルジノンが叫んだ。
「匂いが違うんだよっ!!どれだけ似せようが匂いだけは真似出来なかったようだなっ!!俺がジュリの匂いを間違える筈ないだろうがっ!!」
「………」
「………」
「………ぷっ☆」
「言え!!ジュリはどこにいるっ!!」
そういえば
アルジノンってばジュリの匂いを嗅ぐんだったな☆
アルジノンは目の前にいる青い髪と黒い瞳の男を見た。
「へ?何が?あぁ、沢山作り過ぎちゃった☆キミたちが来てくれると思ったら嬉しくてついね♪」
ケーキやクッキー、トライフルやスコーンなど様々な彩どりのお菓子が並べられた丸い大きなテーブルでお茶を淹れながらイグリードが言った。
まさかの歓待。
しかもこのスイーツは全て、
この目の前の男が作ったという。
白いレースのエプロンつけて、
砕けすぎなふざけた話し方をする。
かなりイメージと違う。
ホントにこの男が大賢者バルク=イグリードなのか?
アルジノンがジュリをちらりと見ると、
ジュリはスイーツの方を目をキラキラさせて見つめている。
声だけとはいえ
直接イグリードと接した事があるのはジュリだけだ。
そのジュリが気にした様子がないのなら、
この男がイグリードなのは間違いないのだろう。
しかも……
目の前に水玉模様のティーカップ……
予言通りじゃないか。
そんなあたかも割ってくれと言わんばかりな……。
〈いやでも俺は絶対に割ってなんかやらない〉
アルジノンは子ども染みた決意を胸にする。
「あの……それでイグリード様……ひとつお伺いしてもよろしいでしょうか?」
アルジノンの側近のセオドアが
恐る恐るといった感じにイグリードに尋ねた。
「うん?なんだい?何でも聞いて?」
イグリードが椅子に座りながら言う。
「は、はい、ありがとうございます。
ではまず、一番気になっていた事を。
イグリード様はなぜ、ジュリ様に予言を?
はっきり申し上げますが、
平たく言うとジュリ様の予言はオリビア姫に四月末日にちゃんと予言を告げなさいよーと、忠告しただけのようなものですよね?
殿下をここに誘導したかっただけであれば、オリビア姫一人で事は足りますよね?」
セオドアが言い終えると
イグリードはパッと表情を明るくして言った。
「キミは頭いいねぇ!そうなんだよ、場所への誘導だけなら彼女は要らなかったんだ。でもね、彼女は別の意味で必要なスパイスだったんだ」
「……どういう事です?」
セオドアが訝しげに言う。
「王子に運命の相手がいると教えた上で王子の側に置き、長い時間を王子と共に過ごした上でどう思い、どう変わっていき、そして約束の日にどういう選択をするか、それを見たかったんだ。だって彼女の選択ひとつでその後の展開はかなり変わってくるからね。
案の定、ジュリの存在がオリビア姫の行動に凄い影響をもたらした。どんな行動かは、王子が一番わかってるよね♪
いやぁ、ジュリはホント、いい仕事してくれたよ」
「なんだと……」
アルジノンから地を這うような低い声が発せられた。
「でも彼女は正しいと信じた道を行く人だったよ。ホントはね、かなり迷ってた時もあったんだ。いや迷いじゃなくて怖がってた。王子の事を好きになりすぎちゃったんだね、その時が来て、王子の運命の相手に自分の居場所を明け渡す事が出来るか、いつも不安がってた」
「貴様……」
アルジノンから殺気じみた空気が漂ってくる。
不安に打ち震えていたジュリを、
こいつは面白がって見ていたのか?
人間がどのような選択をするか知りたいがためだけに?
「ふざけるな!!」
バンッ!!と、カップからお茶が溢れるほど強くテーブルを叩いた……タバサが。
「……イグリード様、貴方がどれほどの方なのか私にはわかりません。でも、だからといって、ご自分の知識欲のためにジュリ様に辛い思いを強いてよい権利など、貴方にはないはずです!」
「よく言ったタバサ!」
セオドアが膝を叩いた。
「うーん……ごめんね、そこんとこの善悪の判断って、僕はどうやら欠落してるようなんだよ。こんな体になる前からよく師匠に言われてたよ。お前は自分が面白いと思ったらなんでも平気でやっちゃうって。だから精霊に見染められちゃったんだけどね、どうも精霊と波長が合うんだろうね」
「こいつ……」
その時、アルジノンは
はっとしてジュリを見た。
先程からやけに静かだと思っていたら
なんとジュリは眠っていた。
「ジュリ!?寝てる!?」
なんて豪胆な……いやでも普通寝るか?
「昨日、ジュリの夢の中に遊びに行ったからね、眠ったようで眠ってないような浅い眠りだっただろうから疲れてるんだよ、眠らせてあげなよ」
イグリードは優しげな瞳でジュリを見て言った。
アルジノンは自らの上着を脱いでジュリに掛ける。
その様子を見ながらイグリードは話を続けた。
「でも、僕が世界を壊すのを止めるためなら仕方なくない?」
「世界?壊す?どういう事だ?」
「僕はね、もう嫌になっちゃっててね。この世界を見るのも、この世界にいるのも。だからもうこんな世界、要らないかなって。でもやっぱりそんな事しちゃいけないって気持ちもあって……まぁ要するに迷い過ぎて自分じゃ決められなくなっちゃったんだよ☆」
「だよ☆って貴方……」
タバサが呆れた目でイグリードを見る。
「だからね、人間たちに頑張って貰って、ここにちゃんと辿り着いたら、世界を壊すのをやめようって賭けをしたんだ」
「賭け!?」
「予言を僕が言った正しい形でちゃんと告げて、この場所に辿り着いたらセーフ。己かわいさに予言を捻じ曲げたり、隠したりしたらアウト、という賭けさ」
「な、なんという……」
「もう、空いた口が塞がらない……」
「世界じゃなくて俺がお前を滅ぼしたい」
3人は頭を抱えた。
その時、ジュリに掛けていた
アルジノンの上着がずり落ちた。
タバサが掛け直そうとするのを
アルジノンが制止する。
「いい、俺がやる」
そう言ってアルジノンは上着を掛け直そうと身を屈めた。
いつの間にかヒートアップして立ち上がっていたからだ。
上着を拾いつつジュリに最も近づいたその瞬間、
アルジノンは目を見開いた。
「……!?」
「殿下?どうなされました?」
アルジノンの様子が気になったのか
タバサが除き込んでくる。
「おい、バルク=イグリード」
「あは、フルネームで呼び捨てだ☆さすがは王子♪」
「そのお綺麗な顔の形を変えたくなかったら正直に答えろ」
「うわ、なになに?顔の形が変わるくらい殴られるってこと?穏やかじゃないなぁ」
「事と次第によっては穏やかに済ませるつもりはない。答えろ、ジュリをどこにやった」
「え?」
「ジュリ様を?」
じゃあそこにいるのは?
セオドアとタバサは
何が何だかわけがわからない。
イグリードは目を輝かせて言う。
「凄い!キミもわかっちゃうんだ!なんで?なんでソレが本物のジュリじゃないってわかったの?精霊が化けた完璧なイミテーションなんだよ?」
「……だよ、」
「へ?」
ドーンッと効果音が聞こえそうなくらいに胸を張ってアルジノンが叫んだ。
「匂いが違うんだよっ!!どれだけ似せようが匂いだけは真似出来なかったようだなっ!!俺がジュリの匂いを間違える筈ないだろうがっ!!」
「………」
「………」
「………ぷっ☆」
「言え!!ジュリはどこにいるっ!!」
そういえば
アルジノンってばジュリの匂いを嗅ぐんだったな☆
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