23 / 43
第四章
二つ目の予言
しおりを挟む
オリビア姫は
アルジノンにイグリードの
二つ目の予言を呈した後、
足早にグレイソン公国へと帰っていった。
次は正式な大使を派遣する事となり、
今後も両国が良好な国交を続けて行けるよう、
様々な条約の草案をちゃっかりと置いていった。
正式に条約を結ぶ前に、
これを議会にかけて協議しとけという事だろう。
どこまでも強かな姫である。
そのオリビア姫が馬車に乗り込む際、
見送りに出たジュリに何か含みのある笑みを向けたのが気になったが、
もう出立しようとする馬車を引き止めるわけにも行かず、ジュリはそのまま見送った。
結局今に至るまでアルジノンが政務に忙殺される日々が続き、
まだジュリは二つ目の予言の内容を知らされていない。
もしかして明かせないような重要な内容?
気になって気になって
夜も10時間くらいしか眠れないジュリの元に、
ようやく政務がひと段落したアルジノンが訪れた。
部屋に入るなりアルジノンがジュリを抱きしめてくる。
「ジ、ジノン様っ」
タバサやセオドアもいるというのに
恥ずかしい。
「許せ。深刻なジュリ不足に陥ってたんだ。今すぐジュリを摂取しないと俺は召されてしまう……」
「また大袈裟な……うっ、苦しっ……」
あまりにアルジノンがぎゅうぎゅうと強く抱きしめてくるので
ジュリの方が息苦しくて天に召されそうになった。
危ういところで
ジュリの拳がアルジノンの右脇腹に入り、
圧迫死だけは回避できたが。
「それで?イグリードの二つ目の予言の内容をお聴きしても?」
脇腹を摩りながらソファーに座るアルジノンにお茶を勧めながらジュリが言った。
「……最初にな」
「はい」
「オリビア姫も言ったんだ」
「はい?」
「こんな予言、告げたところで何の意味があるのか大賢者に問い正したいと」
「はぁ」
「実際に予言を告げられて、俺も思った」
「……一体どんな内容?」
ジュリが小首を傾げると
アルジノンは居住まいを正し、
コホンと小さく咳払いをしてから予言の内容を告げた。
予言の内容を聞き、
ジュリは首を更に傾げる。
もうこれ以上傾けられないというところまで傾げると、
ジュリは予言を復唱してみた。
「『来たる十八の歳の五月七日、
ジェスロ市街13丁目小高い山の上1ー1にて、汝は水玉模様のティーカップを粉々に割るであろう』……」
「………………。」(ア)
「………………。」(セ)
「……………は?」(タ)
〈そうよねタバサ、わたしもそう思う。
あの?イグリードさん?
コレは一体どういう意味なのでしょうか?
コレが世界の存亡と何か関わりがあるのでしょうか?
コレが何故、ジノン様の運命に関わる事なのでしょうか?〉
ジュリは今こそイグリードに夢に出て来て欲しいと思った。
まぁでも
あとはこの予言を……
「あとはこの予言を俺が胎内で既に授けられた(頭に刻み込まれた?)予言とどう併せて考えるか、だな」
アルジノンが口もとに指を当てながら言う。
彼がよく考えてる時にする仕草だ。
ジュリは頷いた。
「そうですね」
いよいよ、アルジノンが持つ予言の内容も明らかにされるのだ。
ジュリは手の平が汗でジワりと湿り気を帯びるのを感じていた。
「俺が持つ予言は、
『予言を活かすも殺すも己次第、汝の心一つで全てが変わる事になる。世界の在り様もこれまた然り、鍵は汝の心の中に有り、汝はそれを使い半身と共に未来への扉を開くだろう』 ……だ」
「おおっ!なんかわからないけど予言っぽい!」
「コレコレ、こういうのでいいんだよ、イグリードさん」
「半身とは、上?下?やっぱり殿下ですから下ですかね?」
「いやアホですか、大切な存在という事ですよ。この場合はジュリ様の事でしょうね」
皆、思い思いに好き放題言う。
「でも二つの予言を併せたら、ますますわからなくなってしまう……」
「予言というより謎かけ問題みたいです」
「ホントね」
「ていうかオリビア姫からの予言が一番理解出来ない」
皆、一様に頭を抱える。
ジュリは自分の考えを皆に告げた。
「でもわたしは、オリビア姫の予言が最もイグリードが伝えて欲しかったもののような気がするの」
アルジノンがジュリを見た。
「イグリードの?」
ジュリは頷く。
「とにかく5月7日にその、ジェスロ市街13丁目小高い山の上1ー1?に行ってみるしかないと思う」
「……そうだな、とりあえず今はそれしかないか。行ってみればわかる、という事もあるし」
アルジノンがそう決めたのなら……
という事になり、
アルジノン、ジュリ、セオドア、タバサによる
第一回目の運命の王子会議は終了となった。
でもジュリには
アルジノンにどうしても確かめたい事があり、
セオドアとタバサには退室して貰い、
一人アルジノンの部屋に残った。
「ジュリ?どうした?」
アルジノンが不思議そうにジュリを見る。
ジュリは何も言わず、
ただアルジノンの目を見つめた。
「……」
「ジュリ?」
アルジノンがきょとん、
としてジュリを見つめ返す。
しばし沈黙が訪れた後……
ふいにジュリがにっこりと笑った。
「なんでもないの。ふふふ、よかった♪」
と、それだけ言って、その後ジュリは上機嫌で自室へと戻って行った。
それを見送ったアルジノンは
どっと疲れが吹き出し、思わずソファーに倒れ込む。
〈あ、アレが女の勘かっ!?
こ、怖い、怖いぞっ、オリビア姫のヤツ、ジュリになんかしたのかっ!?〉
心臓の動きがやばい。
〈ジュリは絶対、
俺とオリビア姫の間に何かあったのかを疑ったんだ。あれはそれを確かめたんだ〉
あの日、
オリビア姫に思い出が欲しいからキスをしろと言われた日。
アルジノンはもちろん断った。
絶対にジュリを裏切りたくなかったし、
いつかオリビア姫に本当に好きな相手が出来た時、
それはいい思い出ではなく、
消し去りたい思い出になると考えたからだ。
もしかしたらオリビア姫は
本当に自分に好意を抱いたのかもしれない。
でも、
アルジノンに好きな相手がいる事を知りながら、
思い出と称してその相手を裏切る行為を強要するオリビア姫の気持ちが理解出来なかった。
そんな不可解な相手に
どうしてキスなど出来ようか。
しかしオリビア姫はなかなか引き下がってくれなかった。
挙句の果てには
キスしてくれないと絶対に予言を告げないとまで言われ、アルジノンは辟易とした。
何をそんなに意地になっているのか。
無駄に時間だけが過ぎてゆく。
しかし不意にオリビア姫の意図を察し、
殺意に近いものが湧いた。
密室に二人きりという状況を、しかも出来るだけ長時間であったという状況をこの女は作りたいのだ。
そこに証拠など要らない。
アルジノンには前科(?)がある。
アルジノンが否定すればするほど周りは怪しむだろう。
それをジュリが知れば、
また彼女はどれほど傷つく?
そちらがその気ならもう容赦はしない。
アルジノンは期日に予言を告げるという約束事を守らない姫のいる国など信用出来ない、
今回の国交の条約を見合わせて貰うと告げた。
するとオリビア姫は瞬く間に態度を軟化し、今すぐ予言を渡すからそれだけは勘弁してくれと懇願してきた。
もちろん、こちらも上質な塩が低い関税で輸入出来るという魅力には抗えないのでこの話を無かった事にはしたくない。
予言に寸分の偽書も許さず、
万が一それが認められた場合は相応の報復をすると脅し、
それを踏まえて今すぐ予言を渡すなら
国交断絶は見合わせると言うと、
オリビア姫は即、予言を呈した。
まったく、何がしたいんだあの女は。
〈まぁジュリには
俺に疾しい事は全くないと
伝わったようだから良かったが……。
それにしても大人の男女がするようなヤツだと?
ジュリとだってまだ一度しかしてないというのに!〉
「……ジュリとキスしたいなぁ、それもディープなヤツ」
「殿下、煩悩の塊ですか……」
「わあっ!?」
いつの間にか部屋に戻って来ていたセオドアに
ばっちり疾しい考えを聞かれたアルジノンであった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
作者のひとり言
帰国時のオリビア姫の含み笑い、
別の意味で色んな含みを込めてたわけですねぇ。
一番の目的は腹いせ紛いの置き土産だと思われます。
その負けん気で国を盛り立てていってほしいですね。
アルジノンにイグリードの
二つ目の予言を呈した後、
足早にグレイソン公国へと帰っていった。
次は正式な大使を派遣する事となり、
今後も両国が良好な国交を続けて行けるよう、
様々な条約の草案をちゃっかりと置いていった。
正式に条約を結ぶ前に、
これを議会にかけて協議しとけという事だろう。
どこまでも強かな姫である。
そのオリビア姫が馬車に乗り込む際、
見送りに出たジュリに何か含みのある笑みを向けたのが気になったが、
もう出立しようとする馬車を引き止めるわけにも行かず、ジュリはそのまま見送った。
結局今に至るまでアルジノンが政務に忙殺される日々が続き、
まだジュリは二つ目の予言の内容を知らされていない。
もしかして明かせないような重要な内容?
気になって気になって
夜も10時間くらいしか眠れないジュリの元に、
ようやく政務がひと段落したアルジノンが訪れた。
部屋に入るなりアルジノンがジュリを抱きしめてくる。
「ジ、ジノン様っ」
タバサやセオドアもいるというのに
恥ずかしい。
「許せ。深刻なジュリ不足に陥ってたんだ。今すぐジュリを摂取しないと俺は召されてしまう……」
「また大袈裟な……うっ、苦しっ……」
あまりにアルジノンがぎゅうぎゅうと強く抱きしめてくるので
ジュリの方が息苦しくて天に召されそうになった。
危ういところで
ジュリの拳がアルジノンの右脇腹に入り、
圧迫死だけは回避できたが。
「それで?イグリードの二つ目の予言の内容をお聴きしても?」
脇腹を摩りながらソファーに座るアルジノンにお茶を勧めながらジュリが言った。
「……最初にな」
「はい」
「オリビア姫も言ったんだ」
「はい?」
「こんな予言、告げたところで何の意味があるのか大賢者に問い正したいと」
「はぁ」
「実際に予言を告げられて、俺も思った」
「……一体どんな内容?」
ジュリが小首を傾げると
アルジノンは居住まいを正し、
コホンと小さく咳払いをしてから予言の内容を告げた。
予言の内容を聞き、
ジュリは首を更に傾げる。
もうこれ以上傾けられないというところまで傾げると、
ジュリは予言を復唱してみた。
「『来たる十八の歳の五月七日、
ジェスロ市街13丁目小高い山の上1ー1にて、汝は水玉模様のティーカップを粉々に割るであろう』……」
「………………。」(ア)
「………………。」(セ)
「……………は?」(タ)
〈そうよねタバサ、わたしもそう思う。
あの?イグリードさん?
コレは一体どういう意味なのでしょうか?
コレが世界の存亡と何か関わりがあるのでしょうか?
コレが何故、ジノン様の運命に関わる事なのでしょうか?〉
ジュリは今こそイグリードに夢に出て来て欲しいと思った。
まぁでも
あとはこの予言を……
「あとはこの予言を俺が胎内で既に授けられた(頭に刻み込まれた?)予言とどう併せて考えるか、だな」
アルジノンが口もとに指を当てながら言う。
彼がよく考えてる時にする仕草だ。
ジュリは頷いた。
「そうですね」
いよいよ、アルジノンが持つ予言の内容も明らかにされるのだ。
ジュリは手の平が汗でジワりと湿り気を帯びるのを感じていた。
「俺が持つ予言は、
『予言を活かすも殺すも己次第、汝の心一つで全てが変わる事になる。世界の在り様もこれまた然り、鍵は汝の心の中に有り、汝はそれを使い半身と共に未来への扉を開くだろう』 ……だ」
「おおっ!なんかわからないけど予言っぽい!」
「コレコレ、こういうのでいいんだよ、イグリードさん」
「半身とは、上?下?やっぱり殿下ですから下ですかね?」
「いやアホですか、大切な存在という事ですよ。この場合はジュリ様の事でしょうね」
皆、思い思いに好き放題言う。
「でも二つの予言を併せたら、ますますわからなくなってしまう……」
「予言というより謎かけ問題みたいです」
「ホントね」
「ていうかオリビア姫からの予言が一番理解出来ない」
皆、一様に頭を抱える。
ジュリは自分の考えを皆に告げた。
「でもわたしは、オリビア姫の予言が最もイグリードが伝えて欲しかったもののような気がするの」
アルジノンがジュリを見た。
「イグリードの?」
ジュリは頷く。
「とにかく5月7日にその、ジェスロ市街13丁目小高い山の上1ー1?に行ってみるしかないと思う」
「……そうだな、とりあえず今はそれしかないか。行ってみればわかる、という事もあるし」
アルジノンがそう決めたのなら……
という事になり、
アルジノン、ジュリ、セオドア、タバサによる
第一回目の運命の王子会議は終了となった。
でもジュリには
アルジノンにどうしても確かめたい事があり、
セオドアとタバサには退室して貰い、
一人アルジノンの部屋に残った。
「ジュリ?どうした?」
アルジノンが不思議そうにジュリを見る。
ジュリは何も言わず、
ただアルジノンの目を見つめた。
「……」
「ジュリ?」
アルジノンがきょとん、
としてジュリを見つめ返す。
しばし沈黙が訪れた後……
ふいにジュリがにっこりと笑った。
「なんでもないの。ふふふ、よかった♪」
と、それだけ言って、その後ジュリは上機嫌で自室へと戻って行った。
それを見送ったアルジノンは
どっと疲れが吹き出し、思わずソファーに倒れ込む。
〈あ、アレが女の勘かっ!?
こ、怖い、怖いぞっ、オリビア姫のヤツ、ジュリになんかしたのかっ!?〉
心臓の動きがやばい。
〈ジュリは絶対、
俺とオリビア姫の間に何かあったのかを疑ったんだ。あれはそれを確かめたんだ〉
あの日、
オリビア姫に思い出が欲しいからキスをしろと言われた日。
アルジノンはもちろん断った。
絶対にジュリを裏切りたくなかったし、
いつかオリビア姫に本当に好きな相手が出来た時、
それはいい思い出ではなく、
消し去りたい思い出になると考えたからだ。
もしかしたらオリビア姫は
本当に自分に好意を抱いたのかもしれない。
でも、
アルジノンに好きな相手がいる事を知りながら、
思い出と称してその相手を裏切る行為を強要するオリビア姫の気持ちが理解出来なかった。
そんな不可解な相手に
どうしてキスなど出来ようか。
しかしオリビア姫はなかなか引き下がってくれなかった。
挙句の果てには
キスしてくれないと絶対に予言を告げないとまで言われ、アルジノンは辟易とした。
何をそんなに意地になっているのか。
無駄に時間だけが過ぎてゆく。
しかし不意にオリビア姫の意図を察し、
殺意に近いものが湧いた。
密室に二人きりという状況を、しかも出来るだけ長時間であったという状況をこの女は作りたいのだ。
そこに証拠など要らない。
アルジノンには前科(?)がある。
アルジノンが否定すればするほど周りは怪しむだろう。
それをジュリが知れば、
また彼女はどれほど傷つく?
そちらがその気ならもう容赦はしない。
アルジノンは期日に予言を告げるという約束事を守らない姫のいる国など信用出来ない、
今回の国交の条約を見合わせて貰うと告げた。
するとオリビア姫は瞬く間に態度を軟化し、今すぐ予言を渡すからそれだけは勘弁してくれと懇願してきた。
もちろん、こちらも上質な塩が低い関税で輸入出来るという魅力には抗えないのでこの話を無かった事にはしたくない。
予言に寸分の偽書も許さず、
万が一それが認められた場合は相応の報復をすると脅し、
それを踏まえて今すぐ予言を渡すなら
国交断絶は見合わせると言うと、
オリビア姫は即、予言を呈した。
まったく、何がしたいんだあの女は。
〈まぁジュリには
俺に疾しい事は全くないと
伝わったようだから良かったが……。
それにしても大人の男女がするようなヤツだと?
ジュリとだってまだ一度しかしてないというのに!〉
「……ジュリとキスしたいなぁ、それもディープなヤツ」
「殿下、煩悩の塊ですか……」
「わあっ!?」
いつの間にか部屋に戻って来ていたセオドアに
ばっちり疾しい考えを聞かれたアルジノンであった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
作者のひとり言
帰国時のオリビア姫の含み笑い、
別の意味で色んな含みを込めてたわけですねぇ。
一番の目的は腹いせ紛いの置き土産だと思われます。
その負けん気で国を盛り立てていってほしいですね。
74
お気に入りに追加
2,645
あなたにおすすめの小説
報われない恋の行方〜いつかあなたは私だけを見てくれますか〜
矢野りと
恋愛
『少しだけ私に時間をくれないだろうか……』
彼はいつだって誠実な婚約者だった。
嘘はつかず私に自分の気持ちを打ち明け、学園にいる間だけ想い人のこともその目に映したいと告げた。
『想いを告げることはしない。ただ見ていたいんだ。どうか、許して欲しい』
『……分かりました、ロイド様』
私は彼に恋をしていた。だから、嫌われたくなくて……それを許した。
結婚後、彼は約束通りその瞳に私だけを映してくれ嬉しかった。彼は誠実な夫となり、私は幸せな妻になれた。
なのに、ある日――彼の瞳に映るのはまた二人になっていた……。
※この作品の設定は架空のものです。
※お話の内容があわないは時はそっと閉じてくださいませ。
私を運命の相手とプロポーズしておきながら、可哀そうな幼馴染の方が大切なのですね! 幼馴染と幸せにお過ごしください
迷い人
恋愛
王国の特殊爵位『フラワーズ』を頂いたその日。
アシャール王国でも美貌と名高いディディエ・オラール様から婚姻の申し込みを受けた。
断るに断れない状況での婚姻の申し込み。
仕事の邪魔はしないと言う約束のもと、私はその婚姻の申し出を承諾する。
優しい人。
貞節と名高い人。
一目惚れだと、運命の相手だと、彼は言った。
細やかな気遣いと、距離を保った愛情表現。
私も愛しております。
そう告げようとした日、彼は私にこうつげたのです。
「子を事故で亡くした幼馴染が、心をすり減らして戻ってきたんだ。 私はしばらく彼女についていてあげたい」
そう言って私の物を、つぎつぎ幼馴染に与えていく。
優しかったアナタは幻ですか?
どうぞ、幼馴染とお幸せに、請求書はそちらに回しておきます。
忙しい男
菅井群青
恋愛
付き合っていた彼氏に別れを告げた。忙しいという彼を信じていたけれど、私から別れを告げる前に……きっと私は半分捨てられていたんだ。
「私のことなんてもうなんとも思ってないくせに」
「お前は一体俺の何を見て言ってる──お前は、俺を知らな過ぎる」
すれ違う想いはどうしてこうも上手くいかないのか。いつだって思うことはただ一つ、愛おしいという気持ちだ。
※ハッピーエンドです
かなりやきもきさせてしまうと思います。
どうか温かい目でみてやってくださいね。
※本編完結しました(2019/07/15)
スピンオフ &番外編
【泣く背中】 菊田夫妻のストーリーを追加しました(2019/08/19)
改稿 (2020/01/01)
本編のみカクヨムさんでも公開しました。
【完結】本当に私と結婚したいの?
横居花琉
恋愛
ウィリアム王子には公爵令嬢のセシリアという婚約者がいたが、彼はパメラという令嬢にご執心だった。
王命による婚約なのにセシリアとの結婚に乗り気でないことは明らかだった。
困ったセシリアは王妃に相談することにした。
寡黙な貴方は今も彼女を想う
MOMO-tank
恋愛
婚約者以外の女性に夢中になり、婚約者を蔑ろにしたうえ婚約破棄した。
ーーそんな過去を持つ私の旦那様は、今もなお後悔し続け、元婚約者を想っている。
シドニーは王宮で側妃付きの侍女として働く18歳の子爵令嬢。見た目が色っぽいシドニーは文官にしつこくされているところを眼光鋭い年上の騎士に助けられる。その男性とは辺境で騎士として12年、数々の武勲をあげ一代限りの男爵位を授かったクライブ・ノックスだった。二人はこの時を境に会えば挨拶を交わすようになり、いつしか婚約話が持ち上がり結婚する。
言葉少ないながらも彼の優しさに幸せを感じていたある日、クライブの元婚約者で現在は未亡人となった美しく儚げなステラ・コンウォール前伯爵夫人と夜会で再会する。
※設定はゆるいです。
※溺愛タグ追加しました。
[完結]本当にバカね
シマ
恋愛
私には幼い頃から婚約者がいる。
この国の子供は貴族、平民問わず試験に合格すれば通えるサラタル学園がある。
貴族は落ちたら恥とまで言われる学園で出会った平民と恋に落ちた婚約者。
入婿の貴方が私を見下すとは良い度胸ね。
私を敵に回したら、どうなるか分からせてあげる。
別に要りませんけど?
ユウキ
恋愛
「お前を愛することは無い!」
そう言ったのは、今日結婚して私の夫となったネイサンだ。夫婦の寝室、これから初夜をという時に投げつけられた言葉に、私は素直に返事をした。
「……別に要りませんけど?」
※Rに触れる様な部分は有りませんが、情事を指す言葉が出ますので念のため。
※なろうでも掲載中
心の中にあなたはいない
ゆーぞー
恋愛
姉アリーのスペアとして誕生したアニー。姉に成り代われるようにと育てられるが、アリーは何もせずアニーに全て押し付けていた。アニーの功績は全てアリーの功績とされ、周囲の人間からアニーは役立たずと思われている。そんな中アリーは事故で亡くなり、アニーも命を落とす。しかしアニーは過去に戻ったため、家から逃げ出し別の人間として生きていくことを決意する。
一方アリーとアニーの死後に真実を知ったアリーの夫ブライアンも過去に戻りアニーに接触しようとするが・・・。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる