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第三章
王太子の心変わり
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アルジノンはわかりやすい。
本当にわかりやすい。
昔から
心に疾しい事がある時や、
ジュリに何かを悟られたくない時、
アルジノンは必ず目を合わせなくなる。
徹底的に合わせなくなる。
それなら上手くやればいいのに、
殺意が湧くほど下手くそな目の逸らし方をするのだ。
そして近頃、
アルジノンはジュリと目を合わせない。
オリビア姫と共に帰城した日の夜、
アルジノンはジュリに
これからしばらくオリビア姫の接待でかかりきりになると告げられた。
それは暗に
ジュリの事は放ったらかしになると言っているようなものだ。
しかし我儘を言うわけにはいかないので、
「承知しました」と言うほかない。
食事やお茶を共にする時間が全く無くなったというのに、アルジノンはジュリを放置するだけでなく、たまに顔を合わせても目を合わせようとしない。
この野郎……と胸ぐらを掴んで無理やりにでも目を合わせてやろうかと思ったが、それもなんだか虚しくてやめた。
しかもそれどころか
アルジノンはオリビア姫をジュリに会わせたくないようなのだ。
オリビア姫とジュリが図書室や庭園などで鉢合わせをすると、
アルジノンはあからさまに焦った様子でオリビア姫をどこかへ連れて行く。
ジュリだけを取り残して。
〈なんなの?もしかしてわたしがオリビア姫を虐めるとでも思ってるいるのかしら!?〉
ホントに気に食わない。
初めからこうなる事はわかっていたのだから、心変わりを責めたりなんかしないのに。
それならそうと、ちゃんと話をして欲しかった。
心変わり……自分で思い至っていて、その言葉に打ちのめされる。
胸が痛い。
共に暮らした8年って、こんなに脆いものだったのか。
いやもしかして何か理由があるのかも。
……と、オリビア姫が運命の人でなければあるいはそう信じたかもしれない。
でも二人は結ばれる運命なのだ。
8年付き合おうが、何年付き合おうが、
運命に導かれて出会う一瞬には敵わないのだろう。
でもそれでもとにかく一度アルジノンと話し合わなくては。
婚約解消するにしたって、
話し合わなければ何も始まらない。
ヘタレチキン野郎の事だ、
自然消滅……なんてふざけた事を考えていたらとにかく一発ぶん殴る、ジュリはそう心に決めた。
しかしジュリの方からアルジノンを捕まえて、話し合いの場を設けようとしても、アルジノンに避けまくられているらしく、会うことも叶わない。
だんだんイライラと怒りと鬱憤が溜まってきたジュリは、
ウェディングドレスを着るのに筋肉がついてはいけないと禁止されていた、
剣術の鍛錬を再開した。
〈どうせもうウェディングドレスは着ないだろうし〉
こうなったら、ムッキムキになってやる所存。
でもやはり体を動かすと気持ちいい。
気分がスッキリする。
王宮内の騎士達が打ち合いの相手もしてくれるので思う存分、ジュリは剣を振り回した。
今日も騎士たちに紛れ、剣を振っていると近くから鈴を転がすような声がした。
「まあ!?そこにおられるのはランバード辺境伯令嬢ではございませんの?」
振り返るとそこにオリビア姫が居た。
もちろん隣にはアルジノンがいる。
アルジノンの腕にそっと細い手を添えて、二人仲睦まじそうに立っていた。
アルジノンは気まずそうに明後日の方向を向いている。
ピキっとこめかみに青すじが立ちそうになったが、
自分が怒るなどお門違いだと思い直して
笑顔を貼り付けた。
「あらオリビア姫、と、殿下。ご機嫌よう。このような場所に如何されましたか?」
「まぁそれはわたくしのセリフですわ、ランバード辺境伯令嬢はこのような所で何をされているのです?」
オリビア姫がきょとん、と可愛らしく小首を傾げて問う。
「わたしは団員の方たちの鍛錬に参加させていただいております。子どもの頃からの習い性でして。しばらく辞めていたのですが、近頃再開いたしましたの」
するとオリビア姫は
信じられないものを見た!というような驚愕に満ちた顔をする。
「まぁぁ!?淑女である貴女が殿方に紛れて剣を振るってらっしゃるというの!?わたくしには信じられませんわ。なんてはしたない…ねぇ?アルもそう思いませんこと?」
オリビア姫に言い寄られても
アルジノンは「ああ……」とか「まぁ……」とか煮え切らない生返事をしてるだけだった。
〈……そうですかアルですか、既に呼び捨てですか……くだらない〉
「そうでしょうか。団の中には女性騎士もいます。グレイソンでは女性は剣を握りませんの?それに、剣を取る者同士、女性も男性も関係ありませんわ。今の発言は剣を持つ女性全てをバカにした発言と取られても仕方ありませんわよ」
ジュリが言うと
オリビア姫はあからさまに傷付いたような顔をした。
「下の者がどうしようと関わりのない事なので興味ありませんが、少なくとも貴女は王太子妃になろうしておられるのでしょう?それならばそれ相応の行動をされるべきなのではと申し上げているのですわ、貴女の事を友人と思ってのご忠告でしたのに……そんなに怒らなくても……アル……わたくし、悲しいですわ」
そう言ってオリビアはアルジノンにしなだれかかる。
「ジュリ……言い過ぎだ」
静かなアルジノンの声に怯みそうになるが、ジュリは敢えて笑顔を貼り付け、軽口を叩いた。
「申し訳ありません、なんせ田舎者ですので!もう8年も王都で暮らしておりますのに少しも変えられませんの。本当は王都暮らしなど向いていないのに、どこかの誰かが帰してくれなくて~」
「ジュリ」
「わたし、午後から予定がありますの。
それでは殿下、オリビア姫様、ご機嫌よう。団員の皆さんもお付き合いいただきありがとうございました」
そう言ってジュリは踵を返した。
「ジュリ…!」
後ろから唸るようなアルジノンの声が聞こえたが振り返る事はしなかった。
胸が苦しい。
早く約束の日になればいいのに。
そうすれば、
とっととオリビア姫にイグリードの予言を呈して、さっさと領地に帰るのに。
そしたらもう、あの二人の姿など見ずに済むのに…!
ジュリは溢れそうになる涙を振り切るように足早に歩いた。
その後もジュリはアルジノンに会う事はなく日々が過ぎていった。
でも城に勤める皆はジュリに優しかった。
いつも何かしらの気遣いを感じる。
料理長はジュリの好きな料理ばかり作ってくれるし、
部屋にはいつも庭師が選んでくれた可愛らしい花が飾られている。
あの傲慢で我儘な王子を変えたジュリ様。
8年間領地に戻して貰えず、それでもいつも笑顔で王子の側にいたジュリ様。
熱血漢で情に篤く、誰にでも分け隔てなく接するジュリ様。
国王両陛下はジュリ様を大切にしておられるが、所詮は息子可愛さがあってこそ。
当てにはならない。
自分たちが出来る限りジュリ様をお守りしようと、城中の誰もが思っていた。
たとえ王太子が心変わりをしたとしても。
そんなある日
今日も夕食は一人か、と思いながら
自室のテーブルに着くとそこには
3人分の食事が用意されていた。
「?」
不思議に思っているとセオドアとタバサが、
「今日の食事は料理長の渾身の新作だそうです。ですのでジュリ様だけに食べさせるのは勿体ないと思いまして。私たちも是非、一緒にご相伴に預からせて下さい」
とそう言って、ジュリを席に着かせた。
もちろん臣下と食事なんてと嫌がるジュリではない。
二人の心遣いが嬉しくて
じんわりと涙が滲んだ。
「ありがと、二人とも」
その日の夕食は久しぶりにわいわいと賑やかなものになった。
本当にわかりやすい。
昔から
心に疾しい事がある時や、
ジュリに何かを悟られたくない時、
アルジノンは必ず目を合わせなくなる。
徹底的に合わせなくなる。
それなら上手くやればいいのに、
殺意が湧くほど下手くそな目の逸らし方をするのだ。
そして近頃、
アルジノンはジュリと目を合わせない。
オリビア姫と共に帰城した日の夜、
アルジノンはジュリに
これからしばらくオリビア姫の接待でかかりきりになると告げられた。
それは暗に
ジュリの事は放ったらかしになると言っているようなものだ。
しかし我儘を言うわけにはいかないので、
「承知しました」と言うほかない。
食事やお茶を共にする時間が全く無くなったというのに、アルジノンはジュリを放置するだけでなく、たまに顔を合わせても目を合わせようとしない。
この野郎……と胸ぐらを掴んで無理やりにでも目を合わせてやろうかと思ったが、それもなんだか虚しくてやめた。
しかもそれどころか
アルジノンはオリビア姫をジュリに会わせたくないようなのだ。
オリビア姫とジュリが図書室や庭園などで鉢合わせをすると、
アルジノンはあからさまに焦った様子でオリビア姫をどこかへ連れて行く。
ジュリだけを取り残して。
〈なんなの?もしかしてわたしがオリビア姫を虐めるとでも思ってるいるのかしら!?〉
ホントに気に食わない。
初めからこうなる事はわかっていたのだから、心変わりを責めたりなんかしないのに。
それならそうと、ちゃんと話をして欲しかった。
心変わり……自分で思い至っていて、その言葉に打ちのめされる。
胸が痛い。
共に暮らした8年って、こんなに脆いものだったのか。
いやもしかして何か理由があるのかも。
……と、オリビア姫が運命の人でなければあるいはそう信じたかもしれない。
でも二人は結ばれる運命なのだ。
8年付き合おうが、何年付き合おうが、
運命に導かれて出会う一瞬には敵わないのだろう。
でもそれでもとにかく一度アルジノンと話し合わなくては。
婚約解消するにしたって、
話し合わなければ何も始まらない。
ヘタレチキン野郎の事だ、
自然消滅……なんてふざけた事を考えていたらとにかく一発ぶん殴る、ジュリはそう心に決めた。
しかしジュリの方からアルジノンを捕まえて、話し合いの場を設けようとしても、アルジノンに避けまくられているらしく、会うことも叶わない。
だんだんイライラと怒りと鬱憤が溜まってきたジュリは、
ウェディングドレスを着るのに筋肉がついてはいけないと禁止されていた、
剣術の鍛錬を再開した。
〈どうせもうウェディングドレスは着ないだろうし〉
こうなったら、ムッキムキになってやる所存。
でもやはり体を動かすと気持ちいい。
気分がスッキリする。
王宮内の騎士達が打ち合いの相手もしてくれるので思う存分、ジュリは剣を振り回した。
今日も騎士たちに紛れ、剣を振っていると近くから鈴を転がすような声がした。
「まあ!?そこにおられるのはランバード辺境伯令嬢ではございませんの?」
振り返るとそこにオリビア姫が居た。
もちろん隣にはアルジノンがいる。
アルジノンの腕にそっと細い手を添えて、二人仲睦まじそうに立っていた。
アルジノンは気まずそうに明後日の方向を向いている。
ピキっとこめかみに青すじが立ちそうになったが、
自分が怒るなどお門違いだと思い直して
笑顔を貼り付けた。
「あらオリビア姫、と、殿下。ご機嫌よう。このような場所に如何されましたか?」
「まぁそれはわたくしのセリフですわ、ランバード辺境伯令嬢はこのような所で何をされているのです?」
オリビア姫がきょとん、と可愛らしく小首を傾げて問う。
「わたしは団員の方たちの鍛錬に参加させていただいております。子どもの頃からの習い性でして。しばらく辞めていたのですが、近頃再開いたしましたの」
するとオリビア姫は
信じられないものを見た!というような驚愕に満ちた顔をする。
「まぁぁ!?淑女である貴女が殿方に紛れて剣を振るってらっしゃるというの!?わたくしには信じられませんわ。なんてはしたない…ねぇ?アルもそう思いませんこと?」
オリビア姫に言い寄られても
アルジノンは「ああ……」とか「まぁ……」とか煮え切らない生返事をしてるだけだった。
〈……そうですかアルですか、既に呼び捨てですか……くだらない〉
「そうでしょうか。団の中には女性騎士もいます。グレイソンでは女性は剣を握りませんの?それに、剣を取る者同士、女性も男性も関係ありませんわ。今の発言は剣を持つ女性全てをバカにした発言と取られても仕方ありませんわよ」
ジュリが言うと
オリビア姫はあからさまに傷付いたような顔をした。
「下の者がどうしようと関わりのない事なので興味ありませんが、少なくとも貴女は王太子妃になろうしておられるのでしょう?それならばそれ相応の行動をされるべきなのではと申し上げているのですわ、貴女の事を友人と思ってのご忠告でしたのに……そんなに怒らなくても……アル……わたくし、悲しいですわ」
そう言ってオリビアはアルジノンにしなだれかかる。
「ジュリ……言い過ぎだ」
静かなアルジノンの声に怯みそうになるが、ジュリは敢えて笑顔を貼り付け、軽口を叩いた。
「申し訳ありません、なんせ田舎者ですので!もう8年も王都で暮らしておりますのに少しも変えられませんの。本当は王都暮らしなど向いていないのに、どこかの誰かが帰してくれなくて~」
「ジュリ」
「わたし、午後から予定がありますの。
それでは殿下、オリビア姫様、ご機嫌よう。団員の皆さんもお付き合いいただきありがとうございました」
そう言ってジュリは踵を返した。
「ジュリ…!」
後ろから唸るようなアルジノンの声が聞こえたが振り返る事はしなかった。
胸が苦しい。
早く約束の日になればいいのに。
そうすれば、
とっととオリビア姫にイグリードの予言を呈して、さっさと領地に帰るのに。
そしたらもう、あの二人の姿など見ずに済むのに…!
ジュリは溢れそうになる涙を振り切るように足早に歩いた。
その後もジュリはアルジノンに会う事はなく日々が過ぎていった。
でも城に勤める皆はジュリに優しかった。
いつも何かしらの気遣いを感じる。
料理長はジュリの好きな料理ばかり作ってくれるし、
部屋にはいつも庭師が選んでくれた可愛らしい花が飾られている。
あの傲慢で我儘な王子を変えたジュリ様。
8年間領地に戻して貰えず、それでもいつも笑顔で王子の側にいたジュリ様。
熱血漢で情に篤く、誰にでも分け隔てなく接するジュリ様。
国王両陛下はジュリ様を大切にしておられるが、所詮は息子可愛さがあってこそ。
当てにはならない。
自分たちが出来る限りジュリ様をお守りしようと、城中の誰もが思っていた。
たとえ王太子が心変わりをしたとしても。
そんなある日
今日も夕食は一人か、と思いながら
自室のテーブルに着くとそこには
3人分の食事が用意されていた。
「?」
不思議に思っているとセオドアとタバサが、
「今日の食事は料理長の渾身の新作だそうです。ですのでジュリ様だけに食べさせるのは勿体ないと思いまして。私たちも是非、一緒にご相伴に預からせて下さい」
とそう言って、ジュリを席に着かせた。
もちろん臣下と食事なんてと嫌がるジュリではない。
二人の心遣いが嬉しくて
じんわりと涙が滲んだ。
「ありがと、二人とも」
その日の夕食は久しぶりにわいわいと賑やかなものになった。
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