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番外編②後編 - GOLEM / SHADOW編
番外編②-22 – 教え子
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「これは……!」
杉本が内倉の書斎にある本棚から過去4年間のクラスアルバムを取り出して1枚1枚丁寧にスワイプして調べる中であることに気付く。
––––ピコン
同時に愛香からの連絡が入る。
「杉本さん! 言われた通り超能力者管理委員会、教育委員会及び文部科学省まで問い合わせて調べましたが、内倉祥一郎に関して4年前よりも前の勤務先に関するデータが全くありませんでした!」
スピーカーにして聞いていた鶴川は「おかしいっすね」と杉本に告げる。
「様々な問題が付き纏う気がしますね。もし以前のデータがあるならばどのようにして削除したのか、またその目的は何か。4年前からだとしてこれまでの21年という経歴は? 何故僕たちはそのことについて疑問にも思わなかったのか」
杉本は周りには誰もいないかのように1人で呟き始める。そしてその後に「ハッ」として話を始める。
「月島さん、どうもありがとう。ところで1つお聞きしたいのですが」
「何でしょう?」
「この1ヶ月間、DEEDの残党はある程度は調べがついているんですよね?」
「はい。課長の指示があったので」
「調べがついている面々の詳細、覚えていますか?」
「はい」
「流石です」
杉本は愛香の返答に対して満足そうに息をつき、感心して称賛する。
「確かその中に牧田 佑都という者がいましたね?」
「はい。私と同級生で3年前に第三地区高等学校を卒業し、第三地区大学に入学。最近退学したようでその時期にDEEDに所属したようです。ただし、彼の境遇は少し特殊です。彼は牧田貿易会社の一人息子。彼の財力を利用するためにDEEDの面々が近付き、薬を無理やり投入。その後、ご両親は脅迫を受けて秘密裏に資金援助をしていました。昨日ようやくこの事実を認めました」
「ビンゴです」
杉本の一言に対して愛香は少し驚いたリアクションをし、杉本は「すみません」と軽く謝罪する。
「月島さん、徳田さんが先ほどD–1、D–2を制圧した際に捕らえた者の中に牧田の名はありましたか?」
「いえ、花さんの報告の中に牧田の名前はありませんでした。恐らくは本部の中にいるのかと」
「あとはSHADOWが匿っている中にいるかのどちらかですね」
杉本はここで少し間を置いた後に愛香に花に連絡するように要求する。
「月島さん、徳田さんに至急連絡を。内倉は4年前に牧田の副担任を務め、翌年も生物の授業を担当しています。まだ確定ではないですがGOLEMの怒りに無関係ではないのかもしれせん」
「直ぐに花さんに連絡します」
「よろしくお願いします」
電話を切った後に鶴川の表情を見て説明を始める。
「横手はGOLEMが一般人の巻き込みで怒りを表明したと思っていたようですが、それは違うかもしれません。何かのタイミングで牧田がDEEDに利用されている瞬間を目の当たりにして怒りがこみ上げたのかも」
「これだけ教え子を大事にしていたようですからね」
「えぇ。教え子に対する愛情は深いものがあったのかもしれません」
杉本と鶴川は内倉の自宅を後にする。
#####
––––ピコン
花は突如としてD–2ビルの上階に現れたDEEDの面々を捕らえているところに愛香からメッセージが受信される。
「(牧田佑都……。まだそんな奴は捕まえてないわね)」
花は今しがた捕らえた3人の男たちの方を振り向いて端末に送られてきた牧田の写真を見せながら尋ねる。
「この男、牧田を知ってるわね? どこにいるか話しなさい。ちなみに素直に話した方が良いわよ?」
3人はそれを見た瞬間に一瞬眉毛が動いて反応したのを見逃さなかった花は若干の脅し文句を付け加える。3人のうちの1人が捕らえられた際に花から手刀を受けた首筋をさすりながら答える。
「牧田は最近入ってきた……てかうちのリーダーたちから無理やり入れられた新入りっす。無理やりヤクをやらせてそれを文句に両親を脅迫して金を支払わせてたっす」
花は情報に間違いがないことを確認し、「それでどこにいるの?」と重ねて尋ねる。
「牧田は上の階にいるはずっす。あいつはDEED再建のための貴重な資金源だって言ってSHADOWの影で匿われてたっすから。敢えて本部の部屋でなくここD–2の部屋に入れてました。俺たちはその警護の一部っす」
花は「なるほど」と呟いた後に"第六感"を上階の方へと向ける。
「(残りの人数は……この一個上の階に3人、あとは疎らにいるわね。残りは全部で11人。最初はパニックしていた様子の連中も少し落ち着いたところを見るに地位の高い者がいるようね)」
花は"第六感"で状況を把握した後にもう一度3人の方を見て尋ねる。
「今この状態でも指示を出している者がいるわね? そいつは誰? 許斐で間違いないかしら?」
3人の表情が少し強張る。
「今吐いといた方が良いわよ?」
花の凄んだサイクスに3人は少し震えた後にゆっくりと話し始める。
「えっと……、許斐さんで間違いないっす。許斐さんが牧田と一緒にいるはずです。それで俺たちはビルの様子を見て状況を把握するように指示されて1階ずつ降りて状況を見ている時にあんたに捕まったっす」
花は「どうも」と呟いた後に3人を気絶させて異不錠と手錠を装着してその場を離れる。
#####
––––ドゴッ!!!
瀧とGOLEMは互いの拳を顔面に喰らってそれぞれ端まで吹き飛ばされる。
「(建物自体が倒壊しかねん。徳田が上でまだ何かをしているようだから本気でぶつかるわけにはいかねーな。それに……)」
瀧はGOLEMの方を見て何かを考え込む。
「(こいつの本心が知りてぇ……!)」
2人はほぼ同時に立ち上がるとサイクスを纏って再び対峙する。
杉本が内倉の書斎にある本棚から過去4年間のクラスアルバムを取り出して1枚1枚丁寧にスワイプして調べる中であることに気付く。
––––ピコン
同時に愛香からの連絡が入る。
「杉本さん! 言われた通り超能力者管理委員会、教育委員会及び文部科学省まで問い合わせて調べましたが、内倉祥一郎に関して4年前よりも前の勤務先に関するデータが全くありませんでした!」
スピーカーにして聞いていた鶴川は「おかしいっすね」と杉本に告げる。
「様々な問題が付き纏う気がしますね。もし以前のデータがあるならばどのようにして削除したのか、またその目的は何か。4年前からだとしてこれまでの21年という経歴は? 何故僕たちはそのことについて疑問にも思わなかったのか」
杉本は周りには誰もいないかのように1人で呟き始める。そしてその後に「ハッ」として話を始める。
「月島さん、どうもありがとう。ところで1つお聞きしたいのですが」
「何でしょう?」
「この1ヶ月間、DEEDの残党はある程度は調べがついているんですよね?」
「はい。課長の指示があったので」
「調べがついている面々の詳細、覚えていますか?」
「はい」
「流石です」
杉本は愛香の返答に対して満足そうに息をつき、感心して称賛する。
「確かその中に牧田 佑都という者がいましたね?」
「はい。私と同級生で3年前に第三地区高等学校を卒業し、第三地区大学に入学。最近退学したようでその時期にDEEDに所属したようです。ただし、彼の境遇は少し特殊です。彼は牧田貿易会社の一人息子。彼の財力を利用するためにDEEDの面々が近付き、薬を無理やり投入。その後、ご両親は脅迫を受けて秘密裏に資金援助をしていました。昨日ようやくこの事実を認めました」
「ビンゴです」
杉本の一言に対して愛香は少し驚いたリアクションをし、杉本は「すみません」と軽く謝罪する。
「月島さん、徳田さんが先ほどD–1、D–2を制圧した際に捕らえた者の中に牧田の名はありましたか?」
「いえ、花さんの報告の中に牧田の名前はありませんでした。恐らくは本部の中にいるのかと」
「あとはSHADOWが匿っている中にいるかのどちらかですね」
杉本はここで少し間を置いた後に愛香に花に連絡するように要求する。
「月島さん、徳田さんに至急連絡を。内倉は4年前に牧田の副担任を務め、翌年も生物の授業を担当しています。まだ確定ではないですがGOLEMの怒りに無関係ではないのかもしれせん」
「直ぐに花さんに連絡します」
「よろしくお願いします」
電話を切った後に鶴川の表情を見て説明を始める。
「横手はGOLEMが一般人の巻き込みで怒りを表明したと思っていたようですが、それは違うかもしれません。何かのタイミングで牧田がDEEDに利用されている瞬間を目の当たりにして怒りがこみ上げたのかも」
「これだけ教え子を大事にしていたようですからね」
「えぇ。教え子に対する愛情は深いものがあったのかもしれません」
杉本と鶴川は内倉の自宅を後にする。
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––––ピコン
花は突如としてD–2ビルの上階に現れたDEEDの面々を捕らえているところに愛香からメッセージが受信される。
「(牧田佑都……。まだそんな奴は捕まえてないわね)」
花は今しがた捕らえた3人の男たちの方を振り向いて端末に送られてきた牧田の写真を見せながら尋ねる。
「この男、牧田を知ってるわね? どこにいるか話しなさい。ちなみに素直に話した方が良いわよ?」
3人はそれを見た瞬間に一瞬眉毛が動いて反応したのを見逃さなかった花は若干の脅し文句を付け加える。3人のうちの1人が捕らえられた際に花から手刀を受けた首筋をさすりながら答える。
「牧田は最近入ってきた……てかうちのリーダーたちから無理やり入れられた新入りっす。無理やりヤクをやらせてそれを文句に両親を脅迫して金を支払わせてたっす」
花は情報に間違いがないことを確認し、「それでどこにいるの?」と重ねて尋ねる。
「牧田は上の階にいるはずっす。あいつはDEED再建のための貴重な資金源だって言ってSHADOWの影で匿われてたっすから。敢えて本部の部屋でなくここD–2の部屋に入れてました。俺たちはその警護の一部っす」
花は「なるほど」と呟いた後に"第六感"を上階の方へと向ける。
「(残りの人数は……この一個上の階に3人、あとは疎らにいるわね。残りは全部で11人。最初はパニックしていた様子の連中も少し落ち着いたところを見るに地位の高い者がいるようね)」
花は"第六感"で状況を把握した後にもう一度3人の方を見て尋ねる。
「今この状態でも指示を出している者がいるわね? そいつは誰? 許斐で間違いないかしら?」
3人の表情が少し強張る。
「今吐いといた方が良いわよ?」
花の凄んだサイクスに3人は少し震えた後にゆっくりと話し始める。
「えっと……、許斐さんで間違いないっす。許斐さんが牧田と一緒にいるはずです。それで俺たちはビルの様子を見て状況を把握するように指示されて1階ずつ降りて状況を見ている時にあんたに捕まったっす」
花は「どうも」と呟いた後に3人を気絶させて異不錠と手錠を装着してその場を離れる。
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––––ドゴッ!!!
瀧とGOLEMは互いの拳を顔面に喰らってそれぞれ端まで吹き飛ばされる。
「(建物自体が倒壊しかねん。徳田が上でまだ何かをしているようだから本気でぶつかるわけにはいかねーな。それに……)」
瀧はGOLEMの方を見て何かを考え込む。
「(こいつの本心が知りてぇ……!)」
2人はほぼ同時に立ち上がるとサイクスを纏って再び対峙する。
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