44 / 172
クラスマッチ編
第43話 - 怨念
しおりを挟む
「ちょっとJOKER、まだいるならちゃんと言ってよ。瑞希ちゃん連れて来る余裕あったじゃない」
体育館の屋根上に1人直立するJOKERが電話でJESTERと話す。
「いやぁ~ごめんごめん。もう1回戻って来て瑞希ちゃんを連れて行けば良いんじゃないの?」
「ん~そうしたいけど面倒な状況でしょ?」
JOKERが"弾性恋愛物語" を右腕から発動し、先に付いているフックを屋上に繋げそのままバネを伸ばしてぶら下がりながら体育館の窓から中の様子を覗く。
"大食漢"は首を失くした樋口兼の肉体に宿り、その肉体が立ち上がる。
「ククク……面倒かどうかは置いておいて面白いことにはなっているよ♪」
「ほらねぇ。でも"怨念"が見られるだなんてラッキーね」
「まぁ、最近は超能力者も増えてきたし、"怨念"の事例は多くなってきたけどねぇ」
「樋口くんの怨念って考えたらあの場でサイクスを持つ者を片っ端から喰っていくでしょ? 面倒よ」
「その通りだねぇ。彼の場合、超能力者への恨みが根幹にあるから超能力者のサイクスを奪おうと動くだろうねぇ。ボクらも例外じゃあない」
––––"怨念"
超能力者が深い恨みを持って死亡した場合、その怨念がサイクスに影響を与えて暴走する。残されたサイクスは超能力者の残された肉体を依り代としてその怨念を晴らす為に動き続ける。
「ね? ただ肉体を破壊するだけなら簡単だけどそれを止めるにはサイクスを使い果たさせるか、その目的を果たさせるかでしょ? 面倒よ」
「まぁね。瑞希ちゃん危ないかもね」
「……」
JESTERが電話の向こうで沈黙する。
「その為に残ったんでしょ?」
「まぁね。多分大丈夫だと思うけどねぇ」
「あぁ~でも私が守ってあげたかったわ」
「本当お気に入りになったねぇ」
電話の向こうでJESTERのリップ音が聞こえる。
「あんなに純粋で可愛い子だなんて聞いてなかったわよぉ」
「ククク……これから期待だねぇ。後は和人くん。彼も"覚醒"候補だねぇ」
「あの坊やも強くなるわね。私の瑞希ちゃんほどではないけど」
「JESTERあんまり瑞希ちゃんにちょっかい出すとあの子に怒られるよ?」
「ウフフ……今あの子は檻の中で無理でしょ? 面識も無いしね。それに私、人のもの欲しくなっちゃうの♡」
「キミも相当だよね」
JOKERの隣に黒い影。
そこには宙に浮くMOONが現れる。
「やぁMOON。調子はどうだい?」
MOONはジョーカーの問いかけには応じず体育館の中を黙って指差す。
そちらの方にJOKERは視線を移した。
#####
"大食漢"が動き始め、首のなくなった樋口の肉体に取り憑く。
「(これは"怨念"!)」
徳田が直ぐに状況を分析する。
「(樋口は超能力者に対して恨みがあったはず。奴の超能力を考えると無差別にサイクスを奪いに来るはず! 意識のない人たちや気を失っている瑞希が危ない!)」
花は直ぐに倒れている瑞希を横抱き、いわゆる"お姫様抱っこ"の形で抱きかかえてその場から離脱する。
「徳田! そのまま瑞希を連れて外へ行け!」
花は頷きそのまま体育館を出て外で待機する愛香と玲奈の元へと急ぐ。
「(土田と伊藤は超能力者じゃないから直接攻撃を受けることはない。俺がサイクスをなるべく多く放出してあれの気を引く。その間に和人と協力して攻略するか)」
瀧が和人の方を見ると和人は何も言わずに頷きレンズを使いつつ観察を始めた。
「土田、伊藤! 樋口の死体に向かって撃ち続けろ!」
土田と伊藤の2人が拳銃で銃弾を浴びせる。
"大食漢"がその銃弾から樋口の肉体を守る。
「!?」
伊藤と土田には銃弾が樋口の胴体に当たる直前で止まっているように見える。
「2人ともしゃがめ!!」
"大食漢"が止めていた銃弾を弾き返す。
「ッッッ!!!」
直前の瀧の号令により2人はしゃがんで躱しにかかったが伊藤の右肩を掠め、土田の左足に銃弾が当たる。
「土田さん、伊藤さん、大丈夫ですか!?」
和人が声をかける。
「大丈夫だ!」
直ぐに土田が答える。
瀧が強烈なサイクスを一気に放出する。その圧力は超能力者ではない伊藤と土田にも感じられる程に強力なものだった。
「す……凄い……!!」
「何だ、このプレッシャー!?!?」
和人、伊藤、土田は瀧の様子に驚愕する。
"大食漢"が滝へと向かう。
「来い!!!」
その時、"大食漢"は瀧を無視し、体育館の2階へと向かった。
「何!?」
窓から様子を見ていたJOKERも"大食漢"の予想外の動きに疑問を抱く。
「おや……?」
"大食漢"を纏った肉体は2階に横たわる樋口凛に向かって襲いかかる。
襲われるその瞬間、黒いサイクスが凛の身体を守護する。樋口兼の肉体はそのサイクスに吹き飛ばされ、体育館の反対側まで飛んでいく。
「クククククク……」
JOKERが笑い始める。
「MOONもしかして分かっていたのかい?」
MOONは黙って頷く。
「確かに樋口兼は超能力者に対して恨みを抱いていた。小野建設での扱いの差や超能力を利用した仕事の様子は非超能力者から見ると楽しているように見えるしねぇ。だけど……」
"大食漢"を纏った首無しの肉体が立ち上がる。
「その根幹には妹への恨みや劣等感があったわけだねぇ。あの子、兄に対して酷い扱いをしていたみたいだしね」
JOKERがMOONの方を向く。
「"月の染み"でのあの子の様子で察したんだね?」
「アァ」
「回数的にはあと何回?」
「アノ娘ハ俺ノ音ニ全テ、ツマリ7音触レテイル。JESTERノ力デ入レ替エテ負ッタ分ノダメージト今ノデ守護シタノハ2回目ダ」
「ってことはあと5回だねぇ」
"月の染み"内とは違う、MOONの機械音が響く。
JOKERは再び体育館に視線を戻した。
二階席に横たわる凛の目から一筋の涙が溢れた。
体育館の屋根上に1人直立するJOKERが電話でJESTERと話す。
「いやぁ~ごめんごめん。もう1回戻って来て瑞希ちゃんを連れて行けば良いんじゃないの?」
「ん~そうしたいけど面倒な状況でしょ?」
JOKERが"弾性恋愛物語" を右腕から発動し、先に付いているフックを屋上に繋げそのままバネを伸ばしてぶら下がりながら体育館の窓から中の様子を覗く。
"大食漢"は首を失くした樋口兼の肉体に宿り、その肉体が立ち上がる。
「ククク……面倒かどうかは置いておいて面白いことにはなっているよ♪」
「ほらねぇ。でも"怨念"が見られるだなんてラッキーね」
「まぁ、最近は超能力者も増えてきたし、"怨念"の事例は多くなってきたけどねぇ」
「樋口くんの怨念って考えたらあの場でサイクスを持つ者を片っ端から喰っていくでしょ? 面倒よ」
「その通りだねぇ。彼の場合、超能力者への恨みが根幹にあるから超能力者のサイクスを奪おうと動くだろうねぇ。ボクらも例外じゃあない」
––––"怨念"
超能力者が深い恨みを持って死亡した場合、その怨念がサイクスに影響を与えて暴走する。残されたサイクスは超能力者の残された肉体を依り代としてその怨念を晴らす為に動き続ける。
「ね? ただ肉体を破壊するだけなら簡単だけどそれを止めるにはサイクスを使い果たさせるか、その目的を果たさせるかでしょ? 面倒よ」
「まぁね。瑞希ちゃん危ないかもね」
「……」
JESTERが電話の向こうで沈黙する。
「その為に残ったんでしょ?」
「まぁね。多分大丈夫だと思うけどねぇ」
「あぁ~でも私が守ってあげたかったわ」
「本当お気に入りになったねぇ」
電話の向こうでJESTERのリップ音が聞こえる。
「あんなに純粋で可愛い子だなんて聞いてなかったわよぉ」
「ククク……これから期待だねぇ。後は和人くん。彼も"覚醒"候補だねぇ」
「あの坊やも強くなるわね。私の瑞希ちゃんほどではないけど」
「JESTERあんまり瑞希ちゃんにちょっかい出すとあの子に怒られるよ?」
「ウフフ……今あの子は檻の中で無理でしょ? 面識も無いしね。それに私、人のもの欲しくなっちゃうの♡」
「キミも相当だよね」
JOKERの隣に黒い影。
そこには宙に浮くMOONが現れる。
「やぁMOON。調子はどうだい?」
MOONはジョーカーの問いかけには応じず体育館の中を黙って指差す。
そちらの方にJOKERは視線を移した。
#####
"大食漢"が動き始め、首のなくなった樋口の肉体に取り憑く。
「(これは"怨念"!)」
徳田が直ぐに状況を分析する。
「(樋口は超能力者に対して恨みがあったはず。奴の超能力を考えると無差別にサイクスを奪いに来るはず! 意識のない人たちや気を失っている瑞希が危ない!)」
花は直ぐに倒れている瑞希を横抱き、いわゆる"お姫様抱っこ"の形で抱きかかえてその場から離脱する。
「徳田! そのまま瑞希を連れて外へ行け!」
花は頷きそのまま体育館を出て外で待機する愛香と玲奈の元へと急ぐ。
「(土田と伊藤は超能力者じゃないから直接攻撃を受けることはない。俺がサイクスをなるべく多く放出してあれの気を引く。その間に和人と協力して攻略するか)」
瀧が和人の方を見ると和人は何も言わずに頷きレンズを使いつつ観察を始めた。
「土田、伊藤! 樋口の死体に向かって撃ち続けろ!」
土田と伊藤の2人が拳銃で銃弾を浴びせる。
"大食漢"がその銃弾から樋口の肉体を守る。
「!?」
伊藤と土田には銃弾が樋口の胴体に当たる直前で止まっているように見える。
「2人ともしゃがめ!!」
"大食漢"が止めていた銃弾を弾き返す。
「ッッッ!!!」
直前の瀧の号令により2人はしゃがんで躱しにかかったが伊藤の右肩を掠め、土田の左足に銃弾が当たる。
「土田さん、伊藤さん、大丈夫ですか!?」
和人が声をかける。
「大丈夫だ!」
直ぐに土田が答える。
瀧が強烈なサイクスを一気に放出する。その圧力は超能力者ではない伊藤と土田にも感じられる程に強力なものだった。
「す……凄い……!!」
「何だ、このプレッシャー!?!?」
和人、伊藤、土田は瀧の様子に驚愕する。
"大食漢"が滝へと向かう。
「来い!!!」
その時、"大食漢"は瀧を無視し、体育館の2階へと向かった。
「何!?」
窓から様子を見ていたJOKERも"大食漢"の予想外の動きに疑問を抱く。
「おや……?」
"大食漢"を纏った肉体は2階に横たわる樋口凛に向かって襲いかかる。
襲われるその瞬間、黒いサイクスが凛の身体を守護する。樋口兼の肉体はそのサイクスに吹き飛ばされ、体育館の反対側まで飛んでいく。
「クククククク……」
JOKERが笑い始める。
「MOONもしかして分かっていたのかい?」
MOONは黙って頷く。
「確かに樋口兼は超能力者に対して恨みを抱いていた。小野建設での扱いの差や超能力を利用した仕事の様子は非超能力者から見ると楽しているように見えるしねぇ。だけど……」
"大食漢"を纏った首無しの肉体が立ち上がる。
「その根幹には妹への恨みや劣等感があったわけだねぇ。あの子、兄に対して酷い扱いをしていたみたいだしね」
JOKERがMOONの方を向く。
「"月の染み"でのあの子の様子で察したんだね?」
「アァ」
「回数的にはあと何回?」
「アノ娘ハ俺ノ音ニ全テ、ツマリ7音触レテイル。JESTERノ力デ入レ替エテ負ッタ分ノダメージト今ノデ守護シタノハ2回目ダ」
「ってことはあと5回だねぇ」
"月の染み"内とは違う、MOONの機械音が響く。
JOKERは再び体育館に視線を戻した。
二階席に横たわる凛の目から一筋の涙が溢れた。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。

【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。
BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。
辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん??
私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
完結【進】ご都合主義で生きてます。-通販サイトで異世界スローライフのはずが?!-
ジェルミ
ファンタジー
32歳でこの世を去った相川涼香は、異世界の女神ゼクシーにより転移を誘われる。
断ると今度生まれ変わる時は、虫やダニかもしれないと脅され転移を選んだ。
彼女は女神に不便を感じない様に通販サイトの能力と、しばらく暮らせるだけのお金が欲しい、と願った。
通販サイトなんて知らない女神は、知っている振りをして安易に了承する。そして授かったのは、町のスーパーレベルの能力だった。
お惣菜お安いですよ?いかがです?
物語はまったり、のんびりと進みます。
※本作はカクヨム様にも掲載しております。
【完結】ご都合主義で生きてます。-商売の力で世界を変える。カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく-
ジェルミ
ファンタジー
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。
その条件として女神に『面白楽しく生活でき、苦労をせずお金を稼いで生きていくスキルがほしい』と無理難題を言うのだった。
困った女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。
この味気ない世界を、創生魔法とカスタマイズ可能なストレージを使い、美味しくなる調味料や料理を作り世界を変えて行く。
はい、ご注文は?
調味料、それとも武器ですか?
カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく。
村を開拓し仲間を集め国を巻き込む産業を起こす。
いずれは世界へ通じる道を繋げるために。
※本作はカクヨム様にも掲載しております。
転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです
青の雀
ファンタジー
公爵令嬢ステファニー・エストロゲンは、学園の卒業パーティで第2王子のマリオットから突然、婚約破棄を告げられる
それも事実ではない男爵令嬢のリリアーヌ嬢を苛めたという冤罪を掛けられ、問答無用でマリオットから殴り飛ばされ意識を失ってしまう
そのショックで、ステファニーは前世社畜OL だった記憶を思い出し、日本料理を提供するファミリーレストランを開業することを思いつく
公爵令嬢として、持ち出せる宝石をなぜか物心ついたときには、すでに貯めていて、それを原資として開業するつもりでいる
この国では婚約破棄された令嬢は、キズモノとして扱われることから、なんとか自立しようと修道院回避のために幼いときから貯金していたみたいだった
足取り重く公爵邸に帰ったステファニーに待ち構えていたのが、父からの勘当宣告で……
エストロゲン家では、昔から異能をもって生まれてくるということを当然としている家柄で、異能を持たないステファニーは、前から肩身の狭い思いをしていた
修道院へ行くか、勘当を甘んじて受け入れるか、二者択一を迫られたステファニーは翌早朝にこっそり、家を出た
ステファニー自身は忘れているが、実は女神の化身で何代前の過去に人間との恋でいさかいがあり、無念が残っていたので、神界に帰らず、人間界の中で転生を繰り返すうちに、自分自身が女神であるということを忘れている
エストロゲン家の人々は、ステファニーの恩恵を受け異能を覚醒したということを知らない
ステファニーを追い出したことにより、次々に異能が消えていく……
4/20ようやく誤字チェックが完了しました
もしまだ、何かお気づきの点がありましたら、ご報告お待ち申し上げておりますm(_)m
いったん終了します
思いがけずに長くなってしまいましたので、各単元ごとはショートショートなのですが(笑)
平民女性に転生して、下剋上をするという話も面白いかなぁと
気が向いたら書きますね
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる