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死の女帝
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ランタンの明かりに照らされ、ぼこぼことした岩肌が浮かんでは消えていく。腫瘍だらけの産道じみた洞窟はうねり、のたくって、蜘蛛の巣状に入り組みながら闇の奥にいざなっていた。波打つ足元を黒ブーツで、とっ、とっ、と踏む大鎌少女の背に続く、こん棒を担いだラル、ランタンをかざすシーズァ、遅れまいとするノラ――
大鎌少女の名は、ジョエンタ――
プレイヤーに捨てられた、浮浪ドールだという。いい逃げ道がある、と言われ、半信半疑ながらラルたちはついてきたのだが、こんな地下迷宮とも言える洞窟に入っていくとは思わなかった。
地下鉄の連絡通路並みだったものが、地下街に至ったかのように開ける。真っ暗な天井を仰ぎ、すう、と息を吸いかけたラルは、何やら寒気のする臭いにしわを寄せた。
「うわっ!」
ノラが悲鳴に近い声を上げ、暗闇でかすかに反響する。どうしたのか、とランタンを向けたシーズァはぞっとした。ノラの足元には、人骨らしきものが散らばっていた。周りをよく照らしたところ、砕けた頭蓋骨、大腿骨や肋骨の一部らしきものがそちこちにある。驚いていると、大鎌を右肩に担いだジョエンタがこともなげに言う。
「この地下洞窟の一部は、地下墓地として使われていた。そういう設定ということね。だから、驚くようなことではありませんわ」
「はあ……」
シーズァは、ランタンでジョエンタを照らした。暗赤色の髪をハーフアップにし、黒のカチューシャで押さえた、ゴシック・ファッションのトップスにフレアパンツ――大鴉の頭部に似た刃の大鎌と合わせると、まさにサブカル系の死神少女といったところだ。年齢はノラとそう変わらないはずだが、ひどく冷めきった瞳のせいで大人びて見える。こうしたまなざしは、やはりプレイヤーのせいなのだろうか、とシーズァは見つめた。一方、ラルは別の興味を抱いていた。初めてという気がしない、以前にも覚えがある、そんな感じがするのだ。そのことを確かめたいのもあって、ここまでついてきたのだ。今までのところいくら凝視し、嗅いでもはっきりしないが、どうもそれはジョエンタの背後からのようだった。
「申し上げましたように、地下洞窟はあちこちにトラップが仕掛けられています」
ハーフアップを揺らし、ジョエンタが闇の奥を向く。
「うっかり命を落とさないよう、ジョエンタについてきてください」
「どこに連れていくつもりなんだ」
ランタンが、ゴシック・ファッションの後ろ姿を照らす。
「どんどん地下に潜っていくみたいじゃないか。ぼくたちは、サンクチュアリに行くんだぞ」
「もうじきです」
振り返らずにそっけなく答え、大鎌が暗闇を進んでいく。トラップのある、地雷原のようなところを今さら引き返すことはできない。ラルたちは、仕方なく後に続いた。もうじき、だそうだが、すでにかなり歩いている。ウェラー、アラリーで消耗しているにもかかわらず、ここまでろくに休んではいない。メガギガドリンクも飲んだが、それだけでは足りなかった。
そろそろ、ログアウトしたいな……――
リアルの時刻を確認し、シーズァは口の中でぼやいた。明日はまた仕事、差し支えるようなことは避けたい。ノラは黙っているが、その歩みは疲れで重たげである。それらの先に立って、ラルはこん棒を担ぎ直し、ふんっ、と足を前に出した。この奥に何かがある。自分を呼ぶものがいる。そうした感覚に引き寄せられていた。
黙々と、なるべく骨を踏まないようにしばらく歩く。と、前方にぽつんと光が見えた。
「あそこです」
ちら、とジョエンタが振り返る。ようやく見えたゴールにラルは前のめりになった。ノラとシーズァも、もう少しだ、と疲れを押す。ジョエンタはぐんぐん足を速め、行く手の光と一つになっていく。そして――
足を踏み入れ、ラルは、うがあっ、とのけぞった。一足遅れて、ノラ、シーズァも仰天する。ここまでが産道だとすれば、子宮といったところだろうか。足元はもとより、左右、頭上も乳白色の泡のような、広大な大空洞にはアンデッドがひしめいていた。むせそうなほど腐敗臭が立ち込め、むき出しの関節が耳を聾するほどきしんで、おどろおどろしい怨霊が蚊柱のごとく飛んでいる。ゾンビ、スケルトン、ゴースト――ざっと見たところ、数千体はいるだろうか。ぐるる、とラルがこん棒を振り上げ、ノラとシーズァが身構えたところ、くちばし形の刃がそれを制す。
「心配ありません。どうぞ、こちらへ」
ジョエンタが進んでいく。すると、湖が割れるようにゾンビ、スケルトンが道を空ける。頭上を覆うゴーストもおとなしく見下ろしている。ためらっていたシーズァは、行きましょう、とノラに促された。
「どうにかするつもりなら、とっくにやられています」
「そ、そうだな……」
すでにラルはこん棒を下ろし、しかし柄をしっかり握って続いている。こんなところに取り残されたくない、とふたりは早足になった。ぼこぼこの地面が、やがてなめらかになっていく。前方では光がそびえていて、近付くと崩れかけの神殿らしきものと分かった。この建造物が、大空洞内を月明かりのように照らしているのである。ジョエンタの後からところどころひび割れ、欠けた階段を上がって、石柱の間を通ると薄暗く、冷え冷えとしていた。
「あっ」
と、ノラ。正面奥、一段高くなったところで誰かが椅子に座し、その左右でかがり火が焚かれている。そして、揺れる炎で赤くぎらつく大鎌、ゴシック・ファッションが向かい合って、さながら王の御前のように並ぶ。それら十数名、顔形、背丈は違えども、いずれもジョエンタと同じ雰囲気だった。
似た臭いがする、とラルは鼻をひくつかせた。生きてはいる。生きてはいるのだが、アンデッドと似た臭いが感じられた。ジョエンタと同じく――
「ネクロマンサー部隊です」
振り返って、ジョエンタが紹介する。ネクロマンサーとは、アンデッドを作り出す魔術師のことである。
「そして、ここにいる全員が、プレイヤーに捨てられたドールです」
ああ、とシーズァが嘆息を漏らす。捨てられたドールは、糧を得るために単身モンスターと戦うか、それだけの力がなければ、物乞い、あるいは身を売るしかない。それでもどうにもならず、野垂れ死にする者も少なくないという。そうした話をガイトから聞かされてきたノラは、ふうっ、と目の前が暗くなった。めまいに襲われ、そのままさらわれそうになる。ひょっとしたら、自分もそうなっていたかもしれない。こうして大鎌を手にしていたかもしれない。そうしたことが渦巻いて、また吐き気がこみ上げてきた。
ぶいっ――
鳴き声で、一重まぶたが上がる。素朴な瞳が、大丈夫か、とのぞき込んでいた。ノラはその、ラルのまなざしを見つめた。にらみ合ったことはあったが、こんなふうに見つめられ、見つめたことはなかった。
「……あ、ありがとう」
ふっ、と鼻を鳴らし、ラルの視線が前を向く。ジョエンタの後から一歩一歩、大鎌の間を進んでいくと、かがり火を左右に座っている姿が見えてくる。ウィンプルというヴェールをかぶった、黒いワンピースにブーツという、修道服っぽいゴシック・ファッションで、神官や巫女をほうふつとさせる。その傍らには手まりくらいの、青い火の玉が浮かんでいて、それに照らされた顔は――
大鎌少女の名は、ジョエンタ――
プレイヤーに捨てられた、浮浪ドールだという。いい逃げ道がある、と言われ、半信半疑ながらラルたちはついてきたのだが、こんな地下迷宮とも言える洞窟に入っていくとは思わなかった。
地下鉄の連絡通路並みだったものが、地下街に至ったかのように開ける。真っ暗な天井を仰ぎ、すう、と息を吸いかけたラルは、何やら寒気のする臭いにしわを寄せた。
「うわっ!」
ノラが悲鳴に近い声を上げ、暗闇でかすかに反響する。どうしたのか、とランタンを向けたシーズァはぞっとした。ノラの足元には、人骨らしきものが散らばっていた。周りをよく照らしたところ、砕けた頭蓋骨、大腿骨や肋骨の一部らしきものがそちこちにある。驚いていると、大鎌を右肩に担いだジョエンタがこともなげに言う。
「この地下洞窟の一部は、地下墓地として使われていた。そういう設定ということね。だから、驚くようなことではありませんわ」
「はあ……」
シーズァは、ランタンでジョエンタを照らした。暗赤色の髪をハーフアップにし、黒のカチューシャで押さえた、ゴシック・ファッションのトップスにフレアパンツ――大鴉の頭部に似た刃の大鎌と合わせると、まさにサブカル系の死神少女といったところだ。年齢はノラとそう変わらないはずだが、ひどく冷めきった瞳のせいで大人びて見える。こうしたまなざしは、やはりプレイヤーのせいなのだろうか、とシーズァは見つめた。一方、ラルは別の興味を抱いていた。初めてという気がしない、以前にも覚えがある、そんな感じがするのだ。そのことを確かめたいのもあって、ここまでついてきたのだ。今までのところいくら凝視し、嗅いでもはっきりしないが、どうもそれはジョエンタの背後からのようだった。
「申し上げましたように、地下洞窟はあちこちにトラップが仕掛けられています」
ハーフアップを揺らし、ジョエンタが闇の奥を向く。
「うっかり命を落とさないよう、ジョエンタについてきてください」
「どこに連れていくつもりなんだ」
ランタンが、ゴシック・ファッションの後ろ姿を照らす。
「どんどん地下に潜っていくみたいじゃないか。ぼくたちは、サンクチュアリに行くんだぞ」
「もうじきです」
振り返らずにそっけなく答え、大鎌が暗闇を進んでいく。トラップのある、地雷原のようなところを今さら引き返すことはできない。ラルたちは、仕方なく後に続いた。もうじき、だそうだが、すでにかなり歩いている。ウェラー、アラリーで消耗しているにもかかわらず、ここまでろくに休んではいない。メガギガドリンクも飲んだが、それだけでは足りなかった。
そろそろ、ログアウトしたいな……――
リアルの時刻を確認し、シーズァは口の中でぼやいた。明日はまた仕事、差し支えるようなことは避けたい。ノラは黙っているが、その歩みは疲れで重たげである。それらの先に立って、ラルはこん棒を担ぎ直し、ふんっ、と足を前に出した。この奥に何かがある。自分を呼ぶものがいる。そうした感覚に引き寄せられていた。
黙々と、なるべく骨を踏まないようにしばらく歩く。と、前方にぽつんと光が見えた。
「あそこです」
ちら、とジョエンタが振り返る。ようやく見えたゴールにラルは前のめりになった。ノラとシーズァも、もう少しだ、と疲れを押す。ジョエンタはぐんぐん足を速め、行く手の光と一つになっていく。そして――
足を踏み入れ、ラルは、うがあっ、とのけぞった。一足遅れて、ノラ、シーズァも仰天する。ここまでが産道だとすれば、子宮といったところだろうか。足元はもとより、左右、頭上も乳白色の泡のような、広大な大空洞にはアンデッドがひしめいていた。むせそうなほど腐敗臭が立ち込め、むき出しの関節が耳を聾するほどきしんで、おどろおどろしい怨霊が蚊柱のごとく飛んでいる。ゾンビ、スケルトン、ゴースト――ざっと見たところ、数千体はいるだろうか。ぐるる、とラルがこん棒を振り上げ、ノラとシーズァが身構えたところ、くちばし形の刃がそれを制す。
「心配ありません。どうぞ、こちらへ」
ジョエンタが進んでいく。すると、湖が割れるようにゾンビ、スケルトンが道を空ける。頭上を覆うゴーストもおとなしく見下ろしている。ためらっていたシーズァは、行きましょう、とノラに促された。
「どうにかするつもりなら、とっくにやられています」
「そ、そうだな……」
すでにラルはこん棒を下ろし、しかし柄をしっかり握って続いている。こんなところに取り残されたくない、とふたりは早足になった。ぼこぼこの地面が、やがてなめらかになっていく。前方では光がそびえていて、近付くと崩れかけの神殿らしきものと分かった。この建造物が、大空洞内を月明かりのように照らしているのである。ジョエンタの後からところどころひび割れ、欠けた階段を上がって、石柱の間を通ると薄暗く、冷え冷えとしていた。
「あっ」
と、ノラ。正面奥、一段高くなったところで誰かが椅子に座し、その左右でかがり火が焚かれている。そして、揺れる炎で赤くぎらつく大鎌、ゴシック・ファッションが向かい合って、さながら王の御前のように並ぶ。それら十数名、顔形、背丈は違えども、いずれもジョエンタと同じ雰囲気だった。
似た臭いがする、とラルは鼻をひくつかせた。生きてはいる。生きてはいるのだが、アンデッドと似た臭いが感じられた。ジョエンタと同じく――
「ネクロマンサー部隊です」
振り返って、ジョエンタが紹介する。ネクロマンサーとは、アンデッドを作り出す魔術師のことである。
「そして、ここにいる全員が、プレイヤーに捨てられたドールです」
ああ、とシーズァが嘆息を漏らす。捨てられたドールは、糧を得るために単身モンスターと戦うか、それだけの力がなければ、物乞い、あるいは身を売るしかない。それでもどうにもならず、野垂れ死にする者も少なくないという。そうした話をガイトから聞かされてきたノラは、ふうっ、と目の前が暗くなった。めまいに襲われ、そのままさらわれそうになる。ひょっとしたら、自分もそうなっていたかもしれない。こうして大鎌を手にしていたかもしれない。そうしたことが渦巻いて、また吐き気がこみ上げてきた。
ぶいっ――
鳴き声で、一重まぶたが上がる。素朴な瞳が、大丈夫か、とのぞき込んでいた。ノラはその、ラルのまなざしを見つめた。にらみ合ったことはあったが、こんなふうに見つめられ、見つめたことはなかった。
「……あ、ありがとう」
ふっ、と鼻を鳴らし、ラルの視線が前を向く。ジョエンタの後から一歩一歩、大鎌の間を進んでいくと、かがり火を左右に座っている姿が見えてくる。ウィンプルというヴェールをかぶった、黒いワンピースにブーツという、修道服っぽいゴシック・ファッションで、神官や巫女をほうふつとさせる。その傍らには手まりくらいの、青い火の玉が浮かんでいて、それに照らされた顔は――
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