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慈悲深い殺意
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「聞き込みができる雰囲気じゃないな」
シーズァがノラにささやく。
「このところPVPが増えている、ってのも分かるよ。どんどん雰囲気が悪くなっていくな、この世界」
町娘姿でうなずくノラには、これまでのことが思い浮かんだ。初めてモンスターと対峙したときは、恐ろしさのあまり震えていた。傷付けられることはもちろん、傷付けることも恐ろしかった。それが場数を踏むたびに麻痺していったのだ。それが、ラルと出会って……しかし今でも、戦ううちにためらいが薄れていく。それはとりわけアンデッド、心も感情も、痛みの感覚さえない対象のときに顕著だった。相手は生きていない、動く物体だから容赦なく攻撃してもいい、そうしたときに助長されてしまう。自分だけではない。シーズァにも同じ傾向がある。激しやすい性格からいっそう強く、影響は戦闘が終わった後もしばらく残って、近寄りづらい、話しかけづらい、と感じさせるのだった。やがて薄れてはいくのだが、見えないながら少しずつたまっていって、また何かあったとき、たとえば真緋呂とのいざこざのようなときに爆発するのではないか。ノラは恐ろしくなって、シーズァの顔をまじまじと見つめた。
「……ぼくの顔、何か付いてる?」
「あ、い、いいえ……傷付け合うようなこと、ない方がいいですね」
「気をつけるよ。かっとなりやすいからな、ぼくは……」
黒髪ウィッグをなでつけ、シーズァは苦笑いした。そして、じっとノラを、湿っぽいまなざしで見つめた。
「……どうかしましたか?」
「……落ち着いたら、ノラもちゃんと治療とか受けよう。それがいいと思うんだ」
「わたし、ですか……」
「うん。その、いろいろあったんだろ、あいつと……」
「……」
「何か、いい方法を考えるよ。とりあえず、今はラルを捜そう」
シーズァは周りを警戒し、あらためてコミュニティの投稿を確かめた。
「そのオーク、ラルは、青果店の店先から奪っていったそうだ。逃げる途中でほとんど落としてしまったそうだけど」
人通りが減った、気の抜けた昼下がりの出来事だそうだ。ふたりは市場通りに移動した。店先に色形様々な野菜、果物が並べられ、パンやファストフードの香ばしいにおいが漂って、NPC店員が愛想よく呼び込みをしている。ちょうど昼時、大衆食堂の扉も開け放たれ、ちらとのぞいた中は満席だった。あちこちに目をやりながら、ふたりは通りの端まで歩いた。
「どこかに隠れているのでしょうか。先に進んだのかも……」
「満足に食べてないからな。ここには食べ物がある。だから、また姿を見せると思うんだ」
シーズァは、その可能性に賭けていた。武具店を一瞥して、ぐるっとスタート地点、市場通りの入り口に戻る。携帯食をかじり、水分補給をしながらしばらく時間を潰す。プレイヤーたちがあれこれと買い物し、大衆食堂に入っては出ていく。賭けに勝ったの、勝負に負けたの、というやり取りもときどき聞こえ、祝い酒なのか、やけ酒なのか、真っ昼間から千鳥足も見かけた。ピークを過ぎ、徐々に人通りが減ってきたところで、ふたりはまた同じルートをゆっくりなぞり始めた。のろのろ歩いて、数百メートルほどの通りを抜けたら、回れ右して入り口に戻っていく。入り口に戻ったら、また回れ右……ぱっとしないふたり連れを気に留めるプレイヤーはおらず、NPC店員も初めこそ声をかけたが、それ以上しつこくすることはなかった。
何度も行ったり来たりするうち、人通りはまばらになった。NPC店員も引っ込んでしまい、市場通りがうつらうつらする。狙うなら今だろう。ふたりは店頭、その周辺にも目を配ったが、それらしい影は一向に見えなかった。
現れないのではないか――
そんな考えがよぎったときだった。叫び声がして、ふたりは振り返った。小柄な影が視界をよぎって、パン屋からエプロン姿の店員が飛び出してくる。泥棒だ、と叫んでいて、居合わせたプレイヤーが驚きの声を上げる。その中の数名が、カメラドローンとともに走り出した。コミュニティで話題のオークだろう、ぜひともカメラに収めよう、そんな考えに違いない。ノラとシーズァは息をはずませた。
すばしっこい影は薄暗い路地に飛び込み、曲がり損ねたカメラドローンが、がっ、と角にぶつかった。追跡者のブーツが落ちた丸パンを踏み、蹴飛ばしていく。入り組んだ裏路地で見失って、あっち、こっちと走り回るうち、ぶつかったの、ぶつかってないの、邪魔だの、といさかいが起きる。そうした騒ぎを避け、ふたりは北の方に走った。どのように逃げるにせよ、いずれはそっち、サンクチュアリの方角に向かうだろう、という読みだった。はたして石畳が途切れ、むき出しの地面から草ぼうぼうになっていく。そのただ中に、毛むくじゃらの後ろ姿――
「ラルっ!」
声の限りに叫び、黒髪ウィッグを外してシーズァは追いかけた。ノラもサバイバルベスト、迷彩服姿で走る。息を切らしながら、懸命にひた走っていく。
「ラルぅッッ――!」
声をかすれさせ、あえぐシーズァは、つんのめりながら立ち止まった。ラルがいた。得物のこん棒を下げ、もう片方の手で丸パンをいくつか抱えている。ノラが追い付き、はあ、はあ、と膝に手をつく前で、ラルは口にくわえていた丸パンを頬張り、もぐもぐした。
「……よかった」
はあっ、と大きく息をつき、シーズァの目が潤む。
「捜したんだぞ。ごめんな、ひとりにしてしまって……本当にごめん……」
「あの……」
ノラがラルに近付いて、今にも泣き出しそうになる。
「ごめんなさい……わたしが、もっとしっかりしていたら……えっ?」
丸パンを突き出され、ノラは目をぱちくりさせた。こん棒を脇に挟んで、ラルが無愛想に、ぶいっ、と鼻を鳴らす。
「……わたしに、くれるの?」
「そういえば、軽くしか食べていないからな」
と、口にするシーズァにも丸パンが突き出される。ひとりであの空の輝きを目指そう、そう決めてここまで来たのだが、食料の調達一つ取ってもやはり厳しい。だからといって、また一緒にやりたいと思っていたわけでもないが、しかしこうして再会して、こういう涙のにおいをさせられるとまいってしまう。ようやく得た食べ物を分けてやろうか、という気にさせられるのだ。
とりあえず近くの木立で腰を下ろし、それぞれは丸パンをかじり、道具袋からのドリンクボトルで喉を潤した。
「……後で、パン屋に支払わなきゃだな。他にも盗ったんだっけ?」
見つめられたところで、ラルには分からなかった。シーズァは苦笑して、草のしとねで仰向けになった。腹が減って、美味しそうなにおいがした。だから取った。それだけなのだろう。枝葉の間には朱が混じって、いつの間にか暮れつつあった。
「そろそろ、ログアウトしないとな」
そうつぶやき、シーズァはむっくりと起き上がった。立ち上がると、ノラ、ラルも腰を上げる。もう少し人目につかないところに移動しよう、とシーズァが促す。木立の奥は緩やかに盛り上がって、怪物が寝そべっているような山並みになっていた。
「グレイスも出してあげたいし、ゆっくり休めるところを――」
どっ、と鋭い衝撃にのけぞって、シーズァは倒れ込んだ。矢が、黒い羽根、赤いシャフトの矢が、右肩甲骨辺りに突き刺さっていた。ばっ、とラルは木陰に飛び込み、ノラがシーズァの上に覆いかぶさる。
シーズァがノラにささやく。
「このところPVPが増えている、ってのも分かるよ。どんどん雰囲気が悪くなっていくな、この世界」
町娘姿でうなずくノラには、これまでのことが思い浮かんだ。初めてモンスターと対峙したときは、恐ろしさのあまり震えていた。傷付けられることはもちろん、傷付けることも恐ろしかった。それが場数を踏むたびに麻痺していったのだ。それが、ラルと出会って……しかし今でも、戦ううちにためらいが薄れていく。それはとりわけアンデッド、心も感情も、痛みの感覚さえない対象のときに顕著だった。相手は生きていない、動く物体だから容赦なく攻撃してもいい、そうしたときに助長されてしまう。自分だけではない。シーズァにも同じ傾向がある。激しやすい性格からいっそう強く、影響は戦闘が終わった後もしばらく残って、近寄りづらい、話しかけづらい、と感じさせるのだった。やがて薄れてはいくのだが、見えないながら少しずつたまっていって、また何かあったとき、たとえば真緋呂とのいざこざのようなときに爆発するのではないか。ノラは恐ろしくなって、シーズァの顔をまじまじと見つめた。
「……ぼくの顔、何か付いてる?」
「あ、い、いいえ……傷付け合うようなこと、ない方がいいですね」
「気をつけるよ。かっとなりやすいからな、ぼくは……」
黒髪ウィッグをなでつけ、シーズァは苦笑いした。そして、じっとノラを、湿っぽいまなざしで見つめた。
「……どうかしましたか?」
「……落ち着いたら、ノラもちゃんと治療とか受けよう。それがいいと思うんだ」
「わたし、ですか……」
「うん。その、いろいろあったんだろ、あいつと……」
「……」
「何か、いい方法を考えるよ。とりあえず、今はラルを捜そう」
シーズァは周りを警戒し、あらためてコミュニティの投稿を確かめた。
「そのオーク、ラルは、青果店の店先から奪っていったそうだ。逃げる途中でほとんど落としてしまったそうだけど」
人通りが減った、気の抜けた昼下がりの出来事だそうだ。ふたりは市場通りに移動した。店先に色形様々な野菜、果物が並べられ、パンやファストフードの香ばしいにおいが漂って、NPC店員が愛想よく呼び込みをしている。ちょうど昼時、大衆食堂の扉も開け放たれ、ちらとのぞいた中は満席だった。あちこちに目をやりながら、ふたりは通りの端まで歩いた。
「どこかに隠れているのでしょうか。先に進んだのかも……」
「満足に食べてないからな。ここには食べ物がある。だから、また姿を見せると思うんだ」
シーズァは、その可能性に賭けていた。武具店を一瞥して、ぐるっとスタート地点、市場通りの入り口に戻る。携帯食をかじり、水分補給をしながらしばらく時間を潰す。プレイヤーたちがあれこれと買い物し、大衆食堂に入っては出ていく。賭けに勝ったの、勝負に負けたの、というやり取りもときどき聞こえ、祝い酒なのか、やけ酒なのか、真っ昼間から千鳥足も見かけた。ピークを過ぎ、徐々に人通りが減ってきたところで、ふたりはまた同じルートをゆっくりなぞり始めた。のろのろ歩いて、数百メートルほどの通りを抜けたら、回れ右して入り口に戻っていく。入り口に戻ったら、また回れ右……ぱっとしないふたり連れを気に留めるプレイヤーはおらず、NPC店員も初めこそ声をかけたが、それ以上しつこくすることはなかった。
何度も行ったり来たりするうち、人通りはまばらになった。NPC店員も引っ込んでしまい、市場通りがうつらうつらする。狙うなら今だろう。ふたりは店頭、その周辺にも目を配ったが、それらしい影は一向に見えなかった。
現れないのではないか――
そんな考えがよぎったときだった。叫び声がして、ふたりは振り返った。小柄な影が視界をよぎって、パン屋からエプロン姿の店員が飛び出してくる。泥棒だ、と叫んでいて、居合わせたプレイヤーが驚きの声を上げる。その中の数名が、カメラドローンとともに走り出した。コミュニティで話題のオークだろう、ぜひともカメラに収めよう、そんな考えに違いない。ノラとシーズァは息をはずませた。
すばしっこい影は薄暗い路地に飛び込み、曲がり損ねたカメラドローンが、がっ、と角にぶつかった。追跡者のブーツが落ちた丸パンを踏み、蹴飛ばしていく。入り組んだ裏路地で見失って、あっち、こっちと走り回るうち、ぶつかったの、ぶつかってないの、邪魔だの、といさかいが起きる。そうした騒ぎを避け、ふたりは北の方に走った。どのように逃げるにせよ、いずれはそっち、サンクチュアリの方角に向かうだろう、という読みだった。はたして石畳が途切れ、むき出しの地面から草ぼうぼうになっていく。そのただ中に、毛むくじゃらの後ろ姿――
「ラルっ!」
声の限りに叫び、黒髪ウィッグを外してシーズァは追いかけた。ノラもサバイバルベスト、迷彩服姿で走る。息を切らしながら、懸命にひた走っていく。
「ラルぅッッ――!」
声をかすれさせ、あえぐシーズァは、つんのめりながら立ち止まった。ラルがいた。得物のこん棒を下げ、もう片方の手で丸パンをいくつか抱えている。ノラが追い付き、はあ、はあ、と膝に手をつく前で、ラルは口にくわえていた丸パンを頬張り、もぐもぐした。
「……よかった」
はあっ、と大きく息をつき、シーズァの目が潤む。
「捜したんだぞ。ごめんな、ひとりにしてしまって……本当にごめん……」
「あの……」
ノラがラルに近付いて、今にも泣き出しそうになる。
「ごめんなさい……わたしが、もっとしっかりしていたら……えっ?」
丸パンを突き出され、ノラは目をぱちくりさせた。こん棒を脇に挟んで、ラルが無愛想に、ぶいっ、と鼻を鳴らす。
「……わたしに、くれるの?」
「そういえば、軽くしか食べていないからな」
と、口にするシーズァにも丸パンが突き出される。ひとりであの空の輝きを目指そう、そう決めてここまで来たのだが、食料の調達一つ取ってもやはり厳しい。だからといって、また一緒にやりたいと思っていたわけでもないが、しかしこうして再会して、こういう涙のにおいをさせられるとまいってしまう。ようやく得た食べ物を分けてやろうか、という気にさせられるのだ。
とりあえず近くの木立で腰を下ろし、それぞれは丸パンをかじり、道具袋からのドリンクボトルで喉を潤した。
「……後で、パン屋に支払わなきゃだな。他にも盗ったんだっけ?」
見つめられたところで、ラルには分からなかった。シーズァは苦笑して、草のしとねで仰向けになった。腹が減って、美味しそうなにおいがした。だから取った。それだけなのだろう。枝葉の間には朱が混じって、いつの間にか暮れつつあった。
「そろそろ、ログアウトしないとな」
そうつぶやき、シーズァはむっくりと起き上がった。立ち上がると、ノラ、ラルも腰を上げる。もう少し人目につかないところに移動しよう、とシーズァが促す。木立の奥は緩やかに盛り上がって、怪物が寝そべっているような山並みになっていた。
「グレイスも出してあげたいし、ゆっくり休めるところを――」
どっ、と鋭い衝撃にのけぞって、シーズァは倒れ込んだ。矢が、黒い羽根、赤いシャフトの矢が、右肩甲骨辺りに突き刺さっていた。ばっ、とラルは木陰に飛び込み、ノラがシーズァの上に覆いかぶさる。
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