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フレモン
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「はぁ、はぁ、はぁ……ファッキン……!」
ようやくジュエルが追い付き、膝に手をついてあえぐ。
「汗だくで全力疾走なんて、美少女のすることじゃないっての……もうちょっと考えてアクションしてもらいたいわ」
そして、七色のゆるふわパーマを振り、はあ、と大きく息をつく。カメラドローンのフレーム内では、倒れた者たちがうめき、キメラは憑かれたように頭を揺らしていた。
「……そのロッドで……」
ぐ、ぐ、と起き上がりながら、シーズァがジュエルを上目遣いににらむ。鋼の胸当てはひび割れ、樹皮の上衣とズボン、グローブもところどころ裂け、土まじりの血で汚れていた。
「電気ショックを与えているのか……」
「そうよ。そいつのマイクロチップには、そういう機能が付いているの」
こともなげにジュエルは言い、ロッドで自身の左手の平をぽんぽん叩いた。すべてのフレモンには、所有者を証明するマイクロチップが挿入されている。その中には、こうした機能付きのものもあるのだ。
「自分のフレモンだろ……かわいそうだと思わないのか……」
「あんたって」
ジュエルは苦笑し、小首を傾げた。
「つくづく面白い人ね。虐待とか見たら、顔を真っ赤にしちゃうタイプ?」
全身を引きつらせ、キメラが絶叫する。とどろくそれが消えかけたところで、またショック――カメラの前で繰り返されるたび、頭部の揺れはひどくなっていくようだった。
「この野郎っ!――ぐわっ!」
ようやく立ち上がったシーズァが鼻で打たれ、赤茶けた土にまみれる。
「野郎って、ずいぶんな言い草ね。アタシは女よ。正真正銘の美少女なの! 失礼しちゃうわ! ね、みんな!」
にゅっと巨乳を腕で挟み、カメラに向かって強調すると、わっとコメント欄が盛り上がる。地面でうめくシーズァ、倒れたままのノラ……ロッドに従って、キメラはよろけながら立つラルに狙いをさだめた。
「ちょこまかできないようにしなさい。そしたら、カプセルをぶつけて捕獲してやるわ」
ぶおっ、と伸びる鼻――ふらつきながら、ラルはそれをどうにかかわした。こん棒を両手で握り、地面を踏みしめて巨大な脅威をにらみつける。小さな牙の間からの、精一杯のうなり声……ぱら、ぱら、と小雨がぱらついて、焦げ茶色の体毛を濡らす。
ずんっ、と踏み込み、大蛇さながらの鼻が襲いかかって――こん棒もろとも吹っ飛び、ずざあっ、とラルは倒れた。こん棒で迎え撃つどころではない。まさに巨獣と小動物、パワーの差は歴然としていた。うめきながら立ち上がって、そのたびに鼻でぶたれる獲物を映し、真っ暗な瞳が頭部とともに揺れ続ける。
「もたもたしないでよ」
左手で赤い傘を差し、ジュエルがいらつく。
「視聴者が退屈しちゃうでしょ。殺さなければいいんだからさ! ほらっ!」
ショックで爆ぜ、反った牙が突進――体当たりで大岩がひび割れ、震動で空気が震える。間一髪でラルは衝突を免れていた。
「ちっ、スピードを蔑ろにしすぎたわね。ほれっ!」
ロッドを振られ、のけぞる巨体――頭突きで大岩が砕け、がらがらと崩れてしまう。のっそりと向きを変え、たゆたう黒目は対峙した。生き延びようとあがく、熾火のようなまなざしと……――
「もたもたするなって言ってるでしょ!」
またしても怪物が激しくけいれんする。こわばり、ぶるぶると震えるたてがみ、厚い皮膚から雨のしずくがいくつも滴っていく。こん棒を突き出し、腹の底からラルはうなった。懸命に、迫り来るものを退けようとうなった。その姿に、キメラの鼻がためらいがちに伸びて……――
「早くしなさいよっ!」
連続してショックが与えられ、巨体は内部で何度も爆発するかのような、見るに堪えない有り様をさらした。そしてそのたび、雨のしずくが辺りに飛び散った。
「……い、いい加減にしろっ!――」
前のめりに立ち上がって、シーズァがよろめきながら駆け出す。その手にはレイピア、切っ先が向かうのはジュエル――キメラはラルに迫っていたので、そちらはがら空きになっていた。
「も、戻れっ!」
白い顔が青くなり、慌ててロッドを振る。モンスターを身代わりにする輩は、概して自身の鍛錬を怠りがちである。上空のグリムクロウはいわば偵察用ドローン、コレクションから追加投入すればよかったのだが、思いがけないことで気が動転してしまったのだ。ぐらぐらと巨体が揺れ、向きを変えて走り出す。ど、ど、ど、と上がる土煙、地響きがシーズァを猛烈に追い上げ、紫の後ろ髪を乱していく。
追い付かれる――
ジュエルを討つ前に踏み潰されてしまう――シーズァは、ばっ、と横に転がった。ほっとしたジュエルは、そのまま突っ込んでくる巨体に目をむいた。
「と、止まれ! 止まれぇっ!」
立て続けにショックを加えたが、それは止まらなかった。ショックの与え過ぎか、それとも――ボンテージ姿の白人美少女は絶叫ごとひしゃげ、特大ハンマーヘッド状のひづめでぐちゃぐちゃに踏み潰された。骨のゆがんだ赤い傘が宙を舞う。ほとんど即死だったろう。暴走が大岩に激突し、深い亀裂を残すその後ろでアバターだったものが塵に変わっていく。自己の鍛錬もそうだが、見た目やファッションばかり気にして装備の防御力を考えなかった。そうしたことが致命的だったのだ。
「……ノラ……ノラ、しっかりしろ」
シーズァは倒れた姿に駆け寄って、銀の瓶から光る水をかけた。さらにもう1本追加する。回復アイテムの癒やし水――銅の瓶、銀の瓶、金の瓶というランクの真ん中で、そこそこの効果がある。サバイバルベスト、迷彩服から裂け目、血の染みが消え、か細かった呼吸がしっかりとしてくる。ようやくノラはまぶたを上げ、疲れきったように体を起こした。癒やし水は装備のダメージや外傷を元通りにするだけ。疲労回復効果はない。
「……シーズァ様、その傷……」
ひび割れた胸当て、衣服の裂け目や血の染みを目にして、ノラはドールの務めとしてヒーリをかけた。回復魔法でシーズァからダメージが消えていく。
「ありがとう。ラルにも頼むよ」
こん棒を握り締めたまま、全身傷だらけでラルは立っていた。まだ興奮冷めやらないようだった。ノラが近付くと、むっと汗の臭いがする。黙ってヒーリをかけ、傷は跡形もなくなった。
そしてノラは戻って――
「あのプレイヤー、どうなったのですか?」
と、シーズァに尋ねた。
「この世界からいなくなったんだ。アバターだけじゃなく、アカウントも消えて、これまでの課金なども無になる。あいつ、かなりつぎ込んでいたみたいだから、いい気味だな」
「……あの子は、どうなりますか?」
「あの子?」
シーズァはノラの視線をたどって、半ば砕けた大岩の前、小山のように横たわる巨体を認めた。
「……あのキメラは、野良モンスターだな。所有者がいなくなったから……捨てられたモンスターが、通りすがりのプレイヤーを襲う事件も少なくないんだ」
「そう、ですか……」
ノラは遠目に見つめ、こわごわと踏み出した。危ないよ、というシーズァの警告は、ほとんど耳に入っていなかった。
巨体は小雨にさらされ、すっかり濡れていた。石斧形の歯の間から、絶え絶えに息が漏れる。自分と同じ、とノラは思った。所有物として、好き勝手にされて……苦しげな呼吸のそばに立って、かざされた右手から光が放たれる。治癒魔法ヒーリ――それは何度も絞り出され、ひどく傷付いた命を少しずつ癒やしていく。
「まいったな……」
そうつぶやき、シーズァは濡れ髪を軽く左右に振った。ラルは、ぶるっ、と身震いし、あたたかな治癒の光を見つめた。巨体の鼓動が次第によみがえってくる。あれだけ痛めつけられ、殺されそうになった怪物を助けようとしている。考えてみれば、とんでもないことだ。すぐまた襲ってくるかもしれない。だが、見捨てようという気にもならなかった。あのキメラも被害者なのだ。人間に弄ばれた不幸な命なのだ。
「……しょうがない」
ふう、と息をし、シーズァは透明カプセルを取り出した。自分のフレモンとして保護するしかない、と握る。困ったその顔は、どことなく嬉しそうだった。上空を旋回していた怪鳥は、いつの間にかどこかに飛び去っていた。
ようやくジュエルが追い付き、膝に手をついてあえぐ。
「汗だくで全力疾走なんて、美少女のすることじゃないっての……もうちょっと考えてアクションしてもらいたいわ」
そして、七色のゆるふわパーマを振り、はあ、と大きく息をつく。カメラドローンのフレーム内では、倒れた者たちがうめき、キメラは憑かれたように頭を揺らしていた。
「……そのロッドで……」
ぐ、ぐ、と起き上がりながら、シーズァがジュエルを上目遣いににらむ。鋼の胸当てはひび割れ、樹皮の上衣とズボン、グローブもところどころ裂け、土まじりの血で汚れていた。
「電気ショックを与えているのか……」
「そうよ。そいつのマイクロチップには、そういう機能が付いているの」
こともなげにジュエルは言い、ロッドで自身の左手の平をぽんぽん叩いた。すべてのフレモンには、所有者を証明するマイクロチップが挿入されている。その中には、こうした機能付きのものもあるのだ。
「自分のフレモンだろ……かわいそうだと思わないのか……」
「あんたって」
ジュエルは苦笑し、小首を傾げた。
「つくづく面白い人ね。虐待とか見たら、顔を真っ赤にしちゃうタイプ?」
全身を引きつらせ、キメラが絶叫する。とどろくそれが消えかけたところで、またショック――カメラの前で繰り返されるたび、頭部の揺れはひどくなっていくようだった。
「この野郎っ!――ぐわっ!」
ようやく立ち上がったシーズァが鼻で打たれ、赤茶けた土にまみれる。
「野郎って、ずいぶんな言い草ね。アタシは女よ。正真正銘の美少女なの! 失礼しちゃうわ! ね、みんな!」
にゅっと巨乳を腕で挟み、カメラに向かって強調すると、わっとコメント欄が盛り上がる。地面でうめくシーズァ、倒れたままのノラ……ロッドに従って、キメラはよろけながら立つラルに狙いをさだめた。
「ちょこまかできないようにしなさい。そしたら、カプセルをぶつけて捕獲してやるわ」
ぶおっ、と伸びる鼻――ふらつきながら、ラルはそれをどうにかかわした。こん棒を両手で握り、地面を踏みしめて巨大な脅威をにらみつける。小さな牙の間からの、精一杯のうなり声……ぱら、ぱら、と小雨がぱらついて、焦げ茶色の体毛を濡らす。
ずんっ、と踏み込み、大蛇さながらの鼻が襲いかかって――こん棒もろとも吹っ飛び、ずざあっ、とラルは倒れた。こん棒で迎え撃つどころではない。まさに巨獣と小動物、パワーの差は歴然としていた。うめきながら立ち上がって、そのたびに鼻でぶたれる獲物を映し、真っ暗な瞳が頭部とともに揺れ続ける。
「もたもたしないでよ」
左手で赤い傘を差し、ジュエルがいらつく。
「視聴者が退屈しちゃうでしょ。殺さなければいいんだからさ! ほらっ!」
ショックで爆ぜ、反った牙が突進――体当たりで大岩がひび割れ、震動で空気が震える。間一髪でラルは衝突を免れていた。
「ちっ、スピードを蔑ろにしすぎたわね。ほれっ!」
ロッドを振られ、のけぞる巨体――頭突きで大岩が砕け、がらがらと崩れてしまう。のっそりと向きを変え、たゆたう黒目は対峙した。生き延びようとあがく、熾火のようなまなざしと……――
「もたもたするなって言ってるでしょ!」
またしても怪物が激しくけいれんする。こわばり、ぶるぶると震えるたてがみ、厚い皮膚から雨のしずくがいくつも滴っていく。こん棒を突き出し、腹の底からラルはうなった。懸命に、迫り来るものを退けようとうなった。その姿に、キメラの鼻がためらいがちに伸びて……――
「早くしなさいよっ!」
連続してショックが与えられ、巨体は内部で何度も爆発するかのような、見るに堪えない有り様をさらした。そしてそのたび、雨のしずくが辺りに飛び散った。
「……い、いい加減にしろっ!――」
前のめりに立ち上がって、シーズァがよろめきながら駆け出す。その手にはレイピア、切っ先が向かうのはジュエル――キメラはラルに迫っていたので、そちらはがら空きになっていた。
「も、戻れっ!」
白い顔が青くなり、慌ててロッドを振る。モンスターを身代わりにする輩は、概して自身の鍛錬を怠りがちである。上空のグリムクロウはいわば偵察用ドローン、コレクションから追加投入すればよかったのだが、思いがけないことで気が動転してしまったのだ。ぐらぐらと巨体が揺れ、向きを変えて走り出す。ど、ど、ど、と上がる土煙、地響きがシーズァを猛烈に追い上げ、紫の後ろ髪を乱していく。
追い付かれる――
ジュエルを討つ前に踏み潰されてしまう――シーズァは、ばっ、と横に転がった。ほっとしたジュエルは、そのまま突っ込んでくる巨体に目をむいた。
「と、止まれ! 止まれぇっ!」
立て続けにショックを加えたが、それは止まらなかった。ショックの与え過ぎか、それとも――ボンテージ姿の白人美少女は絶叫ごとひしゃげ、特大ハンマーヘッド状のひづめでぐちゃぐちゃに踏み潰された。骨のゆがんだ赤い傘が宙を舞う。ほとんど即死だったろう。暴走が大岩に激突し、深い亀裂を残すその後ろでアバターだったものが塵に変わっていく。自己の鍛錬もそうだが、見た目やファッションばかり気にして装備の防御力を考えなかった。そうしたことが致命的だったのだ。
「……ノラ……ノラ、しっかりしろ」
シーズァは倒れた姿に駆け寄って、銀の瓶から光る水をかけた。さらにもう1本追加する。回復アイテムの癒やし水――銅の瓶、銀の瓶、金の瓶というランクの真ん中で、そこそこの効果がある。サバイバルベスト、迷彩服から裂け目、血の染みが消え、か細かった呼吸がしっかりとしてくる。ようやくノラはまぶたを上げ、疲れきったように体を起こした。癒やし水は装備のダメージや外傷を元通りにするだけ。疲労回復効果はない。
「……シーズァ様、その傷……」
ひび割れた胸当て、衣服の裂け目や血の染みを目にして、ノラはドールの務めとしてヒーリをかけた。回復魔法でシーズァからダメージが消えていく。
「ありがとう。ラルにも頼むよ」
こん棒を握り締めたまま、全身傷だらけでラルは立っていた。まだ興奮冷めやらないようだった。ノラが近付くと、むっと汗の臭いがする。黙ってヒーリをかけ、傷は跡形もなくなった。
そしてノラは戻って――
「あのプレイヤー、どうなったのですか?」
と、シーズァに尋ねた。
「この世界からいなくなったんだ。アバターだけじゃなく、アカウントも消えて、これまでの課金なども無になる。あいつ、かなりつぎ込んでいたみたいだから、いい気味だな」
「……あの子は、どうなりますか?」
「あの子?」
シーズァはノラの視線をたどって、半ば砕けた大岩の前、小山のように横たわる巨体を認めた。
「……あのキメラは、野良モンスターだな。所有者がいなくなったから……捨てられたモンスターが、通りすがりのプレイヤーを襲う事件も少なくないんだ」
「そう、ですか……」
ノラは遠目に見つめ、こわごわと踏み出した。危ないよ、というシーズァの警告は、ほとんど耳に入っていなかった。
巨体は小雨にさらされ、すっかり濡れていた。石斧形の歯の間から、絶え絶えに息が漏れる。自分と同じ、とノラは思った。所有物として、好き勝手にされて……苦しげな呼吸のそばに立って、かざされた右手から光が放たれる。治癒魔法ヒーリ――それは何度も絞り出され、ひどく傷付いた命を少しずつ癒やしていく。
「まいったな……」
そうつぶやき、シーズァは濡れ髪を軽く左右に振った。ラルは、ぶるっ、と身震いし、あたたかな治癒の光を見つめた。巨体の鼓動が次第によみがえってくる。あれだけ痛めつけられ、殺されそうになった怪物を助けようとしている。考えてみれば、とんでもないことだ。すぐまた襲ってくるかもしれない。だが、見捨てようという気にもならなかった。あのキメラも被害者なのだ。人間に弄ばれた不幸な命なのだ。
「……しょうがない」
ふう、と息をし、シーズァは透明カプセルを取り出した。自分のフレモンとして保護するしかない、と握る。困ったその顔は、どことなく嬉しそうだった。上空を旋回していた怪鳥は、いつの間にかどこかに飛び去っていた。
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