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フレモン
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「そんな有名プレイヤーが……」
シーズァは、行く手のキメラを一瞥した。
「ぼくたちに何か用か?」
「そのオークでしょ」
尖ったロッドの先が、身構えたラルを差す。
「あのキモ男が追っかけてたのは。フレモンは別として、モンスターは活動範囲が限られている。それなのに、そのオークはこんなところまで移動してきた。通常ならあり得ないことだわ。おそらくはバグなんだろうけど、ともかくそいつはちょっと特別ってわけ。ま、そこのドールもそうだけどね」
「わたし、が……」
ノラが瞬きすると、シーズァは汚らしげに顔をしかめた。
「そうよ。捨てられたわけでもないのに、これだけ勝手に動いているのだもの。だけど、お人形遊びしている奴ってマジキモいわね。あんたさ、あのキモ男にどんなことされてきたの? うわっ、考えるだけで鳥肌とか立っちゃう!」
「どんなこと……」
ノラは、ぼんやりした。自分は何かをされたのだろうか……身の回りの世話をして、狩りのお供をして、それから……霧がかかったようにはっきりせず、さまよううちにうっすらと吐き気がこみ上げてくる。それをカメラドローンがクローズアップし、上空では翼ある影が回り続けていた。
「やめろっ!」
はねつける、シーズァの怒声――
「そんなこと、お前に関係ないだろ!」
「なによ、むきになっちゃって。どうせ、あんたも想像したんでしょ。やらしいわね、このスケベ!」
にやにやして、ロッドの先がシーズァに向けられる。
「中古のドールなんか、どうでもいいのよ。そこのオークを渡しなさいな。いくらか払ってあげてもいいし、あんたの欲しいモンスターとトレードでもよろしくってよ。そういうバグキャラ、ちょっとしたレアものだからね」
ジュエルの左右に、カタログみたいなものがでかでかと表示される。ずらりと並んだそれらは、透明のカプセルに閉じ込められたモンスターだった。捕獲や取引、譲渡などで入手したものは、このように管理されることが多い。
「どう、アタシのコレクション。なんなら他のページも見せましょうか。この一部にね、加えてやろうっていうのよ」
ラルは低くうなって、こん棒をしっかりと握った。どうやら自分をあそこに並べようとしているらしい。あんなところに閉じ込められてたまるか。見世物にされてたまるか。その前にシーズァが立ち、さっ、とレイピアを手にする。
「お断りだ。帰ってくれ!」
「だろうと思ったわっ!」
大岩から、巨影が跳んだ。とっさに飛びのく、ラル――一瞬前の場所が、どんっ、と締固め機みたいな足で踏まれ、シーズァとノラもよろめく。この衝撃、数トンはあるだろうか。ぶおっ、と長い鼻が横殴りして、こん棒ごとラルを吹っ飛ばす。
「ラル!」
叫んだシーズァがウォダー――水流をぶつけるが、装甲車さながらの巨体はびくともしない。ノラからのクレイボ――土塊も分厚い皮膚で砕けてしまう。よろよろと立ち上がって、ラルはこん棒で我が身を支えた。右脇腹から痛みがぐわんぐわん響き、あふれる涙で視界がぼやける。そうした光景を、カメラドローンがライブ配信する。
「あはは、しょぼい魔法ではろくにダメージを与えられません! オークにキメラの鼻がまた伸びるっ! おっ、横からクレイボだ! 土の塊をぶつけられ、鼻の動きがわずかに鈍るっ! 中古ドールのこざかしいアシストだっ! 続いて、懸命に繰り出されるレイピアっ! ほら、頑張れ、頑張れ! あんたたちにも賭けている人がいるのよン!」
ジュエルの実況で、ライブ配信画面のコメント欄が盛り上がる。ノラにヒーリをかけてもらい、ようやくラルはまともに動けるようになった。それらをかばって、シーズァが揺れる頭部を切っ先でけん制する。
とても勝てる気がしない。
となれば、逃げるしかないが、前方にキメラ、後方にジュエルでは難しいだろう。ひとりならまだしも……相手の狙いはラルなのだから、自分が追われることはないはず……致命傷を受ければ、アバターもろともアカウントも消滅してしまう。それでリアルの命まで失うわけではないが、アバターに紐付けられている土地建物の権利、所持金を含む財産、磨いてきた剣の腕やクラフトのスキル、それらのために費やしてきた膨大な時間は無になってしまう。そういう設定が緊張感をもたらし、プレイヤーたちをのめり込ませてもいるのだ。あの長い鼻の一撃も強烈そうだが、数トンはあるはずの巨体に踏まれたり、ましてや突進をまともに食らったら無事では済まないだろう、が……――
すう、とシーズァは息を吸い、じりじりと鼻から吐いた。見捨てられるわけもない。ラルたちには自分が必要なのだ。自分が助けてやらなければならないのだ。そう意を強めるほど、シーズァは満たされていった。
「もう、やめろ!」
キメラを警戒しながら、シーズァは後方のジュエルに叫んだ。
「バグなんか、ちっともレアじゃない。生き物を傷付けるのは嫌いなんだ。このキメラを引っ込めてくれ!」
「生き物ぉ?」
ジュエルは目を丸くし、腹を抱えて笑い出した。
「あはははっ! 生き物って、それモンスターじゃん!」
「モ、モンスターだって、生きているじゃないか!」
「あはははっ! 皆さぁん、この人なんか言ってるよぉ! あー、おっかしい! ひょっとしてあんたさ、そのオークや中古ドールも生き物とか思ってる? そんなの、ただのNPCじゃん! ノン・プレイヤー・キャラクター!」
「……どう思おうが、おれの勝手だろ!」
「あっそ。じゃ、視聴者の皆さんにアンケートしまぁす! NPCは生き物ですか? YES or NO?」
じゃかじゃかじゃかじゃかじゃか――と、ジュエルはロッドの先をくるくる回し、じゃーん、と振った。
「結果は、圧倒的にNOでぇーすっ!」
笑いながらジュエルは、ロッドでラル、次いでノラを差した。
「そいつも、そいつも、生き物なんかじゃありませーん! そりゃまあ、リアルな反応のために喜怒哀楽や痛み、苦しみを感じるようにプログラムされているけどね、それでもやっぱりアタシたちとは違うんだよ。残念でしたぁ!」
そうしてまたせせら笑い、コメントにレスしていく。
「シーズァ様」
近くから、ノラが荒い息遣いでささやく。
「逃げましょう。勝ち目はありません」
シーズァが視線を返すと、ノラは続けた。
「あの巨体です、素早くはないでしょう。全力で走れば、どうにかなるかもしれません」
シーズァは決断した。ふたりを守って、自分も逃げよう――ラルを呼び、レイピアを振って横手に駆け出す。あっ、とジュエルが目を向けたときには、バレーボール大の土塊がキメラの顔の辺りにぶつけられていた。
「逃がすな! 追えっ!」
ロッドを振って走らせ、ジュエルも後を追う。それをカメラドローンが追いかける。先頭のラルは小石を蹴り、土煙とともに息をはずませた。逃げよう、逃げ延びよう――それしか頭にはない。やはり巨体ゆえにキメラは速くはなく、奇形の瘤じみた大岩だらけの地形もあって、その間を走り抜ける獲物との距離は徐々に開いていく。このままなら、なんとか逃げ切れそうだった。
「はぁ、はぁ、なにもたもたしてんのよ!」
後方で息を切らし、いら立つジュエルが鞭のごとくロッドを振る。ひび割れるような叫びが上がって、思わずラルは振り返った。
巨体がのけぞり、激しくけいれんしていた。見えない雷に打たれているかのごとく――ロッドが振られるたびにキメラは叫び、拍車をかけられていく。ぐんぐん地響きが迫ってきて、最後尾のシーズァが振り返ったところ――
「ぐわあっ!――」
と、十数メートルほど跳ね飛ばされ、さらにノラも悲鳴を上げて転がっていく。そしてラルは背中に鼻の一撃をくらって、小石まじりの地面に豚鼻から突っ込んだ。
シーズァは、行く手のキメラを一瞥した。
「ぼくたちに何か用か?」
「そのオークでしょ」
尖ったロッドの先が、身構えたラルを差す。
「あのキモ男が追っかけてたのは。フレモンは別として、モンスターは活動範囲が限られている。それなのに、そのオークはこんなところまで移動してきた。通常ならあり得ないことだわ。おそらくはバグなんだろうけど、ともかくそいつはちょっと特別ってわけ。ま、そこのドールもそうだけどね」
「わたし、が……」
ノラが瞬きすると、シーズァは汚らしげに顔をしかめた。
「そうよ。捨てられたわけでもないのに、これだけ勝手に動いているのだもの。だけど、お人形遊びしている奴ってマジキモいわね。あんたさ、あのキモ男にどんなことされてきたの? うわっ、考えるだけで鳥肌とか立っちゃう!」
「どんなこと……」
ノラは、ぼんやりした。自分は何かをされたのだろうか……身の回りの世話をして、狩りのお供をして、それから……霧がかかったようにはっきりせず、さまよううちにうっすらと吐き気がこみ上げてくる。それをカメラドローンがクローズアップし、上空では翼ある影が回り続けていた。
「やめろっ!」
はねつける、シーズァの怒声――
「そんなこと、お前に関係ないだろ!」
「なによ、むきになっちゃって。どうせ、あんたも想像したんでしょ。やらしいわね、このスケベ!」
にやにやして、ロッドの先がシーズァに向けられる。
「中古のドールなんか、どうでもいいのよ。そこのオークを渡しなさいな。いくらか払ってあげてもいいし、あんたの欲しいモンスターとトレードでもよろしくってよ。そういうバグキャラ、ちょっとしたレアものだからね」
ジュエルの左右に、カタログみたいなものがでかでかと表示される。ずらりと並んだそれらは、透明のカプセルに閉じ込められたモンスターだった。捕獲や取引、譲渡などで入手したものは、このように管理されることが多い。
「どう、アタシのコレクション。なんなら他のページも見せましょうか。この一部にね、加えてやろうっていうのよ」
ラルは低くうなって、こん棒をしっかりと握った。どうやら自分をあそこに並べようとしているらしい。あんなところに閉じ込められてたまるか。見世物にされてたまるか。その前にシーズァが立ち、さっ、とレイピアを手にする。
「お断りだ。帰ってくれ!」
「だろうと思ったわっ!」
大岩から、巨影が跳んだ。とっさに飛びのく、ラル――一瞬前の場所が、どんっ、と締固め機みたいな足で踏まれ、シーズァとノラもよろめく。この衝撃、数トンはあるだろうか。ぶおっ、と長い鼻が横殴りして、こん棒ごとラルを吹っ飛ばす。
「ラル!」
叫んだシーズァがウォダー――水流をぶつけるが、装甲車さながらの巨体はびくともしない。ノラからのクレイボ――土塊も分厚い皮膚で砕けてしまう。よろよろと立ち上がって、ラルはこん棒で我が身を支えた。右脇腹から痛みがぐわんぐわん響き、あふれる涙で視界がぼやける。そうした光景を、カメラドローンがライブ配信する。
「あはは、しょぼい魔法ではろくにダメージを与えられません! オークにキメラの鼻がまた伸びるっ! おっ、横からクレイボだ! 土の塊をぶつけられ、鼻の動きがわずかに鈍るっ! 中古ドールのこざかしいアシストだっ! 続いて、懸命に繰り出されるレイピアっ! ほら、頑張れ、頑張れ! あんたたちにも賭けている人がいるのよン!」
ジュエルの実況で、ライブ配信画面のコメント欄が盛り上がる。ノラにヒーリをかけてもらい、ようやくラルはまともに動けるようになった。それらをかばって、シーズァが揺れる頭部を切っ先でけん制する。
とても勝てる気がしない。
となれば、逃げるしかないが、前方にキメラ、後方にジュエルでは難しいだろう。ひとりならまだしも……相手の狙いはラルなのだから、自分が追われることはないはず……致命傷を受ければ、アバターもろともアカウントも消滅してしまう。それでリアルの命まで失うわけではないが、アバターに紐付けられている土地建物の権利、所持金を含む財産、磨いてきた剣の腕やクラフトのスキル、それらのために費やしてきた膨大な時間は無になってしまう。そういう設定が緊張感をもたらし、プレイヤーたちをのめり込ませてもいるのだ。あの長い鼻の一撃も強烈そうだが、数トンはあるはずの巨体に踏まれたり、ましてや突進をまともに食らったら無事では済まないだろう、が……――
すう、とシーズァは息を吸い、じりじりと鼻から吐いた。見捨てられるわけもない。ラルたちには自分が必要なのだ。自分が助けてやらなければならないのだ。そう意を強めるほど、シーズァは満たされていった。
「もう、やめろ!」
キメラを警戒しながら、シーズァは後方のジュエルに叫んだ。
「バグなんか、ちっともレアじゃない。生き物を傷付けるのは嫌いなんだ。このキメラを引っ込めてくれ!」
「生き物ぉ?」
ジュエルは目を丸くし、腹を抱えて笑い出した。
「あはははっ! 生き物って、それモンスターじゃん!」
「モ、モンスターだって、生きているじゃないか!」
「あはははっ! 皆さぁん、この人なんか言ってるよぉ! あー、おっかしい! ひょっとしてあんたさ、そのオークや中古ドールも生き物とか思ってる? そんなの、ただのNPCじゃん! ノン・プレイヤー・キャラクター!」
「……どう思おうが、おれの勝手だろ!」
「あっそ。じゃ、視聴者の皆さんにアンケートしまぁす! NPCは生き物ですか? YES or NO?」
じゃかじゃかじゃかじゃかじゃか――と、ジュエルはロッドの先をくるくる回し、じゃーん、と振った。
「結果は、圧倒的にNOでぇーすっ!」
笑いながらジュエルは、ロッドでラル、次いでノラを差した。
「そいつも、そいつも、生き物なんかじゃありませーん! そりゃまあ、リアルな反応のために喜怒哀楽や痛み、苦しみを感じるようにプログラムされているけどね、それでもやっぱりアタシたちとは違うんだよ。残念でしたぁ!」
そうしてまたせせら笑い、コメントにレスしていく。
「シーズァ様」
近くから、ノラが荒い息遣いでささやく。
「逃げましょう。勝ち目はありません」
シーズァが視線を返すと、ノラは続けた。
「あの巨体です、素早くはないでしょう。全力で走れば、どうにかなるかもしれません」
シーズァは決断した。ふたりを守って、自分も逃げよう――ラルを呼び、レイピアを振って横手に駆け出す。あっ、とジュエルが目を向けたときには、バレーボール大の土塊がキメラの顔の辺りにぶつけられていた。
「逃がすな! 追えっ!」
ロッドを振って走らせ、ジュエルも後を追う。それをカメラドローンが追いかける。先頭のラルは小石を蹴り、土煙とともに息をはずませた。逃げよう、逃げ延びよう――それしか頭にはない。やはり巨体ゆえにキメラは速くはなく、奇形の瘤じみた大岩だらけの地形もあって、その間を走り抜ける獲物との距離は徐々に開いていく。このままなら、なんとか逃げ切れそうだった。
「はぁ、はぁ、なにもたもたしてんのよ!」
後方で息を切らし、いら立つジュエルが鞭のごとくロッドを振る。ひび割れるような叫びが上がって、思わずラルは振り返った。
巨体がのけぞり、激しくけいれんしていた。見えない雷に打たれているかのごとく――ロッドが振られるたびにキメラは叫び、拍車をかけられていく。ぐんぐん地響きが迫ってきて、最後尾のシーズァが振り返ったところ――
「ぐわあっ!――」
と、十数メートルほど跳ね飛ばされ、さらにノラも悲鳴を上げて転がっていく。そしてラルは背中に鼻の一撃をくらって、小石まじりの地面に豚鼻から突っ込んだ。
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