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フレモン
3-1
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くすんだ夕焼けはやがて青ざめ、重苦しく沈んでいく。膝を抱えたノラはランタンを見つめ、小さな火を瞳で揺らめかせていた。こんもりとした林の中はすっかり暗くなって、この頼りなげな明かりだけが寄る辺だった。少し離れた木の根元では、こん棒をしっかり抱えたラルが眠り込んでいる。昨夜の逃走劇のようなことがいつまた起きるかもしれない。休めるときに休むのは当然だろう。それを一瞥し、ノラは黒々とした枝葉の間を見た。瞳は、墨色の夜になじんでいるようだった。
どうして……――
ノラは、またたゆたった。殺すはずだった標的、しかもモンスターとこうしている。殺しを命じたマスターが消えてしまったことで、なぜかいっそう濃い闇に取り残されたような……――
ふっ、とノラは黒いまつげを上げた。ランタンの向こうに光る影が浮かび、シーズァが現れる。
「ごめん! 遅くなって、本当にごめんなさい!」
開口一番、シーズァは立ち上がるノラ、眠たげなラルに平謝りした。ログインし、セーブポイントに戻ってきたのだ。
「しかも、食料を置いていくのを忘れてしまって……ごめんなさい……」
しょげかえったシーズァは、またやってしまった、という顔つきだった。
「お気になさらないでください」
メイド姿で手を組み、ノラが微笑をたたえる。
「わたしどもとは違って、シーズァ様にはあちらでの生活もございます。お忙しいのですから仕方がありません」
「二度とないようにするよ……それよりその、様付けはやめてくれないか。ぼくと君は、主従関係じゃないんだから」
「ですが、シーズァ様はプレイヤーです。ドールとは違います」
「とにかく、そういうのは嫌なんだ。いいね」
「はい、シーズァ様」
「だからさ、その……」
シーズァは、すぐそばの豚鼻に気付いた。くんくん、とラルが、くっつかんばかりに嗅いでいる。
「あっ、ごめんよ。朝から食べてないんだもんな」
ぱっ、とシーズァはアウトドアテーブルを出し、その中央にランタンを置いて、サンドイッチ、とろっとした緑色のジュース入りコップを二人分並べた。
「大豆ミートとキャベツ、人参のバゲットサンド、こっちはほうれん草と豆乳のジュース。材料はオンラインショップでそろえた、ぼくの手作りだよ。遠慮なく食べて」
ラルはすでに、バゲットサンドにかぶりついていた。それにノラは眉をひそめ、まずしっかりと礼を述べた。
「健康的なメニューですね」
「ぼくはヴィーガンだからね。嫌いかい?」
「いいえ、こちらの方が好きです。今までの食事は脂っこ過ぎましたから」
しみじみと言い、ノラは一口食べた。バゲットの間でしゃきしゃきのキャベツ、こりこりした人参の甘みが、じゅわっとした大豆ミートのコクと相まっている。まるで自然の深みを味わっているかのようだ。ジュースの方は、ほうれん草のさわやかな苦みと豆乳のまろやかさでリフレッシュさせてくれた。
「口に合ってよかったよ」
バゲットサンドを食べながら、シーズァがほっとした顔をする。
「……ラル、これも食べたいのか?」
すっかり平らげ、コップも空にしたラルに見つめられ、シーズァは苦笑いしながら食べかけを与えた。それは、たちまち胃袋に運ばれてしまった。
人心地がついたところで、ため息とともに空中ディスプレイが浮かび、メインメニュー、そしてポップアップ広告に出しゃばられてからコミュニティに切り替わる。
「あいつのせいで、ぼくたちはすっかり有名だよ」
シーズァによれば、ガイトのライブ配信のせいだという。とくにラルが話題らしい。捕獲された個体は別として、オークのようなザコモンスターは活動範囲が決まっている。プログラミングされているのだ。それがこれだけ自由に動けるのは、おそらくバグだろう、というのが大方の見方だった。
「コミュニティはこの話で持ちきりさ。ぼくのところには、今どこにいるんだって質問から誹謗中傷までいっぱい来ている」
ふう、とため息をつき、シーズァはいら立たしげに体を揺すった。
「配信のネタってのはマシな方。再生数稼ぎでラルを狙う奴も少なくない。これじゃ、町には近付けないな」
シーズァと視線が合って、ラルの顔は硬くなった。何やら危険が迫っているらしい。ノラもうっすらと青ざめている。画面を閉じ、シーズァは紫の髪を強めに撫で付けた。
「心配いらないよ、ぼくがどうにかするから。乗りかかった船だ」
「わたし、戻ります……」
指を組み、うつむき加減でノラが言う。
「これ以上、ご迷惑をおかけできません」
「やめときなよ、あんなクソ野郎じゃないか」
「ですが……」
「いいんだって!」
びくっ、とノラの目が丸くなる。シーズァはもどかしそうに体を揺すって、視線をランタンから真っ黒な枝葉、さらに林の闇へと動かした。それはおろおろと出口を探し回っているようでもあった。
「……とにかく、大丈夫だから。気にしなくていいんだ。それに、相棒のこともあるじゃないか」
「相棒……」
きょとんとしたノラは、首をひねりながらラルをちら見した。
「ぼくたちは仲間、だろ」
「仲間、ですか……」
「一緒に戦った仲間だよ。な、ラル」
ラルは見つめ返した。それが自分の名前らしい。勝手に付けられたものだが、響きとしては悪くなかった。
「君たちを無事に逃がす、やりがいのあるミッションだよ」
ひとりでうなずき、ぶつぶつ言いながらシーズァは腕組みした。とはいえ、どうしたものか、と考え込んでいる。それを仰いでいたノラは、枝葉の隙間からの淡い光に気付いた。この幻想的な色彩は――
「――ノラっ?」
シーズァが我に返る。ノラは林の暗がりから飛び出し、輝く北の夜空を見上げた。天上のエデンが揺らめいていた。空へと伸び上がる山影の上――灰汁のような雲に取り巻かれ、きらめきを地上に降らせている。遅れてきたシーズァ、ラルも、まさしく奇跡といった光景に心を奪われていた。
「……そうか!」
ノラたちを見て、シーズァは声をはずませた。
「あそこだよ! サンクチュアリに行こう!」
「あそこに、ですか?」
と、ノラは驚き、神秘的な揺らめきとそれを指差すシーズァを交互に見た。
「町はもちろん、フィールドだってプレイヤーがうろついている。だけどあそこなら、そう簡単にたどり着けないだろ」
「行けるでしょうか……」
半信半疑なのも当然だった。地上の北端、世界の果てにそびえるヘーブマウンテンの頂から昇れるそうだが、そこまでたどり着くのがまず容易ではない。ここからあの山影まで徒歩で一体どれだけかかるのか。何十日か、あるいはそれ以上か。そしてそこまでは平坦な道ばかりではないだろう。しかし、シーズァはすっかりその気だった。
「行くしかないよ。ラルも、それでいいだろ?」
ラルは、熱っぽい目を見た。光り輝くあそこに行こう、そう言っていると分かった。あそこはサンクチュアリというらしい。殺されたくない、生き延びたい、とここまで来た。行く当てがあるわけではないし、どっちへ行ったらいいかも分からない。そうした真っ暗闇に、あの輝きは浮かび上がったのだ。だからこそ、しっかりとうなずいてみせた。
「決まりだね」
シーズァは両手を合わせ、張り切ってうなずいた。
「そうとなったら、さっそく準備に取りかかろう。まずはノラ、その格好からどうにかしないとね」
「これですか?」
ノラは黒のミニ丈ワンピースに白エプロン、ホワイトニーソックス、黒の厚底ローファーというファッションに目をやった。
「そうだよ。そんな悪趣味じゃなく、もっと動きやすい格好じゃないと」
そう言ってシーズァはまたメインメニューを開き、ポップアップ広告を閉じて、オンラインショップにアクセスした。
どうして……――
ノラは、またたゆたった。殺すはずだった標的、しかもモンスターとこうしている。殺しを命じたマスターが消えてしまったことで、なぜかいっそう濃い闇に取り残されたような……――
ふっ、とノラは黒いまつげを上げた。ランタンの向こうに光る影が浮かび、シーズァが現れる。
「ごめん! 遅くなって、本当にごめんなさい!」
開口一番、シーズァは立ち上がるノラ、眠たげなラルに平謝りした。ログインし、セーブポイントに戻ってきたのだ。
「しかも、食料を置いていくのを忘れてしまって……ごめんなさい……」
しょげかえったシーズァは、またやってしまった、という顔つきだった。
「お気になさらないでください」
メイド姿で手を組み、ノラが微笑をたたえる。
「わたしどもとは違って、シーズァ様にはあちらでの生活もございます。お忙しいのですから仕方がありません」
「二度とないようにするよ……それよりその、様付けはやめてくれないか。ぼくと君は、主従関係じゃないんだから」
「ですが、シーズァ様はプレイヤーです。ドールとは違います」
「とにかく、そういうのは嫌なんだ。いいね」
「はい、シーズァ様」
「だからさ、その……」
シーズァは、すぐそばの豚鼻に気付いた。くんくん、とラルが、くっつかんばかりに嗅いでいる。
「あっ、ごめんよ。朝から食べてないんだもんな」
ぱっ、とシーズァはアウトドアテーブルを出し、その中央にランタンを置いて、サンドイッチ、とろっとした緑色のジュース入りコップを二人分並べた。
「大豆ミートとキャベツ、人参のバゲットサンド、こっちはほうれん草と豆乳のジュース。材料はオンラインショップでそろえた、ぼくの手作りだよ。遠慮なく食べて」
ラルはすでに、バゲットサンドにかぶりついていた。それにノラは眉をひそめ、まずしっかりと礼を述べた。
「健康的なメニューですね」
「ぼくはヴィーガンだからね。嫌いかい?」
「いいえ、こちらの方が好きです。今までの食事は脂っこ過ぎましたから」
しみじみと言い、ノラは一口食べた。バゲットの間でしゃきしゃきのキャベツ、こりこりした人参の甘みが、じゅわっとした大豆ミートのコクと相まっている。まるで自然の深みを味わっているかのようだ。ジュースの方は、ほうれん草のさわやかな苦みと豆乳のまろやかさでリフレッシュさせてくれた。
「口に合ってよかったよ」
バゲットサンドを食べながら、シーズァがほっとした顔をする。
「……ラル、これも食べたいのか?」
すっかり平らげ、コップも空にしたラルに見つめられ、シーズァは苦笑いしながら食べかけを与えた。それは、たちまち胃袋に運ばれてしまった。
人心地がついたところで、ため息とともに空中ディスプレイが浮かび、メインメニュー、そしてポップアップ広告に出しゃばられてからコミュニティに切り替わる。
「あいつのせいで、ぼくたちはすっかり有名だよ」
シーズァによれば、ガイトのライブ配信のせいだという。とくにラルが話題らしい。捕獲された個体は別として、オークのようなザコモンスターは活動範囲が決まっている。プログラミングされているのだ。それがこれだけ自由に動けるのは、おそらくバグだろう、というのが大方の見方だった。
「コミュニティはこの話で持ちきりさ。ぼくのところには、今どこにいるんだって質問から誹謗中傷までいっぱい来ている」
ふう、とため息をつき、シーズァはいら立たしげに体を揺すった。
「配信のネタってのはマシな方。再生数稼ぎでラルを狙う奴も少なくない。これじゃ、町には近付けないな」
シーズァと視線が合って、ラルの顔は硬くなった。何やら危険が迫っているらしい。ノラもうっすらと青ざめている。画面を閉じ、シーズァは紫の髪を強めに撫で付けた。
「心配いらないよ、ぼくがどうにかするから。乗りかかった船だ」
「わたし、戻ります……」
指を組み、うつむき加減でノラが言う。
「これ以上、ご迷惑をおかけできません」
「やめときなよ、あんなクソ野郎じゃないか」
「ですが……」
「いいんだって!」
びくっ、とノラの目が丸くなる。シーズァはもどかしそうに体を揺すって、視線をランタンから真っ黒な枝葉、さらに林の闇へと動かした。それはおろおろと出口を探し回っているようでもあった。
「……とにかく、大丈夫だから。気にしなくていいんだ。それに、相棒のこともあるじゃないか」
「相棒……」
きょとんとしたノラは、首をひねりながらラルをちら見した。
「ぼくたちは仲間、だろ」
「仲間、ですか……」
「一緒に戦った仲間だよ。な、ラル」
ラルは見つめ返した。それが自分の名前らしい。勝手に付けられたものだが、響きとしては悪くなかった。
「君たちを無事に逃がす、やりがいのあるミッションだよ」
ひとりでうなずき、ぶつぶつ言いながらシーズァは腕組みした。とはいえ、どうしたものか、と考え込んでいる。それを仰いでいたノラは、枝葉の隙間からの淡い光に気付いた。この幻想的な色彩は――
「――ノラっ?」
シーズァが我に返る。ノラは林の暗がりから飛び出し、輝く北の夜空を見上げた。天上のエデンが揺らめいていた。空へと伸び上がる山影の上――灰汁のような雲に取り巻かれ、きらめきを地上に降らせている。遅れてきたシーズァ、ラルも、まさしく奇跡といった光景に心を奪われていた。
「……そうか!」
ノラたちを見て、シーズァは声をはずませた。
「あそこだよ! サンクチュアリに行こう!」
「あそこに、ですか?」
と、ノラは驚き、神秘的な揺らめきとそれを指差すシーズァを交互に見た。
「町はもちろん、フィールドだってプレイヤーがうろついている。だけどあそこなら、そう簡単にたどり着けないだろ」
「行けるでしょうか……」
半信半疑なのも当然だった。地上の北端、世界の果てにそびえるヘーブマウンテンの頂から昇れるそうだが、そこまでたどり着くのがまず容易ではない。ここからあの山影まで徒歩で一体どれだけかかるのか。何十日か、あるいはそれ以上か。そしてそこまでは平坦な道ばかりではないだろう。しかし、シーズァはすっかりその気だった。
「行くしかないよ。ラルも、それでいいだろ?」
ラルは、熱っぽい目を見た。光り輝くあそこに行こう、そう言っていると分かった。あそこはサンクチュアリというらしい。殺されたくない、生き延びたい、とここまで来た。行く当てがあるわけではないし、どっちへ行ったらいいかも分からない。そうした真っ暗闇に、あの輝きは浮かび上がったのだ。だからこそ、しっかりとうなずいてみせた。
「決まりだね」
シーズァは両手を合わせ、張り切ってうなずいた。
「そうとなったら、さっそく準備に取りかかろう。まずはノラ、その格好からどうにかしないとね」
「これですか?」
ノラは黒のミニ丈ワンピースに白エプロン、ホワイトニーソックス、黒の厚底ローファーというファッションに目をやった。
「そうだよ。そんな悪趣味じゃなく、もっと動きやすい格好じゃないと」
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