5 / 48
抵抗の目覚め
1-3
しおりを挟む
暗闇から響いてくる、そんな痛みだった。ぐっ、とこん棒を抱え、息を殺しながら、ラルは左大腿脇の傷を押さえ続けた。手の平は、とうに血で濡れきっている。追っ手が立ち去ってかなり経ち、潜り込んでいた茂みの闇もすっかり濃い。
ふうっ、と息を漏らし、縮こまっていた体が少しずつ動き出す。枝葉とこすれ、びくっとしたが、またそろそろと伸びて、そうしてがさがさと這い出すと真っ暗だった。見上げても闇しかなく、深い夜の森は死んだようにしんとしている。
さらに這うと、そのたびに左大腿がずきんと痛む。それをこらえ、ラルはこん棒を杖代わりによろっと立ち上がった。無我夢中だったので、どこをどう走ったかさだかではない。ましてやこの暗闇では、森から出るのさえ容易ではなさそうだ。ともあれ左足を引きずり、こん棒をついていくうち、踊っているような木々がどうにか分かるようになってきた。
半ば手探りで、しばらく進むとようやく樹間から出ることができた。
その先は、星一つない真っ暗闇だった。
惨劇の記憶がよみがえって、ラルの足はすくんだ。またあいつらが、刀を振り回す金髪の鬼が襲ってくるかもしれない。後ずさって、太い幹の裏にがくっと座り込む。こん棒をしっかりと胸に抱き、ラルは体を縮めた。そう遠くないところから、水音が聞こえる。小川があるのかもしれない。傷の痛みを感じながら、ラルのまぶたはぐったりと落ちていった。
どくっ、と目覚めると、辺りは白んでいた。立とうとした途端、左大腿からの痛みでラルはうめいた。豚顔にしわを寄せ、こん棒をつく。その目はおのずと、薄れていく闇の向こうに据えられた。この森を出れば丘陵となり、たくさんの死体が転がっているはず……地獄絵図があまりにもすさまじかったため、現実ではなかったようにラルには思えてきた。左太腿に矢傷はある。血は止まって、いくらか痛みも引いているとはいえ、何もかも悪夢だったと片付けられそうでもある。そもそもラルには、あの襲撃以前の記憶がまったくなかった。
それでも警戒しながら、木の陰から陰へと森の外に向かう。ひょっとしたら金髪の鬼が待ち構えていて、いきなり矢を放ってくるかもしれない。陰から恐る恐るうかがうと、生まれたての日が差すそこに陰惨な気配はなかった。意を決してラルは踏み出し、起伏をしばらく行ったところで異様な光景を目にした。
広がる丘陵の、あちらこちらで動くものがある。それらはオークだった。しばし立ち尽くしたラルは、こん棒をつきながらそこに急いだ。確かにいた。何事もなかったかのように、数十体の分身がこん棒片手にうろついている。ラルは声をかけてみた。といっても、言葉が話せるわけではない。鳴き声に相手は反応せず、ただ行ったり来たりするばかり……他のオークも同じであり、ロボットのような群れの中でラルは途方に暮れた。
左大腿の痛みでしゃがみ、ラルはこん棒にもたれた。山のような死体どころか、飛び散った血や草が焼けた痕跡すらない。やはり、あれは悪夢だったのだろうか……もしそうでないとしたら、どう考えたらいいのだろう。これらは斬られ、焼かれたものたちとは違うのか。もしも同じだとしたら、一体どういうことなのだろうか。そして、こうしている自分は何なのか……そういったことで頭を抱えるうち、ぼやけた陽は高くなっていった。
尖った耳をびくっとさせ、ラルは頭を上げた。昨日と同じく、丘陵の向こうから影が近付いていた。周りのオークたちも耳を動かし、そちらに目を向けている。忘れたくても忘れられない、あのおぞましい声が聞こえてきた。
「今日は、きっちり皆殺しにしてやるぜ!」
カメラドローンに気を吐くガイト、その後ろにはノラもいた。オークの群れに近付く主従に応援コメントがいくつか寄せられる。
「新規プレイヤーは、今ならルートボックスが100回無料! 武器や防具、強化素材が当たってお得だぞ!」
宣伝を経て背中の太刀が抜き放たれ、ノラも冷たい顔で短剣を握る。こん棒を振りかざし、駆け出していくオークたち――惨劇の幕が再び上がったとき、ラルはすでに逃げ出していた。
後方で、獣たちの絶叫が立て続けに上がる。こん棒をつき、懸命に走ったものの、左足を引きずっていては思うようにならない。それでも森に近付いてはいたが、そのあがきをあざ笑うように声が響く。
「見ろ! あれは昨日逃げた奴だぞ!」
カメラに叫んで、赤い光を帯びたガイトは血まみれの刃を振り上げた。
「あの左足の傷、間違いねえっ! 今度こそぶっ殺してやる!」
すでに他はむごたらしいしかばねで、狙いは絞られていた。ざざざざっ、と草を蹴りながら足音が追い上げてくる。ラルは必死になった。その甲斐あってどうにか樹間に飛び込むことができ、後ろで魔物の叫びにも似た罵声が響く。
助かった、と思ったのも束の間だった。
炎の大蛇が森に飛び込んできて、猛然と身をくねらせる。火魔法のファボーだ。のたくる火炎放射は幹を焼き、たちまち枝葉まで燃え上がらせた。下生えにも飛び火して、ラルを食らおうと炎が迫ってくる。
ぶふっ!――
火の精の宴を避け、煙に追い立てられて左足を引きずる。こん棒をつくうち、せせらぎが聞こえてきた。そちらに急いだラルはつまずき、流れに転がり込んでしまった。ごぶっ、と鼻が水で一杯になり、ばちゃばちゃと手足をばたつかせる。幸いにして小川は浅く、がふっ、とむせながら起き上がったところ、短い足の膝にも届かなかった。びしょ濡れのラルは頭を振り、ばっ、と振り向いた。
チョーカーの赤が毒々しい、メイド服姿の追っ手が川岸に立っていた。
ノラは、白エプロンの前で短剣を構えた。主人の命令で燃える森に入り、ようやく追い付いたところだった。ぽた、ぽた、と体毛から滴らせる獲物を見据え、今度こそ仕留めなければ、と柄を強く握りながら、黒の厚底ローファーはじりじりとするばかりだった。
『おいっ!』
ボイスチャットから、怒声が響いてくる。
『なに止まってんだ! ナビマップで動きは分かってんだぞ! あん畜生がいたのか!?』
応答しようとして、ノラは言葉に詰まった。目の前には、またあのまなざし、瞳の光があった。あまりにも純粋な、生への執着が――
一瞬の隙を見て取り、ラルは川底を蹴った。手負いとも思えぬ、俊敏さ――うろたえるノラを残し、川下へと波を蹴立てるその前を血臭が塞いだ。
「もう逃がさねえぞ、クソブタ」
血糊まみれの太刀で威嚇し、ガイトは勝ち誇った。その姿をカメラドローンが配信している。ノラに後を追わせる一方、自身は流れをさかのぼってきたのだ。炎を避けるためであり、獲物も水辺に出るのでは、と考えてのことだった。
「クソブス、てめえ……!」
ガイトは、こわばるノラをにらみつけた。
「また逃げられるとこじゃねえかよ、この役立たず! 後でみっちり教育してやるからな、覚悟しておけよっ!」
ラルは両手でこん棒を握り、正面の悪鬼をにらんだ。まともな勝負になるはずもない。向かっていったところで、同類と同じ末路しかないだろう。あんなふうに殺されたくない、死にたくない、生きたい、生き延びたい――そうした執念で燃える双眸は、手を出すのをためらわせた。
「へっ、そうこなくちゃよ」
余裕ぶった笑みを浮かべ、ガイトはちらとカメラを見た。
「それくらいでないと、タイトル詐欺だからな。ここはやっぱ、これでリベンジするぜ」
太刀が消え、矢をつがえたクロスボウが、後ずさるターゲットに狙いをつける。トリガーにかかる指、せめぎ合う眼光と眼光――食い散らかしていく炎、無関心なせせらぎさえも消えてしまったようで、ノラは息を呑んだままになった。
トリガーが引かれ、跳躍する影――
矢はかすりもせず、的は小川を越えた、まだ火の手が及んでいない茂みに飛び込んだ。それはまさに一瞬の出来事だった。
「ああっ! くそっ!」
ガイトは地団駄を踏んだ。コメント欄の嘲笑、酷評がいっそう怒りをあおる。
「てめえのせいだぞ、ぼんくらドールっ!」
けたたましく、ガイトは吠え立てた。
「そんなところに突っ立ってるから、調子が狂ったんだ! マジでクソだな、てめえはっ!」
「……申し訳ありません」
「謝ればいいってもんじゃねえんだよ! ぼさっとしてねえで、さっさと後を追えっ! ぶっ殺してこい!」
「かしこまりました」
黒髪を揺らして一礼し、厚底ローファーがせせらぎを乱す。やがてノラの姿は、濃緑の深みへと消えていった。
ふうっ、と息を漏らし、縮こまっていた体が少しずつ動き出す。枝葉とこすれ、びくっとしたが、またそろそろと伸びて、そうしてがさがさと這い出すと真っ暗だった。見上げても闇しかなく、深い夜の森は死んだようにしんとしている。
さらに這うと、そのたびに左大腿がずきんと痛む。それをこらえ、ラルはこん棒を杖代わりによろっと立ち上がった。無我夢中だったので、どこをどう走ったかさだかではない。ましてやこの暗闇では、森から出るのさえ容易ではなさそうだ。ともあれ左足を引きずり、こん棒をついていくうち、踊っているような木々がどうにか分かるようになってきた。
半ば手探りで、しばらく進むとようやく樹間から出ることができた。
その先は、星一つない真っ暗闇だった。
惨劇の記憶がよみがえって、ラルの足はすくんだ。またあいつらが、刀を振り回す金髪の鬼が襲ってくるかもしれない。後ずさって、太い幹の裏にがくっと座り込む。こん棒をしっかりと胸に抱き、ラルは体を縮めた。そう遠くないところから、水音が聞こえる。小川があるのかもしれない。傷の痛みを感じながら、ラルのまぶたはぐったりと落ちていった。
どくっ、と目覚めると、辺りは白んでいた。立とうとした途端、左大腿からの痛みでラルはうめいた。豚顔にしわを寄せ、こん棒をつく。その目はおのずと、薄れていく闇の向こうに据えられた。この森を出れば丘陵となり、たくさんの死体が転がっているはず……地獄絵図があまりにもすさまじかったため、現実ではなかったようにラルには思えてきた。左太腿に矢傷はある。血は止まって、いくらか痛みも引いているとはいえ、何もかも悪夢だったと片付けられそうでもある。そもそもラルには、あの襲撃以前の記憶がまったくなかった。
それでも警戒しながら、木の陰から陰へと森の外に向かう。ひょっとしたら金髪の鬼が待ち構えていて、いきなり矢を放ってくるかもしれない。陰から恐る恐るうかがうと、生まれたての日が差すそこに陰惨な気配はなかった。意を決してラルは踏み出し、起伏をしばらく行ったところで異様な光景を目にした。
広がる丘陵の、あちらこちらで動くものがある。それらはオークだった。しばし立ち尽くしたラルは、こん棒をつきながらそこに急いだ。確かにいた。何事もなかったかのように、数十体の分身がこん棒片手にうろついている。ラルは声をかけてみた。といっても、言葉が話せるわけではない。鳴き声に相手は反応せず、ただ行ったり来たりするばかり……他のオークも同じであり、ロボットのような群れの中でラルは途方に暮れた。
左大腿の痛みでしゃがみ、ラルはこん棒にもたれた。山のような死体どころか、飛び散った血や草が焼けた痕跡すらない。やはり、あれは悪夢だったのだろうか……もしそうでないとしたら、どう考えたらいいのだろう。これらは斬られ、焼かれたものたちとは違うのか。もしも同じだとしたら、一体どういうことなのだろうか。そして、こうしている自分は何なのか……そういったことで頭を抱えるうち、ぼやけた陽は高くなっていった。
尖った耳をびくっとさせ、ラルは頭を上げた。昨日と同じく、丘陵の向こうから影が近付いていた。周りのオークたちも耳を動かし、そちらに目を向けている。忘れたくても忘れられない、あのおぞましい声が聞こえてきた。
「今日は、きっちり皆殺しにしてやるぜ!」
カメラドローンに気を吐くガイト、その後ろにはノラもいた。オークの群れに近付く主従に応援コメントがいくつか寄せられる。
「新規プレイヤーは、今ならルートボックスが100回無料! 武器や防具、強化素材が当たってお得だぞ!」
宣伝を経て背中の太刀が抜き放たれ、ノラも冷たい顔で短剣を握る。こん棒を振りかざし、駆け出していくオークたち――惨劇の幕が再び上がったとき、ラルはすでに逃げ出していた。
後方で、獣たちの絶叫が立て続けに上がる。こん棒をつき、懸命に走ったものの、左足を引きずっていては思うようにならない。それでも森に近付いてはいたが、そのあがきをあざ笑うように声が響く。
「見ろ! あれは昨日逃げた奴だぞ!」
カメラに叫んで、赤い光を帯びたガイトは血まみれの刃を振り上げた。
「あの左足の傷、間違いねえっ! 今度こそぶっ殺してやる!」
すでに他はむごたらしいしかばねで、狙いは絞られていた。ざざざざっ、と草を蹴りながら足音が追い上げてくる。ラルは必死になった。その甲斐あってどうにか樹間に飛び込むことができ、後ろで魔物の叫びにも似た罵声が響く。
助かった、と思ったのも束の間だった。
炎の大蛇が森に飛び込んできて、猛然と身をくねらせる。火魔法のファボーだ。のたくる火炎放射は幹を焼き、たちまち枝葉まで燃え上がらせた。下生えにも飛び火して、ラルを食らおうと炎が迫ってくる。
ぶふっ!――
火の精の宴を避け、煙に追い立てられて左足を引きずる。こん棒をつくうち、せせらぎが聞こえてきた。そちらに急いだラルはつまずき、流れに転がり込んでしまった。ごぶっ、と鼻が水で一杯になり、ばちゃばちゃと手足をばたつかせる。幸いにして小川は浅く、がふっ、とむせながら起き上がったところ、短い足の膝にも届かなかった。びしょ濡れのラルは頭を振り、ばっ、と振り向いた。
チョーカーの赤が毒々しい、メイド服姿の追っ手が川岸に立っていた。
ノラは、白エプロンの前で短剣を構えた。主人の命令で燃える森に入り、ようやく追い付いたところだった。ぽた、ぽた、と体毛から滴らせる獲物を見据え、今度こそ仕留めなければ、と柄を強く握りながら、黒の厚底ローファーはじりじりとするばかりだった。
『おいっ!』
ボイスチャットから、怒声が響いてくる。
『なに止まってんだ! ナビマップで動きは分かってんだぞ! あん畜生がいたのか!?』
応答しようとして、ノラは言葉に詰まった。目の前には、またあのまなざし、瞳の光があった。あまりにも純粋な、生への執着が――
一瞬の隙を見て取り、ラルは川底を蹴った。手負いとも思えぬ、俊敏さ――うろたえるノラを残し、川下へと波を蹴立てるその前を血臭が塞いだ。
「もう逃がさねえぞ、クソブタ」
血糊まみれの太刀で威嚇し、ガイトは勝ち誇った。その姿をカメラドローンが配信している。ノラに後を追わせる一方、自身は流れをさかのぼってきたのだ。炎を避けるためであり、獲物も水辺に出るのでは、と考えてのことだった。
「クソブス、てめえ……!」
ガイトは、こわばるノラをにらみつけた。
「また逃げられるとこじゃねえかよ、この役立たず! 後でみっちり教育してやるからな、覚悟しておけよっ!」
ラルは両手でこん棒を握り、正面の悪鬼をにらんだ。まともな勝負になるはずもない。向かっていったところで、同類と同じ末路しかないだろう。あんなふうに殺されたくない、死にたくない、生きたい、生き延びたい――そうした執念で燃える双眸は、手を出すのをためらわせた。
「へっ、そうこなくちゃよ」
余裕ぶった笑みを浮かべ、ガイトはちらとカメラを見た。
「それくらいでないと、タイトル詐欺だからな。ここはやっぱ、これでリベンジするぜ」
太刀が消え、矢をつがえたクロスボウが、後ずさるターゲットに狙いをつける。トリガーにかかる指、せめぎ合う眼光と眼光――食い散らかしていく炎、無関心なせせらぎさえも消えてしまったようで、ノラは息を呑んだままになった。
トリガーが引かれ、跳躍する影――
矢はかすりもせず、的は小川を越えた、まだ火の手が及んでいない茂みに飛び込んだ。それはまさに一瞬の出来事だった。
「ああっ! くそっ!」
ガイトは地団駄を踏んだ。コメント欄の嘲笑、酷評がいっそう怒りをあおる。
「てめえのせいだぞ、ぼんくらドールっ!」
けたたましく、ガイトは吠え立てた。
「そんなところに突っ立ってるから、調子が狂ったんだ! マジでクソだな、てめえはっ!」
「……申し訳ありません」
「謝ればいいってもんじゃねえんだよ! ぼさっとしてねえで、さっさと後を追えっ! ぶっ殺してこい!」
「かしこまりました」
黒髪を揺らして一礼し、厚底ローファーがせせらぎを乱す。やがてノラの姿は、濃緑の深みへと消えていった。
20
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
忌むべき番
藍田ひびき
恋愛
「メルヴィ・ハハリ。お前との婚姻は無効とし、国外追放に処す。その忌まわしい姿を、二度と俺に見せるな」
メルヴィはザブァヒワ皇国の皇太子ヴァルラムの番だと告げられ、強引に彼の後宮へ入れられた。しかしヴァルラムは他の妃のもとへ通うばかり。さらに、真の番が見つかったからとメルヴィへ追放を言い渡す。
彼は知らなかった。それこそがメルヴィの望みだということを――。
※ 8/4 誤字修正しました。
※ なろうにも投稿しています。
セレナの居場所 ~下賜された側妃~
緑谷めい
恋愛
後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる