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逃れられないみたいです
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気づいたら私の部屋のベッド脇にいた。
カオウはベッドに座ると、私を持ち上げて膝の上に座らせる。
向かいあって、私がカオウを跨いでる状態。
ベッドに放置していたナイトガウンを私の肩にかけてくれた。
縛られた手を窮屈そうにしていると、
「本当は解きたくないんだけど」
なんて言いながら解いてくれ、私の手首に痕がついていないか確認する。
その手つきが優しくてなんだか照れてしまった。
「…………この前」
ぽつりと呟かれ、私の手首をさするカオウの綺麗な指に止めていた視線を上げる。
彼は真剣な表情をしていた。
「二週間いなかっただろ」
「うん」
「あれ、父親が倒れたんだ」
「えっ」
一瞬心臓が止まったのかと思うほどびっくりして、カオウを凝視する。
「カオウのお父さんって、王様ってことだよね?だ、大丈夫なの?」
「結局大したことなかったんだけど、かなり弱気になってさ」
カオウは一度言葉を切って、目を伏せた。
「……早く妻を娶れって迫られた」
「…………え!?」
「オレは椿以外とはしないって今まで何度も言ってるんだけど、連れて来られないなら諦めて他の人と結婚しろだって」
「そ、それは……」
心臓からドッドッと変な音が鳴ってる。
そ、それはもう覚悟決める時間がないってこと?
「即位も早まるかもしれない。オレはここの世界の政治とか経済のしくみをもっと勉強したいんだけど。文明はかなり遅れてるから全部は取り入れられないにしても……」
なんだかカオウが王子っぽいことペラペラ語り始めたけど、全く頭に入ってこない。
さくら情報によると異世界っていったら貴族社会らしい。王子には大抵婚約者がいるとか。
悪役令嬢に気をつけろって言ってたけどどういうことだろう?
実はカオウにも婚約者がいて、私はその人からカオウを奪う役的な?
「……本当は焦ってたんだ。椿は思い出さないどころか、なかなかオレの世界のこと知ろうとしてくれないから……」
あ、私の話に戻った。聞いてなかったけどいいよね。
神社で連れてってって言おうとしてたけど、最後まで言ってないから言ったうちに入らない。
だって冷静になるとやっぱり気後れしてしまう。とりあえず向こうの世界のこと教えてもらってからじゃないと。
とりあえず悪役令嬢いるか聞かなきゃ……って、私まだテンパってるみたい。
「……でも」
現実逃避していたら、カオウは私の手をとり恋人つなぎするように指を絡めて繋いだ。
その表情は、なぜか嬉しそう。
「椿は俺の世界に来る気があるみたいだから、ホッとした」
「…………え?」
「さっき言ってくれただろ」
「言ってないよ!?」
「神社のとこで言っただろ」
「いやいや、言ってないよ」
うん、言ったうちには入らない。
「オレが他の人と結婚してもいいわけ?」
「う……それは……嫌だけど…………」
「それなら来てくれないと。オレの親は椿に早く会いたがってるし、結婚式の準備もあるし」
「ぅえ!?」
けっ……結婚式!?
「盛大にやりたいんだよね」
「ちょっ……ちょっと待って。私、カオウの世界のことなんにも知らない。それにほら、言葉が違うなら覚えてからじゃないと」
「オレが通訳するし、これからみっちり教えるから大丈夫」
「行儀作法とかも知らないよ。いきなり私を紹介しても、カオウに恥かかせちゃうかも」
「それも教育係つけるから大丈夫」
「だけど得体のしれないところから来た私がすんなり受け入れられるとは思えないんだけど」
「みんなオレのこと優しくて誠実な王子って思い込んでるから、オレが選んだ人なら間違いないって思ってるよ」
「へ?優しい?誠実?」
「みんな椿に会うの楽しみにしてる。すでに部屋とか服とか、椿がいつ来てもいいように準備してくれてる」
「だから安心していいよ」とカオウはにっこりして言った。
すごくかわいい笑顔だけど、目が「だから逃がさないよ」って言ってる気がしてちょっと怖い。
まだ18歳なのにもう結婚?
しかもゆくゆくは王妃になるんだよね、異世界の。
……どうしよう。笑えない。
頭をフル回転させてなんとか延期できないか考えた。
「カオウ、残念だけど日本には年長者から結婚するという法律がありまして。兄が結婚しないと私もできないんだよね」
「バレバレの嘘つくな。そんな法律ないこと知ってる」
ものすごく胡乱な目つきをされた。
「えーとえーと……あ、でも普通は女性側の親の許可得てからっていうのが常識というか礼儀だよ」
「それは……オレの世界でもそうだけど……」
痛い所をつかれた、というような顔をして俯くカオウ。
これだ!と私の気が急く。
「だよねだよね!やっぱり私のお父さんの意見も聞かないとだめだと思う。許すかなあ、あの人」
さすがにいい大人が異世界なんて信じるとは思えない。
それに十代で結婚なんて絶対許さないだろうから、数年はかかるはず。
カオウもさぞ難題に感じているだろうと彼の顔を覗きこもうとしたとき。
パッと顔があがった。
予想に反して、カオウの顔はキラキラ輝いていた。
あれ?
「親の許可がおりてたらいいんだな!」
「え? で、でも難しいと思うよ。お父さん幽霊信じないし、ファンタジーどころかSFだって興味ないもん」
「卒業したら結婚しような」
「カオウ、私の話聞いてる!?」
カオウは私をギュッと抱きしめるとベッドへ押し倒した。
嬉しそうに私の頬を撫でる。
「やっと正真正銘オレのものにできる」
「んんっ」
唇を塞がれてペロリと舐められた。
思わず開けてしまった口にぬるりと舌が入ってきて、すぐに甘い吐息が混ざり合い、強く私の舌を吸ってから離れる。
満足そうに唾液の糸を舐めとりながら私を見下ろす顔はやけに色気があった。
それだけで植え付けられた快感の記憶で体がゾクゾクする。
私の足を持ち上げて脛にキスすると、自分の両肩にかけた。
今日はもうしないと思っていた私の胸がドキドキと高鳴る。
「ま、またするの?」
「うん。まだまだ足りない」
カオウは自分の固くなったモノを持つと秘部にぬりぬりと擦り付ける。突起に亀頭があたるたび軽微な電流が走った。
「あっ」
「……いい顔」
カオウは口角を上げると、ズプリと中に挿入した。
今日何度も達しているのに、私の陰部は貪欲にカオウを飲み込んでいく。
ゆっくり奥まで挿れ、ゆっくり抜き、またゆっくり入ってくる。焦らすような動きでじわじわ責められて、私の蜜がとろりと溢れてきたのがわかった。
「……はっ……あ……カオウ…それ……だめ……」
「だめ?」
「ん……あ……だ、だめ……」
「ホントに? 嫌?」
カオウは意地悪く笑う。私が求めてるものが何かわかってるくせに。
欲情を抑えた金色の瞳が私の心を乱す。
どれだけもがいても、もう抜け出せないのかも。
「や……カオウ……もう……だめ。もっと、いじめてくれなきゃ嫌」
恥ずかしかったけどついに吐露すると、彼の顔が赤くなった。
「……椿ってほんとに…………」
そう言った途端、ぐちゅっとカオウのモノが深く入ってきた。
上に向いてた爪先が段々頭の方に来て、カオウは私に乗るようにグッグッと体を揺らす。
「あっ……カオウ!……はぁ…あっ…………」
「……もっとオレの名前呼んで」
「カオウ……んぁっ……気持ちいい……カオウっ」
「っ……オレもすごく気持ちいい……今日は特に」
「んっああっ。んっんっ……!カオウ……私……」
「椿…………はぁ……」
「カ……カオウ……お願い……ギュッてして」
全身でカオウを感じたかった。
カオウは肩から私の足を降ろすと、体の下に腕を回してきつく抱きしめる。
私もカオウの首の後ろに手を回した。
体温が心地よくて体の中も外も全部気持ちよかった。
抱き合いながら深い口づけを交わすと頭の中まで溶けそうになる。
「ん……ふぁ…」
「はっ……は……椿……」
耳元で名前を呼ばれただけでクラクラする。
カオウも私と同じくらい気持ちが昂っているのか息が荒かった。
「……もう……我慢できない。……壊していい?」
「えっ。あっカオウ! ああっっ」
カオウは私の耳に舌を這わせながら夢中で体を揺すった。
ぐちゅぐちゅ卑猥な音が耳からも蜜壺からも聞こえて、私の喘ぎ声も堪えきれず、何度もビクビク震えながらカオウにしがみつく。
次第に意識が朦朧としてきた。
「はっ…ああっ………カオウ……!」
「椿……気持ちいい?」
「うんっ」
「オレのこと好き?」
「うん」
「もっとオレの好きにしていい?」
「うん……」
混濁する意識の中、ろくに考えもせず返事をしてた。
「じゃあ………………る?」
「……う……ん」
最後の言葉はよく聞こえないままただ頷いて……そこで意識を手放した。
*******
その日を境に、私は違う夢を見るようになった。
ここはベルサイユ宮殿かしら?と思うような豪奢な部屋で目が覚める。
夢の中の私は、神秘的な白銀色の髪、清らかな碧色の瞳の少女。
さくらに似た侍女に朝の支度をしてもらって、金髪金眼の少年と朝食をとる。
昼間は学校へ行ったり、公務をしたり、時々城を抜け出したりして。
どんなときもカオウと一緒にいた。
穏やかで、幸せな日々。
でも刻々と近づく別れを意識しながら過ごす、切ない日々。
そんな夢から覚めた私の目にはいつも涙があった。
その後二人がどうなったかは、まだわからない。
結末を知りたいような、知りたくないような。
今日もぼんやりした頭で夢を反芻してから、目を開ける。
「…………ん?」
まだ夢の続きを見ているのかな?
ベルサイユ宮殿ってほどではないけれど、豪華な部屋。異国の城っぽい内装。ベッドは天蓋付き。
あれ……?
ここ……どこ?
………夢……だよね?
カオウはベッドに座ると、私を持ち上げて膝の上に座らせる。
向かいあって、私がカオウを跨いでる状態。
ベッドに放置していたナイトガウンを私の肩にかけてくれた。
縛られた手を窮屈そうにしていると、
「本当は解きたくないんだけど」
なんて言いながら解いてくれ、私の手首に痕がついていないか確認する。
その手つきが優しくてなんだか照れてしまった。
「…………この前」
ぽつりと呟かれ、私の手首をさするカオウの綺麗な指に止めていた視線を上げる。
彼は真剣な表情をしていた。
「二週間いなかっただろ」
「うん」
「あれ、父親が倒れたんだ」
「えっ」
一瞬心臓が止まったのかと思うほどびっくりして、カオウを凝視する。
「カオウのお父さんって、王様ってことだよね?だ、大丈夫なの?」
「結局大したことなかったんだけど、かなり弱気になってさ」
カオウは一度言葉を切って、目を伏せた。
「……早く妻を娶れって迫られた」
「…………え!?」
「オレは椿以外とはしないって今まで何度も言ってるんだけど、連れて来られないなら諦めて他の人と結婚しろだって」
「そ、それは……」
心臓からドッドッと変な音が鳴ってる。
そ、それはもう覚悟決める時間がないってこと?
「即位も早まるかもしれない。オレはここの世界の政治とか経済のしくみをもっと勉強したいんだけど。文明はかなり遅れてるから全部は取り入れられないにしても……」
なんだかカオウが王子っぽいことペラペラ語り始めたけど、全く頭に入ってこない。
さくら情報によると異世界っていったら貴族社会らしい。王子には大抵婚約者がいるとか。
悪役令嬢に気をつけろって言ってたけどどういうことだろう?
実はカオウにも婚約者がいて、私はその人からカオウを奪う役的な?
「……本当は焦ってたんだ。椿は思い出さないどころか、なかなかオレの世界のこと知ろうとしてくれないから……」
あ、私の話に戻った。聞いてなかったけどいいよね。
神社で連れてってって言おうとしてたけど、最後まで言ってないから言ったうちに入らない。
だって冷静になるとやっぱり気後れしてしまう。とりあえず向こうの世界のこと教えてもらってからじゃないと。
とりあえず悪役令嬢いるか聞かなきゃ……って、私まだテンパってるみたい。
「……でも」
現実逃避していたら、カオウは私の手をとり恋人つなぎするように指を絡めて繋いだ。
その表情は、なぜか嬉しそう。
「椿は俺の世界に来る気があるみたいだから、ホッとした」
「…………え?」
「さっき言ってくれただろ」
「言ってないよ!?」
「神社のとこで言っただろ」
「いやいや、言ってないよ」
うん、言ったうちには入らない。
「オレが他の人と結婚してもいいわけ?」
「う……それは……嫌だけど…………」
「それなら来てくれないと。オレの親は椿に早く会いたがってるし、結婚式の準備もあるし」
「ぅえ!?」
けっ……結婚式!?
「盛大にやりたいんだよね」
「ちょっ……ちょっと待って。私、カオウの世界のことなんにも知らない。それにほら、言葉が違うなら覚えてからじゃないと」
「オレが通訳するし、これからみっちり教えるから大丈夫」
「行儀作法とかも知らないよ。いきなり私を紹介しても、カオウに恥かかせちゃうかも」
「それも教育係つけるから大丈夫」
「だけど得体のしれないところから来た私がすんなり受け入れられるとは思えないんだけど」
「みんなオレのこと優しくて誠実な王子って思い込んでるから、オレが選んだ人なら間違いないって思ってるよ」
「へ?優しい?誠実?」
「みんな椿に会うの楽しみにしてる。すでに部屋とか服とか、椿がいつ来てもいいように準備してくれてる」
「だから安心していいよ」とカオウはにっこりして言った。
すごくかわいい笑顔だけど、目が「だから逃がさないよ」って言ってる気がしてちょっと怖い。
まだ18歳なのにもう結婚?
しかもゆくゆくは王妃になるんだよね、異世界の。
……どうしよう。笑えない。
頭をフル回転させてなんとか延期できないか考えた。
「カオウ、残念だけど日本には年長者から結婚するという法律がありまして。兄が結婚しないと私もできないんだよね」
「バレバレの嘘つくな。そんな法律ないこと知ってる」
ものすごく胡乱な目つきをされた。
「えーとえーと……あ、でも普通は女性側の親の許可得てからっていうのが常識というか礼儀だよ」
「それは……オレの世界でもそうだけど……」
痛い所をつかれた、というような顔をして俯くカオウ。
これだ!と私の気が急く。
「だよねだよね!やっぱり私のお父さんの意見も聞かないとだめだと思う。許すかなあ、あの人」
さすがにいい大人が異世界なんて信じるとは思えない。
それに十代で結婚なんて絶対許さないだろうから、数年はかかるはず。
カオウもさぞ難題に感じているだろうと彼の顔を覗きこもうとしたとき。
パッと顔があがった。
予想に反して、カオウの顔はキラキラ輝いていた。
あれ?
「親の許可がおりてたらいいんだな!」
「え? で、でも難しいと思うよ。お父さん幽霊信じないし、ファンタジーどころかSFだって興味ないもん」
「卒業したら結婚しような」
「カオウ、私の話聞いてる!?」
カオウは私をギュッと抱きしめるとベッドへ押し倒した。
嬉しそうに私の頬を撫でる。
「やっと正真正銘オレのものにできる」
「んんっ」
唇を塞がれてペロリと舐められた。
思わず開けてしまった口にぬるりと舌が入ってきて、すぐに甘い吐息が混ざり合い、強く私の舌を吸ってから離れる。
満足そうに唾液の糸を舐めとりながら私を見下ろす顔はやけに色気があった。
それだけで植え付けられた快感の記憶で体がゾクゾクする。
私の足を持ち上げて脛にキスすると、自分の両肩にかけた。
今日はもうしないと思っていた私の胸がドキドキと高鳴る。
「ま、またするの?」
「うん。まだまだ足りない」
カオウは自分の固くなったモノを持つと秘部にぬりぬりと擦り付ける。突起に亀頭があたるたび軽微な電流が走った。
「あっ」
「……いい顔」
カオウは口角を上げると、ズプリと中に挿入した。
今日何度も達しているのに、私の陰部は貪欲にカオウを飲み込んでいく。
ゆっくり奥まで挿れ、ゆっくり抜き、またゆっくり入ってくる。焦らすような動きでじわじわ責められて、私の蜜がとろりと溢れてきたのがわかった。
「……はっ……あ……カオウ…それ……だめ……」
「だめ?」
「ん……あ……だ、だめ……」
「ホントに? 嫌?」
カオウは意地悪く笑う。私が求めてるものが何かわかってるくせに。
欲情を抑えた金色の瞳が私の心を乱す。
どれだけもがいても、もう抜け出せないのかも。
「や……カオウ……もう……だめ。もっと、いじめてくれなきゃ嫌」
恥ずかしかったけどついに吐露すると、彼の顔が赤くなった。
「……椿ってほんとに…………」
そう言った途端、ぐちゅっとカオウのモノが深く入ってきた。
上に向いてた爪先が段々頭の方に来て、カオウは私に乗るようにグッグッと体を揺らす。
「あっ……カオウ!……はぁ…あっ…………」
「……もっとオレの名前呼んで」
「カオウ……んぁっ……気持ちいい……カオウっ」
「っ……オレもすごく気持ちいい……今日は特に」
「んっああっ。んっんっ……!カオウ……私……」
「椿…………はぁ……」
「カ……カオウ……お願い……ギュッてして」
全身でカオウを感じたかった。
カオウは肩から私の足を降ろすと、体の下に腕を回してきつく抱きしめる。
私もカオウの首の後ろに手を回した。
体温が心地よくて体の中も外も全部気持ちよかった。
抱き合いながら深い口づけを交わすと頭の中まで溶けそうになる。
「ん……ふぁ…」
「はっ……は……椿……」
耳元で名前を呼ばれただけでクラクラする。
カオウも私と同じくらい気持ちが昂っているのか息が荒かった。
「……もう……我慢できない。……壊していい?」
「えっ。あっカオウ! ああっっ」
カオウは私の耳に舌を這わせながら夢中で体を揺すった。
ぐちゅぐちゅ卑猥な音が耳からも蜜壺からも聞こえて、私の喘ぎ声も堪えきれず、何度もビクビク震えながらカオウにしがみつく。
次第に意識が朦朧としてきた。
「はっ…ああっ………カオウ……!」
「椿……気持ちいい?」
「うんっ」
「オレのこと好き?」
「うん」
「もっとオレの好きにしていい?」
「うん……」
混濁する意識の中、ろくに考えもせず返事をしてた。
「じゃあ………………る?」
「……う……ん」
最後の言葉はよく聞こえないままただ頷いて……そこで意識を手放した。
*******
その日を境に、私は違う夢を見るようになった。
ここはベルサイユ宮殿かしら?と思うような豪奢な部屋で目が覚める。
夢の中の私は、神秘的な白銀色の髪、清らかな碧色の瞳の少女。
さくらに似た侍女に朝の支度をしてもらって、金髪金眼の少年と朝食をとる。
昼間は学校へ行ったり、公務をしたり、時々城を抜け出したりして。
どんなときもカオウと一緒にいた。
穏やかで、幸せな日々。
でも刻々と近づく別れを意識しながら過ごす、切ない日々。
そんな夢から覚めた私の目にはいつも涙があった。
その後二人がどうなったかは、まだわからない。
結末を知りたいような、知りたくないような。
今日もぼんやりした頭で夢を反芻してから、目を開ける。
「…………ん?」
まだ夢の続きを見ているのかな?
ベルサイユ宮殿ってほどではないけれど、豪華な部屋。異国の城っぽい内装。ベッドは天蓋付き。
あれ……?
ここ……どこ?
………夢……だよね?
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