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第五話
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次の日、大学へ行くと校門前で八月一日に偶然会った。
「あ、八月一日…」
「……月島君、おはよう」
普通に挨拶をされて俺は少し挙動不審になりながら「お、おはよ」と同じように挨拶をした。
「き、昨日は悪かった。気を悪くするようなこと聞いて」
「……」
昨日のことをまだ謝っていなかったため、謝ると八月一日はまたしても虚無の色で染められた瞳で俺を見てきた。俺は、八月一日のこの瞳を見るとどうしようもなく悲しくなってしまう、寂しくなってしまう。
「八月一日…?」
「……大丈夫だよ。気にしていないから」
「気にしてないって……」
「ほんと、気にしてないから。仕方ないよ、知らなかったんだから」
八月一日はそう言うと諦めたような笑みを浮かべた。初めて見る八月一日の笑みがこんなに悲しいものだとは思わなかった。
「八月一日、今日の夜暇か?」
「特に予定は無いけど、なんで?」
「八月一日の書いた小説、読みたいから」
「えっ…」
「八月一日の書いた小説を読みたい。駄目か?」
そう問い掛けると八月一日は酷く困ったような表情で俺を見てきた。
「小説は、恥ずかしいから、やだ」
「じゃあご飯だけでも……!!」
「……ご飯だけなら」
八月一日はそう言うと頬を少し赤く染めて建物内に入っていってしまった。
「あ、八月一日…」
「……月島君、おはよう」
普通に挨拶をされて俺は少し挙動不審になりながら「お、おはよ」と同じように挨拶をした。
「き、昨日は悪かった。気を悪くするようなこと聞いて」
「……」
昨日のことをまだ謝っていなかったため、謝ると八月一日はまたしても虚無の色で染められた瞳で俺を見てきた。俺は、八月一日のこの瞳を見るとどうしようもなく悲しくなってしまう、寂しくなってしまう。
「八月一日…?」
「……大丈夫だよ。気にしていないから」
「気にしてないって……」
「ほんと、気にしてないから。仕方ないよ、知らなかったんだから」
八月一日はそう言うと諦めたような笑みを浮かべた。初めて見る八月一日の笑みがこんなに悲しいものだとは思わなかった。
「八月一日、今日の夜暇か?」
「特に予定は無いけど、なんで?」
「八月一日の書いた小説、読みたいから」
「えっ…」
「八月一日の書いた小説を読みたい。駄目か?」
そう問い掛けると八月一日は酷く困ったような表情で俺を見てきた。
「小説は、恥ずかしいから、やだ」
「じゃあご飯だけでも……!!」
「……ご飯だけなら」
八月一日はそう言うと頬を少し赤く染めて建物内に入っていってしまった。
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