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八話
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次の日、軽いヒートが落ち着いた俺は希緒の熱を測っていた。
「36.4度。熱下がったね、良かった」
「にーに、抱っこ」
「甘えん坊さんは健在か」
クスクスと笑いながら俺は希緒を抱き上げた。熱が下がって良かった、と心から思う。それと同時に昨日の先輩の様子が気になった。軽くだが俺のフェロモンを浴びてしまっていた。なのに理性で本能を制して俺を襲おうとはしなかった。
「本当、優しい人だな」
いや、ただのお人好しなのかもしれない。
そんな事を思っていると皇先輩に関するある噂を思い出した。同じ学年の女子生徒が話していた。それは『皇日向は、バース性を問わず女性が苦手なのだ』というものだった。
俺のトラウマのようなものだろうか。何か昔の事があって……?
そんな事を考えながらボーッとしていると希緒に「にーに、がっこーは?」と言われてしまった。
慌てて時計を見ると家を出る時間になっていた。
「おっとー、まじか」
やけに冷静にそんな事を言い希緒を急いで着替えさせて小さなおにぎりを作り食べさせながら保育園に連れて行った。
・・・・・・・・・
希緒を保育園に連れて行き、俺は大学にやってきた。今日は必ず受けなきゃいけない授業がある。それを受けないと留年、もしくはレポートを山のように書かなければならない。
「それは絶対に嫌だ」
小さな声で独り言を言いながらパソコンを取り出して食堂で執筆していると目の前に皇先輩が座ってきた。
「おはようございます、真琴君」
「おはようございます、先輩」
「昨日はあの後大丈夫でしたか?」
「はい、なんとか」
お互い敬語で話しているせいか他人行儀な気がしてならない。
「36.4度。熱下がったね、良かった」
「にーに、抱っこ」
「甘えん坊さんは健在か」
クスクスと笑いながら俺は希緒を抱き上げた。熱が下がって良かった、と心から思う。それと同時に昨日の先輩の様子が気になった。軽くだが俺のフェロモンを浴びてしまっていた。なのに理性で本能を制して俺を襲おうとはしなかった。
「本当、優しい人だな」
いや、ただのお人好しなのかもしれない。
そんな事を思っていると皇先輩に関するある噂を思い出した。同じ学年の女子生徒が話していた。それは『皇日向は、バース性を問わず女性が苦手なのだ』というものだった。
俺のトラウマのようなものだろうか。何か昔の事があって……?
そんな事を考えながらボーッとしていると希緒に「にーに、がっこーは?」と言われてしまった。
慌てて時計を見ると家を出る時間になっていた。
「おっとー、まじか」
やけに冷静にそんな事を言い希緒を急いで着替えさせて小さなおにぎりを作り食べさせながら保育園に連れて行った。
・・・・・・・・・
希緒を保育園に連れて行き、俺は大学にやってきた。今日は必ず受けなきゃいけない授業がある。それを受けないと留年、もしくはレポートを山のように書かなければならない。
「それは絶対に嫌だ」
小さな声で独り言を言いながらパソコンを取り出して食堂で執筆していると目の前に皇先輩が座ってきた。
「おはようございます、真琴君」
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「はい、なんとか」
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