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彼女、フルミニスの提案に意を唱える者は一人いた。
当たり前と言えば当たり前だわ。
「お前正気か!?人間を弟子にするなんて!」
「逆になんでダメなんや?マーラの指導だって自分生き生きとしてたやないか」
「マーラは別だ。彼女は同族である人間に虐げられた。人間としての常識はない!」
「せやな。流石にマーラが可哀想だからここら辺まで逃がしたんやもんな」
「そうだ。だがここには精霊の障気が多すぎる!俺は失敗した!」
「せやなぁ。でも自分もウチもこの国の王子に完封された。生かされるだけでもありがたい話やのに」
オリバー殿下は精霊王相手にも引けを取らない実力なのね。
流石だわ。
学園を卒業したときよりも成長してるのね。
「次は勝てる!」
「勝てへん勝てへん。あの超級魔法は人間にしかできひん様なアイデアや」
「勝てる!」
「無理や!全く相変わらずやな!鉄拳制裁や!キングコング!」
キングコング?
その言葉と共にフルミニスの後ろに雷が発生した。
ちょっと待って!?
そんなに狭い部屋ではないとはいえ、3mほどのゴリラのような形容の雷に変化している。
こんな魔法知らない。
「テメェ!超級魔法を使うってことは戦争だぞ!?」
超級魔法!?
あれが雷の超級魔法。
初めて見たけど、他の魔法と違って諸に動物の形をしてるのね。
「もちろんや!風は雷とは相性がええ!おらぁああああ!」
「この!」
アウラもソニックストームとキングコングがぶつかり合い、その余波がこちらにもビリビリと伝わり受ける。
攻撃の超級魔法がぶつかり合うとこれほどになるのね。
ライトニングアイテルを展開してモモさんを護らないといけないから動けないけど、このままだと部屋が吹っ飛ぶわ。
誰か入って来ても巻き込みを受ける。
「くっ、このままじゃまずいわ」
「・・・うるさい」
その声と共に超級魔法はどちらも消失した。
恐らく声の犯人がこれをしてのけたのだろう。
「ネテブラ・・・」
「あー、ちょっと頭冷えたで。すまんなぁネテブラ。自分も反省せぇやアウラ」
「あ・・・あぁ」
ネテブラが超級魔法を消し去る何かをした。
それは攻撃の魔法か、防御の魔法か。
なんにしても、あれを吹き飛ばすほどの何かをしたのね。
「悪いな嬢ちゃん。ウチの魔法防いでくれてありがとーな」
「大丈夫よ。でもこういうのはこの国ではやめてね」
「わかったで」
「アハハ。流石は稲妻だ」
拍手と共にこの部屋に入ってくるオリバー様。
貴方、言ってることが全然違いましたけど?
この感じ、私を彼らに見定めさせるために部屋に行かせたわね。
「精霊王のフルミニスは同じ雷属性の使い手の稲妻のことを気に入ると思ってたけど、思惑通りでよかったわ」
「オリバー王太子、お嬢ちゃんはウチの弟子にすることにしたで」
「助かるよ。確かに今でも稲妻は実力者だし、軍の中でも上位に位置づけされるほどだけど、大国の兵と単身で闘うには役不足だ。粗削りでこれほどだから君が磨けば、この国の宝になると信じている」
「でも私はグレンやガウリ様が目覚めるまで、どこかに行く気はありません」
「あぁ、それも問題ないよ。そうだよねフルミニス?」
「せやな。そのグレンっちゅー小僧とガウリっちゅー小僧も精霊界に連れて行くさかい」
「二人とも!?でもまだ意識はないわよ?」
「それはそうや。精霊界で治療するんやからな」
「え?」
精霊界で治療?
二人は精霊の力を借りないといけないほど疲弊しているの?
「超級魔法を受けた人間が、肉体が無事でも魔力回路はボロボロだよ?流石に僕もお手上げだと思ってたとき、フルミニスに提案されたんだ。君が国内でホエールを発動したときに、君のことを弟子にしたいと思ったって」
「ホエールは魔力量が多くないと扱えない魔法やかんな。それも何度も発動するとなると、ウチら精霊レベルで魔力があるとみていいと思ったんやで」
「なるほど」
確かに魔力の消費は大きい。
恐らくラフィール様でも二発が限界だと思うし。
「魔力量で気に入られたわけね」
「まぁそれだけちゃうけどな。でも概ねその通りや。それでウチの弟子になるんか?」
これを受けなきゃ二人は多分魔道士としてやってはいけない。
それに私も強くなりたいもの。
マーティンの様なレベルの人間が剣婦にだっているだろうし、神国やナンチョウにだって。
私はこの程度じゃ、今度こそ本当に大事な物を守れないかも知れないわ。
「よろしくお願いするわフルミニス」
「任せとき。ウチは厳しく行くから覚悟しな!」
「望むトコロよ」
「うんうん。もっと強くなって僕や王国に利益を頼むよ」
「貴方はもう少し自重してください」
「アハハ!」
笑い事じゃ無いわよ。
ホントこういうことはやめて欲しいわね。
マリアも着いてきて欲しいと思ったけど、彼女はマザーコアで国を離れるわけにはいかないものね。
私、絶対に強くなって世界にも通用する実力を身につけるわ。
当たり前と言えば当たり前だわ。
「お前正気か!?人間を弟子にするなんて!」
「逆になんでダメなんや?マーラの指導だって自分生き生きとしてたやないか」
「マーラは別だ。彼女は同族である人間に虐げられた。人間としての常識はない!」
「せやな。流石にマーラが可哀想だからここら辺まで逃がしたんやもんな」
「そうだ。だがここには精霊の障気が多すぎる!俺は失敗した!」
「せやなぁ。でも自分もウチもこの国の王子に完封された。生かされるだけでもありがたい話やのに」
オリバー殿下は精霊王相手にも引けを取らない実力なのね。
流石だわ。
学園を卒業したときよりも成長してるのね。
「次は勝てる!」
「勝てへん勝てへん。あの超級魔法は人間にしかできひん様なアイデアや」
「勝てる!」
「無理や!全く相変わらずやな!鉄拳制裁や!キングコング!」
キングコング?
その言葉と共にフルミニスの後ろに雷が発生した。
ちょっと待って!?
そんなに狭い部屋ではないとはいえ、3mほどのゴリラのような形容の雷に変化している。
こんな魔法知らない。
「テメェ!超級魔法を使うってことは戦争だぞ!?」
超級魔法!?
あれが雷の超級魔法。
初めて見たけど、他の魔法と違って諸に動物の形をしてるのね。
「もちろんや!風は雷とは相性がええ!おらぁああああ!」
「この!」
アウラもソニックストームとキングコングがぶつかり合い、その余波がこちらにもビリビリと伝わり受ける。
攻撃の超級魔法がぶつかり合うとこれほどになるのね。
ライトニングアイテルを展開してモモさんを護らないといけないから動けないけど、このままだと部屋が吹っ飛ぶわ。
誰か入って来ても巻き込みを受ける。
「くっ、このままじゃまずいわ」
「・・・うるさい」
その声と共に超級魔法はどちらも消失した。
恐らく声の犯人がこれをしてのけたのだろう。
「ネテブラ・・・」
「あー、ちょっと頭冷えたで。すまんなぁネテブラ。自分も反省せぇやアウラ」
「あ・・・あぁ」
ネテブラが超級魔法を消し去る何かをした。
それは攻撃の魔法か、防御の魔法か。
なんにしても、あれを吹き飛ばすほどの何かをしたのね。
「悪いな嬢ちゃん。ウチの魔法防いでくれてありがとーな」
「大丈夫よ。でもこういうのはこの国ではやめてね」
「わかったで」
「アハハ。流石は稲妻だ」
拍手と共にこの部屋に入ってくるオリバー様。
貴方、言ってることが全然違いましたけど?
この感じ、私を彼らに見定めさせるために部屋に行かせたわね。
「精霊王のフルミニスは同じ雷属性の使い手の稲妻のことを気に入ると思ってたけど、思惑通りでよかったわ」
「オリバー王太子、お嬢ちゃんはウチの弟子にすることにしたで」
「助かるよ。確かに今でも稲妻は実力者だし、軍の中でも上位に位置づけされるほどだけど、大国の兵と単身で闘うには役不足だ。粗削りでこれほどだから君が磨けば、この国の宝になると信じている」
「でも私はグレンやガウリ様が目覚めるまで、どこかに行く気はありません」
「あぁ、それも問題ないよ。そうだよねフルミニス?」
「せやな。そのグレンっちゅー小僧とガウリっちゅー小僧も精霊界に連れて行くさかい」
「二人とも!?でもまだ意識はないわよ?」
「それはそうや。精霊界で治療するんやからな」
「え?」
精霊界で治療?
二人は精霊の力を借りないといけないほど疲弊しているの?
「超級魔法を受けた人間が、肉体が無事でも魔力回路はボロボロだよ?流石に僕もお手上げだと思ってたとき、フルミニスに提案されたんだ。君が国内でホエールを発動したときに、君のことを弟子にしたいと思ったって」
「ホエールは魔力量が多くないと扱えない魔法やかんな。それも何度も発動するとなると、ウチら精霊レベルで魔力があるとみていいと思ったんやで」
「なるほど」
確かに魔力の消費は大きい。
恐らくラフィール様でも二発が限界だと思うし。
「魔力量で気に入られたわけね」
「まぁそれだけちゃうけどな。でも概ねその通りや。それでウチの弟子になるんか?」
これを受けなきゃ二人は多分魔道士としてやってはいけない。
それに私も強くなりたいもの。
マーティンの様なレベルの人間が剣婦にだっているだろうし、神国やナンチョウにだって。
私はこの程度じゃ、今度こそ本当に大事な物を守れないかも知れないわ。
「よろしくお願いするわフルミニス」
「任せとき。ウチは厳しく行くから覚悟しな!」
「望むトコロよ」
「うんうん。もっと強くなって僕や王国に利益を頼むよ」
「貴方はもう少し自重してください」
「アハハ!」
笑い事じゃ無いわよ。
ホントこういうことはやめて欲しいわね。
マリアも着いてきて欲しいと思ったけど、彼女はマザーコアで国を離れるわけにはいかないものね。
私、絶対に強くなって世界にも通用する実力を身につけるわ。
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