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第6話 久しぶらない再会

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 神仙組の屯所ってところへと連れてこられた俺は、驚きで声が出なかった。
 洋風の建物なんだ。
 ゲームとかで見た和な建物を勝手に想像していた。

「おかえり近藤さん」

「帰ったぞトシ」

 あれはもしかして土方歳三か!?
 男にも女にも見えるし、声も中性的だ。
 でも近藤勇も名前が違ったし性別も違う。
 女の可能性を考慮してセクハラ発言は気を付けないと。

「紹介しよう。コイツは宗方トシミ。私の実家が経営してた道場の妹弟子よ」

「名前に土方要素一つもねぇ!」

「ん?」

 なんだよ宗方トシミって。
 確かに方とトシは合ってる。
 合ってるけど、これで土方を連想できる奴ぜってぇいねぇよ!
 関係性は近藤と土方なのにどうなってんだよ!
 てかやっぱり女なんだ。
 と言うかあの耳ってシェパードかな?

「そいつは誰なんだい近藤さん?」

「深山博人って名前だからヒロよ」

「ヒロトか。近藤さんが拾ってきたってことはそれなりの実力者なのか?」

「いやー、例の薬を持っていると思われていた奴をしょっ引こうとしてたら、土下座してる奴が居たからね。連れてきた」

「近藤さん、神仙組は野良ネコを引き取り組織じゃねぇぞ」

「まぁまぁ」

「まぁ例の薬を使った相手に逃げ出さず土下座して回避しようとしてるトコロが近藤さん気に入ったんだろ」

「あぁそうさ!」

「お前も大変だなヒロト」

「それはその・・・はい」

 そう思うなら帰してくれよって言えない。
 この屯所にたどり着いて目を覚ましたら胸が痛くて抑え込んだら、近藤さんが治癒魔法で治療してくれたけど、鳩尾付近の肋骨が骨折してて肺が破裂していたらしい。
 また同じ目に遭うのが怖すぎる。

「しかし猿耳族か。珍しい奴を連れて来たな」

「あ、俺はその獣人ではないんです」

「獣人ではない?どうみても日本人顔だがまさかヒューマンなのか?」

「その、そうです」

 やっぱりヒューマンって珍しいのか。
 いや新撰組が居た時代背景を考えると外人ってのは珍しいのか。
 そもそもここってパラレルワールドの過去なのか異世界なのかよくわからないな。

「幕府が外人を迎え入れ始めたから俺達にも仕事が回ってきた訳だが、ここまで日本人顔のヒューマンは初めて見たぜ」

「その、俺はこことは違う世界の日本から来たんです」

「こことは違う世界?」

「へぇ、それ私も初めて聞いた。詳しく教えてよ」

「えっとーーー」

 事情を話そうとしたその時、玄関のドアを思いきり開ける音に全員がそちらに意識を向けた。
 そしてそれは俺が異世界で初めてあった人だった。

「たっだいまー!今日は不法入国者をしょっぴいて来たよー・・・って君はぁあああ!」

「お前ぇー!」

 互いが指を差し合った。
 コイツがあの時俺に説明してくれたら、俺はしょっぴかれずに済んだのに。
 いやいや責任転嫁は良くないな。

「お、帰ったかソウジュ!」

 ソウジュ!?
 もしかしてこいつが異世界番の沖田総司!?
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