上 下
60 / 106
三章

共闘、敵だった者と手を取り合う(ミライ視点)

しおりを挟む
 ボクはボクの出来ることをやろうと、リアスくんが現れた時に一緒に抱えてたパルバディとガーデルを守った。
 ボクとしては正直どうでもよかったけど、リアスくんが連れて来たと言うことは少なくとも死なせたくは無いと思った。
 だから身体が勝手に二人を守っていた。
 リアスくんはボクのことを捜したあと、ボクを見つけて親指を立ててたから間違ってないんだよね。

「くっ、ここは・・・」

「どうやらわたし達は全員何らかの影響で、魔力体が破損したのでしょうね。いつまで寝ているのですかグランベル」

「ぐへっ!てめぇ、こっちはお前の所為で身体が・・・ってあれ?なんで動けるんだ?」

「それは魔力体の点穴を付いたからですよ」

 金髪ロングの彼は、たしかグランベルだったかな?
 二人は闘ってたんだ。
 しかも点穴を突いたってことは、グランベルは敢えて落とさなかったんだ。
 よく考えてみたら臣下が落ちてしまっての敗北じゃ、アルバートはなんか言いそうだもんね。

「ここは一体どこだ?何かの爆発に巻き込まれたと思ったが、まさか落ちたのか?」

「だろうな。でもどういうわけか、控え室じゃない場所みたいだが・・」

「私も落とされたんだけど!?この場合決闘ってどうなるの?」

「引き分けだろ」

「そんなことはわかってるのよバカグレイ!」

「落ち着けってグレシア」

「当事者じゃないからそんなこと言えるのよ!決闘の当事者からしたら、溜まったもんじゃないわよ!?」

 グレシアの言うことも最もだね。
 アルバートも喚くと思ったけど、案外静か。

「みんなとりあえず落ち着こう。今はそれよりも重要なことがあるんだ」

「数分前までいちばん動揺してたくせによく言うわね」

「ハハハ・・・それは耳が痛い話だけどね。リアスくんと会えたら何もかも吹っ飛んじゃったよ」

 実際リアスくんの顔を見ただけであそこまで落ち着きを取り戻せるとは思わなかった。
 ふふっ♪

「なるほどね。上機嫌なのはいいけど、早く説明してミライ」

「わかってるよ。ボクも断片しか聞いてないし、そんな悠長に話してる時間もないみたいだから手短に話すよ」

 足音が聞こえてきたし、多分あれがニコラだ。
 リアスくん、どこが同じだよ!
 あれ普通にアンデッドって言われても疑問に思わないよ!?

「リアスくんも落ちてからアレと戦ってたらしいんだ。あれは騎士のニコラ。薬を使ってあの姿まで変貌したんだと・・・思う」

 そうか、どこを壊しても再生する身体だけど、完治するわけじゃないんだ。
 歪に修復されたからあの姿になったんだ。
 首や眉間には傷痕とも、血管が浮き上がってるとも言えない痕が残ってるし。
 今はのっそりこちらに歩いてきてるけど、いつ走り出すかわからないのは恐怖でしかないね。

「馬鹿言わないでよ!あれがニコラ!?私の知ってるニコラはあんなのじゃ・・・」

「そこはアルバート殿下が知ってるんじゃない?」

 全員がアルバートの方へと向く。
 アルバートは突然視線を向けられるが、おどおどした様子だね。

「お、俺は知らない!」

「はぁ、仮にも皇太子候補がそんなに挙動不審でどうするんですか!知らないなら知らないでもっと自信を持ちなさい!」

「ウガァァァァ!!」

 ニコラが唸り声を上げると共にこちらへと突進してくる。
 
「イルミナ!あれは殺しても死なないからね!手加減無用だよ!リアスくんがまともにやり合って殺さなかったみたいだからね」

「なるほど、それは強敵です!」

 ニコラは騎士だけど、最早騎士とも呼んでいいかもわからない太刀筋だね。
 ボクら的にはそれでもありがたいけど困った。
 逆に行動の範囲がわからない。

「ジャマヲスルナァァァ!!」

「本当にニコラなのか・・・声はたしかにニコラだが・・」

「受け入れ難いですが、その様ですね」

「くそっ!オレたちもイルミナの援護に行った方がいいんじゃないのか!?」

「グレイが言うことは最もだけど、下手に近接戦をしにいってもやられるのがオチだよ」

 太刀筋はともかく、その威力は本物。
 だってイルミナが避けたあと、振りかざした剣で地面を抉ってるんだから。
 せめてイルミナに及ばなくともそれに準ずる実力者がいれば------ってあれ!?

「助太刀するぜ!汚名挽回のチャンスだからな!」

 グランベルがニコラの後ろに回り込み、右腕を切り落とした。
 彼の持ってる剣は石だ。
 どうやら転移の時に手放したみたいだけど、石で人間の腕を切り落とせるわけない!
 それになにより汚名挽回って、挽回してどうすんだ!

「グランベル殿!満足しないでください!相手は再生するんですよ!」

「実際事実かどうかを知りたかったんだ!任せとけ!はぁぁあ!!」

 すごい。
 彼は、セミール先生ほどの剣術はないと思ってた。
 たしかに剣術だけで言ったら大したことないのかもしれない。
 けど無意識のうちに石に魔力を纏わせてるし、危なっかしいけどニコラの動きにも対応できてる。

「グレイ、二人を援護するわよ!」

「わかってる!」

 グレイやグレシアだって、あの二人を援護するために身体強化や、たまに掠ってできる傷を治したりしてる。
 そうとなると、ボクも負けてられない。

『ミライ様、そこの皇子には何かやらせないのですか?』

「あ、忘れてたよ」

 ナスタリウムが言ってくれなかったら、そのまま放置してたろうなぁ。
 とにかく彼が協力するにしろ、しないにしろ、仮にも第一皇子の彼をここにただ置いとくわけにもいかない。
 ボクはそう思いながら、彼の前に立ち口を開いた。

「アルバート、君は端っこで何もしないでいて」

「何故だ!」

 協力めんどいじゃん。
 グランベルの介入はイルミナが文句を言わなかったら何も言わなかったけど、正直ガランと関わりの深い彼に背中を預ける勇気はないよねー
 怖いし。

「君の弟はニコラが服用した薬を持ってたからだよ。リリィに投与して、ニコラと同じ獣を作り出したんだ」

「ガランが・・・いったい何故?」

「さぁね。ともかく君に背中を預けるのは怖いから、遠くで見ててよ」

「俺はそれについて何の関与もしていない!」

「だからなに?関わってないとしても、証拠がない」

「言い分はある!」

「そっ!言い分を聞いてる余裕はないから言いたきゃ好きにいいなよ。聞く気もない。恨むなら今まで横暴に振る舞った自分を恨みなよ」

 いちいち聞いてる間に戦況は揺れ動いてる。
 ニコラは殺しても死なない。
 つまり、この一分一秒が敗北へと向かっていることになる。

「さっきから無礼だぞ!」

「じゃあ君は失礼だよね!グレシアのやってもいない浮気の証拠を確かめもせずに、婚約破棄騒動にまで持っていって!大体君こそリリィと浮気してるじゃん!いい加減そのおめでたい頭どうにかしなよ!」

 本来であれば婚約者がいながら浮気してた彼が、婚約破棄を告げられる側だと言うのに!
 そうは言ってももう起きてしまった事実は変わらないし、そんなことでボクが怒ってもしょうがない。
 なにより怒りたいのはグレシア本人だろうし。

「俺を馬鹿に------」

「この状況でも、怒れる胆力は大したもんだよ。でも状況が見えてないね!君は信用に値しないから、後ろは任せられない。かと言って前に出ても役に立つとは思えない。以上」

 それでもなんか喚いてるけど、もう知らない。
 ボクはちゃんと言うことは言ったんだ。
 彼の精霊は精霊契約の儀で手に入れたのか、虚な目をしてるしそんな奴にボクは遅れは取らないから、いつでも何とかできるし。

「ナスタリウム!熱地獄ヘルテンプル頼んだよ!」

「おまかせを!」

「二人とも!ニコラから離れて!」

 イルミナとグランベルはそう言われると同時に飛び上がって離脱した。
 すごい息がぴったり!

「クソォァァア!」

 ニコラはリリィと違って意識があるのかな?
 でも暑さで意識も朦朧としてる。
 これなら魔法を狙いやすい。

「ライトニングスピア!」

 ちょっと薄暗い空間だけど、リアスくんが開けた穴のおかげで見える!
 狙いは剣。
 武器をなくした方が有利になるはずだから。
 バキンとする音と共に、剣が真ん中から半分に折れてしまった。

「オレノケンガァァア!」

 剣を見た後蹲るニコラ。
 そんなに大事な剣だった?
 たしかに地面に叩きつけても、見た目がそこまで変わらなかったってことはそれなりの物だったのかな?
 あ、これは幻惑魔法だね。
 ボクの電磁パルスの魔法に反応しなかった。

「気をつけて!幻惑魔法だよ」

 全員警戒している。
 一応、ボクは位置を把握出来てるからそこまで脅威じゃない。
 多分リアスくんは苦戦してそうだなぁ。
 探知の魔法があるから魔法をレジストする魔法は覚えてなかっただろうし。

「イルミナ、右!」

 来る場所がわかってたらイルミナだったら簡単に対処できる。
 回し蹴りで上に打ち上げた。
 思ったより天井が狭いのか、天井に打ち付けられてから首を掴み、地面に叩きつけられる。
 そのまま点穴を突かれて終わりかな?

「おい、お前!それはカウンター狙いだ!よせ!」

 グランベルの声に反応して、すぐに攻撃をやめて宙返りしながら元いた場所に戻る。

「グランベルゥゥゥウ!ナゼジャマヲシタァァア!」

「それは俺がお前の敵だからだぜっ!」

 すごいなぁ。
 指差しながらウィンクって恥ずかしくてボクには出来ないよ。
 きっも!
 二人が再びニコラと近接を繰り広げ始めた。
 ボクも時よりライトニングスピアを使って援護する。
 本当は韋駄天や天雷を使いたいけど、こんな狭いところじゃ二人を巻き込むかもしれない。
 闘いが膠着し始めていたんだけど、しばらくすると、ニコラの動きが遅れてきた。

「ぐぅがあ!イタイイダイイタイダイ!」

 急に全身を掴んで震え始める。
 痛いって言ってるけど、何が起きてるんだろう?

「イダァァアイ!」

 魔力が膨れ上がった!?
 これはまずいかな?
 ボク達はこの魔力の膨れ具合に、リアスくんとボクの魔力が合わさって大爆発が起きた。
 その威力はここにいる6人の魔力体を消し去るレベルだった。

「魔力が膨れ上がってるぞ!おいおいおい」

「ミライ!シールドで何とか出来ないの?」

 そうか、二人は精霊共鳴レゾナントのおかげで魔力の量が感覚でわかるんだ!
 リアスくんやイルミナは殺気はわかるけど、魔力は何となくあるなくらいしか感じられない。
 
「シールドじゃ無理。おじさんとリアスくん、二人が離脱しないとまずいレベルの魔法を撃ってくる」

「その規模は?」

「ボク達の魔力体を破壊した魔法だよ」

 それを聞いて顔を青くした二人を見る。
 まぁ実際に肌で感じたからだよね。
 魔力体が破壊される。
 つまり殺されたと同義だからね。

「何か手はないのか!」

「どうかなー」

 悠長にしてる時間はあまりない。
 ボクは必死になって活路を探す。
 彼の身体から微かに精霊の魔力を感じる。
 そういえば彼は幻惑魔法を使っていた。
 もしかしたら薬には精霊の何かを使っていたのかも。
 その行いは許せないけど、もしそうだとしたらそれは今のボク達にとっては勝機に変わる!
 
「全員耳を塞いで!ナスタリウムはボクから離れて!」

『わかりました!をするんですね』

 ナスタリウムも感じ取ってるんだろうね。
 耳を塞ぎながらグレシアのポケットへと入っていく。
 見た感じ全員耳は防げてるみたいだね。
 アルバートもちゃんと塞いだ様だ。
 ボクも同様に耳を塞ぐ。
 ボクの予想が間違ってたら全員お陀仏だけど、大丈夫だよね!
 ボクはお腹に思い切り空気を吸った。

「行くよ!キャァァァァァァァァア!!」

 ボクは叫び声を上げながら、その声の音を強化していく。
 幻惑魔法を使える精霊は多くない。
 そして使える精霊のほとんどは五感がかなり良い。
 逆に言えば良すぎるのが欠点にもなる。
 そこを突いた一つがこれ。
 音撃増幅魔法。
 これおじさんにたびたびやられて慣れたけど、まぁ脳が揺れて辛いんだよね。

「グッ、ァァアアア!ミミガァァア」

 耳を塞がないとこうなる。
 塞いでても、結構聴こえてくるけどね。
 でも声を発したあとに強化されてるからだいぶマシ。
 終わったのに普通なら顔がグチャグチャに涙やら鼻水やらで溢れてるのが、ふらふらしてるだけで済んでるのが怖いなぁ。

「でもまぁこれで魔法は使えない!いくら魔力が高くても、使えなきゃ意味ないんだ」

 イルミナに目配せをすると、疾風の如くその場から姿を消してニコラの点穴を突いた。
 ボクの意図をしっかり認識してくれてありがたいけど、これで終わってはくれなかった。
 ニコラはイルミナの腕を掴んだ。

「ツゥゥカマェタァ」

「馬鹿な!耳を塞いでないのに何故・・・」

 わからない。
 脳が揺れても、外傷はないから普通ならこんなこと起きない。
 でも事実起きた。

「イルミナ!!」

「馬鹿野郎!」

 グランベルが即座にニコラの腕を切り落とし、イルミナを抱えて離脱した。
 よかった。
 あのままじゃイルミナがまずかった。
 ニコラの様子を見るとやっぱりおかしい。
 腕がいつまで経っても再生していない。

「ド、ドウナッテイル!?ナゼウデガナオラナイ!」

 もしかして、再生限界があった!?
 それに動きが遅くなったのってまさか・・・

「血液内部の薬の濃度が薄まった?或いは別の何か?」

 どっちにしても今がチャンスに変わりない。
 ボクはそのまま天雷をニコラへと穿った。
 頭半分が吹き飛んでいき、出血こそ雷に焼かれてしなかったけど・・・・これで!

「バ、バカナ・・・ソンナコト・・・アルモノカ!」

 その言葉を最後にニコラは倒れた。
 魔力がどんどん漏れ出てくるけど、それでも。

「勝った・・・のか?」

「見ての通りですよグランベル殿。ミライ様がニコラを倒したのです」

「っしゃぁぁ!!!やったなグレシ------」

 グレイがグレシアに話しかけようとしたけど、グレシアの表情は暗い。
 そうだよね。
 点穴も効かないんじゃ、この殺せるチャンスで殺すしかなかったとは言え、小さい時から一緒にいた知り合いが死ぬ姿をみて、まともには居られないよね。
 グレシアの頬を伝って流れ落ちる涙がそっと地面へと落ちていく。
 そしてグレシアは袖で顔を拭くと振り返った。
 そこには笑顔があった。

「終わったのね。私達勝ったのよ」

 今度こそグレイは大騒ぎする。
 グランベルはアルバートの元に・・・ってリリィいるし。
 どうやら上でも戦いが終わったみたいだやっとひと段落つけるみたいだね。
 なんか二人降ってきたし。
 あ、一人はセミール先生。

「何だ?もう決着ついちまったのか?おじさん出る幕なくて残念だなぁ」

「良いことじゃないですか!君達、よくがんばりましたね」

 セミール先生達が来たことで、闘いが終わったと安堵する。
 あ、セミール先生にグランベルが吹っ飛ばされた。
 まぁ、あれくらい良い気味だよね!
 ざまぁ!
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~

あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。 「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?

悪役令嬢らしいのですが、務まらないので途中退場を望みます

水姫
ファンタジー
ある日突然、「悪役令嬢!」って言われたらどうしますか? 私は、逃げます! えっ?途中退場はなし? 無理です!私には務まりません! 悪役令嬢と言われた少女は虚弱過ぎて途中退場をお望みのようです。 一話一話は短めにして、毎日投稿を目指します。お付き合い頂けると嬉しいです。

悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない

陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」 デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。 そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。 いつの間にかパトロンが大量発生していた。 ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?

悪役令嬢は天然

西楓
恋愛
死んだと思ったら乙女ゲームの悪役令嬢に転生⁉︎転生したがゲームの存在を知らず天然に振る舞う悪役令嬢に対し、ゲームだと知っているヒロインは…

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

悪役令嬢に転生したので、すべて無視することにしたのですが……?

りーさん
恋愛
 気がついたら、生まれ変わっていた。自分が死んだ記憶もない。どうやら、悪役令嬢に生まれ変わったみたい。しかも、生まれ変わったタイミングが、学園の入学式の前日で、攻略対象からも嫌われまくってる!?  こうなったら、破滅回避は諦めよう。だって、悪役令嬢は、悪口しか言ってなかったんだから。それだけで、公の場で断罪するような婚約者など、こっちから願い下げだ。  他の攻略対象も、別にお前らは関係ないだろ!って感じなのに、一緒に断罪に参加するんだから!そんな奴らのご機嫌をとるだけ無駄なのよ。 もう攻略対象もヒロインもシナリオも全部無視!やりたいことをやらせてもらうわ!  そうやって無視していたら、なんでか攻略対象がこっちに来るんだけど……? ※恋愛はのんびりになります。タグにあるように、主人公が恋をし出すのは後半です。 1/31 タイトル変更 破滅寸前→ゲーム開始直前

【完結】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。

氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。 私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。 「でも、白い結婚だったのよね……」 奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。 全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。 一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。 断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

【完結】ヒロインに転生しましたが、モブのイケオジが好きなので、悪役令嬢の婚約破棄を回避させたつもりが、やっぱり婚約破棄されている。

樹結理(きゆり)
恋愛
「アイリーン、貴女との婚約は破棄させてもらう」 大勢が集まるパーティの場で、この国の第一王子セルディ殿下がそう宣言した。 はぁぁあ!? なんでどうしてそうなった!! 私の必死の努力を返してー!! 乙女ゲーム『ラベルシアの乙女』の世界に転生してしまった日本人のアラサー女子。 気付けば物語が始まる学園への入学式の日。 私ってヒロインなの!?攻略対象のイケメンたちに囲まれる日々。でも!私が好きなのは攻略対象たちじゃないのよー!! 私が好きなのは攻略対象でもなんでもない、物語にたった二回しか出てこないイケオジ! 所謂モブと言っても過言ではないほど、関わることが少ないイケオジ。 でもでも!せっかくこの世界に転生出来たのなら何度も見たイケメンたちよりも、レアなイケオジを!! 攻略対象たちや悪役令嬢と友好的な関係を築きつつ、悪役令嬢の婚約破棄を回避しつつ、イケオジを狙う十六歳、侯爵令嬢! 必死に悪役令嬢の婚約破棄イベントを回避してきたつもりが、なんでどうしてそうなった!! やっぱり婚約破棄されてるじゃないのー!! 必死に努力したのは無駄足だったのか!?ヒロインは一体誰と結ばれるのか……。 ※この物語は作者の世界観から成り立っております。正式な貴族社会をお望みの方はご遠慮ください。 ※この作品は小説家になろう、カクヨムで完結済み。

処理中です...