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二章

元魔王と月の示し

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 攻めの主力を狙うのは闘いにおいての鉄則だ。
 だから強力な魔法を使え、作戦を立てているミラを狙うのは悪い手じゃなかったと思う。
 しかし出した魔法は悪趣だ。
 ライトニングスピアは雷魔法で、ミラは雷魔法を吸収する魔法を作成していた。
 なんでも、この前の闘いで雷魔法を封じられたのが、かなり応えたらしい。

「ほぉ、ライトニングスピアを無効化したのか」

「くっ!」

 って言っても俺たちの劣勢に変わりはないけどな。
 俺の蹴りを片手であしらいながら、イルミナの猛攻を避けている。
 奴は俺たちの猛攻を歯牙にも掛けず、魔法を放てる。
 たまたま雷魔法を使ったため、難を逃れたが他の魔法もこの速度ならミラがやられかねない。

「ふんっ、この時代の勇者はそれなりに強いらしい」

「さっきから魔王とか勇者とかわけわかんないこと抜かすんじゃねーよ!」

 俺が回し蹴りをするが、微動だにしなかった表情が揺れ動く。
 バク宙で俺達と距離をとり、呆けた顔をしていた。
 なにに驚いたんだ?

「おい、待て。この時代に勇者はいないのか?魔王は?」

「いねぇよ!」

「マジかぁー。我が蘇ったからてっきり魔族が協力して蘇らせたのかと思ったのに」

「そもそもこの世界に魔族なんてのはいないぞ?」

 そもそもあれはなんだよ。
 魔物に変貌するはずが、理性のある別人格に変貌って、そんな奇抜な設定のキャラがいれば、花そそのシナリオに絡んでくるはずだろう。
 こういうのってゲームの何かよくわからない力が働くもんじゃねーの?
 それともなに?
 こいつもガヤポジションとか言うんじゃねーよな!? 
 すごいなガヤ!
 モブにすらならなかったのは、メインキャラの糧にならなかったからかおい?

「リアスくん!」

 ミラがどうやら作戦を思いつけたらしい。
 ドヤ顔してるしな。
 冷や汗こそ止まらないが、作戦を伝達するために一度ミラのところまで行くか。

「よしっ、イルミナ一旦下がるぞ」

「かしこまりました」

 俺たちが下がると同時にいくつの魔法を展開したかわからないほど、弾幕を打ち放つ。
 一瞬でも時間が作れれば、問題ない。

「考えるのは後にせねば敗北するやも知れん。あとだ。それにしても後ろに下がるとは、作戦会議なんてさせると思うか?」

 関係ないんだなぁ。
 俺とイルミナはミラに背中を叩かれただけで再び戦闘を再開する。

「なにっ!?」 

「人は予想外の出来事が起きると硬直するって本当だな」

 おかげで俺は顔面に蹴りを、イルミナは脇腹に肘打ちを決めることができた。
 もっとも、全く効いたような素振りを見せない。
 俺たちはミラに触れることで、ミラの考えを纏めた思念を付与された。
 よく魔法使い作品で使うような、ホログラムが浮かんだような魔法の手紙があるだろう?
 まぁそれほどの効力ではなく、単純に思念が頭の中に入ってくるだけなんだけど、その応用版だ。

「グレイ、グレシアもこっちにきて!」

 二人も集めるのか?
 この状況を打破する方法って、あぁなるほど。
 
「ミラの予想を信じるぜ!」

「ですね。ついてきてくださいよ。ここからは全力です」

 さっきも全力を出していなかったわけじゃない。
 しかしそれは人間のくくりでの話だ。
 今からやるのは、脳が無意識にかけているストッパーを外した攻撃。

「活性魔法:リミットブレイク」

 活性魔法リミットブレイクは、脳に強烈な催眠をかけることで、身体の限界を突破する魔法。
 下手したら相手を殴るだけで腕が折れる可能性もある。
 
「正気か?生物がどうして脳のリミットをしてるかわかってないのか?この世界の人間はそこまでバカに成り下がったのか・・・」

 さすがに驚いてるか。
 俺と同じ転生者か、それとも転移してきた人間かは知らないが、少なくとも日本人名を名乗ったと言うことは、日本についての知識があるんだろう。
 だからこそ治癒魔法が発展してる所為で医療技術が乏しい世界だ。
 脳のリミッターについては知っているし、それの危険性について知っている。

「正気だ。お前はそれだけ脅威なんだ!」

 顔面めがけて回し蹴りをかますが、腕で簡単に防がれてしまう。
 リミッターを解除してもビクともしないのな。
 イルミナの身体能力には脅威を感じているのか、横から頭部めがけて繰り出した膝蹴りをしゃがんで避けていた。

「そっちの少女は怖いな。だがお前は大したことがない。魔力こそ、我と同等だが本当にそれだけだ」

 こいつの言うとおり、俺は絶え間ない攻撃をしているにも関わらず、こいつはビクともしていない。
 攻撃をする度に俺の拳や足には血が付いている。

「ハァァァ!」

「てぇぇぇ!」

「気合いは十分だが、その程度じゃ我には到底及ばない」

 それでも俺は攻撃を繰り返す。
 身体が重くなってきたと思ったら、次には身体が軽くなる。
 グレイとグレシアが魔法で疲労を癒やしてくれている。
 おかげでリミッターを外しても、俺達の身体はそこまで傷つかない。

「なるほど、先ほど後ろに下がったのは作戦会議をあの三人でやるための時間稼ぎか。たしかに我は貴様らに意識がいってしまった」

「勘違いありがとよ!」

「いや、策は悪くないと思っていたんだが。まぁそういうことなら、我も全力で行こう」

 赤桐の周りから魔法が展開し始めた。
 数が恐ろしい。
 この世界で魔法は同時に二つまで。
 それが常識だというのに奴は4つも魔法を展開している。

「おいおい、どうなってんだそれ?」

「わからないか?本来魔法は二つしか展開できない。しかし我はこいつの身体を媒介に蘇ったが、我自身はこいつではない。だから魔法を四つ展開できるのだ」

 だからの意味がわからないんだが。
 そうは言っても魔法四展開は脅威だ。
 雷、風、水、炎。
 四属性だが、それが一気に飛んでくることはない。
 魔力を調整しなきゃお互いが反発し合って、魔法が相殺されてしまうからだ。
 俺みたいに複合魔法が使えれば別だけど。

「喰らえ!」

 俺とイルミナは魔法を避けて、そのまま突進して行く。
 魔力こそ高いが、魔法は不得手なのか?
 速度にキレがない。
 だが俺達の放った魔法は相殺された。
 よくわからん。
 身体強化がメインの使い手なのかもな。
 俺だって身体強化にすべての魔力を注げれば、互角な戦いができるかも知れない。
 軌道の一部が、ミラ達の方に向かって行く。

「ミラ!」

「大丈夫。フルシールド!」

「「フルシールド」」

 三人でフルシールドしてたら、大丈夫だろう。
 俺とイルミナは、こいつに集中する。

「魔法は寧ろ我が居た頃よりも、技術が進歩しているな。昔は我の魔法をシールドだけで防げたは居なかったぞ」

「ざけんな!こんなに攻撃が効かない奴、今だってみたことねぇぞ」

「我は魔王だからな。と言ってもこの時代には魔王という単語が伝わってないみたいだがな」

 今もこうして攻撃を繰り返しているというのにすべて軽くあしらっている。
 だが、これでいいんだ。
 こうやっているうちにも、俺達の勝利はどんどん近づいて来ているからな。

「貴様らの狙いがわからんな。どうしてそんなにがんばる?我には勝てないことはわかっているだろう」

「お前こそ状況が見えねぇのか!お前は街で暴れていた奴らが、魔物に変貌した所為で生まれた個体。そして魔物はこの世界で唯一共通の敵だ。討伐対象を逃がせば民が苦しむだろうが!それに今後の憂いは絶ちたいんでね!」

 こいつが生きていたら、それだけでこいつに怯えて生きないといけなくなる。
 そんなのはごめんだ。
 毒に警戒した生活でも苦しかったのに、これ以上生きにくい生活なんて送りたくない。

「なんだ、魔族はいるのではないか」

「魔物が時代を変えて魔族と呼ばれていた時があるならそうかもな。だが魔物達は意思疎通ができない、魔力を持った獣だ」

「ふむ。それは魔獣だな。だがこの世界で魔族が生き残っているかもしれない」

「その心配は無用だ。お前はここで俺達に命を奪われるんだからな!」

 軽く攻撃をあしらっているつもりだろうが、直にこいつは攻撃が出来ないほど動けなくなる。
 俺達はその時間を稼いでるに過ぎないからな。

「貴様らじゃ、我には傷ひとつ付けられんよ」

 たしかにこいつの言うとおり、今も絶え間なく攻撃を入れているにも関わらず傷ひとつ付けることが出来ていない。
 そして俺達が出せる限りの最大レベルの魔法も効かなかった。
 まさに強敵だな。
 ラスボスと言っても過言じゃない。
 ラスボス・・・グレシアが可愛く見えてくるな。
 待て?こいつは魔力が俺よりも高い。
 こいつからグレシアが魔力を奪ったとしたら、辻褄が合わないか?
 いやでもこいつは転生者だ。
 あとから魔力を得た可能性が・・・

「考え事は大きな隙を生む」

「しまっ!」

「全くその通りです!」

 顔面に剣を突き刺しに来やがった。
 イルミナが俺の足を祓うことで、敢えて転ばせることで難を逃れた。
 あぶねぇ。
 こいつが初っぱな首を狙いに来たことをもう忘れてた。
 肉弾戦等をいなしていたと言ってもこいつは剣士なんだ。
 倒れた勢いのまま蹴り上げるが、奴もこれは予想外だったのか、吹き飛ばされている。

「助かったイルミナ」

「いえ」

「隙をついたつもりが、突かれたな。お前達はペアだった」

「いや、俺達はクインテットだ」

 ミラとグレイとグレシア、5人で闘ってる。
 ライトニングスピアがあいつに当たる。
 おそらくミラが放ったモノだろう
 しかしまぁ、警戒されている中に放つ魔法は直撃するもダメージは入らないよな。
 腕を前にして、魔法を防いでいる。
 シールドが硬い。
 シールド魔法は一定量しか魔力を込められないはずなのにな。

「ほぅ、今のは悪くなかったぞ」

「その余裕がどこまで持つか見物だな!」

 着地と同時に、俺達の猛攻が再開する。
 剣を片手にして切るから、少しだけ動きにくそうだ。
 けどこれと言った一撃が入らない。

「こちらも反撃といこう!」

「ぐっ!」

 剣を使った奴は、圧倒的だ。
 俺たちはたちまち防御に回らざる得ない。
 目で追うので精一杯だからだ。
 それだけ剣速が圧倒的に速い。

「おいほらおい!どうした!!」

 防戦一方。
 こいつレベルだと、世界中探してもそうそう見つからない。
 初代魔王とか戯言を言ってるが、前世の知識がある俺からしたらあながち間違いではないかと思えてしまう。

「ライジングトルネード」

「魔法なんて小手先、考えたところで無駄だ!」

 ライジングトルネードは、魔物には有効的な攻撃なのにな。
 あれは未だに、人間に直接なダメージを与えることができていない。

「かってえな」

「少しは楽しめると思ったが、貴様は勇者ではないようだ。ただ魔力が高いだけの一般人が、我に勝てるわけなかろう!」

「だろうな」

 けどいくらこいつの腕がよくても、関係ない。
 俺が勝てなくても、俺達で勝てればそれは勝利だ。

「「身体強化!」」

 グレイとグレシアが身体強化魔法を使う。
 しかしそれは俺とイルミナではなく、赤桐に使用された。

「まさかここにきてミスか?」

「ははっ、あいつら実戦慣れしてなくてねぇ」

「なるほど、奴らは素人か。実に運がないな」

 スピードが加速していき、俺じゃまだ追いきれないほどになる。
 そして次の瞬間には俺の腹に奴の剣がつき刺さる。

「素人も共にこの場から離脱させていれば、もう少し死期が伸びたのになぁ」

 運がないのはお前だと言いたい。
 俺の手に血が付いた時にこいつは気づくべきだった。
 その血が俺の血じゃなく、自分の血だと言うことに。
 そして、俺が未だ笑みを浮かべるのをやめないことに疑問を持っていれば------

「お前こそいいのか?俺の腹に、剣を刺すだけで」

「構わ------ゴボッ」

 気付けば赤桐の口から大量の血が吐き出された。
 人間の口からは通常は出ないほどの液体に血だ。
 奴の腰から上肩から下の、右胴体半分が無くなっている。
 イルミナが足を押さえながらサムズアップしてる。
 普段あんな笑顔滅多に見せないし似合わないな。

「馬鹿な・・・俺に傷がつく!?一体なにを・・・した!」

「みりゃわかんだろ?」

 俺はふらつきながら、少しだけ奴から離れる。
 流石にこれはあかん。
 俺だって腹に剣が突き刺さってくそいてぇんだぞ。
 
「リアスくん」

 俺が倒れそうになるところを、支えてくれるミラ。
 ミラの作戦のおかげで俺達は勝利を掴むことができる。

 こいつの、赤桐は強かった。
 しかしこいつの元の身体は、ゾグニの側近騎士にすら選ばれないモブ、いやセリフすらないガヤポジションの身体だ。
 当然身の丈に合わないような身体の使い方をすれば、すぐにガタが来る。
 それをミラが瞬時に見抜いた。
 そして、あいつが突進するタイミングでグレイとグレシアが身体強化の魔法をかける。

 まぁ二人は貴族の子息で、実践なんて早々に出ることはない。
 足りなかった分をミラが、活性魔法:リミットブレイクを使って強化し、あいつは自分でもわからないうちに限界を超える力で俺に突撃してきた。
 そこに俺達の中で一番力の強いイルミナが全力で蹴りを入れればどうなるか。
 結果は見ての通り胴体が綺麗に爆散するほど無くなってる。
 まぁ当てたイルミナも、足が変な方向に曲がってるけどな。
 イルミナはグレイとグレシアに肩を借りて、引きずられてこちらに戻ってきてる。
 けどまだ終わってない。
 こいつは生きてる。

「ミラ・・・トドメを指すぞ」

「・・・うん」

 無理するなって言いたいんだろう。
 けどこんな強敵だ。
 俺とミラ、二人で今できる最大減の魔法を撃ち放ち、確実に息を止めなければならない。

「韋駄天」

「ブレイズタイフーン」

 初手で俺達が放った魔法。
 奴はわざわざこの魔法は魔法で相殺した。
 だから効くかはわからない。
 でも奴は本気で驚いてたあたり、威力はそれなりにあいつ基準でも高いはずだ。
 それでも奴は手を前に出している。
 防げるもんなら防いでみやがれ!

「シールド!」

 シールドに魔法が直撃するも、すぐにガラスが割れるような音が鳴り響き、さっきと違って余波が来ない。
 これで倒したかと思われたが、魔法が止み奴が居た場所には両腕を失いつつも仁王立ちで、二つの足で立っていた。
 
「これでも倒せないのかよ・・・」

「いやリアスくん待って」

 次の瞬間、後ろにそのまま倒れ伏した。
 肉体が全く残らないと思ってたのにな。
 考えてみればライジングトルネードは防がれてたな。
 しかし頭が無事だから油断はできない。
 胸に突き刺さる剣を抜いてミラに治療してもらう。
 クレと違って完治するほどの熟練度はないけど、内臓の損傷くらいは治してくれた。
 俺はミラに支えられて、赤桐の元へと歩いていく。
 マジかよ、こっちを見てる。

「リアスとか言ったか」

「あぁ」

「貴様、日本という単語を知っているか?」

 赤桐が転生者ということは確定した。
 けど、どうして日本という単語を今になって出してきたのかが、疑問だ。

「語らんでもいい。お前のその反応を見れば明らかだ」

 俺ってそんなに顔には出ないと思ってたんだけどなぁ。
 でも、実際俺の顔を見て判断がついたんだから出てるんだろうな。

「気にするな。年の功と言う奴だ」

「お前は何モンなんだ?」

「さぁな・・遥か昔のことゆえ忘れたよ。我は日本から来たこと。そして大事なモノを失ったこと。そこからは魔王と言うことしかわからん」

 遥か昔のこと。
 こいつは花そそでも登場した人間じゃないし、何より同郷の人間ぽい。
 それに考えてみればこいつ自身は誰かを殺したってわけじゃないし、迷惑をかけたのもギルス他三名だ。
 まぁだからと言って俺とこいつは絶対に相いれないけどな。
 ミラとイルミナを狙った罪は重い。

「月が10個・・・この時代には9人の転生者がいるんだな」

「10個?」

 俺は上を見上げるとこの前月が9つだったのに、今は10個の月が浮かんでいた。
 月の数って転生した人間のことを示してるのか?
 さっきこいつが転生してきたから、それで10個目ができたってことか。
 
「知らないのか。そうだな・・・昔話をしよう。かつて勇者でもここまでのことはできなかった。俺を殺す奴らは、初めてだからな」

 恐ろしく敵意がない。
 まるでさっきとは別人だ。
 イルミナとグレイとグレシアもこちらへと近づいてくる。

「話を知る前に一つ聞きたい。お前達の反応を見るにこの世界に魔族はいないのはたしかだ。だとすれば俺の考えからすると二択の選択肢がある。リアス、お前ならわかるだろう?亜人はこの世界にいるか?」

 俺ならわかると言うその意味。
 魔族っていうのはおそらく、獣のような人種。
 この世界にはいないが、日本にはフィクションでよくいた亜人のことだろう。
 そして二つの選択肢の意味は、亜人が魔族ではなく人として活動していて、年月が経ち魔族の存在が忘れ去られているか、それとも絶滅してしまったかの話だろう。
 そしてこの世界に亜人がいないことから、おそらく絶滅してしまったのだとわかるが。

「亜人はいない。この世界は日本と同じく、人間のみが世界を牛耳っている」

「そうか。あいつらは負けたのか」

 横のまま涙を流す赤桐に俺達は何も声をかけることができず、暫くしてから彼がこの肉体に入る前にあったという記憶について語り始めた。
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