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~第二章~

ギルド《大鴉の尻尾》【五】

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 マーチンさんが考えたギルド名は………。

 《大鴉の尻尾レイヴンテイル

 なんで、大鴉なのかと言うと、僕達がリアルで在籍している学校…私立聖峰学園の校章がカラスだからだ。
 それと、僕達しか異世界転移してないと思われる事から、トカゲの尻尾切りみたいではないかとの話で、大鴉の尻尾……となったのだった。
 まぁ、ゲームでも結構、ギルド名とかキャラ名って安易なネーミングだったりするし、いいんだけどね。

 「《大鴉の尻尾レイヴンテイル》ってちょっとかっこいいわね」
 中二病ぽい名前だとは僕は思うけど…まぁレインも喜んでるし、ここは敢えて中二病ぽくね?とか言わないでいよう。

 「それでギルマスとサブマスを決めようと思う」
 「ギルマスはマーチンさんにお願いしたいな、生徒会長だし、俺らより歳上だしな」
 大輔が案を出すと、皆もそれに続く。
 「了解した。ならギルドマスターは私、マーチンが引き受けよう」
 すずめと桜が拍手すると皆も釣られて拍手する。

 「次にサブマスだが、私個人の意見なんだが…リョウマくんとレインくんに頼みたいのだが、どうだろうか?」
 「え、僕ですか?」
 「えぇ、私?」
 「そうだな、俺たち皆リョウマに誘われてEI始めた間柄だし、責任とれよリョウマ」
 笑いながら肩を守に叩かれる。
 「それと、EI最高のイン率を誇るレインちゃんもサブマスの資格はあるだろ、なぁ?」
 と、守が続ける。

 そんなこんなで僕とレインはサブマスターの役職についたのだった……。

 「さて、最後にギルド設立の資金なのだが、この初期投資は我々幹部三名で払いたいと思うのだが、リョウマくんとレインくんいいかな?」
 「そうですね、大丈夫です」
 「私も大丈夫よ」
 「なら、私が五百ラピス、両名には二百五十ラピス出してもらおう」
 「わかりました」
 「さすがお金持ち」
 レインがオチをつける。

 「しかし、三人だけに払って貰っていいのかな?少しなら出すぞ」
 と、大輔。
 「ブッフォン、マーチンさんの気持ちを汲んでやれよ。俺らはギルドに貢献して気持ちで返せばいいんだよ」
 と、守が大輔にそっと呟く。
 僕も守と同じ気持ちだった。
 
 食事を済ませた僕達は、ギルド本部へギルド設立の為向かう。

 ギルド本部に着くと、マーチンさんが申請してくるといい。僕とレインは二百五十ラピスずつ、合わせて五百ラピス、マーチンさんのストレージに入金する。

 マーチンさんの帰りを待っているとマーチンさんがニコニコな顔で帰ってきた。

 「無事に申請は完了したぞ。で、だ!我々《大鴉の尻尾レイヴンテイル》のギルドホールもといギルドホームが与えられた。これはギルドホームの鍵だ、皆受け取りたまえ」
 マーチンさんから鍵を受け取る面々。
 「あのぉ、ギルドホームって…要はお家ですか?」
 と、すずめがマーチンさんに聞く。
 「あぁ、我が家だな、なので宿屋に泊まる事もなかろう」
 「なら、皆で早速部屋見に行きましょう」
 レインの一言で、皆でギルドホームを見に行く。
 受付口の左横にある、階段を登ると、そこには真紅の扉が一つだけあり、よく見ると鍵穴もある。
 「これって鍵開けて入ったら自分のギルドホームにたどり着く魔法の扉?」
 そんな、疑問な顔をしているすずめの後から守が、
 「あぁ、スズさんその通り。この扉を開けたら無数のギルドホームと繋がっているみたいだよ?他人のギルドホームに入ることはないから大丈夫だよ」
 「そうなんですね、さすがギルド経験者です」
 と、桜。
 「まぁまぁ、とりあえず中に入ってみようよ」

 僕らは順番にギルドホームの扉を抜ける。
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