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~第一章~
ソシャゲを始めませんか?【一】
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チャイムが教室に響きわたると同時に僕は帰りの支度をする。
今日はソーシャルネットワーク・ゲームMMORPG《Eternal I"s》の新規仕様アップロードの日だからだ。
それに伴った、新規登録者を勧誘するとお得な特典が貰える為に、新規に登録してくれる確約を取り付けた友人に、何としてでも今日中に《Eternal I"s》をインストールして貰わないといけない。
まずは一人目の友人、大輔に会わねば!
中村 大輔は僕の数少ない友達の一人でサッカー部に所属している。
なので、ゆっくりしてると部活に行ってしまうかもしれないので、最優先で声を掛ける事案だ。
僕は慌てて教室を抜け出し、隣の教室に駆け込む。
「大輔いるか?」
「お!涼どうした!」
「この前、話してたソシャゲの話なんだけど、今インストールしてくれないかな?時間大丈夫か?」
「あぁ、まだ部活まで時間あるからな、大丈夫だ」
良かった。一番忙しい友人を捕まえる事が出来た僕は安堵する。
「で、なんてソシャゲだっけ?」
「エターナル アイズだよ、ストアに入って検索掛ければすぐに出てくるよ」
「おっけ!お、出てきた。よしインストするわ」
そう言うと大輔はインストールしてくれた。
「一応、キャラクター作ってレベルも30まで上げないと特典貰えないから、そこまでは頼むわ」
僕は両手を合わせて大輔に頼む。
「任せろよ、夜とか結構暇してたりするから、ちゃんとレベルも上げとくよ」
「大輔、ありがと」
「いいって、いいって」
そんなやり取りをしているとインストールが終わって、キャラクター設定が始まる。
「名前か~?んーどうするかな」
「好きなサッカー選手とかは?」
僕は合いの手を差し出す。
「お!それいいじゃん、ならブッフォンだな」
「ブッフォン?」
「なんだ、涼、ブッフォン知らないのかよ」
「日本代表くらいなら分かるんだけど…ブッフォンってどこの人?」
「ブッフォンはさ、イタリア人のGKだよ、すげー上手いんだぞ」
サッカー部では一年生ながらGKを務める大輔ならではのチョイスか…。
「でさ、涼。職業って何がいいのかな?」
「そうだなー、大輔がどうゆう感じのキャラクターに育てるかによるかな?」
「それなら、仲間を護る系がいいな」
仲間を護る…まさにGK的な発想。
僕はそんな心優しい大輔に二つの職業を提示する。
「なら一つ目はクレリックかな?回復職で回復って面で味方を守るし」
頷く大輔。
「二つ目はソルジャー。身体を張って壁役として前衛で敵の攻撃を受け止める職業なんだけど……地味?」
「いや、それがいいな。身体を張ってってのがかっこいいじゃん!ソルジャーにするわ」
そう言うと大輔はソルジャーを選ぶ。
「アバターはゲームをやってれば色々集まるから、今は適当で大丈夫だぞ?」
「おっけ!」
そして最後に招待コードを入れる画面が出る。
「あ、ちょっと待って、コード教えるから」
僕は慌ててスマホを取り出し、《Eternal I"s》通称EIにログインする。
昼休みにメンテナンスが明けなかったが五限目終了後の休み時間に開いたらメンテナンスは終わっていたのだ。
流石、神運営。
さすがに。短い休憩時間ではアップロードするのが精一杯で、僕もまだ新規仕様は見ていない。
ログイン済ませた僕は新規登録者勧誘バナーをクリックする。
すると自分の招待用のIDコードが出てくる。
報酬など見たいけど、見たいけど……今はグッと堪えて大輔に招待コードを教える。
「よし、登録できた。じゃあ暇な時に進めておくわ。そろそろ部活にいくな」
「大輔ありがとう。わからないことあったら聞いてくれよ?」
「おっけ!じゃあまたな」
「部活頑張って」
そう言いながら右手を挙げて僕は大輔の教室を出た。
(よし、まずは一人目、次は守だな…)
今日はソーシャルネットワーク・ゲームMMORPG《Eternal I"s》の新規仕様アップロードの日だからだ。
それに伴った、新規登録者を勧誘するとお得な特典が貰える為に、新規に登録してくれる確約を取り付けた友人に、何としてでも今日中に《Eternal I"s》をインストールして貰わないといけない。
まずは一人目の友人、大輔に会わねば!
中村 大輔は僕の数少ない友達の一人でサッカー部に所属している。
なので、ゆっくりしてると部活に行ってしまうかもしれないので、最優先で声を掛ける事案だ。
僕は慌てて教室を抜け出し、隣の教室に駆け込む。
「大輔いるか?」
「お!涼どうした!」
「この前、話してたソシャゲの話なんだけど、今インストールしてくれないかな?時間大丈夫か?」
「あぁ、まだ部活まで時間あるからな、大丈夫だ」
良かった。一番忙しい友人を捕まえる事が出来た僕は安堵する。
「で、なんてソシャゲだっけ?」
「エターナル アイズだよ、ストアに入って検索掛ければすぐに出てくるよ」
「おっけ!お、出てきた。よしインストするわ」
そう言うと大輔はインストールしてくれた。
「一応、キャラクター作ってレベルも30まで上げないと特典貰えないから、そこまでは頼むわ」
僕は両手を合わせて大輔に頼む。
「任せろよ、夜とか結構暇してたりするから、ちゃんとレベルも上げとくよ」
「大輔、ありがと」
「いいって、いいって」
そんなやり取りをしているとインストールが終わって、キャラクター設定が始まる。
「名前か~?んーどうするかな」
「好きなサッカー選手とかは?」
僕は合いの手を差し出す。
「お!それいいじゃん、ならブッフォンだな」
「ブッフォン?」
「なんだ、涼、ブッフォン知らないのかよ」
「日本代表くらいなら分かるんだけど…ブッフォンってどこの人?」
「ブッフォンはさ、イタリア人のGKだよ、すげー上手いんだぞ」
サッカー部では一年生ながらGKを務める大輔ならではのチョイスか…。
「でさ、涼。職業って何がいいのかな?」
「そうだなー、大輔がどうゆう感じのキャラクターに育てるかによるかな?」
「それなら、仲間を護る系がいいな」
仲間を護る…まさにGK的な発想。
僕はそんな心優しい大輔に二つの職業を提示する。
「なら一つ目はクレリックかな?回復職で回復って面で味方を守るし」
頷く大輔。
「二つ目はソルジャー。身体を張って壁役として前衛で敵の攻撃を受け止める職業なんだけど……地味?」
「いや、それがいいな。身体を張ってってのがかっこいいじゃん!ソルジャーにするわ」
そう言うと大輔はソルジャーを選ぶ。
「アバターはゲームをやってれば色々集まるから、今は適当で大丈夫だぞ?」
「おっけ!」
そして最後に招待コードを入れる画面が出る。
「あ、ちょっと待って、コード教えるから」
僕は慌ててスマホを取り出し、《Eternal I"s》通称EIにログインする。
昼休みにメンテナンスが明けなかったが五限目終了後の休み時間に開いたらメンテナンスは終わっていたのだ。
流石、神運営。
さすがに。短い休憩時間ではアップロードするのが精一杯で、僕もまだ新規仕様は見ていない。
ログイン済ませた僕は新規登録者勧誘バナーをクリックする。
すると自分の招待用のIDコードが出てくる。
報酬など見たいけど、見たいけど……今はグッと堪えて大輔に招待コードを教える。
「よし、登録できた。じゃあ暇な時に進めておくわ。そろそろ部活にいくな」
「大輔ありがとう。わからないことあったら聞いてくれよ?」
「おっけ!じゃあまたな」
「部活頑張って」
そう言いながら右手を挙げて僕は大輔の教室を出た。
(よし、まずは一人目、次は守だな…)
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