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〜第三章〜

迎撃戦~城塞都市ザルホザーツ~【二】

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 静かになった部屋の空気を切るかのように僕は喋り始めた……。

 「僕らは城塞都市ザルホザーツに向かっている途中に魔人ヴァンデルに出合い、コレをここに居るレインが撃退しました」
 
 「え?何ですと!魔人ヴァンデル!」
 ギルド支部長ヘンドリック·ラッセンは驚いた顔でレインを見つめる。
 更に僕は続ける。
 「魔人ヴァンデルの腕には四つの宝玉がありました。魔人ヴァンデルの宝玉はご存じですか?」
 「四つ星!……も、もちろん知っております!四ツ星だったら街の一つや二つは軽く消し飛んでしまう程の実力です」

 「え?」
 「えっ?」
 「ん?」
 
 思わずレインと顔を見合わせ、そんなにヤバイやつだったの?と思う。
 思わず慌ててしまった僕は知ってます風な顔に戻し、更に話を続ける。
 「その、四ツ星魔人ヴァンデルをレインは一刀で腕を切り落としました」
 「なんと!それは真ですか?」
 「えぇ、腕斬ったわ」

 支部長ヘンドリック·ラッセンを完全に信じ切って貰う様に最後の駄目押しをする僕。

 「今話した事が嘘でないと証拠を見せたいと思います」
 僕は支部長の後ろに立っているギルド職員に声を掛ける。
 「すみませんが網膜鑑定お願いします」

 この世界の理りで彼らを納得出来る方法……それは網膜鑑定でこれまで彼女レインが行ってきた戦闘を見てもらう事が一番だ。
 網膜鑑定は嘘を言わない。真実を最も確実に、彼女レインの実力を信じてもらえる方法。


 網膜鑑定を済ませたギルド職員はギルド支部長ヘンドリック·ラッセンに伝える。
 「お話の通り四ツ星魔人ヴァンデルマクマフィ·オセを彼女一人で撃退しております」
 「実力は………ある…か」
 「どうですか?納得いったでしょうか」

 「失礼しました。実力は申し分ない。これは真実です。この城塞都市ならびに凶獣マダゴラン討伐、ギルド《大鴉の尻尾レイヴンテイル》様にお願い致します」


 こうして、ギルド支部長との話はつき、マーチンさんが到着後、城塞都市の防衛関連の話は任せましたと伝え、また、マーチンさんに念話で事の内容を伝え、僕らは軽く身支度を済ませ凶獣マダゴランの殲滅に取り掛かった。



 僕らがギルド支部長との話が終わり街を出て暫く立ってからマーチンさん達、馬車組も城塞都市ザルホザーツの門をくぐった。
 門をくぐったところで、一人の女性に声を掛けられる。
 「あのー、もしやギルド《大鴉の尻尾レイヴンテイル》の御一行様でしょうか?」
 馬車の操車である、マーチンさんが応える。
 「あぁ、そうだが?」
 「ギルド職員のアスマと申します。サブマスターのリョウマ様からお話は伺っております、どうぞこちらへ」
 
 ギルド職員のアスマに連れられて向かうと、そこは病院の様な?でも病院のイメージとはかけ離れた建物だった。
 「ここは?」
 「ここは病院なんですが、一般の病院とは違いまして。才器によるダメージを専門に回復、治療する場所です」
 「才器によるダメージとな……詳しく聞かせてもらおうか……………と言いたい所だが今はそれどころではないな。また事が片付いたら聞かせて貰おう。すまぬがアスマくん四人の事は頼んだ」
 「もちろんです。ギルド支部へ向かってください。ギルド支部長がお待ちです」
 「あいわかった」


 四人に元気になったら来いよ。待ってるぞ!と伝えマーチンさんはギルド支部へ向かった。


 ギルド支部長ヘンドリック·ラッセンに会い、城塞都市ザルホザーツの防衛と魔獣モンスターの掃討について話し合う。

 城塞都市ザルホザーツとしては城塞都市に張り付いて来る魔獣モンスターを城壁の砲台にて殲滅。マーチンさんは打ち漏らしを殲滅すると言う事に決まった。
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