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〜第三章〜

遭遇!【二】

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 ブッフォンがサクラがいる最前線まで上がると、そこには犬型魔獣モンスターフレッグの強化種ブラジルールが10体に人型の魔獣モンスター……。

 「ブラジルールはいいとして、あれは何だ!?人型の魔獣モンスターだとッ!」
 「やっぱり、魔獣モンスターですよね?しかもかなりの上位種みたいです!」

 ブラジルールを引き連れている、その人型は上半身だけとなった冒険者と思われるむくろの頭を左手に持ち、サクラとブッフォンに目を向ける。

 「あらあら、増援ですか?冒険者さんも懲りないですねぇ。でも好きですよ、うん!大好きですよ、無謀なゴミでしかない冒険者さん」

 「喋ってる!」
 「喋っただと!」

 「はい。お喋りも好きなんですよ、私。まぁ長話はする気ないんですけどね~」

 「お前っ!何者だ!」
 ブッフォンの言葉に反応する人型魔獣モンスターは……。

 「何者?ん~何者ですかねぇ?私…何者に見えます?」

 「質問を質問で返したよ!」
 「頭悪いのか……」

 「頭悪いとか……心外です……よッ!」

 そう言うなりブッフォンに殴りかかってくる。
 小盾で人型魔獣モンスターの打撃を軽く、いなすブッフォン。

 「あぶねぇ!」
 「やりますねぇ、冒険者ゴミの分際で………仕方ないなぁ~」

 「私はですねぇー。実は……魔獣モンスターじゃないんですよ。はいっ」
 そう言いながら右手と左手をパンッ!と鳴らす。

 「えっ?そうなの?」
 「サクラ騙されるなっ!魔獣モンスター以外に冒険者をあんな状態に出来るヤツはいないだろ」

 そうブッフォンが喋り終えると人型魔獣モンスターは……。

 「んー。なんと言いますか………私、魔獣モンスターみたいな野蛮でチープなやからに見えます?見えちゃうとか、悲しいなあ~………」

 「良く聞いてくださいね、冒険者ゴミのお二人さん。私は全生物の頂点にして至高の存在……。そうっ!この素晴らしい肉体に知的聡明な頭脳!さらにっ!完璧な容姿!!」

 そう言いながら……ニヤリと笑みを浮かべながら、



 「私は…………魔人ヴァンデルですよ」



 魔人ヴァンデル…………EIでは魔人ヴァンデルは周期イベントやゲリライベントのフレーバーテキストでしか無かった。

 例えば、ある周期イベントでは魔人ヴァンデルレートル·グレモリーの財宝を見つけ出せ!とか。
 魔人ヴァンデルガルシド·ベリアルの侵攻を食い止めろ。とか……。
 イベントの話の核にはなってたりするものの、イベント自体には出てこず。
 魔人ヴァンデルのお宝を守る魔獣モンスターと戦ったり…。
 魔人ヴァンデルの手下の軍勢の魔獣モンスターを撃退したりと……そんな感じだったのだ。

 だから目の前にいる人型魔獣モンスターが自分の事を魔人ヴァンデルだと言い切った事がブッフォンには驚きだった……。

 (くそぅ!マーチンさんとかレインが喜びそうな話じゃないかよ!)


 「あのぉ~、魔人ヴァンデルってなんですか?」
 右手を挙げて質問するサクラ。

 「えっ?」
 

 「あはっ あははは……面白い子ですねぇ。長話は嫌いですけど………仕方ありませんねぇ、可愛い貴女に免じて話してあげましょう!」
 「やったねっ!ありがとうございます!」
 「マジかよ、すげぇなサクラ………」

 そんな会話をしてると、後続からカヴァルとスズが追い付いた。
 「おい、ブッフォン、アレはなんだ?」
 「およよ?どちらさま?」


 「魔人ヴァンデルだ!」
 「魔人ヴァンデルさんだよっ!」

 「魔人ヴァンデルさん?」
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