感じさせて……。

紫倉 紫

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ゆめ5

十四

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「もう、いい。体を温めよう」
 促されて、湯船に入った。今度は、奥村さんの前に、重なるようにして座らせられた。
「湯温をあげよう。風呂場内の行為に時間は記されていない。ただ、同じ結果を得るのに、俺の場合、どれだけ時間がかかるかわからん」
 洗って、手でさせられる以外に、まだ何かあるんだろうか。
 奥村さんに引き寄せられて、完全に凭れた。
「たっぷり、お返しをしてもらう」
 奥村さんの手が背後から回り込んできて、私の頬に触れる。
 濡れた指先が唇を割って、入ってきた。
「お前、歯が薄いなあ。気をつけろよ」
 奥村さんは、私の下の前歯を指でなぞりながら、言った。
 虫歯になりやすいんだろうか。質問しようにも、口の中に指があるから喋れない。
「さっきの声、良かったな……」
 唐突に話がかわる。
「思い出しただけで、興奮してきた」
 さっきの声って……
 私が抑えられなかった声……
 恥ずかしさが蘇る。
「『妻の口の中で、みるみる育っていった。』の再現は無理だな……」
「のぼせるぞ」
 それは、わかっている……
 色々な言葉がうずまく。教授は何のために、こんなことをさせるんだろう。
「やってみれば、どうってことない」
 奥村さんはしたことないくせに……
 しびれを切らした奥村さんが、私の二の腕を掴んだ。
「次もある」
 無理矢理立腕を引き上げられた。お湯が跳ねて音を立てる。とにかく目をつぶった。
 向かい合うようにして、座らされた。
 奥村さんの内腿にはさまれている。
 あごに手を添えられた。
「膝立ちがちょうど良さそうだな」
 奥村さんが、私の腕を取って、自分の太ももの上にのせた。
 逃れられない……
 するしかなさそうだった。
 仕方なく、膝立ちになる。
「あー、目の前にあると、やってみたくなるもんだな……」
 奥村さんが、胸に触れる。
「埋もれさせたら、どんな感覚なんだろうな。今は、我慢するしかないが……」
 私はどうしたらいいのか分からず、黙って奥村さんの言葉を聞いていた。
 手が、頬に触れた。耳の外側を通って、後頭部に指がかかった。
 頬が、痙攣している。
 頭を引き寄せられて、つい、抵抗してしまった。
「すぐに、済む。我慢しろ」
 唇に押し付けられた。
「口を開けろ」
 わずかに開く。
「もっと開けろ」
 もう少し開く。
「それじゃあ、入らん」
 指で押し開けられた。
 舌を奥に追いやりながら侵入してきた。
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