感じさせて……。

紫倉 紫

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ゆめ5

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 お湯が激しく跳ね上がった。
「顔にかかっただろ」
 奥村さんが不機嫌な声を出す。
「だって……」
「心配するな、見えていたのは、主に後ろの方のだ」
 なんの慰めにもならない。
「ずいぶんキレイな方だから、自信を持っていい」
 はっきり言って、そんな自信いらない。
「インターンの時に結構な数を見た俺が、お墨付きをだしてやったんだから、もっと喜べ」
 羽交い締めにされる。
「わかりました。嬉しいです。ありがとうございます」
 奥村さんが放してくれた。
「はやく、こっち向いて座りなおせ。でないと、こすりつけるぞ」
 奥村さんが腰のあたりに硬いものをおしつけてきた。
 とにかく腕で胸を隠しながら、座り直した。
「お前さあ、いい加減隠すのやめろ。そこのハードルあがったまんまだと、これからきついぞ」
 言われた通りかもしれない。
「それに、全く見えないとは言わないが、まあ、この距離だと多分、乳首は判別できない。全身タイツだと思えば、平気だろ?」
 全身タイツ……思わず笑ってしまった。
 どうせ、散々見られた後だ。私は腕をおろした。
「足も伸ばせば?」
 お風呂の中で正座をしていた。足を伸ばそうとしたときに、揺れる水の向こう側の、奥村さんの股間が目に入ってしまった。
 
 思わず顔を隠す。
 視覚というのはやっかいだ。
 目を閉じても、思い出してしまう。
 触ったときの感覚まで蘇る。
 私は、顔を隠したまま、映像を振り払おうとして頭を強く振った。
「おい、今のもう一回やってみてくれ」
 指の隙間から奥村さんの様子をうかがう。
「今のですか?」
「また、頭を振ってみろ」
 さっきより控えめに振ってみた。
「もっと激しく」
 なんのためにと思いはしたが、もう一度振ってみた。
「やっぱり、これ、浮いてるよな」
「何がですか?」
 奥村さんが私の乳房に手を伸ばしてきて、軽く持ち上げた後、放した。
浮力の影響でゆったりと動いた。
「面白いなあ」
 奥村さんが胸をつついてくる。
 今まで、意識したことはなかった。
「もう、やめてください」
「お前もやってみろって」
 自分の胸を触って面白いわけがない。
「せっかく人が、お前の好きな先延ばしをしてやろうとしてんのに」
 奥村さんがいきなり立ち上がった。
「きゃあ」
 慌てて、顔を隠した。
「何が、きゃあだ」
 機嫌を損ねてしまった。
「お前の好きな教授が、ご奉仕にはまってたんだから、文句言うなよ」
 また、手でさせられる。
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