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ゆめ5
七
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奥村さんほどの頭脳があっても、口をぽかんと開けてじっとしていれば、知性を感じさせないものだ。
研究室内でも、見た目や態度が一番怖いくらいなのに。
自分の腕の中にいる奥村さんが、やっぱり少し、かわいく思える。
もう、赤ちゃんだと思うことにした。
左の乳房を軽く持ち上げ、奥村さんの口元に合うように、体を少し前に傾けた。
奥村さんは、口に含むと、目を閉じた。
頭の横側をそっと撫でる。
安心しているように見える。
単調に吸われる分には、我慢も必要ないほどの感覚しかなかった。
砂時計に目をやると、3分の1ほどは落ちていた。
実際の授乳は、どのくらいの時間かかるものだろうか。考えてみれば、赤ちゃんに母乳をあげるたびに感じたら大変だ。
人の体は良くできている……。
でも、考えてみると、それ以外の時には、なんのために感じるのだろう。
最近まで、そんな風になるなんて知らなかった。
奥村さんの髪を撫でる手をとめた。
右の方に、自分で触れてみた。
さっきまで、刺激されていたから、いつもよりは敏感なのかもしれない。それでも、声が漏れるような感覚はない。
目を閉じてみる。
奥村さんはどんな風にしていただろうか。
自分で触れるだけでも、かたくなってきた。
突然、奥村さんに右手首を掴まれた。
驚いて、目を開ける。
「そっちは、俺がしてやるから。お前は握っとけ」
右手を下げさせられる。
「直でなくていい。動かさなくてもいい」
奥村さんは、自分の股間に私の手を置き去りにした。
私は、握らず……ただ、手を離すこともできずにいた。
奥村さんから軽く指先でもてあそばれるだけで、簡単に、別の感覚にかえられてしまう。
舌使いが、さっきまでの単調なものではなくなった。
水気を含んだ音が、繰り返し聞こえる。
普通に、呼吸ができなくなる。
私は、きつく目を閉じ、口をかたく結ぶ。
声が、鼻から、漏れてしまう。
手のひらにあるのがタオルの手触りでも、その下で、時々、別の生き物みたいに動いている。
指を少し折り曲げる。指先に吸い寄せられて、くる。
おそるおそる包んでみる。
「もっと強く」
切なげな声を聞いて、背中の産毛を撫でられたような感覚が走った。
その直後、強く吸われながら舌先で転がされ、私は我慢できずに、深いため息をついた。
右手に思わず力が入る。
一度、力を入れてしまえば、ためらう理由はなくなった。
奥村さんは、先だけでなく、周辺にも舌を這わせる。
座っている姿勢を保つのも難しくなるほどになってきた。
薄目を開けて、砂時計を見る。まだ、落ちきっていない。それでも
「奥村さん……もう、私、無理です……」
奥村さんは、口にくわえたままで、目を開け、私の顔をみた。
横目で視線を送りながら、強く吸ってくる。
目を開けていられそうにない。
名前を呼んでお願いする。
奥村さんは、強く吸ったまま、頭を後ろにひいた。
痛くはない。ただ、切ないような変な感覚があった。
ようやく、口を離してくれる。
「伸びた」
少しふやけて……本当に伸びている。
奥村さんは体を起こした。
「まだ、握ってたいか、お前成長したな……」
慌てて手を離した。
奥村さんは、バスタオルの端を持って胸元まで引き上げてくれた。
手で落ちないように押さえる。
「思っていたよりは、ずっと楽しめた」
奥村さんが私の髪を撫でた。指が耳をかすめたとき、また、苦しくなって、私は思わず目を閉じた。
研究室内でも、見た目や態度が一番怖いくらいなのに。
自分の腕の中にいる奥村さんが、やっぱり少し、かわいく思える。
もう、赤ちゃんだと思うことにした。
左の乳房を軽く持ち上げ、奥村さんの口元に合うように、体を少し前に傾けた。
奥村さんは、口に含むと、目を閉じた。
頭の横側をそっと撫でる。
安心しているように見える。
単調に吸われる分には、我慢も必要ないほどの感覚しかなかった。
砂時計に目をやると、3分の1ほどは落ちていた。
実際の授乳は、どのくらいの時間かかるものだろうか。考えてみれば、赤ちゃんに母乳をあげるたびに感じたら大変だ。
人の体は良くできている……。
でも、考えてみると、それ以外の時には、なんのために感じるのだろう。
最近まで、そんな風になるなんて知らなかった。
奥村さんの髪を撫でる手をとめた。
右の方に、自分で触れてみた。
さっきまで、刺激されていたから、いつもよりは敏感なのかもしれない。それでも、声が漏れるような感覚はない。
目を閉じてみる。
奥村さんはどんな風にしていただろうか。
自分で触れるだけでも、かたくなってきた。
突然、奥村さんに右手首を掴まれた。
驚いて、目を開ける。
「そっちは、俺がしてやるから。お前は握っとけ」
右手を下げさせられる。
「直でなくていい。動かさなくてもいい」
奥村さんは、自分の股間に私の手を置き去りにした。
私は、握らず……ただ、手を離すこともできずにいた。
奥村さんから軽く指先でもてあそばれるだけで、簡単に、別の感覚にかえられてしまう。
舌使いが、さっきまでの単調なものではなくなった。
水気を含んだ音が、繰り返し聞こえる。
普通に、呼吸ができなくなる。
私は、きつく目を閉じ、口をかたく結ぶ。
声が、鼻から、漏れてしまう。
手のひらにあるのがタオルの手触りでも、その下で、時々、別の生き物みたいに動いている。
指を少し折り曲げる。指先に吸い寄せられて、くる。
おそるおそる包んでみる。
「もっと強く」
切なげな声を聞いて、背中の産毛を撫でられたような感覚が走った。
その直後、強く吸われながら舌先で転がされ、私は我慢できずに、深いため息をついた。
右手に思わず力が入る。
一度、力を入れてしまえば、ためらう理由はなくなった。
奥村さんは、先だけでなく、周辺にも舌を這わせる。
座っている姿勢を保つのも難しくなるほどになってきた。
薄目を開けて、砂時計を見る。まだ、落ちきっていない。それでも
「奥村さん……もう、私、無理です……」
奥村さんは、口にくわえたままで、目を開け、私の顔をみた。
横目で視線を送りながら、強く吸ってくる。
目を開けていられそうにない。
名前を呼んでお願いする。
奥村さんは、強く吸ったまま、頭を後ろにひいた。
痛くはない。ただ、切ないような変な感覚があった。
ようやく、口を離してくれる。
「伸びた」
少しふやけて……本当に伸びている。
奥村さんは体を起こした。
「まだ、握ってたいか、お前成長したな……」
慌てて手を離した。
奥村さんは、バスタオルの端を持って胸元まで引き上げてくれた。
手で落ちないように押さえる。
「思っていたよりは、ずっと楽しめた」
奥村さんが私の髪を撫でた。指が耳をかすめたとき、また、苦しくなって、私は思わず目を閉じた。
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