67 / 102
うつつ5
十九
しおりを挟む
いつでも、テーブルに並べられるようにして、和明の帰りを待つ。
和明は、亮のことを教授に紹介したいとも言っていた。ひかりはいろんな意味で緊張を強いられていた。
「ひかり、疲れてるのか?」
亮に、声をかけられた。
「教授が来るの初めてだから、緊張してしまって」
亮がひかりの肩を叩いた。
「大丈夫だって。あの人、人間にはほとんど興味持ってなさそうだから」
和明も、同じようなところがある。教授に関しては、しゃべらずにいれば、なんとかなりそうな気がした。
玄関扉が開いた音が聞こえた。
ひかりは、出迎えるためにリビングを出た。亮も後についてくる。
「狭いですが、どうぞ」
和明に促され、教授が入ってきた。
簡単に挨拶をすませ、招き入れた。変わらず、小柄で優しそうな方だ。
リビングへ、案内しようとしていると、教授に追い越されてしまった。
慌てて亮がドアを開ける。
和明が教授の後から「本棚は、正面の扉を開ければあります」と声をかけた。
振り向きもせずに、ドアを開けた。
「喜多川君、悪いが書斎で教授のお相手を」
亮は教授に続いて書斎に入った。
和明のため息が聞こえた。
「しばらくすれば満足されて、落ち着く」
和明の苦労を垣間見た気がした。亮は大丈夫だろうか。
「喜多川君なら、教授の機嫌をそこねはしないだろう」
優しげに見えても、気難しいのだろう。
「預かっているものを返そうか?」
和明が、微笑んだ。
「寝室へ行こう」
不安を感じながらも、頷いた。
和明は、寝室の扉を閉めて立ち止まった。パンツのポケットに手を入れて取りだした。差し出される。
受け取ったショーツは、少し温かかった。
「はいてもいいですか?」
一応は確認した。和明は、目を細めた。
「身につけて出かけていたんじゃなかった?」
ひかりはつい、目をそらした。
「外は冷えるしね。君が約束を守れなかったことは、ある程度仕方のないことだと思ってはいるよ。それより、君がまた脱いだ理由が知りたいな」
はいていたことに、気づかれていなかったのではという淡い期待もあった。
「君は、自分の行動を一度分析してみた方がいい」
和明の手が、ひかりの腰の辺りに添えられた。
「外出先で、万が一転倒でもしたらさらしてしまうと心配になったかもしれないね。それは理解できる。しかし、君はまた脱いだ。僕が、教授をつれて帰ってくると知っていたにもかかわらず」
和明の手が、徐々におりていく。
「君が最後に転んだのはいつだろう。可能性は0ではない。だが、その滅多にないことが起こってしまったとして、外出先と、今の、喜多川君と教授がいるこの家の中と、どちらが影響が大きいと思う?」
影響がどうであるかは、考えていなかった。どちらが恥ずかしいか……。それも、深くは考えていなかったことに気づく。
「どちらでも、起こってしまえば、恥であることに違いはない。喜多川君に目撃されたとして、影響がないとは言わないが、もし教授であれば………」
和明は、ひかりの腰に手のひらを押し付けゆっくりと円を描いた。
「この先ずっと、僕の妻は教授に陰部をさらしたと思い続けることになる」
確かに、そうかも知れない。
「そして、触れるだけでも、つけていないことはわかる」
「わかりました。今すぐはきます」
「違う。君は、僕から返されなくても、はいた。次は、返されたのに、はかないという選択をするんだ」
つい、頭を横に振ってしまう。
和明がスカートをたくしあげていく。ニーハイよりも上まで来たところで、素肌の太ももに触れられた。
内腿の間に、手を差し入れられる。
「自覚していない願望なのかもしれない」
届いていないのに、力が抜けそうになる。
「僕が、教授にほとんど会わせなかった理由はすぐにわかる。君がどう切り抜けるのか楽しみにしてるよ」
和明は、亮のことを教授に紹介したいとも言っていた。ひかりはいろんな意味で緊張を強いられていた。
「ひかり、疲れてるのか?」
亮に、声をかけられた。
「教授が来るの初めてだから、緊張してしまって」
亮がひかりの肩を叩いた。
「大丈夫だって。あの人、人間にはほとんど興味持ってなさそうだから」
和明も、同じようなところがある。教授に関しては、しゃべらずにいれば、なんとかなりそうな気がした。
玄関扉が開いた音が聞こえた。
ひかりは、出迎えるためにリビングを出た。亮も後についてくる。
「狭いですが、どうぞ」
和明に促され、教授が入ってきた。
簡単に挨拶をすませ、招き入れた。変わらず、小柄で優しそうな方だ。
リビングへ、案内しようとしていると、教授に追い越されてしまった。
慌てて亮がドアを開ける。
和明が教授の後から「本棚は、正面の扉を開ければあります」と声をかけた。
振り向きもせずに、ドアを開けた。
「喜多川君、悪いが書斎で教授のお相手を」
亮は教授に続いて書斎に入った。
和明のため息が聞こえた。
「しばらくすれば満足されて、落ち着く」
和明の苦労を垣間見た気がした。亮は大丈夫だろうか。
「喜多川君なら、教授の機嫌をそこねはしないだろう」
優しげに見えても、気難しいのだろう。
「預かっているものを返そうか?」
和明が、微笑んだ。
「寝室へ行こう」
不安を感じながらも、頷いた。
和明は、寝室の扉を閉めて立ち止まった。パンツのポケットに手を入れて取りだした。差し出される。
受け取ったショーツは、少し温かかった。
「はいてもいいですか?」
一応は確認した。和明は、目を細めた。
「身につけて出かけていたんじゃなかった?」
ひかりはつい、目をそらした。
「外は冷えるしね。君が約束を守れなかったことは、ある程度仕方のないことだと思ってはいるよ。それより、君がまた脱いだ理由が知りたいな」
はいていたことに、気づかれていなかったのではという淡い期待もあった。
「君は、自分の行動を一度分析してみた方がいい」
和明の手が、ひかりの腰の辺りに添えられた。
「外出先で、万が一転倒でもしたらさらしてしまうと心配になったかもしれないね。それは理解できる。しかし、君はまた脱いだ。僕が、教授をつれて帰ってくると知っていたにもかかわらず」
和明の手が、徐々におりていく。
「君が最後に転んだのはいつだろう。可能性は0ではない。だが、その滅多にないことが起こってしまったとして、外出先と、今の、喜多川君と教授がいるこの家の中と、どちらが影響が大きいと思う?」
影響がどうであるかは、考えていなかった。どちらが恥ずかしいか……。それも、深くは考えていなかったことに気づく。
「どちらでも、起こってしまえば、恥であることに違いはない。喜多川君に目撃されたとして、影響がないとは言わないが、もし教授であれば………」
和明は、ひかりの腰に手のひらを押し付けゆっくりと円を描いた。
「この先ずっと、僕の妻は教授に陰部をさらしたと思い続けることになる」
確かに、そうかも知れない。
「そして、触れるだけでも、つけていないことはわかる」
「わかりました。今すぐはきます」
「違う。君は、僕から返されなくても、はいた。次は、返されたのに、はかないという選択をするんだ」
つい、頭を横に振ってしまう。
和明がスカートをたくしあげていく。ニーハイよりも上まで来たところで、素肌の太ももに触れられた。
内腿の間に、手を差し入れられる。
「自覚していない願望なのかもしれない」
届いていないのに、力が抜けそうになる。
「僕が、教授にほとんど会わせなかった理由はすぐにわかる。君がどう切り抜けるのか楽しみにしてるよ」
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。
すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。
そこで私は一人の男の人と出会う。
「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」
そんな言葉をかけてきた彼。
でも私には秘密があった。
「キミ・・・目が・・?」
「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」
ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。
「お願いだから俺を好きになって・・・。」
その言葉を聞いてお付き合いが始まる。
「やぁぁっ・・!」
「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」
激しくなっていく夜の生活。
私の身はもつの!?
※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
では、お楽しみください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる