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うつつ4
六
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車が揺れている。
窓ガラスが曇って、中がみえなくても、何をしているのかわかってしまいそうだ。
「ああ、いいよ」
和明の声に空気が多く混ざりはじめた。
「車のシートは、意外に動きやすいだろう?」
言われて、動きを止める。
「そうか。上になるのは、はじめてだったね」
和明が、ひかり以外を知らないとは、さすがに思っていない。それでも、以前から、車でこんなことをする人だったのは、ショックだった。
何も言葉にできない。
「気を悪くした?」
和明が体を起こして、ひかりを抱き寄せた。角度がかわって、また、つながった場所に意識が引き戻される。
「心配しなくてもいいよ。研究室で院生が話しているのが聞こえてきただけだ」
ほっとして、和明の首の後ろに腕を回した。
「君は、本当にかわいいね」
和明は、ひかりの耳たぶに軽く歯を立てたまま「つづきを……」と言った。
自ら快感を求めて動く。普段はしない動作でも、すぐになれた。
抱きしめられた後、ひかりを閉じこめていた扉の鍵がはずれてしまった。ここがどこなのかはどうでもよくなり、はしたなく腰を動かす。声をもらす。快感をくれる場所にどうすればあたるのか、それだけに思考が奪われている。さらに大きくなったのがわかる。腰を強く押さえられ下から突き上げられた。声を上げる。両手で口をふさいだ。腕を取られすぐにひきはがされる。
「ききたい」
和明が動く度、声が出てしまう。
抑えがききそうもない。そう思ったとき、和明が小さく呻いた。中で波打つのがわかった。
和明が呼吸を整えている。
何かをつかみかけていたのに寸前で逃げられた気分だ。和明が果てる直前、今までにない、感覚とも呼べない何かにほんの一瞬ふれた気がした。
遠ざかってしまったその何かを思い出したくて、目を閉じる。
和明のものが柔らかくなって、どろりとひかりの中からこぼれ落ちていく。何かは跡形もなく消えてしまった。
膝で立つように言われた。
和明のがティッシュを引き出し、拭き取ってくれる。
流れ出るのがわかった。
「本能には誰も逆らえない」
指を入れられ、身震いした。
「この奥に君を変えてしまう場所がある」
和明は、抜いた指を拭いながら「ほとんど掻き出せた」と言った。
窓ガラスが曇って、中がみえなくても、何をしているのかわかってしまいそうだ。
「ああ、いいよ」
和明の声に空気が多く混ざりはじめた。
「車のシートは、意外に動きやすいだろう?」
言われて、動きを止める。
「そうか。上になるのは、はじめてだったね」
和明が、ひかり以外を知らないとは、さすがに思っていない。それでも、以前から、車でこんなことをする人だったのは、ショックだった。
何も言葉にできない。
「気を悪くした?」
和明が体を起こして、ひかりを抱き寄せた。角度がかわって、また、つながった場所に意識が引き戻される。
「心配しなくてもいいよ。研究室で院生が話しているのが聞こえてきただけだ」
ほっとして、和明の首の後ろに腕を回した。
「君は、本当にかわいいね」
和明は、ひかりの耳たぶに軽く歯を立てたまま「つづきを……」と言った。
自ら快感を求めて動く。普段はしない動作でも、すぐになれた。
抱きしめられた後、ひかりを閉じこめていた扉の鍵がはずれてしまった。ここがどこなのかはどうでもよくなり、はしたなく腰を動かす。声をもらす。快感をくれる場所にどうすればあたるのか、それだけに思考が奪われている。さらに大きくなったのがわかる。腰を強く押さえられ下から突き上げられた。声を上げる。両手で口をふさいだ。腕を取られすぐにひきはがされる。
「ききたい」
和明が動く度、声が出てしまう。
抑えがききそうもない。そう思ったとき、和明が小さく呻いた。中で波打つのがわかった。
和明が呼吸を整えている。
何かをつかみかけていたのに寸前で逃げられた気分だ。和明が果てる直前、今までにない、感覚とも呼べない何かにほんの一瞬ふれた気がした。
遠ざかってしまったその何かを思い出したくて、目を閉じる。
和明のものが柔らかくなって、どろりとひかりの中からこぼれ落ちていく。何かは跡形もなく消えてしまった。
膝で立つように言われた。
和明のがティッシュを引き出し、拭き取ってくれる。
流れ出るのがわかった。
「本能には誰も逆らえない」
指を入れられ、身震いした。
「この奥に君を変えてしまう場所がある」
和明は、抜いた指を拭いながら「ほとんど掻き出せた」と言った。
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