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第2章・千切れた赤い薔薇
背徳の傍観者
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翌日。
予告されていた通り、香澄は青薔薇の刺青をいれることになった。
俺はモニター越しに見ていた。
俺たちの住む世界の刺青と違って、スタンプを押すような簡単な処置で終わる。痛みもほとんどない。
下着を脱いでベッドに横たわり、職員が器具を当てて、それで終了だった。
モニター越しにもはっきりと、青い薔薇の模様がわかる。
一人になった香澄は、体を起こすと、ゆっくり刺青に指を這わせた。
ようこそ香澄。こっちの世界に。
もう、戻れないね。
笑い出したくなる。
俺がこんなふうに見ていることも、お前は知らないんだろうな。
香澄がどんなセックスをするのか見たい。
一回残らず、全て見たい。
香りの間は一つしかないから、俺たちの仕事はかぶることはない。
準備もそこそこに、俺はモニターの前でそれが始まるのを待った。
時間になると、香澄はやってきた。
昨日買ったばかりの白いワンピースだ、よく似合っている。パフスリーブだから、男を感じさせる筋肉の形がカバーされて、より少女のように見えた。
客は四十代くらいの、きっちりとスーツを着た男だ。すでにベッドに腰掛けている。珍しくまだ服を着ている。乗り気ではないのだろう。調べたところ、裁判所に務める人間だった。随分お堅そうだ。
『慣れてなくて、うまくできなかったらごめんなさい』
隣に座ると、香澄は律儀に頭を下げた。
男は手を出さない。
不機嫌そうに座っている。
何しに来たんだ、苛ついた。
俺だったら、適当に押し倒してしゃぶって、騎乗位で処理する、と思った。
けれど香澄は、何を思ったのか世間話を始めた。
昨日初めてショッピングモールに行ったこと、驚いたこと、こっちで初めて食べた食事——
笑顔で話し続ける香澄に、男はやがて相槌を打ち始める。
おすすめのお店を訊ねる香澄に男が答えると、香澄は嬉しそうに『今度行ってみます!』と答えた。
その後もしばらく他愛のない話は続いた。
『君は嫌じゃないのか。こんな、体を売るような真似をして』
男が言った。
いけしゃあしゃあと何をいうんだ、俺は舌打ちした。
『怖い人だったら嫌だったかもしれないですけど……今日は、優しい人だったから』
答えになっていない答えを返す香澄に、男は僅かに動揺しているようだった。
『私は、仕方なく来たんだ。妻も子供もいる。本当はこんなことをする人間ではない』
笑い出したくなる。そんな言い訳、飽きるほど聞いてきたから。
けれど香澄は、真剣に聞いている。
『それじゃあ……あの……嫌になったら、やめますか?』
『え?』
『嫌になったら、途中でやめませんか?』
うまい、と思った。
それを言われたら、とりあえず始めることはできる。
初めてしまえばこっちのものだ。欲望を止められる男など中々いない。
けれど香澄は本心で言っているのだ。
本心で、心から相手を思って——。
『わかった』
男が頷いた。
男はおずおずと香澄に手を伸ばす。
その小柄な体を抱き締める。
『大丈夫ですか? 嫌じゃないですか?』
『……ああ』
『よかった』
香澄が男の背中に腕を回す。
男はそのまま、香澄をベッドに押し倒す。
白いワンピースをたくし上げて、太ももに手を這わせる。
興奮している、それが伝わってくる。
男はスカートを捲り上げて、白いフリルのついたレースの下着を露わにした。
下腹部には、今朝つけられたばかりの青い薔薇が咲いている。
『こんな……いやらしい下着を履いて……』
レースだから、性器が丸見えだ。当然だった。
『嫌、ですか?』
香澄が尋ねると、男は下着を一気に下ろした。
香澄が羞恥心から両足を閉じようとすると、男は勢いよく開かせる。
『舐めた方がいいか?』
『嫌なら……大丈夫ですから……』
消え入りそうな香澄の声。恥ずかしいのだろう。
『舐めてみないとわからないな——』
言うや否や、男は香澄の性器にむしゃぶりついた。
『ぁ…っ!』
さっきまでのお堅そうな仮面はどこに行ったのか。
男は香澄の性器を口に含むと、音を立ててしゃぶり始める。
『ん、く、んん……っ』
たまらないのか、香澄は男の頭を腿で挟み込むようにして、髪をくしゃりと掴んだ。
『ぁ、やっ、やっ、ア、ん、ン、』
香澄の喘ぎ。
初めて聞いた時、想像した通り、いや、想像以上にエロティックだと思った。
少年と少女の中間のような甘い声。
もっと鳴いてほしい。
もっと鳴かせたい——。
香澄は髪を振り乱して逃げ出そうとする。
けれど男は何かに取り憑かれたかのように音を立ててしゃぶり続ける。
『ア、だめです、イッちゃう、イッちゃうから……!』
香澄が悲鳴をあげると、男はようやく口を離した。
そのまま、香澄にのしかかる。
『あ……嫌、じゃ、なかったですか?』
『続けてみないとわからない』
そういうと、男はワンピースを胸元までたくし上げた。香澄の薄桃色の小さな乳首が現れる。
男は迷うことなく乳首に吸いついた。
『ぁん……っ』
気持ちいいのだろう、香澄は切なげに喘ぎを漏らす。
『妻は何年も触らせてくれなくてね……』
男は薄い香澄の胸を、女にするように揉みしだいた。
『ごめんなさい、その、なくて……』
『これはこれでいい』
再び乳首にむしゃぶりついて、香澄はたまらないのか指を噛んだ。
左右の乳首をたっぷり味わい、先端がしっかり立ち上がるのを見届けると、男はようやくジャケットを脱いで前をくつろぎ始める。
スラックスを脱ぐと、勃起したそれが勢いよく天を突いた。
所詮男だ、俺は笑った。
『君の口でしてもらうのが嫌かどうかも……試しておきたい』
『……はい』
男は膝立ちになる。
香澄はノロノロと体を起こすと、勃ち上がったそれに唇を寄せて——咥えた。
『ん、ふ、む、』
無心で香澄が頭を振っている。
覚えたての口淫。
拙いけれど、それでも男は興奮している様子だ。
気をやるのを堪えているのか、時折香澄の頭を掴んでは小休止する。
やがて本当に射精しそうになったのだろう、ようやく香澄を解放した。
『……ここまでだと、まだ、わからない』
男は香澄の足を開かせる。
正常位の姿勢をとって、そこにペニスを押し当てる。
『君は、嫌じゃないのか? こんな……見ず知らずの男のものを受け入れるのは』
一番困る質問だ。
嫌に決まってるだろう?
けれどそれを言えるわけもない。
香澄は夢を見ているような瞳のまま、ゆっくりと答える。
『ここ、まで……嫌がられなく、て、よかったです……』
性交渉を正当化するための言葉遊びに、まだ付き合うつもりなのだ。
『いいのか? いれてしまっても』
『あ、の……俺……』
香澄は何度も唇を舐める。
頰はすっかり紅潮している。
『さっき、から、お腹、の奥、じんじん、して……』
薬が効いているのだ。
『ぎゅ、って、なって、それで、つらく、て……だから……』
『だから?』
男の声が上擦る。今すぐにでも挿入したいのだろう。
『楽、に、なりたい……』
『どうしたら楽になる?』
『わからない……』
焦らされている気分になっているのだろう、男は体を倒して、香澄の体を抱き締める。
そのまま前後して、香澄の股間に性器を擦りつけ始める。
『ン、あ、ア……』
『このままでいいのか?』
『あ……奥……』
縋り付くように香澄は男の背中に腕を回す。
『奥がなんだ?』
『お、く……奥に、きて、ほしいです……』
『これが欲しいってことか?』
『あ……』
『欲しいなら欲しいと言いなさい』
二人は見つめ合う。
やがて男は、香澄の耳元に何か囁いた。
『ほ、しい……』
こう言え、と、命令されているのだろう。
『中に、欲しい……ぁ……いれ、て、いれてください……っ』
香澄がいい終わるや否や、男は一気に香澄に挿入した。
『ひぁ……っ』
男は加減せずに性急に腰を振り始める。
『なんだこれは……男の、くせに……っ』
『んん、んっ、んう……ッ』
二人はきつく抱きしめあって、一つになった。
『大丈夫、ですか?』
揺さぶられながらうわ言のように香澄が訊ねる。
『いや、じゃ、ないですか? 俺……と、こう、するの……ァン!』
『君は?』
『あ、ア、あ、俺、俺……きもち、いいです……きもち、いい』
『私もだよ』
激しい律動が始まる。
加減せずに、二人は絶頂に向かっていく。
『中に出していいんだったよな?』
『は、い……っ』
香澄はこくこくと頷く。
『出すぞ、君の中に……ちゃんと、受け止めなさい……!』
『ぁ、ア、あ、あ、あ、ァ、あ、あぁああっ!』
二人は硬直する。
男が一際大きく震えて、射精する。
香澄は両足を突っ張って、それを受け止める。
やがて波が引いて行った後も、二人は繋がったままだった。
男は香澄の顔中にキスの雨を降らせる。
唇を許していないことは男もわかっているのだ。
『……こんなに気持ちのいいセックスは久しぶりだ……』
香澄にのしかかり、男は愛おしげにその体を抱き締める。
『良かったよ』
男に頭を撫でられると、香澄は惚けた顔のまま、唇に笑みを浮かべた。
その後は、二人は時間いっぱいまで互いの体を触り合い、まるで恋人同士のように過ごした。
別れ際、ドアまで見送る香澄を名残惜しそうに抱き締める。
『また来てもいいか?』
『はい』
香澄が頷くと、男は頬にキスをして、満足そうに部屋を出て行った。
俺だったら、この後すぐに真顔になる。
次の客のことを考える。
けれど香澄はふらふらとベッドに戻った。
裸のまま、ベッドに仰向けに横たわる。
何を考えているのだろう、虚な目で下腹部の青い薔薇に触れる。
香澄はそのまま、天井を見上げる。
ふと、モニター越しに目があったような気がして、俺は慌ててモニターを切った。
予告されていた通り、香澄は青薔薇の刺青をいれることになった。
俺はモニター越しに見ていた。
俺たちの住む世界の刺青と違って、スタンプを押すような簡単な処置で終わる。痛みもほとんどない。
下着を脱いでベッドに横たわり、職員が器具を当てて、それで終了だった。
モニター越しにもはっきりと、青い薔薇の模様がわかる。
一人になった香澄は、体を起こすと、ゆっくり刺青に指を這わせた。
ようこそ香澄。こっちの世界に。
もう、戻れないね。
笑い出したくなる。
俺がこんなふうに見ていることも、お前は知らないんだろうな。
香澄がどんなセックスをするのか見たい。
一回残らず、全て見たい。
香りの間は一つしかないから、俺たちの仕事はかぶることはない。
準備もそこそこに、俺はモニターの前でそれが始まるのを待った。
時間になると、香澄はやってきた。
昨日買ったばかりの白いワンピースだ、よく似合っている。パフスリーブだから、男を感じさせる筋肉の形がカバーされて、より少女のように見えた。
客は四十代くらいの、きっちりとスーツを着た男だ。すでにベッドに腰掛けている。珍しくまだ服を着ている。乗り気ではないのだろう。調べたところ、裁判所に務める人間だった。随分お堅そうだ。
『慣れてなくて、うまくできなかったらごめんなさい』
隣に座ると、香澄は律儀に頭を下げた。
男は手を出さない。
不機嫌そうに座っている。
何しに来たんだ、苛ついた。
俺だったら、適当に押し倒してしゃぶって、騎乗位で処理する、と思った。
けれど香澄は、何を思ったのか世間話を始めた。
昨日初めてショッピングモールに行ったこと、驚いたこと、こっちで初めて食べた食事——
笑顔で話し続ける香澄に、男はやがて相槌を打ち始める。
おすすめのお店を訊ねる香澄に男が答えると、香澄は嬉しそうに『今度行ってみます!』と答えた。
その後もしばらく他愛のない話は続いた。
『君は嫌じゃないのか。こんな、体を売るような真似をして』
男が言った。
いけしゃあしゃあと何をいうんだ、俺は舌打ちした。
『怖い人だったら嫌だったかもしれないですけど……今日は、優しい人だったから』
答えになっていない答えを返す香澄に、男は僅かに動揺しているようだった。
『私は、仕方なく来たんだ。妻も子供もいる。本当はこんなことをする人間ではない』
笑い出したくなる。そんな言い訳、飽きるほど聞いてきたから。
けれど香澄は、真剣に聞いている。
『それじゃあ……あの……嫌になったら、やめますか?』
『え?』
『嫌になったら、途中でやめませんか?』
うまい、と思った。
それを言われたら、とりあえず始めることはできる。
初めてしまえばこっちのものだ。欲望を止められる男など中々いない。
けれど香澄は本心で言っているのだ。
本心で、心から相手を思って——。
『わかった』
男が頷いた。
男はおずおずと香澄に手を伸ばす。
その小柄な体を抱き締める。
『大丈夫ですか? 嫌じゃないですか?』
『……ああ』
『よかった』
香澄が男の背中に腕を回す。
男はそのまま、香澄をベッドに押し倒す。
白いワンピースをたくし上げて、太ももに手を這わせる。
興奮している、それが伝わってくる。
男はスカートを捲り上げて、白いフリルのついたレースの下着を露わにした。
下腹部には、今朝つけられたばかりの青い薔薇が咲いている。
『こんな……いやらしい下着を履いて……』
レースだから、性器が丸見えだ。当然だった。
『嫌、ですか?』
香澄が尋ねると、男は下着を一気に下ろした。
香澄が羞恥心から両足を閉じようとすると、男は勢いよく開かせる。
『舐めた方がいいか?』
『嫌なら……大丈夫ですから……』
消え入りそうな香澄の声。恥ずかしいのだろう。
『舐めてみないとわからないな——』
言うや否や、男は香澄の性器にむしゃぶりついた。
『ぁ…っ!』
さっきまでのお堅そうな仮面はどこに行ったのか。
男は香澄の性器を口に含むと、音を立ててしゃぶり始める。
『ん、く、んん……っ』
たまらないのか、香澄は男の頭を腿で挟み込むようにして、髪をくしゃりと掴んだ。
『ぁ、やっ、やっ、ア、ん、ン、』
香澄の喘ぎ。
初めて聞いた時、想像した通り、いや、想像以上にエロティックだと思った。
少年と少女の中間のような甘い声。
もっと鳴いてほしい。
もっと鳴かせたい——。
香澄は髪を振り乱して逃げ出そうとする。
けれど男は何かに取り憑かれたかのように音を立ててしゃぶり続ける。
『ア、だめです、イッちゃう、イッちゃうから……!』
香澄が悲鳴をあげると、男はようやく口を離した。
そのまま、香澄にのしかかる。
『あ……嫌、じゃ、なかったですか?』
『続けてみないとわからない』
そういうと、男はワンピースを胸元までたくし上げた。香澄の薄桃色の小さな乳首が現れる。
男は迷うことなく乳首に吸いついた。
『ぁん……っ』
気持ちいいのだろう、香澄は切なげに喘ぎを漏らす。
『妻は何年も触らせてくれなくてね……』
男は薄い香澄の胸を、女にするように揉みしだいた。
『ごめんなさい、その、なくて……』
『これはこれでいい』
再び乳首にむしゃぶりついて、香澄はたまらないのか指を噛んだ。
左右の乳首をたっぷり味わい、先端がしっかり立ち上がるのを見届けると、男はようやくジャケットを脱いで前をくつろぎ始める。
スラックスを脱ぐと、勃起したそれが勢いよく天を突いた。
所詮男だ、俺は笑った。
『君の口でしてもらうのが嫌かどうかも……試しておきたい』
『……はい』
男は膝立ちになる。
香澄はノロノロと体を起こすと、勃ち上がったそれに唇を寄せて——咥えた。
『ん、ふ、む、』
無心で香澄が頭を振っている。
覚えたての口淫。
拙いけれど、それでも男は興奮している様子だ。
気をやるのを堪えているのか、時折香澄の頭を掴んでは小休止する。
やがて本当に射精しそうになったのだろう、ようやく香澄を解放した。
『……ここまでだと、まだ、わからない』
男は香澄の足を開かせる。
正常位の姿勢をとって、そこにペニスを押し当てる。
『君は、嫌じゃないのか? こんな……見ず知らずの男のものを受け入れるのは』
一番困る質問だ。
嫌に決まってるだろう?
けれどそれを言えるわけもない。
香澄は夢を見ているような瞳のまま、ゆっくりと答える。
『ここ、まで……嫌がられなく、て、よかったです……』
性交渉を正当化するための言葉遊びに、まだ付き合うつもりなのだ。
『いいのか? いれてしまっても』
『あ、の……俺……』
香澄は何度も唇を舐める。
頰はすっかり紅潮している。
『さっき、から、お腹、の奥、じんじん、して……』
薬が効いているのだ。
『ぎゅ、って、なって、それで、つらく、て……だから……』
『だから?』
男の声が上擦る。今すぐにでも挿入したいのだろう。
『楽、に、なりたい……』
『どうしたら楽になる?』
『わからない……』
焦らされている気分になっているのだろう、男は体を倒して、香澄の体を抱き締める。
そのまま前後して、香澄の股間に性器を擦りつけ始める。
『ン、あ、ア……』
『このままでいいのか?』
『あ……奥……』
縋り付くように香澄は男の背中に腕を回す。
『奥がなんだ?』
『お、く……奥に、きて、ほしいです……』
『これが欲しいってことか?』
『あ……』
『欲しいなら欲しいと言いなさい』
二人は見つめ合う。
やがて男は、香澄の耳元に何か囁いた。
『ほ、しい……』
こう言え、と、命令されているのだろう。
『中に、欲しい……ぁ……いれ、て、いれてください……っ』
香澄がいい終わるや否や、男は一気に香澄に挿入した。
『ひぁ……っ』
男は加減せずに性急に腰を振り始める。
『なんだこれは……男の、くせに……っ』
『んん、んっ、んう……ッ』
二人はきつく抱きしめあって、一つになった。
『大丈夫、ですか?』
揺さぶられながらうわ言のように香澄が訊ねる。
『いや、じゃ、ないですか? 俺……と、こう、するの……ァン!』
『君は?』
『あ、ア、あ、俺、俺……きもち、いいです……きもち、いい』
『私もだよ』
激しい律動が始まる。
加減せずに、二人は絶頂に向かっていく。
『中に出していいんだったよな?』
『は、い……っ』
香澄はこくこくと頷く。
『出すぞ、君の中に……ちゃんと、受け止めなさい……!』
『ぁ、ア、あ、あ、あ、ァ、あ、あぁああっ!』
二人は硬直する。
男が一際大きく震えて、射精する。
香澄は両足を突っ張って、それを受け止める。
やがて波が引いて行った後も、二人は繋がったままだった。
男は香澄の顔中にキスの雨を降らせる。
唇を許していないことは男もわかっているのだ。
『……こんなに気持ちのいいセックスは久しぶりだ……』
香澄にのしかかり、男は愛おしげにその体を抱き締める。
『良かったよ』
男に頭を撫でられると、香澄は惚けた顔のまま、唇に笑みを浮かべた。
その後は、二人は時間いっぱいまで互いの体を触り合い、まるで恋人同士のように過ごした。
別れ際、ドアまで見送る香澄を名残惜しそうに抱き締める。
『また来てもいいか?』
『はい』
香澄が頷くと、男は頬にキスをして、満足そうに部屋を出て行った。
俺だったら、この後すぐに真顔になる。
次の客のことを考える。
けれど香澄はふらふらとベッドに戻った。
裸のまま、ベッドに仰向けに横たわる。
何を考えているのだろう、虚な目で下腹部の青い薔薇に触れる。
香澄はそのまま、天井を見上げる。
ふと、モニター越しに目があったような気がして、俺は慌ててモニターを切った。
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2024/01/31追記
本作品はキルキのオリジナル小説です。
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