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第3章 王座争奪戦
53話 期待の新生
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「雪夜お嬢様。お元気そうで何よりです」
「爺や! 来てくださってありがとうございます!」
大会3日目、爺やさんが現実世界から雪夜を応援しに来た。
「九重さま、フィアスさま、いつもお嬢様がお世話になっておりまする」
「いえいえ、こちらこそ」
俺とフィアスもその場に立ち合い、ペコリと頭を下げる。
「あの、お父様とお母様は……」
「申し訳ございません。旦那様方はどうしても都合がつけられず、本日の準決勝は現実世界からの観戦となりました。しかし、決勝の日は来れる可能性があるとのことで、お嬢様が決勝に進むようなことがあれば来られるかもしれません」
「そうなのですね。でしたら、ますますこの準決勝は負けられなくなりましたわ」
『Aブロック準決勝に出場する選手は、メイン会場の控室にお集まりください』
「では、行って参りますわ」
「はい。しっかりと応援させていただきまする」
「がんばれ、雪夜!」
「では九重さま。私も失礼いたします」
爺やさんは客席へと向かって行った。
「糸、出店回りしよ~!」
マイペースなフィアス軍曹は俺を呑気な遊びへと誘う。
「俺も午後から準決勝だし、午前中はチームのみんなとAブロックの準決勝を観戦するからだーめ」
「えーーー」
フィアス軍曹はトボトボと青月館へと帰って行った。
相変わらず大会には全く興味がないようだ。
◇◇◇
準決勝の模様が中継される樫木講堂。
1回戦とは比較にならないほどの大衆だ。
「あ、糸くん、こっちこっち!」
ほぼ満員の観客席の中、小雲先輩が呼んでくれる。
そこにはチーム27のみんながいて、俺の席も確保してくれていた。
「はい、糸くん、ホットドック買っといたよ。この人だかりやとホットドック1つ買うのも苦労するばい」
「え、いいんですか!?」
「もちろんや。私らの出番まであんま時間無いから昼ご飯食べられんけん、見ながら食べとき」
「ありがとうございます!」
開始時間が近づくと、場内に実況が流れ始めた。
『みなさんおはようございます。準決勝からは、実況がついちゃいます! 実況はわたくし【早口 響】とチューベローズの教授でワンディング部の顧問である【星野 勉】先生でお送りします。よろしくお願いします!』
『よろしくお願いします。楽しみですねぇ!』
『先生はワンディング部の顧問ということですが、準決勝に教え子も勝ち残っているんでしょうか?』
『教え子たちは1回戦でみんな負けちゃいましたねぇ!』
『そ、そうですか、あはは! では本日の対戦カードをご紹介いたします。本日は10時よりAブロック準決勝、14時よりBブロック準決勝が行われます。さてさて、まもなくAブロック準決勝の先鋒戦が始まります! 星野先生、先鋒戦で注目すべき点はどこでしょうか』
『やはりこの試合の鍵になるのは大将戦の時谷選手vs松蔭選手ですから、そこまでにどれだけポイントを稼げるかが非常に重要ですねぇ』
『時谷選手は入学して今まで一度もバッジを壊されたことがないという、紛れもないチャンピオンです! 時谷選手はこれまでに3度も王座を獲得しています。一方、松蔭選手は今年入学したのにも関わらず能力者ランキング5位となった期待の新生だ! チューベローズに吹いた新たな風が、時谷未来の連勝記録を阻むことはできるのか。大将戦、この二人の対決を見逃すな!! さて、先鋒戦の準備が完了したようです。中堅戦、大将戦に向けて良いバトンを繋ぐのは一体どこのチームなのか。大事な大事な先鋒戦、スタートォォォォ!!』
ビーーーーーーー!!!!!
ワァァァァァァァァァッ!!!!!!
先鋒戦、中堅戦と激しい争いが進んだ。
中堅戦が終わった段階での点数は以下のようになった。
【Aブロック準決勝】
チーム4 (赤):2 pt
チーム7 (白):2 pt
チーム11(青):4 pt
チーム15(黄):4 pt
『これはどうなんだ!? 時谷のいるチーム4と、松蔭のいるチーム7が共にまさかの最下位だ! 伏兵が超能力者を抑えて決勝へと進むか!?!?』
『チーム11と15は2位と3位を独占できれば、1位にならなくても決勝へ進めますねぇ!』
『一方で、チーム4とチーム7は少なくとも大将戦を制さなければ決勝へ進めません! さあ、ここで大将戦のオッズを見てみましょう!』
【Aブロック準決勝・大将戦、個人オッズ(単勝)】
時谷 未来(チーム4(赤)/6年/1位) :1.3
御節 陳子(チーム4(赤)/2年/ランキング圏外) :144.2
松蔭 雪夜(チーム7(白)/1年/5位) :5.8
御餅 珍子(チーム7(白)/3年/ランキング圏外) :144.9
澤城 紀章(チーム11(青)/5年/19位) :43.4
藍 蘭琉 (チーム11(青)/6年/ランキング圏外):137.9
熱久 慣代(チーム15(黄)/6年/26位) :37.9
旅岡 版 (チーム15(黄)/4年/ランキング圏外):155.2
『予想通り、時谷と松蔭が10倍を切る圧倒的2強の体制だ! 全てのチームに決勝進出の可能性が残された大将戦、一体どうなる!?』
会場の控室にて。
「松蔭、お前は天才だ。きっと時谷にも勝てるに違いない。頼んだぞ」
「雪夜ちゃんは1年生なのに誰よりも努力していたわ。きっと大丈夫よ!」
「先輩方、ありがとうございます。行って参ります」
白いバンダナとマントを纏った雪夜はゲートに送られ、待機する。
(人事は尽くしました。後は天命を待つだけですわ)
『フィールドがどこになるのかも注目です! それでは、お待たせしました。Aブロック準決勝、大将戦スタートです!!!』
「爺や! 来てくださってありがとうございます!」
大会3日目、爺やさんが現実世界から雪夜を応援しに来た。
「九重さま、フィアスさま、いつもお嬢様がお世話になっておりまする」
「いえいえ、こちらこそ」
俺とフィアスもその場に立ち合い、ペコリと頭を下げる。
「あの、お父様とお母様は……」
「申し訳ございません。旦那様方はどうしても都合がつけられず、本日の準決勝は現実世界からの観戦となりました。しかし、決勝の日は来れる可能性があるとのことで、お嬢様が決勝に進むようなことがあれば来られるかもしれません」
「そうなのですね。でしたら、ますますこの準決勝は負けられなくなりましたわ」
『Aブロック準決勝に出場する選手は、メイン会場の控室にお集まりください』
「では、行って参りますわ」
「はい。しっかりと応援させていただきまする」
「がんばれ、雪夜!」
「では九重さま。私も失礼いたします」
爺やさんは客席へと向かって行った。
「糸、出店回りしよ~!」
マイペースなフィアス軍曹は俺を呑気な遊びへと誘う。
「俺も午後から準決勝だし、午前中はチームのみんなとAブロックの準決勝を観戦するからだーめ」
「えーーー」
フィアス軍曹はトボトボと青月館へと帰って行った。
相変わらず大会には全く興味がないようだ。
◇◇◇
準決勝の模様が中継される樫木講堂。
1回戦とは比較にならないほどの大衆だ。
「あ、糸くん、こっちこっち!」
ほぼ満員の観客席の中、小雲先輩が呼んでくれる。
そこにはチーム27のみんながいて、俺の席も確保してくれていた。
「はい、糸くん、ホットドック買っといたよ。この人だかりやとホットドック1つ買うのも苦労するばい」
「え、いいんですか!?」
「もちろんや。私らの出番まであんま時間無いから昼ご飯食べられんけん、見ながら食べとき」
「ありがとうございます!」
開始時間が近づくと、場内に実況が流れ始めた。
『みなさんおはようございます。準決勝からは、実況がついちゃいます! 実況はわたくし【早口 響】とチューベローズの教授でワンディング部の顧問である【星野 勉】先生でお送りします。よろしくお願いします!』
『よろしくお願いします。楽しみですねぇ!』
『先生はワンディング部の顧問ということですが、準決勝に教え子も勝ち残っているんでしょうか?』
『教え子たちは1回戦でみんな負けちゃいましたねぇ!』
『そ、そうですか、あはは! では本日の対戦カードをご紹介いたします。本日は10時よりAブロック準決勝、14時よりBブロック準決勝が行われます。さてさて、まもなくAブロック準決勝の先鋒戦が始まります! 星野先生、先鋒戦で注目すべき点はどこでしょうか』
『やはりこの試合の鍵になるのは大将戦の時谷選手vs松蔭選手ですから、そこまでにどれだけポイントを稼げるかが非常に重要ですねぇ』
『時谷選手は入学して今まで一度もバッジを壊されたことがないという、紛れもないチャンピオンです! 時谷選手はこれまでに3度も王座を獲得しています。一方、松蔭選手は今年入学したのにも関わらず能力者ランキング5位となった期待の新生だ! チューベローズに吹いた新たな風が、時谷未来の連勝記録を阻むことはできるのか。大将戦、この二人の対決を見逃すな!! さて、先鋒戦の準備が完了したようです。中堅戦、大将戦に向けて良いバトンを繋ぐのは一体どこのチームなのか。大事な大事な先鋒戦、スタートォォォォ!!』
ビーーーーーーー!!!!!
ワァァァァァァァァァッ!!!!!!
先鋒戦、中堅戦と激しい争いが進んだ。
中堅戦が終わった段階での点数は以下のようになった。
【Aブロック準決勝】
チーム4 (赤):2 pt
チーム7 (白):2 pt
チーム11(青):4 pt
チーム15(黄):4 pt
『これはどうなんだ!? 時谷のいるチーム4と、松蔭のいるチーム7が共にまさかの最下位だ! 伏兵が超能力者を抑えて決勝へと進むか!?!?』
『チーム11と15は2位と3位を独占できれば、1位にならなくても決勝へ進めますねぇ!』
『一方で、チーム4とチーム7は少なくとも大将戦を制さなければ決勝へ進めません! さあ、ここで大将戦のオッズを見てみましょう!』
【Aブロック準決勝・大将戦、個人オッズ(単勝)】
時谷 未来(チーム4(赤)/6年/1位) :1.3
御節 陳子(チーム4(赤)/2年/ランキング圏外) :144.2
松蔭 雪夜(チーム7(白)/1年/5位) :5.8
御餅 珍子(チーム7(白)/3年/ランキング圏外) :144.9
澤城 紀章(チーム11(青)/5年/19位) :43.4
藍 蘭琉 (チーム11(青)/6年/ランキング圏外):137.9
熱久 慣代(チーム15(黄)/6年/26位) :37.9
旅岡 版 (チーム15(黄)/4年/ランキング圏外):155.2
『予想通り、時谷と松蔭が10倍を切る圧倒的2強の体制だ! 全てのチームに決勝進出の可能性が残された大将戦、一体どうなる!?』
会場の控室にて。
「松蔭、お前は天才だ。きっと時谷にも勝てるに違いない。頼んだぞ」
「雪夜ちゃんは1年生なのに誰よりも努力していたわ。きっと大丈夫よ!」
「先輩方、ありがとうございます。行って参ります」
白いバンダナとマントを纏った雪夜はゲートに送られ、待機する。
(人事は尽くしました。後は天命を待つだけですわ)
『フィールドがどこになるのかも注目です! それでは、お待たせしました。Aブロック準決勝、大将戦スタートです!!!』
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