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第3章 王座争奪戦
42話 今だけの時間
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次の日。
教室には死んだ顔の尻口くんと幸坂くんがいた。
「ど、どうしたの?二人とも……」
「ワンディングデジュウヨウナノハカハンシンノウゴキ……」ブツブツ
「ふふふ………呪いの力で王座を勝ち取るよお…………」
よっぽど先輩から厳しいご指導を受けたのだろう。
「あれっ! 糸くん、どうしてそんなお肌テカテカしてるでやんすか!?」
「はっはっは。それはね、昨晩はセトル・ブルーオーシャンでリッチな夜を過ごしたからだよ」
「はああああああ!?!? ずるいでやんす!! セトル・ブルーオーシャンって世界の名だたる高級ホテルにも引けを取らないって噂の寮でやんすよね!? おいらなんかセトル・ブラッディレッドのむさくるしい先輩の部屋で死ぬほど筋トレさせられたのに!!」
「ふふふふふ、糸くんは呪われたいのかなぁ?」
ガラガラ
「なんだお前ら。朝から騒々しいな。早く席に着け」
今日も通常通り授業が始まったのだが、いつにも増して授業中に寝ている人が多い。
みんな、ワンディングの特訓が大変なんだろう。
「俺も負けてられないぜ!」
みんなに負けないように、俺はぐうぐうと寝始めた。
…………
「いらっしゃいませ、何名様でしょうか」
食事街のファミレスでバイトをしている女の子がいる。
三橋さんだ。
「はい、カルボナーラ1人前ですね、少々お待ちください!」
カランカラン
「毎度ありがとうございました!」
「ふう、最後のお客さんも帰られたし、今日は店じまいとしようか」
「わかりました」
「それにしても、澪ちゃんがシフト入ってくれて本当に助かるよ。この王座戦の時期になると、バイトに来る学生さんも減っちゃって、人手が足りなくなるからね」
「いえいえ。……私なんか練習したところで、私は運動も苦手ですし、能力もありませんし、結局負けちゃうだけなので。それなら、こうやって誰かの役に立てる方が私も救われます」
「でも、本当にいいのかい? ここまでたくさんの人が注目する舞台なんて、そうそう無いもんだよ」
「……」
「ま、自分がしたいことをすればそれでいいんだ。どちらにせよ、俺は澪ちゃんを応援するぜ」
歓迎会で出会った時から感じていたが、三橋さんはずっと何かモヤモヤと悩んでいるように見える。まるで、何もかもを諦めてしまっているような、そんな感じ。
…………
「お前らァァァ!!! 起きんかァァァ!!!」
鬼島の怒号が鳴り響く。
「グッモーニンでやんす~」
「むにゃむにゃ……おはよぉ」
「何寝起きの挨拶しとるんだ! 今は授業中だ馬鹿たれども!!」
気が付くとクラスのほぼ全員がうつぶせになって寝ていた。
あの苺でさえ目をこすっている。
それより、今見た夢が本当だとすると、どうやら三橋さんはバイトがあるから練習に来ていないようだ。
◇◇◇
放課後。
「糸くん。こっちこっち」
菊音さんと愛さんが教室の脇から呼んでいる。
「菊音から聞いたよ。王座戦に向けて練習するから、活動はしばらくお休みしたいってこと。いいよ! 今から1カ月半、王座戦が終わるまでは自由活動にしよう。私も二人が王座を取るところを見たいしね。次元計の調査は私に任せておいて。王座は二人に任せた!」
「分かりました!」
「任せたって、愛も選手でしょうに」
「私のいるAブロックは時谷未来と松蔭雪夜がいるんだよ? 超能力者がいないBブロックの菊音達の方がまだ現実味あるって。がんばってね!」
菊音さんと第四運動場に向かった。
今日は昨日の4人に加え、下半身が食い込んだピッチピチのブルマ姿のジョニー先輩もいた。
「あれ、菊音ちゃんと糸くん、今日は用事があるんじゃ……」
「いえ、俺達も特訓させてください! 小雲先輩と一緒に王座を取りたいんです!」
「二人とも……ありがとう……!」
「さあ、今日も始めるぞ!」
昨日と同じメニュー。
一ノ瀬先輩の号令に合わせ、準備体操、ランニング、そしてダッシュ。
「はあ……はあ……終わった……」
「Oh……もう動けまセーン……」
フィジカルが自慢のジョニー先輩も、このメニューは相当応えたようだ。
「今日はここまでだ、お疲れさん!」
ジョニー先輩は上半身裸になり、セトル・ブラッディレッドへ帰っていく。
「あ、一ノ瀬先輩!」
「ん、九重か、どうした?」
「あの、五条先輩や三橋さんは二日とも来ていませんが、連れてきたりしなくていいんでしょうか。他のチームは結構強引に練習に連れ出してるみたいですし」
「そんな強引なやり方しても、お互いに良いことはない。去る者追わず、来る者拒まず。やる気がないなら無理にする必要はない」
一ノ瀬先輩のまっすぐした瞳から放たれた言葉は、俺には少し残酷に聞こえた。
そして一ノ瀬先輩が去っていった後、小雲先輩が歩み寄って来た。
「糸くん。そういえば、澪ちゃんと知り合いやったよね? 何か心当たりある?」
「心当たり……あ、はい! あります!」
俺は今日の授業中に見た夢の内容を話した。
「なるほど、南区域の食事街のファミレスでバイトしとるんか。ほんなら、行ってみよ!」
「えっ、今からですか!?」
ということで、昨日の三人でファミレスに行くことにした。
◇◇◇
「いらっしゃいませ、3名様ですか……って、え!?」
「こんにちは、三橋さん!」
「おや、澪ちゃんの知り合いかい? 今日はもうお客さん少ないし、澪ちゃんも上がっていいよ!」
「え!?……」
店長はグッドマークを作っているが、三橋さんは戸惑っている。
4人席に4人で座る。
「あの……練習に出ない私を怒りに来たんですか……?」
「全然違うばい。というかこんな遅くまでバイト頑張ってたんやね、偉いな」
「というか、どうして私がここでバイトしてるって知ってたんですか!?」
「え、糸くんに聞いたんけど」
「ま、まあ、それは置いといて食べましょうよ。俺もうお腹すいちゃって……」
店長がサービスしてくれた山盛りのご飯を食べる。
「ああ、おいしいっ! やっぱり特訓後のご飯は格別ですね!」
「そうね、特訓し始めてからなんだか目覚めがいい気がするの!」
俺と菊音さんは特訓の素晴らしさを強引にアピールする。
「こらっ、二人とも勧誘があからさますぎばい。……澪ちゃん、バイト大変やと思うけど、たまに気分転換にでも、顔出してくれたらそれだけで私達は嬉しいんや。せっかく同じチームになれたんやしな」
「……でも、私運動できないし、根性ないし、七道先輩や二宮さんみたいな能力もない。こんな私なんかが特訓しても惨めなだけですよ……」
「三橋先輩、私も相当運動苦手なのですが、昨日は8本でリタイアしちゃったダッシュを、今日はギリギリ10本走りきれたんです。苦手でもできるようになってくると、楽しさや嬉しさがありますよ」
「苦手でも……楽しい?」
「……澪ちゃん、バイトに入ってくれるのはすげえ嬉しいんだけど、きっと今は澪ちゃんにとって、1時間1000円以上の価値がある時間の使い方がある気がするんだ」
「店長……」
「店のことは心配しなくていい。俺、毎年ワンディングの試合を楽しみに観に行くんだけどさ、澪ちゃんのチーム、応援してえな」
「……分かりました。七道先輩、二宮さん、そして糸くん。私も、明日から一緒に練習してもいいでしょうか」
「もちろんや! ありがとう!!」
「店長。……私、どこまでできるか分からないけど、頑張ってみます!」
「ああ! 応援してるぜ!」
店長は今日のお代をサービスしてくれた。
教室には死んだ顔の尻口くんと幸坂くんがいた。
「ど、どうしたの?二人とも……」
「ワンディングデジュウヨウナノハカハンシンノウゴキ……」ブツブツ
「ふふふ………呪いの力で王座を勝ち取るよお…………」
よっぽど先輩から厳しいご指導を受けたのだろう。
「あれっ! 糸くん、どうしてそんなお肌テカテカしてるでやんすか!?」
「はっはっは。それはね、昨晩はセトル・ブルーオーシャンでリッチな夜を過ごしたからだよ」
「はああああああ!?!? ずるいでやんす!! セトル・ブルーオーシャンって世界の名だたる高級ホテルにも引けを取らないって噂の寮でやんすよね!? おいらなんかセトル・ブラッディレッドのむさくるしい先輩の部屋で死ぬほど筋トレさせられたのに!!」
「ふふふふふ、糸くんは呪われたいのかなぁ?」
ガラガラ
「なんだお前ら。朝から騒々しいな。早く席に着け」
今日も通常通り授業が始まったのだが、いつにも増して授業中に寝ている人が多い。
みんな、ワンディングの特訓が大変なんだろう。
「俺も負けてられないぜ!」
みんなに負けないように、俺はぐうぐうと寝始めた。
…………
「いらっしゃいませ、何名様でしょうか」
食事街のファミレスでバイトをしている女の子がいる。
三橋さんだ。
「はい、カルボナーラ1人前ですね、少々お待ちください!」
カランカラン
「毎度ありがとうございました!」
「ふう、最後のお客さんも帰られたし、今日は店じまいとしようか」
「わかりました」
「それにしても、澪ちゃんがシフト入ってくれて本当に助かるよ。この王座戦の時期になると、バイトに来る学生さんも減っちゃって、人手が足りなくなるからね」
「いえいえ。……私なんか練習したところで、私は運動も苦手ですし、能力もありませんし、結局負けちゃうだけなので。それなら、こうやって誰かの役に立てる方が私も救われます」
「でも、本当にいいのかい? ここまでたくさんの人が注目する舞台なんて、そうそう無いもんだよ」
「……」
「ま、自分がしたいことをすればそれでいいんだ。どちらにせよ、俺は澪ちゃんを応援するぜ」
歓迎会で出会った時から感じていたが、三橋さんはずっと何かモヤモヤと悩んでいるように見える。まるで、何もかもを諦めてしまっているような、そんな感じ。
…………
「お前らァァァ!!! 起きんかァァァ!!!」
鬼島の怒号が鳴り響く。
「グッモーニンでやんす~」
「むにゃむにゃ……おはよぉ」
「何寝起きの挨拶しとるんだ! 今は授業中だ馬鹿たれども!!」
気が付くとクラスのほぼ全員がうつぶせになって寝ていた。
あの苺でさえ目をこすっている。
それより、今見た夢が本当だとすると、どうやら三橋さんはバイトがあるから練習に来ていないようだ。
◇◇◇
放課後。
「糸くん。こっちこっち」
菊音さんと愛さんが教室の脇から呼んでいる。
「菊音から聞いたよ。王座戦に向けて練習するから、活動はしばらくお休みしたいってこと。いいよ! 今から1カ月半、王座戦が終わるまでは自由活動にしよう。私も二人が王座を取るところを見たいしね。次元計の調査は私に任せておいて。王座は二人に任せた!」
「分かりました!」
「任せたって、愛も選手でしょうに」
「私のいるAブロックは時谷未来と松蔭雪夜がいるんだよ? 超能力者がいないBブロックの菊音達の方がまだ現実味あるって。がんばってね!」
菊音さんと第四運動場に向かった。
今日は昨日の4人に加え、下半身が食い込んだピッチピチのブルマ姿のジョニー先輩もいた。
「あれ、菊音ちゃんと糸くん、今日は用事があるんじゃ……」
「いえ、俺達も特訓させてください! 小雲先輩と一緒に王座を取りたいんです!」
「二人とも……ありがとう……!」
「さあ、今日も始めるぞ!」
昨日と同じメニュー。
一ノ瀬先輩の号令に合わせ、準備体操、ランニング、そしてダッシュ。
「はあ……はあ……終わった……」
「Oh……もう動けまセーン……」
フィジカルが自慢のジョニー先輩も、このメニューは相当応えたようだ。
「今日はここまでだ、お疲れさん!」
ジョニー先輩は上半身裸になり、セトル・ブラッディレッドへ帰っていく。
「あ、一ノ瀬先輩!」
「ん、九重か、どうした?」
「あの、五条先輩や三橋さんは二日とも来ていませんが、連れてきたりしなくていいんでしょうか。他のチームは結構強引に練習に連れ出してるみたいですし」
「そんな強引なやり方しても、お互いに良いことはない。去る者追わず、来る者拒まず。やる気がないなら無理にする必要はない」
一ノ瀬先輩のまっすぐした瞳から放たれた言葉は、俺には少し残酷に聞こえた。
そして一ノ瀬先輩が去っていった後、小雲先輩が歩み寄って来た。
「糸くん。そういえば、澪ちゃんと知り合いやったよね? 何か心当たりある?」
「心当たり……あ、はい! あります!」
俺は今日の授業中に見た夢の内容を話した。
「なるほど、南区域の食事街のファミレスでバイトしとるんか。ほんなら、行ってみよ!」
「えっ、今からですか!?」
ということで、昨日の三人でファミレスに行くことにした。
◇◇◇
「いらっしゃいませ、3名様ですか……って、え!?」
「こんにちは、三橋さん!」
「おや、澪ちゃんの知り合いかい? 今日はもうお客さん少ないし、澪ちゃんも上がっていいよ!」
「え!?……」
店長はグッドマークを作っているが、三橋さんは戸惑っている。
4人席に4人で座る。
「あの……練習に出ない私を怒りに来たんですか……?」
「全然違うばい。というかこんな遅くまでバイト頑張ってたんやね、偉いな」
「というか、どうして私がここでバイトしてるって知ってたんですか!?」
「え、糸くんに聞いたんけど」
「ま、まあ、それは置いといて食べましょうよ。俺もうお腹すいちゃって……」
店長がサービスしてくれた山盛りのご飯を食べる。
「ああ、おいしいっ! やっぱり特訓後のご飯は格別ですね!」
「そうね、特訓し始めてからなんだか目覚めがいい気がするの!」
俺と菊音さんは特訓の素晴らしさを強引にアピールする。
「こらっ、二人とも勧誘があからさますぎばい。……澪ちゃん、バイト大変やと思うけど、たまに気分転換にでも、顔出してくれたらそれだけで私達は嬉しいんや。せっかく同じチームになれたんやしな」
「……でも、私運動できないし、根性ないし、七道先輩や二宮さんみたいな能力もない。こんな私なんかが特訓しても惨めなだけですよ……」
「三橋先輩、私も相当運動苦手なのですが、昨日は8本でリタイアしちゃったダッシュを、今日はギリギリ10本走りきれたんです。苦手でもできるようになってくると、楽しさや嬉しさがありますよ」
「苦手でも……楽しい?」
「……澪ちゃん、バイトに入ってくれるのはすげえ嬉しいんだけど、きっと今は澪ちゃんにとって、1時間1000円以上の価値がある時間の使い方がある気がするんだ」
「店長……」
「店のことは心配しなくていい。俺、毎年ワンディングの試合を楽しみに観に行くんだけどさ、澪ちゃんのチーム、応援してえな」
「……分かりました。七道先輩、二宮さん、そして糸くん。私も、明日から一緒に練習してもいいでしょうか」
「もちろんや! ありがとう!!」
「店長。……私、どこまでできるか分からないけど、頑張ってみます!」
「ああ! 応援してるぜ!」
店長は今日のお代をサービスしてくれた。
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