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第2章 劣等生
29話 退部ツアー
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翌日の放課後。
本来火曜日は異探サークルがあるが、今日は愛さんがノートの解析を進めているためお休み。
というわけで、雪夜のサークル退部ツアーについてきていた。
「なにぃ!? 松蔭がパワフル野球部を辞めるぅ!?」
「はい! すみません! 俺の赤点回避のために、雪夜は部活を辞めます!」
「お前の赤点なんぞどうでもいいんだよ!!! ほ、本当なのか、松蔭……?」
「……はい。色々ご指導いただいたのに申し訳ございません」
「だめ……っ! だめだ、それは許さん!! どうしてもというならば、一打席勝負で勝ってみろ!」
「なんだって!? そんなの、野球初心者のこっちが不利じゃないか!」
「くくく……。さあどうする、松蔭。ルールはお互いがピッチャーと打者を交互に行い、塁打数の多い方が勝ち! つまり、松蔭が二塁打で、俺がホームランなら俺の勝ち。どっちもアウトや同じ塁打数の場合はやり直しだ」
「……分かりましたわ。では、まずは私がピッチャーをいたしますわ」
「おい、大丈夫かよ雪夜! 相手は6年生だぞ!」
「構いませんわ。この方が分かり易いですし、スッキリしますわ」
「よし、決まりだ!! 俺達が勝てば、松蔭はパワフル野球部を辞めない! 約束だぞ!」
「はい」
「おい! あの松蔭雪夜とパワフル野球部のキャプテンが勝負するらしいぜ!」がやがや
「面白そう! 見に行こうよ!」がやがや
いつのまにかギャラリーが増えていた。
「プレイボール!!」
守備には部員がついている。
雪夜がピッチャーマウンドへ上がり、プレートを足で払う。
振りかぶって、めいいっぱい第一球を投げた。
シュルルルル……スパーン!!!
「ボール」
わずかに外。
それにしても……!!
「は、速え……」ざわざわ
「あれ、一年生ってマジかよ……。しかも女子だぜ……」ざわざわ
雪夜は第二球を投げた。
シュルルルル……!!
「ふっ、やっぱり、お前は天才だな、松蔭。その才能を生かさなきゃ勿体ないぜ!!」
カキ―――ン!!!!
「あっ!!!」
打球はレフト線へ向かって鋭く伸びてゆく。
スッ……!!
「ファ、ファ―――ル!!」
ポールのわずかに左のスタンドへ吸い込まれていった。
「あ、あぶねえ……! もう数十 cm右だったらホームランだったぞ……!」
「タイムですわ。キャッチャー、ちょっと来てくださいまし」
雪夜がマウンドへキャッチャーを呼ぶ。
一体何を話しているんだろう。
「あの、ビュンって曲がったりする球はどうやったら投げられますの?」
「えっ? 変化球のことか? そりゃ、一日二日で投げられるようになるのは無理だぜ松蔭ちゃん」
「難しいんですのね。でも、簡単なものでいいんですの、このままじゃ打たれてしまいますわ!」
「簡単な変化球……? うーん、じゃあ、次投げるとき、こうやって人差し指と中指でボールを挟むようにして何も考えずに投げてごらん」
「こう、ですの?」
「そうそう」
キャッチャーが戻っていく。
雪夜は振りかぶり、第三球を投げた。
スポ――――ン!!!
ボールは雪夜の指からすっぽ抜け、打者の頭の上を通り越していった。
「ボール!!!」
大暴投だ。
「やっぱりいきなりは無理かあ……」
「おいキャッチャー! お前何か雪夜に吹き込んだだろ!」
「糸、待ってください。今ので掴めましたわ」
「えっ……?」
「こうやって、指で強く挟んで、抜くようにして投げれば……!!」
雪夜は第四球を投げた。
シュルル……!!
今度はストライクゾーンへとボールが吸い込まれてゆく。
「甘い!! 真ん中だぜ!!」
バッターが勢いよくスイングをすると……
ククッ!!!
スパ――――ン!!!!
バットは空を切った。
「ストライクツー!!!」
「お、落ちた!!!!」
「これは、フォークか!!?」
「マジかよ……。松蔭のやつ、たった二球で完璧なフォークを身につけやがった!!」
「なんてやつだ……。だがストライクはあと一つ残されている!」
雪夜は第五球を投げた。
シュルルルル……!!!
「な……うぎゃあああああああああ!!!」
スパ――――ン!!!!
「ス、ストライク!! バッターアウトォ!!!」
バッターはスイングもできなかった。
「今、一体何が……!?」
「一瞬……黒いモヤモヤに襲われるような感覚になった……!! まさか……使ってきたのか……【闇の次元】を!!」
雪夜はあの事件以来杖を携帯し、【闇の次元】を制御するための努力を重ねてきた。
そして、今では小さな闇であれば杖無しでも自在に操れるようになったという。
「だが、まだ俺が抑えれば延長戦だ。パワフル野球部ではこんなことができるんだぜ!! イリュージョンボール!!!」
先輩がボールを投げると、どういう手を使ったのか、ボールが三つに分身した。
カキ―――――ン!!!!
しかし、雪夜は【闇の次元】で本物と偽物を簡単に見抜き、本物のボールをかっ飛ばした。
ストン……!!
ボールはスタンドへ放り込まれた。
「ほ、ホームランだあああ!!!」
「一発かよ、すげえええええええええ!!!」
「完全決着だな!!!」
パチパチパチ!!!
パワフル野球部は名残惜しそうに、雪夜を諦めた。
そして、これをきっかけに、その他の部にも退部を宣告すると、次々と勝負が始まった。
ギャラリーもどんどん増えてくる。
いつの間にか、受けて立つ方も楽しんでいる様子だった。
ミラクルバスケットボール部のエースとの1 on 1。
超次元サッカー部のキャプテンとのPK戦。
オカルト麻雀部の大将との東風戦、などなど。
雪夜は次から次へと各部の代表を撃破していった。
「ま、参りました……!」
「うおおおおおおお!! 松蔭勝ったあああ!!!」
「すげえええええ!!!!」
最後の部である立体将棋部の主将を詰みに追い込み、全ての部の退部が完了した。
「やっぱり松蔭は部活に縛られないのがいいな」
「松蔭さんはみんなのものだ!!」
この一件で雪夜は無責任に退部したというレッテルを貼られることはなく、ますます名実、人気ともに学校の中心へと君臨することとなった。
◇◇◇
そして、水曜日の放課後。
俺は雪夜の部屋で勉強をしている。
「新聞部の新聞にもでかでかと出ていたよ。松蔭雪夜は何部にも属さない、全校生徒のものだって。だんだんと雪夜が遠い存在になっちゃうなあ……」
「あら? 私は全校生徒のものになんてなったつもりはありませんわよ?」
「えっ?」
「さ、勉強を進めてくださいまし!」
雪夜は笑って勉強を教えてくれた。
本来火曜日は異探サークルがあるが、今日は愛さんがノートの解析を進めているためお休み。
というわけで、雪夜のサークル退部ツアーについてきていた。
「なにぃ!? 松蔭がパワフル野球部を辞めるぅ!?」
「はい! すみません! 俺の赤点回避のために、雪夜は部活を辞めます!」
「お前の赤点なんぞどうでもいいんだよ!!! ほ、本当なのか、松蔭……?」
「……はい。色々ご指導いただいたのに申し訳ございません」
「だめ……っ! だめだ、それは許さん!! どうしてもというならば、一打席勝負で勝ってみろ!」
「なんだって!? そんなの、野球初心者のこっちが不利じゃないか!」
「くくく……。さあどうする、松蔭。ルールはお互いがピッチャーと打者を交互に行い、塁打数の多い方が勝ち! つまり、松蔭が二塁打で、俺がホームランなら俺の勝ち。どっちもアウトや同じ塁打数の場合はやり直しだ」
「……分かりましたわ。では、まずは私がピッチャーをいたしますわ」
「おい、大丈夫かよ雪夜! 相手は6年生だぞ!」
「構いませんわ。この方が分かり易いですし、スッキリしますわ」
「よし、決まりだ!! 俺達が勝てば、松蔭はパワフル野球部を辞めない! 約束だぞ!」
「はい」
「おい! あの松蔭雪夜とパワフル野球部のキャプテンが勝負するらしいぜ!」がやがや
「面白そう! 見に行こうよ!」がやがや
いつのまにかギャラリーが増えていた。
「プレイボール!!」
守備には部員がついている。
雪夜がピッチャーマウンドへ上がり、プレートを足で払う。
振りかぶって、めいいっぱい第一球を投げた。
シュルルルル……スパーン!!!
「ボール」
わずかに外。
それにしても……!!
「は、速え……」ざわざわ
「あれ、一年生ってマジかよ……。しかも女子だぜ……」ざわざわ
雪夜は第二球を投げた。
シュルルルル……!!
「ふっ、やっぱり、お前は天才だな、松蔭。その才能を生かさなきゃ勿体ないぜ!!」
カキ―――ン!!!!
「あっ!!!」
打球はレフト線へ向かって鋭く伸びてゆく。
スッ……!!
「ファ、ファ―――ル!!」
ポールのわずかに左のスタンドへ吸い込まれていった。
「あ、あぶねえ……! もう数十 cm右だったらホームランだったぞ……!」
「タイムですわ。キャッチャー、ちょっと来てくださいまし」
雪夜がマウンドへキャッチャーを呼ぶ。
一体何を話しているんだろう。
「あの、ビュンって曲がったりする球はどうやったら投げられますの?」
「えっ? 変化球のことか? そりゃ、一日二日で投げられるようになるのは無理だぜ松蔭ちゃん」
「難しいんですのね。でも、簡単なものでいいんですの、このままじゃ打たれてしまいますわ!」
「簡単な変化球……? うーん、じゃあ、次投げるとき、こうやって人差し指と中指でボールを挟むようにして何も考えずに投げてごらん」
「こう、ですの?」
「そうそう」
キャッチャーが戻っていく。
雪夜は振りかぶり、第三球を投げた。
スポ――――ン!!!
ボールは雪夜の指からすっぽ抜け、打者の頭の上を通り越していった。
「ボール!!!」
大暴投だ。
「やっぱりいきなりは無理かあ……」
「おいキャッチャー! お前何か雪夜に吹き込んだだろ!」
「糸、待ってください。今ので掴めましたわ」
「えっ……?」
「こうやって、指で強く挟んで、抜くようにして投げれば……!!」
雪夜は第四球を投げた。
シュルル……!!
今度はストライクゾーンへとボールが吸い込まれてゆく。
「甘い!! 真ん中だぜ!!」
バッターが勢いよくスイングをすると……
ククッ!!!
スパ――――ン!!!!
バットは空を切った。
「ストライクツー!!!」
「お、落ちた!!!!」
「これは、フォークか!!?」
「マジかよ……。松蔭のやつ、たった二球で完璧なフォークを身につけやがった!!」
「なんてやつだ……。だがストライクはあと一つ残されている!」
雪夜は第五球を投げた。
シュルルルル……!!!
「な……うぎゃあああああああああ!!!」
スパ――――ン!!!!
「ス、ストライク!! バッターアウトォ!!!」
バッターはスイングもできなかった。
「今、一体何が……!?」
「一瞬……黒いモヤモヤに襲われるような感覚になった……!! まさか……使ってきたのか……【闇の次元】を!!」
雪夜はあの事件以来杖を携帯し、【闇の次元】を制御するための努力を重ねてきた。
そして、今では小さな闇であれば杖無しでも自在に操れるようになったという。
「だが、まだ俺が抑えれば延長戦だ。パワフル野球部ではこんなことができるんだぜ!! イリュージョンボール!!!」
先輩がボールを投げると、どういう手を使ったのか、ボールが三つに分身した。
カキ―――――ン!!!!
しかし、雪夜は【闇の次元】で本物と偽物を簡単に見抜き、本物のボールをかっ飛ばした。
ストン……!!
ボールはスタンドへ放り込まれた。
「ほ、ホームランだあああ!!!」
「一発かよ、すげえええええええええ!!!」
「完全決着だな!!!」
パチパチパチ!!!
パワフル野球部は名残惜しそうに、雪夜を諦めた。
そして、これをきっかけに、その他の部にも退部を宣告すると、次々と勝負が始まった。
ギャラリーもどんどん増えてくる。
いつの間にか、受けて立つ方も楽しんでいる様子だった。
ミラクルバスケットボール部のエースとの1 on 1。
超次元サッカー部のキャプテンとのPK戦。
オカルト麻雀部の大将との東風戦、などなど。
雪夜は次から次へと各部の代表を撃破していった。
「ま、参りました……!」
「うおおおおおおお!! 松蔭勝ったあああ!!!」
「すげえええええ!!!!」
最後の部である立体将棋部の主将を詰みに追い込み、全ての部の退部が完了した。
「やっぱり松蔭は部活に縛られないのがいいな」
「松蔭さんはみんなのものだ!!」
この一件で雪夜は無責任に退部したというレッテルを貼られることはなく、ますます名実、人気ともに学校の中心へと君臨することとなった。
◇◇◇
そして、水曜日の放課後。
俺は雪夜の部屋で勉強をしている。
「新聞部の新聞にもでかでかと出ていたよ。松蔭雪夜は何部にも属さない、全校生徒のものだって。だんだんと雪夜が遠い存在になっちゃうなあ……」
「あら? 私は全校生徒のものになんてなったつもりはありませんわよ?」
「えっ?」
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